2007年12月5日水曜日

空白の叫び 貫井 徳郎

暗い、暗い、暗い。。

テンポもよく、いろんな内容が盛りだくさんで、一見
の典型的ないい作品だけど、報われず、救われず、スカッともせず。。

3人の少年の話が、それぞれ賞を取れるぐらいに内容が濃い話で
それらが独立しつつも、絡み合い、そして事件を起こしていく内容。

3人の話一つ一つが、東野先生の「手紙」レベルの内容になっている。


グロってわけじゃないけど、小説を楽しく読みたい人にはお勧めしません。
小説としての価値というか、読み応えは満点なんだけどなああ。。。

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出版社 / 著者からの内容紹介
少年院を出た彼は本当に更正できたのか

久藤美也は自分の容姿や頭脳が凡庸なことを嫌悪している。頭脳は明晰、経済的にも容姿にも恵まれている葛城拓馬だが、決して奢ることもなく常に冷静で淡々としている。神原尚彦は両親との縁が薄く、自分の境遇を不公平と感じている。〈上巻〉第一部ではこの3人の中学生が殺人者になるまでを、その内面を克明にたどりながら描く。その3人が同じ少年院に収容されて出会うのが第二部。過酷で陰湿な仕打ちで心が壊されていく中、3人の間には不思議な連帯感が生まれる。〈下巻〉第三部。少年院を退院した彼らはそれぞれ自分の生活を取り戻そうとするが、周囲の目は冷たく、徐々に行き場をなくしていく。そして、再び3人が出会う日がくる。 少年犯罪を少年の視点から描いた、新機軸のクライムノベル。

2007年12月4日火曜日

制服捜査 佐々木 譲

本格的な、警察暗部系の作品。
横山作品より庶民よりで、さらに暗部の覗き見も楽しめる。

主人公も魅力的で、続編が期待できる作品である。
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内容(「BOOK」データベースより)
警察官人生二十五年。不祥事をめぐる玉突き人事のあおりで、強行犯係の捜査員から一転、単身赴任の駐在勤務となった巡査部長の川久保。「犯罪発生率、管内最低」の健全な町で、川久保が目撃した荒廃の兆し、些細な出来事。嗅ぎつけた“過去の腐臭”とは…。捜査の第一線に加われない駐在警官の刑事魂が、よそ者を嫌う町の犯罪を暴いていく、本物の警察小説。

2007年12月1日土曜日

顔のない敵 石持 浅海

戦争もの短編集だけど、何気に薄く全てがつながっていて
ビジネス面から見ても面白い作品。

単なる戦争ひどい系じゃなく、NPO内のしがらみや戦争後の
いざこざなど、面白い側面からの作品になっている。

戦争ものがあきつつも、本格ものが楽しみたい人に。
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内容(「BOOK」データベースより)
1993年、夏。カンボジア、バッタンバン州。地雷除去NGOのスタッフ・坂田洋は、同僚のアネット・マクヒューと、対人地雷の除去作業をつづけていた。突然の爆発音が、カンボジアの荒れ地に轟く。誰かが、地雷を踏んだのだ!現地に駆けつけた坂田とアネットは、頭部を半分吹き飛ばされたチュオン・トックの無惨な死体に、言葉を失った。チュオンは、なぜ、地雷除去のすんでいない立入禁止区域に踏み入ったのか?そして、これは、純然たる事故なのか?坂田の推理が地雷禍に苦しむカンボジアの哀しい「現実」を明らかにする―。表題作を含め、「対人地雷」をテーマにした、石持浅海の原点ともいうべきミステリー6編と、処女作短編で編まれたファン待望の第一短編集。