2012年12月28日金曜日

ズタボロ ゲッツ板谷


まあ、むちゃくちゃな痛快小説という体。
内容はさておき、映画にしやすいなーという感想くらいか。。

内容(「BOOK」データベースより)
完全無欠の絆を誇ったオレたち「錦組」も中学を卒業し、晴れて地元最凶の暴走族へ。しかし、先輩のしごきはあまりに理不尽で厳しく、堅い絆で結ばれた友もついに耐えきれず転校してしまう。悩み抜いたオレは、友情を取り戻すためヤクザの叔父に弟子入りして報復を誓う。そんなオレをさらにメタメタにする事件の数々が降りかかってくる―。


2012年12月27日木曜日

謀略 警視庁追跡捜査係  堂場 瞬一

展開は引き込まれるが、主人公の熱意というか対立のところがいまひとつ理解できず
感情移入がしにくい。

もっと分かりやすい対立軸があったほうがエンタメとしてはよかったかも。


内容紹介
発売日: 2012/1/15
都内の運河沿いで、帰宅途中のOLが強盗に襲われ、殺害される事件が連続して起きた。 二つの事件は手口や状況が似通っており、捜査本部も連続殺人としての見方を強めていた。 しかし、通り魔の犯行なのか、犯人への手掛かりが少なく、捜査は膠着しはじめる。 追跡捜査係の西川と沖田は、捜査本部から嫌厭されながらも、事件に着手。 冷静な西川がかつてないほど捜査に執念を見せ、事件の共通点に気付くが・・・・・。書き下ろし警察小説。



2012年12月24日月曜日

捌き屋―企業交渉人 鶴谷康 浜田 文人

面白いことは面白いけど、テーマというか深みがあまりなく
サクサク読めた割にはドスンとこなかった。
それが目的じゃないけど、物足りなさが残る。

主人公や戦い方などは面白いので、もう一声。
シリーズものなので、もう一回違う回で試してみよう。

内容(「BOOK」データベースより)
企業間のトラブル処理を極秘裏に請負う人間を、関西では「捌き屋」と呼ぶ。鶴谷康は絶対不可能と言われた難題を、あらゆる情報網を駆使しながら土壇場でひっくり返すことで有名な凄腕の捌き屋だ。今回彼に舞い込んだのは、神奈川県の下水処理場にまつわる政財界を巻き込んだ受注トラブルの処理。一匹浪の彼は、難攻不落の壁を突き破れるのか。



2012年12月22日土曜日

インシデント 悪女たちのメス 秦 建日子

うーん、、、分かりづらい。。
専門的な意味はさておき、文体というか展開がいまひとつついていけず
視点の置き場に困った。
なんで、内容がなかなか頭に入っていかず、結果心オチがないままに。

内容(「BOOK」データベースより)
女子高生のさやかは、脳機能iPS細胞再生術を用いた世界初の脳外科手術を受ける。執刀医は、日本随一のオペ技術を持つ天才女医・檜山冬実。しかし、誰もが手術の成功を確信する中、悲劇は起きた。それは医療事故だったのか、それとも罠なのか。現代医療の矛盾に迫る緊迫の医療ミステリー。文庫書下ろし。


2012年12月21日金曜日

一匹羊 山本幸久

やばい、、面白いイメージはあるんだけど、まったく内容の
記憶がない。。
また借ります。。


内容紹介
発売日: 2011/10/18
将来に漠然と不安を抱えている家具売場で働く女性が、同僚の年下男性が気になるころ、売場にかつての恋人がやってきて……(「踊り場で踊る」)。縫製工場に勤める大神は、若いころと違って事なかれ主義で働いていた。そこに、中学生たちが職場体験でやって来て……(「一匹羊」)。「一人」を主なテーマにした人間の悲哀を凝縮させた短編集。オリジナル1篇を収録予定。


2012年12月18日火曜日

かわいそうだね? 綿矢 りさ

これ、読むの2回目のような。。
女性の心のひだというか怖い部分をどんどんだしていって
成長するにしたがい、それがそんなに怖くない部分だと知る。

共感がもてるかどうかはさておき、男性目線だと
あほだなー
って感じる登場人物多し。

内容(「BOOK」データベースより)
同情は美しい、それとも卑しい?美人の親友のこと、本当に好き?誰もが心に押しこめている本音がこぼれる瞬間をとらえた二篇を収録。デビューから10年、綿矢りさが繰り広げる愛しくて滑稽でブラックな“女子”の世界。


2012年12月17日月曜日

夜行観覧車 湊 かなえ

相変わらず面白いけど、ドスンとくる感動や衝撃はないです。
湊先生がさくっと書いたなあ、という感じです。
ただ、決して文体が軽いとか内容が薄いという意味ではなく
どうしても他の衝撃的なオチや展開が記憶に残り、過大な期待
をしている、というレベルです。

ただ、、ラストはやっぱり トスン くらいの驚きはあります。



内容紹介
発売日: 2010/6/2
父親が被害者で母親が加害者--。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。


2012年12月13日木曜日

黄昏に佇む君は 篠田 真由美

最初の数十ページで辞めてしまった・・
ごめんなさい。リズムと書き方が自分には合いませんでした。。


内容説明
神代教授の大学時代、そこで出会った美少年とともに「事件」に巻き込まれてゆく。
贋作騒動、兄弟殺し、そして神代宗自身の謎。
封印されてきた過去がここに甦る。
「建築探偵」シリーズ外伝が書き下ろしで登場!



2012年12月11日火曜日

 不祥事  池井戸 潤

この主人公の女性がものすごく魅力的でそれだけでぐいぐい読み進めてしまう。
ネタもちょとした推理小説みたいな見せ方もあり、ビジネスあり、企業ネタありと
盛りだくさんで大満足な展開です。
ドラマ化するだろうなあ。。。


内容(「BOOK」データベースより)
ベテラン女子行員はコストだよ―そう、うそぶく石頭の幹部をメッタ斬るのは、若手ホープの“狂咲”こと花咲舞。トラブルを抱えた支店を回って業務改善を指導する花咲は、事務と人間観察の名手。歯に衣着せぬ言動で、歪んだモラルと因習に支配されたメガバンクを蹴り上げる!新ヒロインの活躍が痛快なオフィス名編集。


2012年12月10日月曜日

フェイク  楡 周平

今回は、、ネタもありがち、展開もありが立ちなので,完全にリズムと慣れ
で最後まで持っていった感。

視点もママにおくのかボーイにおくのかちと迷っているかと。


内容紹介
発売日: 2006/08
コミカルタッチの拝金小説
大学を卒業したものの内定をもらえず、銀座のクラブ「クイーン」でボーイとして働き始めた陽一。多額の借金を返済するため、世間を欺き、大金を手中に収めようとするが・・・。コミカルタッチの拝金小説。


2012年12月9日日曜日

限界集落株式会社 黒野 伸一

これは、前評判どおり面白い。

参加した若者が目覚めていき、立派に成長していく過程と
アニメ系が爆発するのはちと疑問だけど、ドラマ向きで
リズムもよく、さくさく読めてさらにためになる。

この手のビジネスというか出世系というか、建て直し
小説が好きなひとはぜひ。


内容説明
ルールは変わった。新しい公共がここに!

「限界集落」、「市町村合併」、「食糧危機」、「ワーキングプア」、「格差社会」などなど日本に山積する様々な問題を一掃する、前代未聞! 逆転満塁ホームランの地域活性エンタテインメント!!
起業のためにIT企業を辞めた多岐川優が、人生の休息で訪れた故郷は、限界集落と言われる過疎・高齢化のため社会的な共同生活の維持が困難な土地だった。優は、村の人たちと交流するうちに、集落の農業経営を担うことになる。現代の農業や地方集落が抱える様々な課題、抵抗勢力と格闘し、限界集落を再生しようとするのだが……。
ルールは変わった!
老人、フリーター、ホステスに犯罪者? かつての負け組たちが立ち上がる!!ベストセラー『万寿子さんの庭』の黒野伸一が、真正面からエンタテインメントに挑んだ最高傑作! 新しい公共がここにある。



2012年12月1日土曜日

アウト & アウト  木内 一裕

前のシリーズが面白かったので期待大で借りました。
結果大満足。
キャラクタの魅力もありますが、それ以上のリズムと筆力がいい。
ネタや展開はありがちだけど、筆力でもっていっている感じ。



内容説明
探偵見習いで元ヤクザ。矢能(やの)が呼び出された先で出くわしたのは、死体となった依頼主と妙な覆面を被った若い男。図らずも目撃者となり、窮地に追い込まれた矢能。しかし覆面男は意外な方法で彼を解放した。これが周到に用意した殺人計画の唯一の誤算になることも知らずに。最も危険な探偵の反撃が始まる。(講談社文庫)


2012年11月29日木曜日

ブラバン  津原 泰水 (著)

もう年を食った人が過去を思い出しながら物語が進んでいくけど、そのどちらの
シーンでも楽しめて、複合的に話しが出てくるのでシーンごとに感動がある。

決してご都合主義的な落ちでもなく、現実な生活に沿いつつ、夢を見させてくれる
ラストになっている。

一九八〇年、吹奏楽部に入った僕は、管楽器の群れの中でコントラバスを弾きはじめた。ともに曲をつくり上げる喜びを味わった。忘れられない男女がそこにいた。高校を卒業し、それぞれの道を歩んでゆくうち、いつしか四半世紀が経過していた――。ある日、再結成の話が持ち上がる。かつての仲間たちから、何人が集まってくれるのだろうか。ほろ苦く温かく奏でられる、永遠の青春組曲。


2012年11月25日日曜日

異端の大義〈下〉   楡 周平

一応、下巻も。
この下巻がすかっとする展開で、ちょっとうらやましいとの、ないな~と思うのと
ダブルでした。
特に引き抜きされるところと成功するところは、ご都合的な。。


内容紹介
発売日: 2009/3/28
新天地・中国での挑戦──。工場の閉鎖業務を進める中、解雇に絶望した従業員が自殺した。その対応を巡って、上層部は保身に走り、高見をさらに子会社へと追いやる。癌を患っていた父親を亡くし、転職を決意した高見は、欧州電機メーカー・カイザーの上級幹部に能力を見込まれ、中国という巨大市場の開拓へと邁進する。激動する国際経済と国内製造業の現実を描き切った経済大河巨篇。



2012年11月24日土曜日

異端の大義〈上〉 楡 周平

読み応えと先の展開が読めずワクワクドキドする流れでした。
特にビジネスの人間関係の怖さが生々しくよくあるな~、これ、という
シーンがてんこ盛り。


内容紹介
発売日: 2009/3/28
シリコンバレーからの帰還──。世界有数の大手電機メーカー・東洋電器産業の高見龍平は、米国の半導体開発部門撤退という大任を果たして帰国した。長い海外勤務から戻った彼の目を驚かせたのは、創業者一族とその取り巻きによる恣意と保身の横行。入社同期で一族に連なる人事本部長へ直言するが、それが仇となる。高見は、工場閉鎖という過酷なリストラ業務を命じられてしまった。


2012年11月23日金曜日

東京ポロロッカ 原宏一

最初のどうでもいい噂話がどんどん転がっていろんな人を巻き込んでいく。
たまたまこのネタの近くに住んでいたことがあったので
人事じゃなく、身近で面白くも読めた。

どちらかというと家族や再生をメインで進んでいるので
そこを面白く思うべきだけど、そこは薄かった・・


内容紹介
発売日: 2011/11/18
町工場の社長さん、田園調布のお手伝いさん、リバーサイドマンションに住むシングルマザー、駆け落ち夫婦…さまざまな人々が暮らす町を今日も滔々と流れる多摩川。南米アマゾン川の「ポロロッカ」のように、その「多摩川が大逆流する」という奇怪な噂が広がっていく。無責任な噂に翻弄され気づかされたのは、人と人が繋がっているということ。いま改めて「家族の絆」を見つめ直す。小さな幸せを描く原宏一が贈る、七つのヒューマンストーリー。


2012年11月21日水曜日

ラーメン二郎にまなぶ経営学   牧田 幸裕


前にタイトルに惹かれてつい立ち読みしてしまったけど
たまたま図書館のお勧めにあったので借りてしまいました。

実際、もう読むべきところはなかったんだけど。。
内容的にはもう既知のことが多く、ラーメンマニアの自分としては
新しい発見はないけど、まったく二郎やラーメンの歴史を
知らない人には珍しいネタが豊富だと思う。

内容紹介
発売日: 2010/12/3
二郎と武蔵、一風堂では、どれが1番のラーメンなのか?
宣伝なしで、なぜオープン初日から大行列なのか?
なぜジロリアンは、身も心も二郎に魅了されるのか?
セグメンテーションとターゲティング、ポジショニング、コア・バリュー、消費者行動の進化・・・・・・
ラーメン二郎から経営学の基本がわかる!


2012年11月16日金曜日

きみ去りしのち 重松 清

似たような題名の有名作品があるけど、それとはまったく違うアプローチ。
子どもを思う親の気持ちと、人の生き死にが繋がってくる連作。

重松先生らしい作風だけどちょいちょい理不尽というか
あまりすっきりしない展開がある。

最後まですっきりしないかも。。

内容(「BOOK」データベースより)
どれだけ歩きつづければ、別れを受け容れられるのだろう。幼い息子を喪った父、“その日”を前にした母に寄り添う少女。―生と死がこだまする、ふたりの巡礼の旅。再生への祈りをこめて描かれた傑作長編小説。


2012年11月14日水曜日

織田信長 破壊と創造   童門 冬二


分かりやすく史実にも忠実だったのでサクサク読めました。
新しく知る内容や信長以外の人物についても所々記述があるので
広がりもあり。


内容(「BOOK」データベースより)
破壊者・信長は稀代のビジョナリスト(構想者)だった。物理的・制度的・意識的な壁を破壊し、新しい国を創造した信長。その思想と革新的所業をビジネス的視点から描き出した話題の小説を文庫化。死を賭して日本の改革に挑んだ苛烈なるリーダーの物語。




2012年11月12日月曜日

花嫁 青山 七恵

家族それぞれの視点で繋がっている連作。
最初はほのぼのした作品かと思いきや、家族のエピソードが
増えるたびにどんどん怖くなる。

最後のお母さんの短編は必見


内容紹介
兄さんが今度、お嫁さんをもらう。
あたしは断固反対。唾棄すべきことだ。
兄と妹。夫と妻。親と子。
固く結ばれた絆の裏には、淫靡で怖い秘密がある。

20歳の大学生・若松麻紀は、眠れない時や寂しい時、兄さんのベッドに潜り込む。婚約者の話を聞いたのも、ベッドの中だった。若松家の長男・和俊が、婚約者を連れて来たことで、兄を愛する麻紀はパニックに陥った。腕利きの和菓子職人・父は、年に一度だけ、家族に内緒で出かけて行く。逢い引きの相手は、店のお手伝いをしている弓子さんだった。夫を支えて繁盛する店を切り盛りし、子供二人を育て上げた母は、和俊の結婚式の後、花嫁に向けて一通の手紙を書き出した。その中には、若松夫婦の思いもよらぬ過去、子供らの出生の秘密が書かれていて……。
仲良し四人家族の中に、ある日いきなり「花嫁」がやってきた。今までそれぞれがひた隠しにしてきた過去が掘り返されていく。情熱と契約で結ばれた家族の果て。



2012年11月10日土曜日

さよなら、そしてこんにちは 荻原 浩

ちょいちょい面白アンドほっとする物語が入り込む短編集。

哀しすぎず、感動しすぎないギリギリのレベルで話しが終わっていくので
サクサク読めていきます。
それぞれ面白いけど逆に深みを求める人に向かないかも。

内容(「BOOK」データベースより)
世のため、人のため、そして家族のため、働き者の悲哀を描く、著者独壇場の傑作集。



2012年11月7日水曜日

カッコウの卵は誰のもの 東野 圭吾 カッコウの卵は誰のもの 東野 圭吾

これ、2回目です。

東野先生にしては、ちょっとありがちで、オチの深みもない作品かと。。
まあ、全体としては悪くないけど期待しすぎると痛い目に。


内容(「BOOK」データベースより)
親子の愛情に、揺さぶりがかけられる。覚悟を決めた父親は、試練にどう立ち向かうのか。父と娘、親子二代続けてのトップスキーヤー。娘の所属チームの研究者は、二人の遺伝子パターンを調べさせてほしいと考える。しかし、了承するわけにはいかない。父には、どうしても知られたくない秘密があった。娘が生まれた19年前からの忌まわしい秘密が。


2012年11月5日月曜日

水の中の犬 木内 一裕

これ、予想以上に面白かった。
人物背景や登場人物の面白さ、そして筆力や文体リズム。
どれをとっても一級品だった。

短編だけどどれも長編に出来るぐらい骨太で、街や人の生き様が
浮かびあがっている作品ばかり。

読みごたえは十二分です。


内容(「BOOK」データベースより)
探偵の元にやってきた一人の女性の望みは恋人の弟が「死ぬこと」。誰かが死ななければ解決しない問題は確かにある。だがそれは願えば叶うものではなかった。追いつめられた女性を救うため、解決しようのない依頼を引き受けた探偵を襲う連鎖する悪意と暴力。それらはやがて自身の封印された記憶を解き放つ。


2012年11月3日土曜日

司法記者 由良 秀之

それなりに筆力があり退屈はしなかったけど、ひねり具合と
ストーリー展開はありがち。。

オチはあまりにもありがちなので、気にしないほうがいいかも。

内容説明
佐々木譲氏絶賛!
「圧倒的なリアリティ! 取材では書き得ない迫力。
いま検察が抱える問題を鋭く指し示す、きわめて同時代的な問題作!
地検特捜部のありようを、現実に生きる検察官の姿を、ここまで生々しく描き切った小説はこれまであったろうか。わたしたちはいま『検察小説』という新しいジャンルの誕生を見たのかもしれない。これからも検察の内部からこれほど情報性豊かなエンターテインメントが続けて生まれてきたら、と、職業作家として、わたしは少しおののいている。」

密室の女性記者死体・大物政治家「政治とカネ」疑惑――二つの事件が交差するとき、驚愕の真実が明らかに。検察を知り尽くす謎の作家、鮮烈なデビュー作!

「騙されるな。気合を入れて叩き割れ!」
「……そんな供述のどこが真実なんだ」
美貌の女性記者はなぜ殺されたのか?
口を閉ざし続ける容疑者の守り通す秘密とは……。
特捜検事が、巨大組織の壁の中で、孤独な闘いに挑む!


2012年10月30日火曜日

必然という名の偶然 西澤 保彦


やばい、、全然記憶に残っていない。。
短編のせいか内容のせいか。。
レビューの評価は高いし、面白そうなのに。。


内容(「BOOK」データベースより)
この街は、なんかおかしい!今日は倉橋譲の結婚式。この男、とにかく女運が悪い。婚約しては逃げられ、結納しては逃げられ、挙式中に逃げられ…。八年前には、控室から消えた花嫁が別の男と無理心中。そんな中、今日の花嫁が心中した男の交際相手だったと発覚。これを単なる偶然と言えるのか?(「エスケープ・ブライダル」より)。殺人街・櫃洗市で起きる奇妙・珍妙な6つの事件を描いた連作ミステリー。




2012年10月27日土曜日

漁師志願! 山下 篤

これはいい。
漁師の体験ものの側面と若者のチャレンジというか交流というか。
今、ドラマでも生田ガ出ている同じようなものがあるけどそれに近い。
それの漁師版で、さらに奥深さがあり、作品のリズムも非常にいいのでさくさく
と読み進める。
読後感も見事。



内容(「BOOK」データベースより)
「漁師募集!瀬戸内海で鯛の養殖」の広告に東京の青年が応募した。バイト人生のお調子者智志と、四年間寿司職人見習いをした真面目な真二、正反対の二人だ。小さな島での不自由な共同生活と厳しい漁師修業に、二人は耐えられるのか。が、親方の豊富な経験と仕事への静かな情熱にひそかに心揺さぶられるうち、二人の中で何かが変わっていく。―美しい自然をバックに描かれた爽やかな青春小説。


2012年10月24日水曜日

ドリームマッチ  今野 敏


すごい好きな作者の好きなテーマや展開だけど、なぜか薄々の感があり
最後まで一気読みの割には満足度が低い。
途中から書き飛ばした感もあり、もっと深くじっくりと描いて欲しかった。


内容(「BOOK」データベースより)
新興格闘技団体の合宿を依頼されたサバイバル・インストラクターの富臣竜彦。元陸上自衛隊のエリートで、幼い頃から修練を積む野見流合気拳術の使い手だ。極限状態の中、殴りかかってきた若手レスラーを一蹴した富臣に、武闘家としての片鱗を見た団体代表のスーパースター・神代の目が光る…。今野敏が描く痛快格闘技小説。


2012年10月23日火曜日

格闘する者に○ 三浦 しをん

読むのは2回目。
そしてこの本を読んでいるときにたまたま三浦先生と授賞式であった。

それはさておき、三浦先生のほかの作品をもう十二分に読んでいるせいか
ちょっとものたりない。
デビュー作としてはすごいんだけど、ものすごい勢いで先生が進化している
から他の三浦作品を読んだ人は、期待しないで軽く読み流して欲しい。
とは、先生にはいえませんでした、。。

ちなみにものすごく人当たりのいい、優しそうな人でした。


内容(「BOOK」データベースより)
これからどうやって生きていこう?マイペースに過ごす女子大生可南子にしのびよる苛酷な就職戦線。漫画大好き→漫画雑誌の編集者になれたら…。いざ、活動を始めてみると思いもよらぬ世間の荒波が次々と襲いかかってくる。連戦連敗、いまだ内定ゼロ。呑気な友人たち、ワケありの家族、年の離れた書道家との恋。格闘する青春の日々を妄想力全開で描く、才気あふれる小説デビュー作。



2012年10月20日土曜日

狼は瞑らない  樋口 明雄

久しぶりに読み応えがあるハードボイルド?
警察小説の側面を見せつつ、山小説やサスペンス、ミスれリーといろんな要素が
うまいバランスで描かれている。
作者の筆力のおかげか。

最後まで一気読み。


内容紹介
佐伯鷹志は、かつて警視庁警備部警護課に在籍し、SP(セキュリティー・ポリス)として、政治家の警護をしていたエリート警察官だった。いまは一線を退き、北アルプスと立山連峰に挟まれた、広大な山岳地帯で遭難者を救助する、山岳警備隊の隊員となって久しい。その佐伯を狙う謎の暗殺集団。彼らは、警察と政界の闇の部分を知りすぎた佐伯を消すために送り込まれた、“掃除屋”と呼ばれる男たちだった。そして、幾重にも張りめぐらされた非常の罠。風速四十五メートルの大型台風に襲われ、下界と完全に弧絶した、標高二千メートルを超える険峻な山岳地帯を舞台に、過去を背負った男たちの、決死のサバイバルが始まる!


2012年10月18日木曜日

ロマンス小説の七日間 三浦 しをん、 こなみ 詔子

またもや三浦先生。

こちらは、、、残念ながら文体のリズムが合わなかった。
小説の中で別の小説(主人公が書く作品)が同時進行で進み、さらにその小説が
非常に分かりづらいファンだジー系の海外翻訳物なのでますます、どっちに
集中していいか分からなくなる。。

ただ、本人もそのことは重々承知で、実験的な作品なようなので
長い作家人生これもありかと。

読んでも読まなくてもダイジョブ。

内容(「BOOK」データベースより)
あかりは海外ロマンス小説の翻訳を生業とする、二十八歳の独身女性。ボーイフレンドの神名と半同棲中だ。中世騎士と女領主の恋物語を依頼され、歯も浮きまくる翻訳に奮闘しているところへ、会社を突然辞めた神名が帰宅する。不可解な彼の言動に困惑するあかりは、思わず自分のささくれ立つ気持ちを小説の主人公たちにぶつけてしまう。原作を離れ、どんどん創作されるストーリー。現実は小説に、小説は現実に、二つの物語は互いに影響を及ぼし、やがてとんでもない展開に!注目の作家、三浦しをんが書き下ろす新感覚恋愛小説。


2012年10月15日月曜日

プラチナタウン 楡 周平

いやあ、ビジネスや自治体、義理人情や大人のサラリーマンの生き方など
いろんな様相がつまったおもちゃ箱みたいな面白い作品。
どんな角度からでも楽しめる。

もちろん、自治宅施策としては深み読みしきれず、そんなに実現性がある
わけでじゃないけど、エンタメとしては十二分。
ドラマや映画にしやすそう。


内容紹介
「老人介護」や「地方の疲弊」に真っ向から挑む社会派ビジネス小説! 出世街道を外された総合商社部長の山崎鉄郎は、やけ酒を呷り泥酔。気がついた時には厖大な負債を抱えた故郷緑原町の町長を引き受けることに。だが、就任してわかったことは、想像以上にひどい実情だった。私腹を肥やそうとする町議会のドンや、田舎ゆえの非常識。そんな困難に挫けず鉄郎が採った財政再建の道は、老人向けテーマパークタウンの誘致だったのだが……。


2012年10月14日日曜日

ばらばら死体の夜 桜庭 一樹

この独特の世界観と文体リズムに慣れているので、面白しろいという感想しかない。

桜庭先生の本や、深読みしたり、オチを探したりするのは邪道なので
ひたすら面白い世界にどっぷりはまりながら読み終えたほうがいい。

ドスン、とくる最後に必ずたどり着けるはずだ。

内容(「BOOK」データベースより)
2009年、秋。翌年6月から施行の改正貸金業法がもたらすのは、借金からの救済か、破滅か―四十過ぎの翻訳家、吉野解は貧乏学生の頃に下宿していた神保町の古書店「泪亭」の二階で謎の美女、白井沙漠と出会う。裕福な家庭に育った妻とは正反対の魅力に強く惹かれ、粗末な部屋で何度も体を重ねる。しかし、沙漠が解に借金を申し込んだことから「悲劇」の幕があがる―。



2012年10月13日土曜日

緑ヶ丘小学校大運動会 森谷 明子

ちょっと子どもじみたテンポと書き方なので、大人のミステリーを待っている人には
ものすごく物足りない。。

ただ、軽い中高生向けのミステリーを玉には読みたいと思う人は是非。

内容紹介
運動会の朝、マサルは学校で薬のパッケージを見つける。殺人の証拠だと考え、それを隠しておくことに。一方、父親はドラッグが出回っていることを嗅ぎつける。プログラムが進行するにつれ、明らかになる大人の思惑と、膨らんでゆく子供たちの想像。そして意外な真実! 運動会の一日を舞台にした技巧冴え渡る長編ミステリー。


2012年10月8日月曜日

自白―刑事・土門功太朗 乃南 アサ

やっばい、、、面白かったはずなのにまったく記憶にない。

さすがにレビューを書くのが遅すぎた。
でも短編で連作ものなので、サクサクとリズムに合わせて読み進めた記憶はある。
筆力のある作者なので、読み応えはあると思われ。。


内容(「BOOK」データベースより)
事件解決の鍵は刑事の情熱と勘と経験だ。地道な捜査で容疑者を追い詰める男の迫真の事件簿。


2012年10月5日金曜日

永遠の出口 森 絵都

いやあ、分からん。
なぜこれが大人気なのか。。
感性の問題だとは思う。文体のリズムがまったくもって合わなかった。
ただ、女性には人気だと思うので、他者のレビューを参考に。。



内容(「BOOK」データベースより)
「私は、“永遠”という響きにめっぽう弱い子供だった。」誕生日会をめぐる小さな事件。黒魔女のように恐ろしい担任との闘い。ぐれかかった中学時代。バイト料で買った苺のケーキ。こてんぱんにくだけちった高校での初恋…。どこにでもいる普通の少女、紀子。小学三年から高校三年までの九年間を、七十年代、八十年代のエッセンスをちりばめて描いたベストセラー。第一回本屋大賞第四位作品。


2012年10月2日火曜日

幸せになる百通りの方法 荻原 浩


なんか、女性誌にちょろっとショートショートを書いたものを集めました、
っていう作品群。

悪くないけど、書き飛ばしたなあと。


内容(「BOOK」データベースより)
このムズカシイ時代を、滑稽だけど懸命に生きる人たち―。短篇の名手が贈るユーモア&ビターテイスト溢れる七つの物語。


2012年10月1日月曜日

捜査官 末浦 広海


筆力はあるけど、内容が、、、薄い。。
この手の小説のレベルの高い作品が最近ものすごく多いので
そこと比べると、って感じ。

刑事小説は出尽くした感があるので、よほど内容が深いか、テーマが面白くないと
もう難しいかも。


内容(「BOOK」データベースより)
青森県警の元似顔絵捜査官・杉澤洋二と警察庁警備局の警視正・成瀬公大が、核廃棄物最終処分場建設反対派が起こすテロを捜査する。県警、公安、警備保障会社、二十三年前の事件、そして“エス”―さまざまに絡み合う思惑を解くきっかけは、たったひとつの手がかりだった。警察小説の要、“捜査”を二つの視点から描ききる、これぞ警察“捜査”小説。



2012年9月30日日曜日

タイムカプセル 折原 一

たった一つのなぞを最後の最後まで引っ張って、「それだけかい!」ってなる作品。
もういいでしょう。。。




内容紹介
栗橋北中三年A組の有志が卒業式の日に埋めた銀色のタイムカプセル。誰も会ったことのない不登校の不破勇の小説も中に入れられた。十年後、メンバーたちに「選ばれ死君たち」宛の不気味な案内状が謎の郵便屋から届けられる。卒業式に出られなかった彩香は当時のメンバーと会うが、「ホール」という言葉を聞いたとたん、なぜか誰もが口を閉ざしてしまう。そして開封の日が訪れる。郵便屋は誰なのか? 封印されていた秘密とは何か?



2012年9月28日金曜日

リベンジ・ホテル 江上 剛

ホテル再建ものとして期待したけど、どれもちょいちょいはさむエピソードが薄い。。
これ、ないだろう、ってものや、それは参考にならない、って物ばかり。

たまに江上先生はこういう書き飛ばしをするからなあ。。

内容(「BOOK」データベースより)
就職氷河期、大学卒業目前になっても就職が決まらない「ゆとり世代」の花森心平。自信もない。根性もない、もちろん内定もない。そんな心平が入社したのは、支配人も逃げだす破綻寸前の老舗ホテル。売却を持ちかける銀行に「俺が立て直す!」と啖呵を切った新入社員に奇跡は起こせるのか。


社長のテスト 山崎 将志

前評判が高くて帯もよさげだから借りてみたけれど、経済ものとしては
ちょっと深みが足りない気が。。
どこにでもある会社の物語をどこにでもある人たちの視点で描いている
だけなの、ちと残念。

でも最後まで面白く読めました。


内容(「BOOK」データベースより)
明け方に電話で起こされた。会社が火事になったらしい―。PCデータ復旧を営む僕らのベンチャーは、顧客からの預かり品が被害を受け、かなりヤバイ状況に。僕ら社員がクレーム対応に困窮する一方、他人事の社長は逃げ回るばかり。そんな時、最もたちの悪いクレーマーである謎の起業家から、想定外の“テスト”を受ける。密かな企てを試みる僕は、やがて社会を騒がす大事件に巻き込まれていき…。普通のビジネス書が教えてくれない「仕事の裏則・本質」を描き出す新感覚エンターテインメント。


2012年9月24日月曜日

あなたの本 誉田 哲也

それぞれひねり具合はいいけど、そのひねりで満足してしまって、オチが弱い。
2つくらいエッセンスを入れればこれで完成っていう作品が多かったのが残念だけど
どれもそのエッセンスの完成度は高いので、読む価値はあり。


内容(「BOOK」データベースより)
憧れの都会で流されるままに暮らす女の血脈。深き森で暮らす原始人たちの真実。ごく普通の男子中学生の前に現れた天使の目的。父の書斎で発見した一冊の本に翻弄される男の運命。天才スケート美少女を見守り続ける少年の淡い初恋。すべてを手に入れたミュージシャンが辿り着いた場所。警視庁新宿署新宿六丁目交番に勤務する諸星巡査長の意外な日常―引き込まれるストーリー、予想外な結末を、堪能せよ。



2012年9月23日日曜日

虚報 堂場 瞬一

これ新聞記者の世界の書き方や白熱したスクープ合戦のところが
なんか弱くて、推理小説っぽくなったのがちと残念。

どっかにもう少し絞り込めばいいのになあ。
新聞の世界どっぷりでもいいのに。


内容(「BOOK」データベースより)
大学教授のサイトがきっかけで発生した「ビニール袋集団自殺」事件を、やり手キャップの市川と担当する社会部の新聞記者の長妻は、たびたび他社に出し抜かれ、追い詰められていくが、やがて独自の取材で起死回生のスクープを放つ…。生き馬の目を抜く報道の最前線を活写した怒涛のエンターテインメント長編。



2012年9月22日土曜日

首都感染  高嶋 哲夫

最後まで一気でした。
ただ、、途中途中で恋愛系をはさんでくるのがちと残念。
医療と国際と政治と封鎖系の話しに特化してもまったく問題ない。

映画になりやすいよなあ、これは。

内容(「BOOK」データベースより)
20××年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。しかし、熱狂するスタジアムから遠く離れた雲南省で、致死率60%の強毒性新型インフルエンザが出現。中国当局による必死の封じ込めも破綻し、恐怖のウイルスが世界に、そして日本へと向かった。インフルエンザ・パンデミック(世界的大流行)阻止のため、政府対策本部のアドバイザー・元WHOの優司は空港での検疫を徹底させるが、ついに都内にも患者が発生。総理の瀬戸崎は空前絶後の“東京封鎖作戦”を決断した。



2012年9月21日金曜日

白銀ジャック  東野 圭吾


久しぶりの東野先生の作品。
クオリティは相変わらず高い。

深さは作品によってまちまちにはなっているけど展開や構成の
うまさがあり最後まで一気読み。

東野作品のファンにはもう途中くらいからすべてが分かってしまうけど
そうでもない人は、結構推理小説としても面白いかと。



内容(「BOOK」データベースより)
「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」。年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。すべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。今、犯人との命を賭けたレースが始まる。圧倒的な疾走感で読者を翻弄する、痛快サスペンス。


2012年9月20日木曜日

中途採用捜査官 お宝を鑑識にまわせ! 佐々木敏

このシリーズ、瞑想している感が。
絵画をメインテーマにしているわりには薄々なロジックで
さらに知識も深いところを少々作ったからあとは薄っぺらくていいよね、って感じ
な展開。

最後まではちゃんと読めるのはさすが佐々木先生の筆力の高さ。


内容紹介
テオという画商にゴッホのニセ遺作を描くように依頼された、スイス人のジャン、カナダ人のフランソワ、日本人の伴。三人は言われた通りにニセ遺作を描いていた。完成間近のころ伴はフランソワから「先に絵を仕上げたジャンが殺された」と知らせを受け、すぐにパリを逃げ出した。二年後、伴はフランス語専門の特別捜査官になった。そんなとき、テレビでゴッホの遺作が発見されたというニュースを見る。それは殺されたジャンが描いた絵だった!


2012年9月17日月曜日

告発封印  高任 和夫

いやあ、ドスンと来ましたねえ。

経済ものとして押さえどころがちゃんと抑えてあって、感動させる展開になっている。
短編でクイクイ読み進めつつ、読後感もいいので、是非。


内容(「BOOK」データベースより)
夫唱婦随で築き上げたプレス工場に突然、銀行の貸し剥がしが襲い掛かってきた。堅実な経営を続けてきた工場も、なす術がなく、八方塞がりの状況に。工場は、銀行の連鎖倒産という形で、潰されてしまうのか。金策のためにあらゆる手段を尽くすなか、意外な救いの手が―。「魔の十一月」ほか、経済企業小説の雄が描く、静謐かつ熱い、哀愁溢れる男たちの物語。


2012年9月15日土曜日

木暮荘物語 三浦 しをん

三浦先生、さすが。
書き方、テーマ、リズム、すべてがうまい。
元々こういったシェアハウス的なものがすきなんだけど、この癖があって
なぞがある展開がたまらなくいい。

もちろん、最後の最後ですべてのなぞや「おおおおおおおー」となる
展開が待っているので、その部分だけもいいから最後まで必ず読んで。
最高だから。


内容紹介
小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年、安普請極まりない全六室のぼろアパート・木暮荘。現在の住人は四人。一階には、死ぬ前のセックスを果たすために恋を求める老大家・木暮と、ある事情から刹那的な恋にのめり込む女子大生・光子。二階には、光子の日常を覗くことに生き甲斐を見いだすサラリーマン・神崎と、3年前に突然姿を消した恋人を想いながらも半年前に別の男性からの愛を受け入れた繭。その周りには、夫の浮気に悩む花屋の女主人・佐伯や、かつて犯した罪にとらわれつづけるトリマー・美禰、繭を見守る謎の美女・ニジコたちが。一見平穏に見える木暮荘の日常。しかし、一旦「愛」を求めたとき、それぞれが抱える懊悩が痛烈な哀しみとしてにじみ出す。それを和らげ、癒すのは、安普請であるがゆえに感じられる人のぬくもりと、ぼろアパートだからこそ生まれる他人との繋がりだった……。



2012年9月14日金曜日

オーダーメイド殺人クラブ 辻村 深月

あれ、って思いつつ、最後までグイグイと読んでしまう作品。
深さはないし、よくある独り言なのでまったく共感できないけど、分かりきった最後の最後の
オチガさわやか過ぎて、そのシーンがすごく心に残る。

書き方がうまいなあ。。


内容紹介
中学二年のふたりが計画する「悲劇」の行方
親の無理解、友人との関係に閉塞感を抱く「リア充」少女の小林アン。普通の中学生とは違う「特別な存在」となるために、同級生の「昆虫系」男子、徳川に自分が被害者となる殺人事件を依頼する。


2012年9月12日水曜日

幸福な生活 百田尚樹

立て続けに百田作品・
短編集としてはよく出来ている。
「コワッ」ってなる作品もあるし、「おおーーー」で終わる作品もある。
ただ残念なことに、これも「ドーーーン」がないので、淡々と
いい短編集を読んだ、という感想しかない。
ちと残念。



内容紹介
「道子さんを殺したのは、私なのよ――」
認知症が進んでから母はよく喋るようになった。
しかし、その話の大半は出鱈目だ。妻は自分がいつ殺されたのと笑うだろう。
施設を見舞うたびに進行していく症状。子どもの頃に父が家出して以来、女手ひとつで自分と弟を育ててくれた母をぼくは不憫に思えてならない。
久しぶりに訪れた実家の庭でぼくは、むかし大のお気に入りだった人形を見つける。
40年ぶりに手にした懐かしい人形。だが、それはおそろしい過去をよみがえらせた……(「母の記憶」より)。サスペンス、ファンタジー、ホラー……、様々な18話の物語、そのすべての最後の1行が衝撃的な台詞になっているという凝った構成。
『永遠の0』『ボックス!』『錨を上げよ』で話題の百田尚樹は長編だけじゃなかった。星新一、阿刀田高、筒井康隆という名手顔負けの掌編小説集を世に送り出した!


2012年9月10日月曜日

プリズム 百田 尚樹

前評判が高かったから読みたかったんだけど、、期待が大きすぎたか。
途中で嫌になることはなく、グイグイ読みたくはなるんだけど
この作者の場合は心に「ドーン」という読後感を求めてしまうので
そういった意味では期待はずれ。

ただ、レビューの人気が高い理由も分かるので好き嫌いかも。


内容紹介
いま目の前にいるのは、私が愛した“あなた”ですか?
かつて誰も経験したことのない、切なくミステリアスな恋愛の極致!!

世田谷に古い洋館を構える資産家の岩本家に聡子は足を踏み入れた。美しい夫人から依頼されたのは、小学校4年生になる息子・修一の家庭教師。修一と打ち解け順調に仕事を続けていた聡子だが、ある日、屋敷の庭を散策中に、離れに住んでいるという謎の青年が現れる。青年はときに攻撃的で荒々しい言葉を吐き、聡子に挑みかかってきたかと思えば、数日後の再会では、陽気で人当たりが良く聡子を口説いてからかったり、かと思うと、知的で紳士然とした穏やかな態度で聡子との会話を楽しんだり……。会うたびに変化する青年の態度に困惑するが、屋敷の人間は皆その青年については口を硬く閉ざすのであった。次第に打ち解けていく青年と聡子。やがて、彼に隠された哀しい秘密を知った聡子はいつしか彼に惹かれはじめている自分に気づき、結ばれざる運命に翻弄される。変幻自在の作品を生み出す著者が書き下ろした、哀しくミステリアスな恋愛の極致。


2012年9月8日土曜日

化身 宮ノ川 顕

表題含め短編なんだけど、、、ちょっと自分には合わない文体。。

理解するよう途中でがんばるというか、読みこむ必要があるような、
それを強いるような作品が多かったでの自分には合わないかあなあ。。

内容紹介
日常に厭き果てた男が南の島へ旅に出た。密林へ分け入った彼は池に落ち、耐え難い空腹と絶望感、死の恐怖と闘いながら生き延びようとして、やがて……。端正な文体で完璧な世界を生みだしたホラー大賞史上最高の奇跡


2012年9月7日金曜日

凍花 斉木 香津

久しぶりに怖い作品だった。
まったくホラーでもなく、変な描写があるわけじゃないけどこんなに
業というか人の感情の怖さを感じたのは久しぶり。

姉妹のよくある殺人事件推理物だと思ったら大間違い。
完全に家族とは何、的な考えさせられる作品でした。
是非。


内容紹介
なぜ、妹を殺したのか?3人姉妹の長女は次女を殺害した。長女は自首し収監されるが、面会は断り心情は誰にもわからない。今まで当たり前にいた2人の姉を失った私はある日、1冊のノートを見つける。それは長年、長女がつけていた日記帳だった……。サスペンスとミステリーが融合した書き下ろし長編小説。


2012年9月5日水曜日

歌舞伎町より愛をこめて 路上から見た日本 李小牧

何気に知っているネタばっかりだった。
前にコラムをきっと読んでいたのでしょう。
またドラマや映画、ノンフィクションでもおなじみだから。

違う本をまた読もう。

内容紹介
「ニューズウィーク日本版」の連載コラムを中心にまとめた本書は、これまで主に自分の生き様を活字にしてきた著者にとって、初の「評論集」。石原都知事へのラブコール、反日感情とヤスクニ訪問、風俗嬢ランキングの不思議……歌舞伎町を壮絶に生き抜き、今や中国一(!?)有名な在日中国人ともなった著者が、日本と日本人に対する愛、苦言、提言を書き連ねた!


2012年9月4日火曜日

銀色の絆 雫井 脩介

深っくどーんとくるわけじゃなく、じわじわしんみりくる名作。
作者自体のリズムや文体がすきなのでそのせいもあるけど
相変わらずこの手の人間模様の感動作を作るのは見事。

アイススケートは正直どうでもいいので、お母さん方の考えや
子どもたちの葛藤などその辺りに注目してぜひ。

内容紹介
栄光を勝ち取るか、無残に打ちのめされるか、これはもう遊びではないのだ――。
夫の浮気が原因で離婚、娘の小織とともに実家のある名古屋へと転居し、無気力な日々を送っていた藤里梨津子だったが、フィギュアスケートの名コーチに小織の才能を見出され、娘を支えることに生きがいを感じ始める。
「藤里小織の最大の伸びしろは、あなたにあると思ってます」とのコーチの言葉に、娘のためにすべてを懸ける決意をする梨津子。スケートクラブ内の異様な慣習にとまどい、スケート費用の捻出に奔走し、さらには練習方針をめぐってコーチとの間で軋轢が生じるのも厭わず、娘のことだけを考えてクラブの移籍を強引に進める――そんな母の姿に葛藤を覚える小織ではあったが、試合での成績も次第に上がっていき、やがて……。母娘の挑戦は、実を結ぶのか?
母と娘の絆をテーマにした、著者渾身の長編小説。
『犯人に告ぐ』『クローズド・ノート』をしのぐ興奮と感動!


2012年9月3日月曜日

神様のカルテ 夏川 草介

完全に個人のわがままなんだけど。。すっごく読みづらい。
文体のせいか主人公の口語のせいか。

テーマも内容もそんなにわるくないけど、もうこの手のドラマも
見飽きているせいか、リズムがあわないとどうしようもない。

途中でやめてしまいました。


内容紹介
栗原一止は信州の小さな病院で働く、悲しむことが苦手な内科医である。ここでは常に医師が不足している。
専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を三日取れないことも日常茶飯事だ。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。
だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。
悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。第十回小学館文庫小説賞受賞作

2012年9月2日日曜日

ファイヤーボール 原 宏一


お涙の部分は雑なんだけど、それ以外はすべてが満点。
ストーリーやひねり具合、テーマや展開、人物まで。
特に筆力ガ高くいいリズムの文体なのでさくさくグイグイ
楽しめる。

同年代の人やちょっとした悩みを抱えている人は是非。

内容紹介
熱くなれるもの、ありますか? なければ自分で作ればいい!
家族も顧みずに一心に働いてきた咲元は、海外出張から帰った矢先、突然の社内抗争に巻き込まれ、窓際部署に追いやられることに。仲間と思ってきた同僚たちに冷たくされ、妻や息子・娘からも疎んじられ、挙句の果ては、妻から町内会の役員まで押し付けられる。その町内会の場で思わず発した一言が波紋を呼び、町に「今より十倍盛り上がる祭り」を生み出さなければならない羽目になってしまうのだが……。
咲元が考えた「馬鹿馬鹿しいほど単純で危険な祭り」とは何か、果たして新しい祭りを作り出すことなど可能なのか、反対派の妨害・嫌がらせ行為にどう立ち向かうのか、そして、バラバラだった家族はいったいどうなる?
「大人が熱くなれるもの」とは何か、仕事にそれを求められなければどうすればいいのかをテーマとする、ユーモラスだけど、とびっきり熱くて、元気が湧いてくる感動の長編小説。



2012年9月1日土曜日

おかえり、Mr.バットマン 佐川 光晴

タイトルがなんのことかまったく気にしないで途中までぐいぐい面白く読んでしまいました。

といいつつも、最後の最後はいまひとつ。。
もっていきかたが強引なのかなあ。


内容(「BOOK」データベースより)
結婚生活20年にして「離婚」という一大決心をした彼の家へ突如ホームステイすることになったのは、世界的ベストセラー作家の娘だった!?家族?お金?それとも…彼女と愛の逃避行!?山名順一(48歳)、翻訳家兼主夫、決断の時。



2012年8月30日木曜日

終活ファッションショー 安田 依央

ごちゃごちゃ目線がいろいろ散乱してしまい、ちょっと感情移入がしにくかった。
特に癖のあるおばあさんが一人いるんだけど、この人キャラが強いくせに
特に意味のない出方をする。

もう少し数名に絞り込んで展開してほしかった。


内容(「BOOK」データベースより)
司法書士の市絵は、老人たちの遺言相談にのるうちに、死ぬときに着たい服を発表する「終活ファッションショー」の企画を思いつく。参加者を募ると、年齢も趣味もばらばらなメンバーが集まった。義母の葬儀の希望を叶えられなかったことを悔やむ嫁、バブリーなセレブ夫人、熟年離婚寸前のエリート夫婦、元警察官のオカマバーのママ…。十人十色の死装束から、それぞれの人生が見える―。人情系エンタテインメント長編。


2012年8月28日火曜日

化合 今野 敏


結構かたくなな検事のキャラクターがつかみづらく
変なわけ方ではあるけど、いい人なのか悪い人なのか
最後の最後までわからなかった。

直接ストーリーとは関係ないけど、一応所々で刑事と
対立するので、なんか消化不足な感が。
完全に個人のわがままですが。

展開やストーリーは面白いです



容(「BOOK」データベースより)
板橋区内の公園でイベントサークル主宰者が刺殺された。乱れた男女関係、バブル期の借金を取り立てる金融屋、男が執着して通った六本木のキャバクラ嬢…。スピード解決を目指すエリート検事は容疑者を固めた。検事主導の捜査本部に、若き警視庁捜査一課刑事は抗えるのか。時は1990年、科学捜査の夜明けを迎えようとしていた。



2012年8月21日火曜日

女たちのジハード 篠田 節子

ドラマっぽいなあ。。
いや、つまらないという意味じゃなくて。

ある意味展開が想像できてしまうので、そのあたりは
もう一つという思いはある。
ただ、それぞれの人物像が面白くはあるので、最後まで読んで
結局どうなるのか知りたい感じもある。

出版社/著者からの内容紹介
保険会社に勤める異なるタイプの女性たち。結婚、仕事、生き方に迷い、挫折を経験しながらも、たくましく幸せを求めてゆく。現代OL道を生き生きと描く、第117回直木賞受賞作。(解説・田辺聖子)


2012年8月19日日曜日

四つの嘘 大石 静

これもまた前に読んだやつだーーーー。

ドラマの印象が強くて、オチも分かる分、どうしても読み飛ばしてしまった。。でも
何気ちゃんと最後まで読みましたよ。
作者の筆力があるせいかしら。


内容(「BOOK」データベースより)
淫乱に生きるしかない詩文。平凡に生きるしかない満希子。仕事に生きるしかないネリ。平凡に生きるはずだった美波。かつて私立女子校で同級生だった四人はそれぞれ別の人生を歩んでいたが、美波が四十一歳で事故死したことから、運命が絡みあう。残された三人の胸に愚かしくも残酷な「あの頃」が蘇り、それぞれの「嘘」が暴き立てられていく―。


2012年8月18日土曜日

小鳥を愛した容疑者 大倉 崇裕

間違えてまた借りちゃった。。
面白いですよ、結構。。


内容(「BOOK」データベースより)
警視庁捜査一課で活躍していた鬼警部補・須藤友三。ある現場で銃撃を受けて負傷し、やむなく最前線を離れることに。数ヵ月後、リハビリも兼ねて容疑者のペットを保護する警視庁総務部総務課動植物管理係に配属され…た途端、今まで静かだったこの部署に、突如、仕事の依頼が次々と舞い込む。刑事時代にはあり得なかった現場、に“驚愕”の須藤。動植物保護だけのはずが、なぜか事件の捜査にまで踏み込むハメになり、腕がなる!?元捜査一課・鬼警部補の前に立ちはだかったもの。それは可愛くも凶暴な―。



2012年8月17日金曜日

facebook ベン・メズリック、 夏目 大

うーん、、やっぱり翻訳物はだめだ。。
リズムがあわなくてどうしても読み飛ばして、最後までいかない。。



内容紹介
世界最大のSNSで、ビル・ゲイツに迫る男。
4億人が利用する巨大ソーシャルネットワーク創業者、マーク・ザッカーバーグの知られざる素顔。



2012年8月16日木曜日

グアルディオラのサッカー哲学 フアン・カルロス・クベイロ、レオノール・ガジャルド、 今井 健策

以下の紹介文ですべてが分かる。というかそれ以上は、、ほとんどない。。



内容紹介
若き天才監督が語る珠玉の言葉が満載!

12 歳でFCバルセロナのカンテラに入団し、17年間を過ごしたグアルディオラ。
選手としてヨーロッパを制し、バルサの象徴といえる存在だった。
現役引退後は2007年にFCバルセロナBの監督に就任。1年目で3部昇格を
果たし、翌2008年にトップチームの監督に抜擢される。
就任初年度から独自のカラーを出し、リーガ、スペイン国王杯、
チャンピオンズリーグ他、6冠に輝き、指導者としても高く評価されている。
若くして独自のサッカー哲学を持つグアルディオラの、珠玉の言葉が満載の一冊だ!

【目次】
プロローグ グアルディオラが監督として成功した理由

序章 グアルディオラ監督誕生
「私は決して世界で最も優れた監督ではない」
3つのリクエスト/ 監督就任会見/ 史上最高のシーズン

第1章 バルサの精神
「バルサは世界で最もカンテラが機能しているクラブである」
若き指導者/ バルサであること/ グアルディオラの解釈

第2章 グアルディオラとクライフ
「クライフが現代サッカーの基礎を作り、バルサの基礎を作った」
成功の定義/ モダンフットボールを確立した男/ グアルディオラの素顔

第3章 最高の選手に囲まれて
「私のサッカー哲学にシークレットはない」
カンテラの憧れ/ 選手たちの評価

第4章 成長の地、カンテラとマシア
「私はマシアでの生活が大好きだった」
バルサ王国の礎/ マシアで学ぶこと

第5章 グアルディオラの監督術
「すべての責任は私にあるし、その時の覚悟は当然できている」
リーダーの品格/ エル・クラシコの成功例/ エトー放出の理由/ こまやかな配慮/
士気を高める策/ 戦うための環境/ 楽観的な賢さ/ 大一番を制す

第6章 創造性を持つサッカー狂
「私の選手たちに対する信頼は不変だ」
期待が成果を生む/ 行動規範/ 守備が要の攻撃力/ ワーカホリック/ 金銭と選手の関係/ 誇りを持つ

第7章 勝利の条件
「結果と内容の両方で納得のいくサッカーをしたい」
9つの条件/ 物事を明確にする/ 平常心を保つ/ 失敗から学ぶ謙虚さ/ 相手をリスペクトする/
集中力を高める/ 何が大切かを知る/ 謙虚さを忘れない/ 感謝する

第8章 独自のリーダーシップ
「世界にはバルサの哲学を愛してくれている人々がたくさんいる」
バルサ監督の条件/ 究極の選択/ パーソナリティの鍛錬/ 必要な変化/ バルサ人として/ 幸せであること

エピローグ バルサのために生きる男

リザルト
FCバルセロナ対戦成績
グアルディオラの軌跡


2012年8月14日火曜日

あの日にかえりたい 乾 ルカ

評判どおりのしみる話しばかり。
怖いような、芯まで深くくるような話しばかり。
短編なのでどれかは必ず満足する作品かと思われ。

個人的には親として「翔る少年」が号泣だったなあ。。



内容紹介
北海道を舞台に、時を超え「あの日」へ帰る人びとの、
小さな奇跡と希望を描く、感動の傑作短編集!

施設で会った80歳の老人は、介護士の卵でボランティアにきた「わたし」だけには心を開いてくれた。彼の嘘のような失敗続きの半生記にただ聞き入る日々。あるとき老人が呟いたひとこと「あの日にかえりたい」の真意とは……!?

戦慄と感動の表題作ほか、いじめられっ子の家出少年と動物園の飼育員のひと夏の交流「真夜中の動物園」、地震に遭った少年が翌日体験した夢のような一日「翔る少年」、高校時代の仲間と15年ぶりの思わぬ再会を描く「へび玉」。落ち目のプロスキーヤーが人生最期の瞬間に見た幻「did not finish」、ハクモクレンの花の下で出会った老女の謎「夜、あるく」。北海道を舞台に、時の残酷さと優しさ、そして、時空を超えた小さな奇跡と一滴の希望を描く、感動の6篇です。


2012年8月13日月曜日

スロウハイツの神様(下)  辻村 深月

そして下巻。
上巻では背景や人物像、そしてあおりについていくのが
楽しみだったけど、下巻は完全にオチに向かってまっしぐらになる。

最終的にはいろんな複線が見事に繋ぎ合わさって、最後の最後で
予想もしなかった展開を迎える。
いや、もしかしたら分かっていた人もいるかもしれないけれど
それを超えるさななるオチが待っている。

是非最後の最後まで絶対読んで欲しい。


内容(「BOOK」データベースより)
莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に百二十八通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った一人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。そして環が受け取った一つの荷物が彼らの時間を動かし始める。


2012年8月12日日曜日

スロウハイツの神様(上)   辻村 深月


上下あるけど、まず上から。
いやあ、久しぶりにきた一気読み。

これほど分厚い作品で、上巻をいっきに、そして次も読みたくなる
展開って、悪の経典以来かなあ。

読みやすさもさることながら、展開やリズムが自分とぴったり。
おそらく小説初心者にも合うと思う。


内容(「BOOK」データベースより)
人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ―あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。


2012年8月11日土曜日

乙女の密告 赤染 晶子

やばい、、、なんも頭に残っていない。。
せっかくの芥川作品なのに。。

レビューも結構賛否両論です。


内容(「BOOK」データベースより)
京都の大学で、『アンネの日記』を教材にドイツ語を学ぶ乙女たち。日本式の努力と根性を愛するバッハマン教授のもと、スピーチコンテストに向け、「一九四四年四月九日、日曜日の夜」の暗記に励んでいる。ところがある日、教授と女学生の間に黒い噂が流れ…。(わたしは密告される。必ず密告される)―第143回芥川賞受賞。


2012年8月10日金曜日

寝ても覚めても 柴崎 友香

途中でリタイヤしてしまいました。。。
話しのリズムや手法が自分とは合わなかっただけです。

内容紹介
人は、人のどこに恋をするんだろう?……消えた恋人にそっくりな人と恋に落ちた朝子の10年を描き、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞他、雑誌掲載時より各紙誌で話題沸騰、著者初の長篇小説。



2012年8月9日木曜日

シアター!〈2〉 有川 浩

相変わらず面白い。
欲を言えばもっと先に進んで欲しいけど、沢山読みたい気もするから
痛し痒し。

詳細はいいから、是非読んで、そんな感じ。

内容(「BOOK」データベースより)
「2年間で、劇団の収益から300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」―鉄血宰相・春川司が出した厳しい条件に向け、新メンバーで走り出した『シアターフラッグ』。社会的には駄目な人間の集まりだが、協力することで辛うじて乗り切る日々が続いていた。しかし、借金返済のため団結しかけていたメンバーにまさかの亀裂が!それぞれの悩みを発端として数々の問題が勃発。旧メンバーとの確執も加わり、新たな危機に直面する。そんな中、主宰・春川巧にも問題が…。どうなる『シアターフラッグ』!?書き下ろし。


2012年8月8日水曜日

カルテット2 イケニエのマチ 大沢 在昌


途中から完全に読み飛ばした。。
設定を懲りすぎて着いていけなくなった系。

もっと新宿みたいに単純な形にしてもらったほうが逆に深みを感じる。

内容(「BOOK」データベースより)
クチナワから指令が下る。それは、川崎・ミドリ町への潜入捜査だった。街の周辺では、四人の子供が死体で発見された。何棟ものアパートに二千人もの外国人が住みつき、治外法権の土地となっているという。身分を偽って街に入り込んだタケルたちは、自警組織「保安隊」に食い込むが、三人の前にサルや麒麟の面をかぶった異様な集団が現れる…。


2012年8月7日火曜日

夜を守る 石田 衣良

ちょっと毛色がいつもと違うけど、これはこれで好き。
町を守るという路線とちょっとした青年の成長ものがあって
いつもの会話とちょっとしたひねりオチだけ用意してストーリーを
作り出す手法とちと違っていた。



内容紹介
上野・アメ横通り。繁、サモハン、ヤクショの三人は、この街で暮らす幼なじみ。仕事上がりにガード下の定食屋に集まるのを楽しみに生きてる、そんないまいちクールじゃない毎日。だが、酔っ払いに息子を殺されたという老人と知り合ったことにより、アメ横の夜を守るべく「チーム」を結成することにした。痛快青春ミステリー。



2012年8月5日日曜日

偉大なる、しゅららぼん-万城目-学


正直、初期の2作品に比べるとパワーダウンは否めないが
これはこれで面白い作品になっていた。
辺にこねくり回すこともなく、前のように設定は不条理ながらも
単純な人物像の深堀と心理戦で展開していく。
読み応えは十分


内容紹介
万城目学の最新作にして、大傑作!!!
琵琶湖畔の街・石走に住み続ける日出家と棗家には、代々受け継がれてきた「力」があった。高校に入学した日出涼介、日出淡十郎、棗広海が偶然同じクラスになった時、力で力を洗う戦いの幕が上がった!


2012年8月3日金曜日

月は怒らない 垣根 涼介

これまた業が深い作品だこと。
内容紹介を見ると、男女の取り合いのような話に聞こえるけど
まったくそんなんではなく、ものすごい境遇にいたある男女が
こういった形で引かれていく、というようなちょっと説明しずらい
話し。
ただ筆力がものすごくあり、あきさせないリズムと展開なので
あまり深く考えずに是非読み出して欲しい。

最後は読んでいたような思いがけないようなオチが待っている。


内容紹介
梶原33歳●仕事は多重債務者の借財の整理。謄本の代理人申請のために訪れた市役所の戸籍係の女を一目見た瞬間、声を失った。弘樹20歳●バーで女がチンピラに絡まれて目の前で転んだ。助け起こした瞬間、女の顔に釘付けになった。和田34歳●勤務先の交番の前の市役所に自転車で通う女。既婚者のくせに俺はいつもその女を探している――。化粧もしない。服も地味。美人でもないその女・恭子に3人の男たちは、どうしようもなく魅かれていく。一方恭子は男たちの求愛を受け、3人と付き合い始める。接点のない3人だが、それぞれに思う、恭子は不思議な女だ。決してモノを欲しがらない。故郷や家族のことは話さない。会っている時間以外のことは未知。でも魅かれる。理由は何だ、いったいこの女の過去には何があるのか……。3人の男たちの視点を通して、恭子というなぞの女の正体が焙り出されていく。人と人との繋がりの意味を問う著者渾身の挑戦作


2012年8月1日水曜日

ラブレス 桜木 紫乃

いやあ、奥深い。
そして切ない。
この生き方は決してまねできないし、身近にも居ないけど
小説としては見事。

そしてあまり深くは言えないけど、登場人物の一人がある人の生き様
をある視点で興味を持つけど、それは非常によく分かる。

女性のだいぶかわって、ものすごく業が深い話しが読みたくなったら是非。


内容(「BOOK」データベースより)
馬鹿にしたければ笑えばいい。あたしは、とっても「しあわせ」だった。風呂は週に一度だけ。電気も、ない。酒に溺れる父の暴力による支配。北海道、極貧の、愛のない家。昭和26年。百合江は、奉公先から逃げ出して旅の一座に飛び込む。「歌」が自分の人生を変えてくれると信じて。それが儚い夢であることを知りながら―。他人の価値観では決して計れない、ひとりの女の「幸福な生」。「愛」に裏切られ続けた百合江を支えたものは、何だったのか?今年の小説界、最高の収穫。書き下ろし長編。


2012年7月30日月曜日

敗者復活戦 高任 和夫

敗者復活というか、3人の生き様というか。
そんなに爽快な復活劇はなく、最後の最後でちょっとした兆しが見える程度で
個人的にはそこから先のドラマが見たかったです。



内容(「BOOK」データベースより)
総合商社の中間管理職・彦坂祐介は、巨額の負債を残して失踪した同期の探索に行き詰まる。都市銀行を定年後、酒浸りの日々を送る雨宮、趣味生活の果てに世界一周旅行に出た河合。“アラ還世代”三人組が見出した、この先の人生の道筋とは!?東京近郊のベッドタウン・虹が丘を舞台に描く、もうひとつの企業小説。


2012年7月27日金曜日

ザ・コストカッター  黒木 亮

あれれ、、これ読んでないぞ。。
なのに返してしまっている。。

また借りないと、、、。


内容(「BOOK」データベースより)
名うてのリストラ屋・蛭田明は、米系投資ファンドによって極東スポーツの社長として送り込まれ、苛酷な大リストラを敢行。社員の首を次々と切る一方、短期間で株価をつり上げて私腹を肥やす。そのカラクリを見抜いたカラ売り屋「パンゲア」の北川靖が、ニューヨーク・ハーレムの子どもたちのあと押しを受け、全面対決を挑む。現代の資本市場を舞台に、強欲に踊る人々の栄華と末路を描いた問題作。


2012年7月24日火曜日

月光  誉田 哲也


途中あまりにも哀しい展開とオチにつながるんだけど、小説としては見事。
推理小説というよりハードミステリーというかある意味ホラーというか。。

姉妹の切ない愛情や思いがグイグイと伝わってくる分、姉妹の父親であるあたしには
つらい作品でした。。


内容(「BOOK」データベースより)
お姉ちゃんが死んだ。誰からも愛された人。優しく美しく、真っ白だった人。同級生のバイクによる不運な事故?違う、お姉ちゃんは殺されたんだ―。姉と同じ高校に入り、一人の教師の協力を得て真相を探り始めた妹結花。そこには覗いてはならなかった姉の秘密が―。学園にピアノ・ソナタ「月光」が流れるとき、教師と生徒の心が狂う。


2012年7月21日土曜日

半島  松浦 寿輝

なんか、ある意味ゆるゆると流れていく、男にとってはある意味うらやましい小説です。
文学小説的な流れと構成なので好き嫌いははっきり分かれると思いますが、不思議な
セミリタイヤをした紀行文とでも思って読めばいいかと。


内容(「BOOK」データベースより)
勤めていた大学に辞表を出し、寂れた島に仮初の棲み処を求めた迫村。月を愛でながら己の影と対話し、南方から流れついた女と愛し合い、地下へ降りて思いがけぬ光景を目にし、現実とも虚構ともつかぬ時間が過ぎていく。この自由も、再生も、幻なのか?耽美と迷宮的悦楽に満ちた傑作長篇。読売文学賞受賞作。



2012年7月19日木曜日

ジバク 山田 宗樹

いやあ、最後までジェットコースター的な面白小説でした。
最高峰を上り詰める直前でどんどん境遇が変わっていく様は
自分もそうなったらどうしようかと置き換えて読み進めてしまいました。

一歩間違えば誰でもこの手の転がりはあるんだろうなあ、と思うと
それだけでも読む価値がある作品です。


内容(「BOOK」データベースより)
外資系投資会社のファンドマネージャーである麻生貴志は、年収2千万を稼ぎ、美しい妻・志緒理と1億4千万のマンションを購入する予定を立てていた。自らを“人生の勝ち組”と自任する貴志は、郷里で行われた同窓会でかつて憧れた女性ミチルに再会する。ミチルに振られた苦い過去を持つ貴志は、「現在の自分の力を誇示したい」という思いだけから、彼女にインサイダー行為を持ちかける。大金を手にしたミチルを見て、鋭い快感に似た征服感を味わう貴志。だがそれが、地獄への第一歩だった…。


2012年7月17日火曜日

密姫村 乾 ルカ

いやあ、、これは怖い。
ひさしぶりにホラーを読んだので入り込んでしまいました。
最初のプロローグの箇所の意味がまったく分からないで途中で
そのことすら忘れてしまうのですが、最後の最後でつながり
そしてエピローグで繋がる見事な構成になっています。

決して人をどうこうするグロイものではないのですが、一部そのような表現や
シーンも出てきます。
そこは重要じゃないので、読み飛ばせば誰でも怖さがじっくり味わえる
いい作品だと思います。




内容紹介
変種のアリを追って、東北の山村に迷い込んだ、東京の大学の講師で昆虫学者の山上一郎は、瀧埜上村の仮巣地区の人々に助けられ、命をとりとめた。翌年、山上は医師でもある妻の和子を説得し、一年間のフィールドワークのために、再び仮巣地区を訪れた。この村には医師がいなかったため、和子にとってもそれはやりがいのある仕事に思えたのだった。優しくて、親切な村の人々。だが、何日かその村で生活していくうちに、和子は違和感を覚える。―みんな健康的過ぎる…医師もいないのに…。



2012年7月16日月曜日

まほろ駅前番外地 三浦 しをん

前作も読んでいたので、さくっと世界に入れました。
それ自体は面白く、たまに二人の人間関係や歴史にも触れるので
今後の連作が楽しみになる構成でした。

シリーズものの映画にもしやすいなあ、これは。

内容(「BOOK」データベースより)
第135回直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』での愉快な奴らが帰ってきた。多田・行天の物語とともに、星、曽根田のばあちゃん、由良、岡老人の細君が主人公となるスピンアウトストーリーを収録。


2012年7月14日土曜日

一匹羊 山本幸久

やばい、、面白そうな内容なのに全然記憶にない。。

また借りよう。・・

内容(「BOOK」データベースより)
縫製工場に勤める大神は、若いころと違って事なかれ主義で働いていた。そこに、職場体験に中学生がやって来る。年下の同僚とともに、中学生の面倒を見るはめになった大神。そこで、ある問題が生じて―(「一匹羊」)。OL、女子高生、フリーター、元野球選手、主婦…相手にされなくても。変人に思われても。一歩踏み出すと、素敵な自分が見つかるかもしれない、それぞれの「明日が少し元気になれる」物語。表題作ほか、7編を収録。


2012年7月13日金曜日

対岸の彼女 角田 光代

いやあ、淡々の女性の生きているシーンを描くのは天才的な構成だなあ。
筆力がすごいというか。
内容はよくある女性の生き方であり、考え方であり、苦労話なんだけど
それがまたグイグイくる。

最後のほうでいろんな動きがあるけど、角田先生作品にしては珍しく
後味がいい。
これはこれで感動はないけど映画化したらそこそこの層に受けるだろうなあ。

内容(「BOOK」データベースより)
専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、それだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。多様化した現代を生きる女性の、友情と亀裂を描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。


2012年7月12日木曜日

もつれっぱなし 井上 夢人

井上先生、どうした!? の第二弾。
まったくおもしろない。。別の世界に行ってしまったのだろうか。

あ、期待しすぎな面もあります。
他の作者の方なら、いい短編だ、くらいは言っているかもです。
でも、、この手の話しも岡嶋時代に見たし、どうとでも取れるオチに
なっているので、頭をこねくりまわして作ったような感がない。

やっぱりいい作品を多く持っている人は苦労が多そうだなあ。

内容(「BOOK」データベースより)
「…あたしね」「うん」「宇宙人みつけたの」「…」。男女の会話だけで構成される6篇の連作編篇集。宇宙人、四十四年後、呪い、狼男、幽霊、嘘。厄介な話を証明しようとするものの、ことごとく男女の会話はもつれにもつれ―。エンタテインメントの新境地を拓きつづけた著者の、圧倒的小説世界の到達点。


2012年7月9日月曜日

カラ売り屋  黒木 亮

昔の株売りのドキドキした攻防戦みたいな小説かと思いきや、、
完全に読み飛ばしてしまい、記憶にまったくのこっていない。。

あらすじなど見ると非常に興味深いテーマなんだけど。。


内容(「BOOK」データベースより)
人の弱みにこそ勝機あり。理念無き利益操作が支える「危ない株」も、村おこしとは名ばかりの錬金術も、途上国へのハイリスク融資も、経済の闇に蠢く魑魅魍魎にとっては宝の山だ。金融界のまっとうな道を踏み外した男たちのカネへの執念が生んだ熱い物語。国際経済小説の旗手が切り開いた新境地、全4篇。


2012年7月6日金曜日

延長戦に入りました  奥田 英朗


書評が面白そうだったので借りてみたけど、やっぱりこの手のエッセイは
古いとなかなかついていけない。
世俗をきるというか、ニュースに近いことを評論しているので、タイムリーで
ない分、この時代はどういう感想をもっていたのか自分なりに考える変な間
があり、なかなか読み進められなかった。


内容(「BOOK」データベースより)
ボブスレーの二番目の選手は何をしているのかと物議を醸し、ボクシングではリングサイドで熱くなる客を注視。さらに、がに股を余儀なくされる女子スケート選手の心の葛藤を慮る、デリケートかつ不条理なスポーツ無責任観戦!読んで・笑って・観戦して、三倍楽しい猛毒エッセイ三十四篇。




2012年7月4日水曜日

風が吹いたら桶屋がもうかる 井上 夢人

井上先生らしからぬ、というか岡嶋二人時代はよくあった書きなぐり系。
いや、他の人の評価はそれなりなので、個人的な好みかもしれないけど
岡嶋二人時代によくこの手の短編を読んでいたので、新鮮味がなくなっている
のかもしれない。


内容(「BOOK」データベースより)
牛丼屋でアルバイトをするシュンペイにはフリーターのヨーノスケと、パチプロ並の腕を持つイッカクという同居人がいる。ヨーノスケはまだ開発途上だが超能力者である。その噂を聞きつけ、なぜか美女たちが次々と事件解決の相談に訪れる。ミステリ小説ファンのイッカクの論理的な推理をしり目に、ヨーノスケの能力は、鮮やかにしかも意外な真相を導き出す。


2012年7月2日月曜日

任侠病院 今野 敏

このシリーズもの。前にも読んだ気もするし、初めてのような気もするし、。
いずれにせよ面白いことは確か。

ひねり具合や人間模様もさることながら、テーマがやっぱり秀逸。
薄々感はありつつもこのテーマはまったく知らない世界ながらも興味深いので
その側面だけでも面白い。

おもったほど深い人情ネタと病院ネタではなかったのがたまに傷。


内容紹介
日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、東京下町で長年ちっぽけな所帯を持っている。
堅気に迷惑をかけない正統派ヤクザであったが、地元新住民の間から暴力団追放運動が起こってきた。
そんなおり、組長の阿岐本雄蔵が、潰れかけた病院の監事となって再建を引き受けることになった。
暗い雰囲気の院内、出入り業者のバックには関西大物組織の影もある。
再建先と地元、難題を二つ抱え込んだ阿岐本組。
病院の理事もさせられた日村は、組の最大の危機を乗り切れるのか――。


2012年6月30日土曜日

沈黙の檻 堂場 瞬一


オチは薄々分かりつつもどうしても最後まで読んでしまう。
この手の筆力の高さはさすが。

人間模様と推理小説がうまい具合にかさなっているので、ある意味
このオチがなくても最後まで読み進められる。
ただ、分かってはいたけど最後の手前まで重厚で読み応えがある文
オチがありきたりでちょっと残念。


内容(「BOOK」データベースより)
迷宮入りした17年前の殺人事件の犯人だと名指しされた運送会社社長・末松。なぜか犯行を否定せず、マスコミに「ノーコメント」と繰り返すのみ。その末松の命が狙われた。警護を命じられた所轄署の刑事・氷室は、彼の人間的魅力に惹かれ始める。一方、かつての事件で実父を殺された青年タケは、親父と慕う末松の無実を信じていた。そして新たな殺人が…。哀切なる警察小説、堂場瞬一の新境地。書き下ろし長篇ミステリー。


2012年6月25日月曜日

荻窪 シェアハウス小助川 小路 幸也


シェアハウス好きなので舞台設定だけでも楽しめた。
でもシェアハウスどくどくのべたべた感や友情愛情よりも
家そのものに焦点をあてて話しが進んでいた感がある。

結果、どんな方向からでも楽しめる作品になったかと。


内容説明
みんなで暮らせば、なんでもできるそう思える瞬間が、確かにあった――。やりたいことも夢も特になし。自慢は家事の腕前だけ。そんな佳人が背中を押されて始めたのは、見ず知らずの男女6人 管理人のタカ先生との共同生活だった。場所は小さい頃に通った医院を改築した、シェアハウス。くらしのルールをみんなで作って、案外、居心地がいいかも。でも――。一歩踏み出す勇気が見つかる長編エンタメ!



荻窪 シェアハウス小助川 小路 幸也


シェアハウス好きなので舞台設定だけでも楽しめた。
でもシェアハウスどくどくのべたべた感や友情愛情よりも
家そのものに焦点をあてて話しが進んでいた感がある。

結果、どんな方向からでも楽しめる作品になったかと。


内容説明
みんなで暮らせば、なんでもできるそう思える瞬間が、確かにあった――。やりたいことも夢も特になし。自慢は家事の腕前だけ。そんな佳人が背中を押されて始めたのは、見ず知らずの男女6人 管理人のタカ先生との共同生活だった。場所は小さい頃に通った医院を改築した、シェアハウス。くらしのルールをみんなで作って、案外、居心地がいいかも。でも――。一歩踏み出す勇気が見つかる長編エンタメ!



2012年6月23日土曜日

しゃべれどもしゃべれども 佐藤 多佳子

予想以上に面白くて一気読みだったのがびっくり。
落語の世界は個人的に好きなので、その世界観やうんちくで
読み進めていくのかと思いきや、主人公の考えや悩み、行動の
ドキドキ感で最後まで読んでしまった。



内容(「BOOK」データベースより)
俺は今昔亭三つ葉。当年二十六。三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、未だ前座よりちょい上の二ツ目。自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短い。女の気持ちにゃとんと疎い。そんな俺に、落語指南を頼む物好きが現われた。だけどこれが困りもんばっかりで…胸がキュンとして、思わずグッときて、むくむく元気が出てくる。読み終えたらあなたもいい人になってる率100%。


2012年6月20日水曜日

蒼の悔恨   堂場 瞬一

読み応え十二分のハードボイルド。
深くて濃くてグイグイ読めて、読了感はいうことなし。


内容(「BOOK」データベースより)
雨の横浜―「猟犬」と呼ばれる男、神奈川県警捜査一課・真崎薫の孤独な戦いが始まる!連続殺人犯・青井猛郎を追い詰めた真崎だったが、コンビを組んだ赤澤奈津をかばった一瞬の隙をつかれて深手を負い、逃走を許す。捜査から外されるも、青井を追い続ける真崎。犯人が次に狙う標的とは?そして真崎、赤澤、青井を結ぶ意外な接点とは?警察小説の名手が描く、緊迫の長編サスペンス。


2012年6月18日月曜日

対岸の彼女 角田 光代

さすが、すごい、なぜか最後まで読んでしまう。
二人の女性の視点で話しは進んでいくんだけど、
片一方の女性は高校生の時代の話がメイン。

その時代と現在の正確なのか行動なのかそのギャップ
があまりにも大きく、そのなぞというか変化の過程が
徐々に明らかになっていく。
でも話しの本編からはそんなことどうでもよくて
なおかつそれは重要な意味をもたず、どちらかというと
30代とか40代の女性の考えやコミュニケーションの中身
が垣間見えていき、なぜか読み進めてしまう、角田先生
の独特の世界観が存分に味わえる。

評価されるのもごもっとも。



商品の説明
第132回(平成16年度下半期) 直木賞受賞


2012年6月14日木曜日

味なしクッキー 岸田 るり子


やばい、、レビューの評価は高いのにあたしの記憶からは
完全に抹消されている。。
読んだ記憶もないくらい。
ごめんなさい、もう借りないようにします。。



2012年6月13日水曜日

みぞれ 重松 清

いやあ、、、本当に新しい発見がない。
毎度おなじみモチーフの焼き直し。
リライトしているのか?というくらい同じような重松先生トーン。

ただ、これを始めて読んだ人はある程度満足するし感動もするかも。
それがあるから、また借りてしまうのだ。。


内容(「BOOK」データベースより)
あなたに似た人が、ここにいる―。幼なじみの少女が自殺未遂、戸惑いながら「死」と向き合う高校1年生の少年。結婚7年目、セッカチな夫に最近うんざりしてきた妻。子供がいないとつい言えなくて、一芝居うつ羽目に陥った夫婦。どちらかがリストラされる岐路に立たされた40歳の同期社員。晩年を迎えた父に、複雑な思いを抱く43歳の息子…。ひたむきな人生を、暖かなまなざしでとらえた11の物語。文庫オリジナル短編集。




2012年6月11日月曜日

グラスホッパー 伊坂 幸太郎


伊坂先生の作品は本当にアンパイだなあ。
リズムも深みも裏切りもいつもどおりきっちり出してくる。
あのわけの分からない会話のリズムもいつもどおり。

それでいて飽きない、グイ読み、一気読み。

ものすごくしっちゃかめっちゃかだけど最後の最後できっちり
見せるのでご安心を。

内容(「MARC」データベースより)
復讐。功名心。過去の清算。それぞれの思いを抱え、男たちは走る。3人の思いが交錯したとき、運命は大きく動き始める…。クールでファニーな殺し屋たちが奏でる狂想曲。書き下ろし長編。


2012年6月10日日曜日

約束の森 沢木 冬吾

相変わらずすごい話し。というか、この手の作品を書いたら沢木先生がピカイチだろう。
息もつかせぬ展開とものすごい筆力。映画の世界を文章で体感しているすごい作品だ。

こういう映画に勝てる小説があるから、読書はやめられない。

内容(「BOOK」データベースより)
警視庁公安部に属していた奥野侑也は、妻を殺人事件で亡くし、退職を決めた。以降、人知れず孤独に暮らしていたが、かつての上司から北の寂れた土地でモウテルの管理人を務めてほしいと依頼され、任地に向かう。そこで待っていたのは、見知らぬ若い男女と傷ついた一匹の番犬だった…。



2012年6月9日土曜日

新参者 東野 圭吾

ドラマが有名になったのであんまり説明しないけど、またよく出来たお話で。
加賀刑事がすごすぎるといか、こんな刑事いないよなあ、ってのが実感してしまう
連作と展開。

面白インだけどね。
そろそろ飽きるか。。

内容(「BOOK」データベースより)
日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの四十代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が…」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。



2012年6月6日水曜日

麦の海に沈む果実 恩田 陸、 笠井 潔

うーん、、これは、、ちょっと強引なのでは。。
なんでもありの展開と別世界。
ちょっとこの異空間についていけませんでした。
また、途中で飽きちゃった。。



内容(「BOOK」データベースより)
三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。図書館から消えたいわくつきの本。理瀬が迷いこんだ「三月の国」の秘密とは?この世の「不思議」でいっぱいの物語。


2012年6月2日土曜日

黒と茶の幻想 (下)  恩田 陸

いやあ、完全に旅の話しで4人がそれぞれ一人称で話しを進めていくんだけど
その側面は展開が変わっていて面白い。

また人物の別ストーリーや変な回想でものすごく引っ張ることも
せず基本この仲間の話と旅の思いだけで、上下構成している。

その筆力とぶ厚さに感動。


内容(「BOOK」データベースより)
雨の音を聞きながら、静かな森の中を進んでいく大学時代の同窓生たち。元恋人も含む四人の関係は、何気ない会話にも微妙な陰翳をにじませる。一人芝居を披露したあと永遠に姿を消した憂理は既に死んでいた。全員を巻き込んだ一夜の真相とは?太古の杉に伝説の桜の木。巨樹の森で展開する渾身の最高長編。


2012年6月1日金曜日

黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫) 恩田 陸


どっぷり読みました。
続きは下巻で。
あ、一つだけ言っておくと、、、飽きない。

内容(「BOOK」データベースより)
太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。


2012年5月28日月曜日

奪取 真保 裕一

偽札をテーマにしたすごく長く、深いはなし。

ここまでエンタメで深みがあってきちんとドキドキして
最後の最後でまたある、みたいな話は久しぶり。

恋愛あり、友情あり、サスペンスあり、経済ありと
本当に盛りだくさん。
それでいてみんな旨くからまっている。

映画だなあ、これは。


出版社/著者からの内容紹介
第10回山本周五郎賞、第50回日本推理作家協会賞長編部門受賞。
偽札造り──それは究極のだましのゲーム。
「そのお札を使ったところで、誰が被害者になるわけでもないんだ。おれの手を放れた紙幣は、また次の誰かの手へと伝わっていく。誰も気づかず、どこにも被害者はいない。札を造り上げた者だけが勝利者となる。
……おれは決めたぞ、雅人。この先何年かかるか分からない。けど、必ずこのゲームに勝利してやる!」


2012年5月26日土曜日

D列車でいこう 阿川 大樹

よくある復興ものだけど人物展開や内容がよくできている。
現実的にこのとおりやってもそれはそれでいいのではないか
と思えるのど経済小説の側面ももっている。

人物がちと現実離れしている点もあるけどそれがまた
三者三様の深みを出している。

表紙のイメージはまったく違うのでだまされないように。


内容(「BOOK」データベースより)
MBA取得の才色兼備銀行ウーマン。町工場相手に良心的融資を実践する銀行支店長。鉄道マニアのリタイア官僚。廃線が決定したローカル鉄道を救うため、三人が株式会社ドリームトレインを興した。奇想天外、破天荒な方法で田舎町に旋風を巻き起こす、ロマンチック・ビジネス・ストーリー。


2012年5月25日金曜日

女王の百年密室 森 博嗣

これを借りたのは2回目。
そして今回も、、最後まで読めず。

なんでだろう。。不思議な魔力で、ほぼ2Pくらいでやめちゃうんだよなあ。。
つまらないという意識の前に読む気がしない。
じゃあ借りるな、って話しなんだけど、森先生の作品は何気に好きで
テーマも面白そうだから読んでもおかしくないのに。。

これこそミステリか。


内容(「BOOK」データベースより)
女王が統治する幸福で豊かな楽園。不満も恨みもない世界で起こる空前の殺人事件。女王の塔の中で殺されていたのは…。完全なる密室。そして、完全なる犯罪。誰が、どうやって、何のために…?僕とパートナのロイディは推理を開始する。しかし、住民たちは皆「殺人」の存在さえ認めない。「密室」の謎、「百年」の謎、「女王」の謎、そして「神」の謎。“密室”の扉は、いま開かれる。新世紀=森ミステリィの黄金傑作。


2012年5月22日火曜日

魔法使いの弟子たち 井上 夢人

何年かぶりに井上先生の作品を読んだ。
そしてすごすぎて泣いた。いや、泣いてないけどそれほどドシーンという
重さを感じた。

もう、井上先生の作品でTOPレベルものをイメージしてもらえれば
なんの問題もない。
テーマ、展開、リズム、オチ、すべてにおいて井上先生(岡嶋時代)の
TOPレベルの作品同様だ。

これは絶対だ。


内容(「BOOK」データベースより)
山梨県内で発生した致死率百パーセント近い新興感染症。生還者のウィルスから有効なワクチンが作られ拡大を防ぐが、発生当初の“竜脳炎”感染者で意識が戻ったのは、三名だけだった。病院内での隔離生活を続ける彼ら三名は、「後遺症」として不思議な能力を身につけていることに気づき始める。壮大なる井上ワールド、驚愕の終末―。


2012年5月20日日曜日

我が家の問題 奥田 英朗

相変わらずうまいなあ、この手の家族小説は。

まったく違う6つのシュチュエーションながら、それぞれオチというか手前2Pくらいで
いい味を見せるシーンが生まれる。

最後の最後に解決は見えないやつもあるが、それはそれで一つの道という
見せ方をしている。

お説教はいらないけど、悩みを聞いて欲しい人に是非。

内容紹介
平成の家族小説シリーズ第2弾!
完璧すぎる妻のおかげで帰宅拒否症になった夫。両親が離婚するらしいと気づいてしまった娘。里帰りのしきたりに戸惑う新婚夫婦。誰の家にもきっとある、ささやかだけれど悩ましい6つのドラマ。



2012年5月18日金曜日

ダリアの笑顔 椰月 美智子


お父さんの悩み以外はそれぞれに面白く、小粒で記憶に残るエピソードを
説教くさくなく、月並みでいて当たり前に描いている。

小説らしくない、って話しもあるしドラマや映画にしにくいかも
しれないけど、これが本当の現実小説という見え方もある。

筆力があって、グイグイ進むのでまったく飽きずに最後まで
面白く読める。


内容(「BOOK」データベースより)
自信満々の別の自分を空想する長女・真美。友人たちと揺れる40代を惑う母・春子。転校生にピッチャーの座を奪われそうな長男・健介。係長なのに全然やる気の出ない父・明弘。四人家族の綿貫さんち、それぞれの悩みや不安の日々から生まれる、ささやかだけれど大切なもの。どこか懐かしくて元気が出る、あなたと同じ普通の家族の光り輝く物語。


2012年5月16日水曜日

Nのために 湊 かなえ


前にも読んだはずだけど、なんとなく借りてしまいました。
前の感想はさておき、今回新たな気持ちで。

Nというキーワードが最後の最後に分かるんだけど、それまでは
そのことはあまり気にしないでミステリーとして単純に楽しんだほうがいい。
種明かし的なことはおまけ程度に。
そのくらい、それぞれの内容が濃くて、深みにはまる。

有名作ほど重くもなく、さくさく行くんだけど、ふとした瞬間に
裏に隠された重さに気づく。それも、いちいち頭をこねくりまわす必要もなく
「ハッ」と気づく。その瞬間も面白い。


内容(「BOOK」データベースより)
「N」と出会う時、悲劇は起こる―。大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。台風による床上浸水がきっかけで、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。すべては「N」のために―。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件。そして、その真実をモノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。


2012年5月13日日曜日

蝶々の纏足・風葬の教室 山田 詠美

やばい、、最後まで読めなかった。
なんで借りたんだろう。
まったく頭に入ってこない。こういう文学なんだがホラーなんだか分からない小説は
焦点をどこにおいていいのか分からないのでどうしても読み進められない。

ごめんなさい。


内容(「BOOK」データベースより)
私の心を束縛し、私の自由を許さない美しき親友のえり子。彼女の支配から逃れるため、私は麦生を愛し、彼の肉体を知ることで、少女期からの飛翔を遂げる「蝶々の纏足」。教室という牢獄の中で、生贄となり苛めをうける転校生の少女。少女は自分を辱めた同級生を、心の中でひとりずつ処刑し葬っていく「風葬の教室」。少女が女へと変身してゆく思春期の感性をリリカルに描いた3編を収録。


2012年5月12日土曜日

デザイナーベイビー 岡井 崇

いや、わかるんだけど、、ちょっと薀蓄がくどい。
また深すぎストーリーのリズムが取りづらく読みするめるのに
苦労した。

ちょっとマニア好きの人でないと最後まで楽しく読めないかも。。

内容紹介
体外受精、遺伝子操作、代理母出産、クローン、卵子売買……日進月歩で技術は進みながらも、日本では全く法整備がなされていない生殖 医療。その光と闇とは? 『ノーフォールト』(テレビドラマ化名「ギネ/産婦人科の女たち」)に続く、衝撃の問題作 城南大学病院は衝撃に震えた。生後三日の女児が、新生児室から連れ去られたのだ。誰が、なぜ、どうやって、産まれたばかりの児を? しかも誘 拐された児は病気を持っている。救出は一刻を争う。やがて院長あてに身代金要求の電話が入るが……狡猾な犯人に翻弄され、焦慮に駆られる 警察。医師たちも動揺を隠せない。だが、事件はまだほんの序の口だった。さらなる衝撃が、城南大学病院を襲ったのだ! 産科医不足問題の実 態を描き、社会に大きな波紋を投げかけた『ノーフォールト』に続き、最前線の現役医師が最前線のさらに一歩先にある危機を描く。



2012年5月10日木曜日

世田谷駐在刑事 濱 嘉之

まったく知らない作者とシリーズなんだけど、もうけものみたいな
作品だった。

展開や筆力、人間描写などものすごく旨い。
リズムがあっているのか、まったく読み疲れない。
そして、背景が面白いこともあり、物語に深みが生まれている。



内容説明
警察の全てを知る著者が放つ「超」刑事小説東京・世田谷。高級住宅街のど真ん中に、その「駐在所」があることはあまり知られていない。さらに、その駐在員がマル暴刑事の「全国指導官」であることも――。


2012年5月9日水曜日

交渉人・籠城 五十嵐 貴久

何気に最後までまったくオチや本質が分からない話。
いや、あらすじにあるような底辺がありつつ物語は続くのだけど、
それがどこまでホントなのかまったく読めない。

それは最後ある意味予感どおりの展開になる。

内容(「BOOK」データベースより)
喫茶店の店主が客を監禁・篭城する事件が発生した。交渉人に任命された遠野麻衣子に、篭城犯は「テレビカメラを駐車場に入れ、事件を中継しろ」と要求する。過去に犯人の幼い娘が少年によって惨殺された事件に動機があると推察するが、麻衣子たちは要求の真意を計りかねていた。そこへさらに突きつけられたのが、警察としては決して呑めない前代未聞の要求だった。解決策を探ろうと必死の交渉を続ける麻衣子の耳に、いきなり女性の悲鳴が聞こえる―。




2012年5月7日月曜日

オール・マイ・ラビング 東京バンドワゴン (東京バンドワゴン)小路 幸也

東京バンドワゴンのシリーズは好きなんだけどここまで続いてしまうと
派生した話しがどう繋がっているのか分からなくなる。。
ただ、それぞれに小粒で面白い話。
いきなりここから読むと大後悔。。


内容
東京、下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」を営む堀田家は、今は珍しき四世代の大家族。店には色々な古本が持ち込まれ、堀田家の面々はまたしても、ご近所さんともども謎の事件に巻き込まれる。ページが増える百物語の和とじ本に、店の前に置き去りにされた捨て猫ならぬ猫の本。そして、いつもふらふらとしている我南人にも、ある変化が…。ますます賑やかになった大人気シリーズ、第5弾。




2012年5月5日土曜日

哀しき空手王 真樹日佐夫

てっきり極真カラテの話しかと思いきやだいぶ離れているみたい。
なんで、途中であきらめてしまいました。
真樹先生、ごめんなさい。。。

内容紹介

日本空手界の総帥を殺したのは誰だ!?
動機は? 殺害方法は?
そして、驚くべき結末!
業界重鎮によるスーパーフィクション。

空手の手練が十人同時に打ち掛かってもかなわない。
未だそれだけの実力を維持していた総帥の人中に、狙い澄ましたような一撃。
遺体は全身四十数カ所にもわたる複雑骨折。
犯人は誰か!? 交錯する人間関係。
誰もまったく予想していなかった結末が待っていた――。





2012年5月2日水曜日

「ワタクシハ」 羽田 圭介


期待していたハードルが高かったのか、いまひとつ最後まで盛り上がりに欠けた。
シュウカツのエピソードを一人の視点で好き勝手に書いた感。

内容(「BOOK」データベースより)
人生賭けたい夢がある。でも、内定は欲しい。かつて、高校生でギタリストデビューを果たした山木太郎。しかし栄光も束の間、バンドは解散。すっかり燻り、大学三年の秋を迎えた太郎の周囲は「シューカツ」に向けて慌しく動き出していた。その“一発逆転システム”に魅せられ、就活戦線に身を投じる決意をする太郎。「元有名人」枠で楽々内定を勝ち取れると思っていたのだが―。就職氷河期「以下」の今に問いかける、書き下ろし最新長篇。





2012年5月1日火曜日

コズミック・ゼロ: 日本絶滅計画 清涼院 流水

ごめんなさい、、時間がなくて読めませんでした。。。

最初の2Pくらいで止めてしまい。。

内容説明
元旦の午前零時、初詣客が消えた。それが謎の集団“セブンス”が仕掛けた日本絶滅計画の始まりだった。一体どうやって、何のために!?


2012年4月30日月曜日

警官の血 佐々木 譲


これ、ドラマを先に見てしまったのでなかなか小説を読む気が起きませんでした。
そして時間もあったのでやっと読み出したらこれがまた最高の作品で。
長編だけどあっというまに完読しました。

内容もオチも知っているはずなのに、まったく目が離せないリズムと文体。
筆力でグイグイもっていくパターンです。
内容ももちろん深くていい意味で面白い。

これは警察小説の最高峰でしょう。

内容(「BOOK」データベースより)

昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。だが五重の塔が火災に遭った夜、謎の死を遂げる。その長男・安城民雄も父の跡を追うように警察学校へ。だが卒業後、その血を見込まれ、過酷な任務を与えられる。大学生として新左翼運動に潜りこめ、というのだ。三代の警官の魂を描く、空前絶後の大河ミステリ。





内容(「BOOK」データベースより)

安城民雄は、駐在として谷中へと還ってきた。心の傷は未だ癒えてはいない。だが清二が愛した町で力を尽くした。ある日、立てこもり事件が発生し、民雄はたったひとりで現場に乗り込んだのだが―。そして、安城和也もまた、祖父、父と同じ道を選んだ。警視庁捜査四課の一員として組織暴力と対峙する彼は、密命を帯びていた。ミステリ史にその名を刻む警察小説、堂々たる完結篇。



2012年4月28日土曜日

おれたちの青空 佐川 光晴

パート1を読んでいてそこそこ面白かった記憶なんだけど、これは。。。
いや、レベルはそれなりに高いし、最後まで楽しく読めたけど、ハードルが
上がっていたのか、もっと感動が欲しかった。

内容(「BOOK」データベースより)

父親が服役中の陽介、虐待の記憶に苦しむスポーツ万能の卓也。札幌の児童養護施設「魴〓舎(ほうぼうしゃ)」に暮らす仲間も高校受験を控え、悩める時期を迎えている。ある大雪の朝、卓也は「家出」を敢行するが…(「小石のように」)他全3篇。高校進学への迷いと未来への希望―陽介と卓也に旅立ちの時が来た。第26回坪田譲治文学賞受賞作『おれのおばさん』に続く感動の青春小説。





2012年4月27日金曜日

かわいそうだね? 綿矢 りさ

面白いけど、、なんか読み飛ばしてしまう軽さがある。
当然感動もなければ、ドスンとくる何かもない。
いい作品だとは思うけど、人に伝えたくなる衝動が沸いてこない。

たぶん相性の問題かと。。

内容紹介

私の彼は元彼女と同棲中……週刊誌連載時から話題を呼んだ表題作と、女子同士の複雑な友情を描く「亜美ちゃんは美人」の2篇収録。






2012年4月23日月曜日

廃墟に乞う 佐々木 譲

このシリーズはアンパイです。そして2回目です。
どのエピソードも深くて凄みがあり、そしてオチも見事。
警察小説の面白さと推理小説の面白さ、そして主人公の魅力で
グイグイと引っ張っていく良作です。

内容紹介

道警の敏腕刑事だった仙道孝司は、ある事件をきっかけに療養中の身。やっと回復してきた仙道に、次次とやっかいな相談事が舞い込む。





2012年4月20日金曜日

ピースメーカー  小路 幸也

もっと泣かせの要素や感動のシーンがあるのかと思いきや、ほのぼの学園小説でした。
面白いことは面白いけど、、、深みが欲しかった。


内容(「BOOK」データベースより)

赤星中学内で対立する運動部と文化部の架け橋となり、学内に平和をもたらす存在“ピースメーカー”。その実態は、放送部の良平とケンちゃん―知恵と愛嬌の凸凹コンビだ。ハートフルでちょっとノスタルジックな青春エンターテイメント。





2012年4月17日火曜日

判決の誤差   戸梶 圭太

まったく、、読みませんでした。。。
文体が合わない。。

内容紹介

裁判員制度が始まって1年余り。市民による死刑判決が出る中、果たして本当に市民が罪を裁くことができるのか。ここで描かれることは決して他人事ではない。あなたのことです。マジでこんなことが行われているのだろうか? 死刑判決の準備はできてるか? ARE YOU READY? 『誘拐の誤差』で注目を集める著者の問題作。





2012年4月12日木曜日

ミス・ジャッジ 堂場 瞬一

実はこの作品、2回目です。
それでも最後まで面白く読めました。

このあまりない二人の組み合わせとメジャーリーグの裏的な面白さ。
入り込んだ二人のエピソードなど面白さ満点です。


内容(「BOOK」データベースより)

レッドソックスの先発投手として、メジャーデビューを果たした橘。暗い過去を秘めた日本人初のMLBアンパイア竹本。高校・大学時代の確執を引きずるふたりの人生が、大リーグを舞台に再び交錯する。たった1球の判定が明暗を分ける熾烈な世界で、因縁の闘いに決着はつくか―強烈な自負心と深い孤独を抱えた男たちのドラマを描く、傑作野球エンターテインメント





2012年4月9日月曜日

作家の使命 私の戦後―山崎豊子自作を語る 作品論 山崎 豊子

借りてみたのはいいけれど、途中で飽きないかなーと思ったら
以外にも最後までちゃんと読めました。
やっぱり筆力がある作者はなんでもできるってことかしら。

しかし話している箇所に時たま矛盾があるけど往々にしてすごい
作者だなあと。
いろんなエピソード満載で、2つ以上作品を読んだ人にとっては面白いです。


内容(「BOOK」データベースより)

『白い巨塔』『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』『沈まぬ太陽』『運命の人』…。常に時代を先取りし、社会問題を鋭く抉る超大作を世に問い続けてきた作家が語り尽くす取材秘話と執筆の裏側、そして「書き続ける理由」。半世紀にわたり、作家を突き動かしてきたものとは何か。山崎文学への理解が深まるエッセイ集。





2012年4月6日金曜日

デッド・リミット 遠藤 武文

これ、あおりは面白そうで最初の10pくらいはどうなるのかなあ、と思ったけど途中から
無理くり感が出てきて収集が着かなくなった感じ。


内容紹介

児童誘拐事件の裏に潜む、驚愕の真相!
シングルマザーの智子に届けられたのは、切断された息子の指。犯人は身代金5千万円を要求。智子は受け渡しに奔走するが・・・・・・。事件に巻き込まれた5人の視点で描く、乱歩賞作家による問題作!





2012年4月3日火曜日

必然という名の偶然 西澤 保彦

ちゃんと読んだはずなのに、、内容をまったく覚えていない。。
リズムが悪くて途中で止めてしまったのか。。



内容(「BOOK」データベースより)

この街は、なんかおかしい!今日は倉橋譲の結婚式。この男、とにかく女運が悪い。婚約しては逃げられ、結納しては逃げられ、挙式中に逃げられ…。八年前には、控室から消えた花嫁が別の男と無理心中。そんな中、今日の花嫁が心中した男の交際相手だったと発覚。これを単なる偶然と言えるのか?(「エスケープ・ブライダル」より)。殺人街・櫃洗市で起きる奇妙・珍妙な6つの事件を描いた連作ミステリー。




2012年4月1日日曜日

死ねばいいのに 京極 夏彦

実は京極先生の作品をがっつり読むのは今回が初めて。
昔に時代小説をちと読んで、文体が合わずに止めてしまった
経緯がある。
今回は著名な現代小説だったので読んでみたら、これがまたぴったり
あって最後まで一気読みでした。
なんとなく今回は在る層には熱狂的な信者がいる京極作品の魅力が分かりました。

当たり前のような生き方を否定して、まったく共感が得られない登場人物を
ひとりの青年がぐっさり切っていく。
気持ちいいような気持ち悪いような、不思議な作品。


内容(「BOOK」データベースより)

死んだ女のことを教えてくれないか―。無礼な男が突然現われ、私に尋ねる。私は一体、彼女の何を知っていたというのだろう。問いかけられた言葉に、暴かれる嘘、晒け出される業、浮かび上がる剥き出しの真実…。人は何のために生きるのか。この世に不思議なことなど何もない。ただ一つあるとすれば、それは―。





2012年3月29日木曜日

女神のタクト 塩田 武士


これはいい。久しぶりに後半でいい意味で裏切られた作品。
てっきり主人公が最後のほうでこうしてああしてこうなると思いきや
それはまったくなくて、最後までオーケストラの感動物語に終始した。

途中途中のエピソードも面白く、映画にすぐになりそうな作品。

内容説明

進め、前へ。音楽は魂だ! 『盤上のアルファ』で鮮烈デビューの著者、待望の最新刊。30歳にして職と男をなくした矢吹明菜。旅先で出会った老人に「アルバイトせえへんか?」と誘われる。金がなく公演もままならない小さな楽団に、ある男を連れてくれば報酬があるという。それが明菜と、一度は世界的に活躍した引きこもり指揮者・一宮拓斗、そしてオルケストラ神戸の出会いだった。笑いがいつしか感動になる音楽の奇跡の物語。





2012年3月27日火曜日

きみにしか聞こえない 乙一

これは完全に食わず嫌い。借りておいてなぜか読む気がしなかった。
すぐ読み終えるはずなのに、。虫の知らせか。
今度もう一回チャレンジしてみよう。

出版社/著者からの内容紹介

せつなさの達人・乙一の、珠玉短編集!

私はケータイを持ってない。なぜなら、私には友達がいないから。だから毎日空想をして、憧れ続けていたある日。頭の中に鳴り響いた美しいメロディ。それは、同じさみしさを抱えた少年からのSOSだった……。





2012年3月25日日曜日

司法記者  由良 秀之

ひさしぶりに途中リタイア。。
リズムが合わないことが最大の要因。最近モチーフはいいけど文体がいまひとつなのがおおい。

内容(「BOOK」データベースより)

「騙されるな。気合を入れて叩き割れ!」「…そんな供述のどこが真実なんだ」美貌の女性記者はなぜ殺されたのか?口を閉ざし続ける容疑者の守り通す秘密とは…。特捜検事が、巨大組織の壁の中で、孤独な闘いに挑む。