2015年7月18日土曜日

運転、見合わせ中 畑野 智美

一つのトラブルを軸に、いろんな話が絡み合う連作。
どれもそこそこおもしろいけど、人にどんな話と聞かれて説明することが
あまりにも少ないネタばかり。

話自体は盛り上がりもリズムもいいけど、心に残るものが少ないので
お昼の合間や電車でさくっと読むのにちょうどいい。


内容(「BOOK」データベースより)
朝のラッシュ時に、電車が停止!そのとき学生、フリーター、引きこもり、駅員は…。彼らの“イマこの瞬間”を切り取る私鉄沿線・恋愛青春小説。



2015年7月14日火曜日

ハピネス 桐野 夏生

読むの二回目です。
途中途中で思い出しながら読んでいたけど、まったく飽きることなく
こんなに分厚い小説も一気読みさせてしまう、このリズムと筆力は相変わらずすごい。

内容はいつもの桐野先生の作品通り、淡々として、盛り上がりも盛り下がりもないけど
人の心の奥を覗き見するようなシーンが垣間見えて、ちと怖い、でも読んじゃう、そんな作品。


内容(「BOOK」データベースより)
結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。おしゃれなママたちのグループに入るが、隠していることがいくつもあった。




2015年7月10日金曜日

満願 米澤 穂信

確かにミステリーの王道。
ど真ん中をグイグイ読ませる短編ばかりで買って損はないと思う。
だけど、ずっと心に残る衝撃があるかと言われるとそうでもない。

この本を一か月後に思い出してもどれもうすぼやけてあんまり
はっきり思い出せない。
そこが少し残念なところで、世にも奇妙なシリーズのどこか、という小説群。


内容(「BOOK」データベースより)
人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは―。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなどが遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、ミステリ短篇集の新たな傑作誕生。




2015年7月9日木曜日

もういちど生まれる   朝井 リョウ

相変わらず、若いころの屈折した感情をえぐっていく手法。
救いのないパターンが多いけど、話としては引き込まれるし
読後感も悪くない。
ただ、この状況ど真ん中の若者が読んだら、、ちょっと嫌かも。



内容(「BOOK」データベースより)
彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う新。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遙。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを抱えながら、一歩踏み出そうとしている。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。


ホテル・コンシェルジュ  門井 慶喜

ドラマとは違って、登場人物も少なくキャラ設定も確定しているので
サクサク連作が読める。

ちょっと甘い感はあるけど、ホテルを舞台にしたトラブルを解決していくという
よくある設定の割には楽しめる。


内容(「BOOK」データベースより)
盗まれた金の仏像をとり返して、駐日アメリカ大使の暗殺計画を阻止せよ、失踪した訪問販売員を捜してくれ。「たしかに、うけたまわりました」大規模ではないけれど、お客様にきわめて上質の時間を提供していると評判の「ホテルポラリス京都」。ベテランコンシェルジュの九鬼銀平が、新人フロント係の坂名麻奈を助手代わりに、持ち込まれる難題を次々に解決していく。


2015年7月7日火曜日

その鏡は嘘をつく  薬丸 岳

ちょっとひねりすぎの感があり。
一本道ではあるだけど、そこにあえてのふくらましネタが
入り込んでいるような気がする。
ドキドキ目が離せない作品だけど、薬丸先生の骨太がちょっと足りない気持ちも。



内容(「BOOK」データベースより)
エリート医師が、鏡に囲まれた部屋で自殺した。その後、医学部受験を控えた一人の青年が失踪した。正義感に溢れる検事・志藤清正は、現場の状況から他殺の可能性を見破り、独自に捜査を進める。その頃、東池袋署の刑事・夏目信人は池袋の街を歩き、小さな手がかりを見つめていた。二転三転する証言のなかで、検事と刑事の推理が交差する。乱歩賞受賞が描いた、人間の心、とは。連続ドラマ『刑事のまなざし』の夏目シリーズ極上の感動長編!


2015年7月6日月曜日

首折り男のための協奏曲  伊坂 幸太郎

ここは鉄板のぐるぐる系ですね。
すべての布石がぐるぐる回って最後ちゃんとオチをつけるという、伊坂先生
の鉄板ネタ。

今回は、連作ものだったのでそれは全面に出てくることなく、それぞれの
ストーリーがちゃんと立っていて満足感もアップ。

最後の最後のオチはちょっと微妙だけど。

内容紹介
首折り男は首を折り、黒澤は物を盗み、小説家は物語を紡ぎ、あなたはこの本を貪り読む。胸元えぐる豪速球から消える魔球まで、出し惜しみなく投じられた「ネタ」の数々! 「首折り男」に驚嘆し、「恋」に惑って「怪談」に震え「合コン」では泣き笑い。黒澤を「悪意」が襲い、「クワガタ」は覗き見され、父は子のため「復讐者」になる。技巧と趣向が奇跡的に融合した七つの物語を収める、贅沢すぎる連作集。


2015年7月2日木曜日

東京ロンダリング  原田 ひ香

やばい。。
せっかく予約してまで借りたのに、全く読んでないで返してしまった。。
事故物件というワードと、本にのっている説明があまりにもグロク感じてしまったのが原因。

でもレビューはいいんだよなあ・。・


内容(「BOOK」データベースより)
内田りさ子、32歳。訳あって夫と離婚し、戻る家をなくした彼女は、都内の事故物件を一か月ごとに転々とするという、一風変わった仕事を始める。人付き合いを煩わしく思い、孤独で無気力な日々を過ごすりさ子だったが、身一つで移り住んだ先々で出会う人人とのやりとりが、次第に彼女の心を溶かしてゆく―。東京の賃貸物件をロンダリング“浄化”する女性の、心温まる人生再生の物語。


2015年7月1日水曜日

姥捨てバス  原 宏一

相変わらずテンポはいい。
テーマも会話も流れも自然でサクサク読めるが、いつも通りそんなに
深みもなく、オチも読める。
電車の中でさくっと楽しい小説を読むのにはちょうどいいかと。



内容(「BOOK」データベースより)
31歳独身の「おれ」は相棒に言われるがままに、白タクならぬ白バスで無認可の観光ビジネスの片棒を担いでいる。ある日、相棒が企画した「清貧ツアー」(聞こえはいいが、おんぼろバスで婆さんたちを山奥に連れていくツアー)で、客の1人が失踪。「あれは姥捨てツアーらしい」という噂が瞬く間に広まったが、皮肉なことに、今度は150人もの婆さんがツアーに集まった!『床下仙人』でブレイクした著者が、現代をシニカルに描く。