2009年9月29日火曜日

オリンピックの身代金 奥田 英朗

ものすごく売れていたので、借りてしまいました。
結果、、、そんなに。。。
っていう話。

身代金系ならもっと面白い話があるし、刑事ものでも同じようにある。
犯人が少し毛色が変わっていて、昭和の時代を色濃く反映して
時代小説的に楽しめるかもしれないけど、推理小説やサスペンスとして
捕らえるとちと役不足。

PS
身代金シリーズなら「三好 徹 」作品がお勧め。


内容(「BOOK」データベースより)
昭和39年夏。10月に開催されるオリンピックに向け、世界に冠たる大都市に変貌を遂げつつある首都・東京。この戦後最大のイベントの成功を望まない国民は誰一人としていない。そんな気運が高まるなか、警察を狙った爆破事件が発生。同時に「東京オリンピックを妨害する」という脅迫状が当局に届けられた!しかし、この事件は国民に知らされることがなかった。警視庁の刑事たちが極秘裏に事件を追うと、一人の東大生の存在が捜査線上に浮かぶ…。「昭和」が最も熱を帯びていた時代を、圧倒的スケールと緻密な描写で描ききる、エンタテインメント巨編。

2009年9月27日日曜日

チェーン・ポイズン 本多 孝好

テーマや設定は面白い。
連作でそれぞれが薄く繋がっていて、最後に「あらーーーー」っていう
オチが待っている。

全ての場面で出てくる刑事があるなぞに絡んでいくんだけどそのなぞは
この小説の肝の部分で、その肝が、小説の最初に出てくるある手法で
読者を勘違いさせて、最後の最後でそれが間違っていることに気がつく。

だけど、、、、勘違いじゃないか。
ヒントはないから。
ただ、こうきたか、という感じで終わったので、まあ一つの面では
楽しめるかも。


内容(「BOOK」データベースより)
誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。死への憧れを募らせる孤独な女性にかけられた、謎の人物からのささやき。「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?1年頑張ったご褒美を差し上げます」それは決して悪い取り引きではないように思われた―。新境地を開いた驚愕のミステリー。

2009年9月26日土曜日

トップ屋魂 大下 英治

クリエイティブ系の人や雑誌等の仕事をしている人は
いい教科書になるかも。

それぞれの取材の過程や裏話があって、仕事系抜きでも面白い。
元々ノンフィクション系では大家でもあるので、何の問題もなく
楽しめる。


出版社/著者からの内容紹介
政財界から芸能界、さらに闇社会にうごめく"昭和の怪物たち"の裏の秘密に鋭く切り込むトップ屋の執念の取材。350冊以上の著作を持つ大下英治が初めてその取材の舞台裏を明かす。
「角福戦争の凄まじさ」、「美空ひばりと山口組」、「三島由紀夫、自決の深層」など、"昭和の怪物たち"のスケールとその衝撃的な事件の真相を描いた、400頁に及ぶ大作ノンフィクション。
さらに児玉誉士夫、政商・小佐野賢治、乗っ取り屋・横井英樹の生々しい対決、また週刊文春時代、三越岡田茂社長を退陣までに追い込んだ「三越事件」のスクープの舞台裏、さらに業界のタブーであった、松田優作の血の秘密、読売のドン・渡辺恒雄と務台光雄の胆力、闇社会の怪物・稲川聖城の修羅、そしてデビュー作『小説電通』出版までの道のりなど、30年以上におよぶ執筆活動の全てが明らかになる。
大下英治ノンフィクションの集大成がここに。
<解説 『月刊WiLL』編集長 花田紀凱>

2009年9月25日金曜日

警官の紋章 佐々木 譲

前作に続く第二弾。
いくつかのストーリーが絡みあって、一つのオチに向かっていく。
筆力もあるし、リズムのいいので最後までそのまま読める。

だた、オチが微妙というのと、ここまで複雑にしなくてもいいのでは
という気もする。。


内容(「BOOK」データベースより)
北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。


2009年9月22日火曜日

水の時計 初野 晴

不思議な設定の連作。
テーマは悪くないけど、設定が少し共感できないというか納得できない
というか。。

個々の話は面白く、流れも悪くない。
設定さえ変えてもう少し深い話にすればよかったかも。
and
ところどころにあいまいというか未解決な設定が。。。


内容(「BOOK」データベースより)
医学的に脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。生きることも死ぬこともできない、残酷すぎる運命に囚われた彼女が望んだのは、自らの臓器を、移植を必要としている人々に分け与えることだった―。透明感あふれる筆致で生と死の狭間を描いた、ファンタジックな寓話ミステリ。第二十二回横溝正史ミステリ大賞受賞作。

2009年9月13日日曜日

膠着 今野 敏

てっきりポストイットの話かと思ったらぜんぜん関係ない。
ある営業マンを主軸としたビジネス小説。

そんなにビジネスよりでもなく、大きなオチが待っているわけでもない
ちょっと肩透かしな作品。

時間の合間にさくっと書いたのかなあ。。


出版社/著者からの内容紹介
起死回生の新開発製品は、「くっつかない接着剤」だった!! 新人営業マン丸橋啓太は何とか商品化すべく知恵を振り絞るが……。吉川英治文学新人賞受賞作家による書き下ろし作品。

2009年9月12日土曜日

二度目のノーサイド 堂場 瞬一

ラクビー一直線の話かと思ったら、ちょっとだけミステリー色を入れている。

ただ、ほとんどが人間模様の話なので、その点で好き嫌いが分かれるかも。
特に男くさい展開とネタなので、女性は面白さが半分くらいしか伝わらない
可能性大。
大学時代、真面目に体育会系の部活をしてきて、いま30歳以上に人にお勧め。



内容紹介
元実業団ラガーマンの桐生は仕事にも家庭にも中途半端な生活を送っている中年サラリーマン。
同点、同トライの末、くじ引きで負けた最終試合がいつも甦ってくる。そんな時、元マネージャーが急死。
「俺はこのままでいいのか」。スポーツキャスターになったもの、田舎に帰ったもの、やばい金融会社に入り、警察に追われるもの…。
廃部以来、ばらばらになっていたチームメイトたちと連絡を取り始めた桐生。「もう一度あの日の試合に決着をつけるんだ」。
しかし、妻は猛反対、元キャプテンは強い拒絶を。果たして再試合を迎えることはできるのか。

2009年9月10日木曜日

動く家の殺人 歌野 晶午

相変わらず、ものすごいひっくり返しが途中である。
そうきたか、、っていうくらいのもの。

ただ、ストーリーやオチには大きな影響はなく、
このポイントでどんでん返しをしたんだあ、くらいの衝撃。

無理やりどっかでしたかったから、このネタでしたのかなあ。

話は面白く、最後までノンストップで読める。
完成度はそれなりに高い。
ただ、他の作品がもっと高いので、ちょっと残念。。

内容(「BOOK」データベースより)
名探偵・信濃譲二は、とある小劇団にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。だが、特別公演「神様はアーティストがお好き」の初日、惨劇の幕が切って落とされた。次第に疑心暗鬼になっていく団員達。六年前の稽古中の死亡事故と関係が?信濃が命をかけて謎解きに挑む、傑作本格推理第三弾。


2009年9月9日水曜日

つなげる力 藤原 和博

話題の教育改革の話。
直近のことだったので、事例やマスコミ報道とも比較して非常に面白かった。

いずれにせよ、この手のことをやるには一定の論理性と時間が必要なんだな
としみじみ思った。

やっていることはほとんど実行力。紙に書いて誰かにやらせるような
ことではないので、実行力がない人にはこの事例をまねすることは
無理かと。。
つまり、ほとんどの教育現場では無理ってこと。

なんで教育現場の人が読んだら、ある意味ストレスがたまり、
ビジネスマンが読んだら、よくあるビジネス書の良書として
捕らえるかも。


内容紹介
進学塾「サピックス」が学校の校舎で放課後授業をしてしまう「夜スペ」。こどもたちが、大人と一緒に社会の様々な問題にとりくむ〔よのなか〕科。リクルートから東京都杉並区立和田中学校の校長に転身した藤原さんは、その後、全国に広がることになるさまざまなプロジェクトを成功させてきました。その藤原さんが、いかにしてそうした独創的なプロジェクトをなしとげたかを「つなげる力」をキーワードにしてこの本で明かします。ビジネスや人生は、まったく違う要素を「つなげる」ことで開ける、というのです。

2009年9月8日火曜日

リセット 北村 薫

続けて、3部作の最後 リセット
ちょっと息切れの感が否めない。

前2作で結構いいネタをつぎ込んだので、ここではもう
展開のしようがなかったのかもしれない。

スキップの重さもないし、ターンのスリリングな見せ方もない。
幾重にも同じようなトーンの話が繰り返される形。

展開も結構使い古されているので、もう少し練ってから出せば
よかったのに、、と少々感じた。



Amazon.co.jp
『スキップ』 『ターン』に続く、「時と人」シリーズの第3弾。『スキップ』は、17歳の女子高生が、時間を超え42歳の自分自身へと乗り移ってしまうタイムトリップもの、『ターン』は、交通事故のショックで、延々と同じ時間がくり返す異世界に紛れ込んでしまう話だった。前2作はどちらかというと、時間の存在が主人公たちに苛酷な試練を与える設定なのにたいして、本書においては、時間は彼らに寛容に働いている。
太平洋戦争末期、神戸に住む女学生の水原真澄は、時局の厳しさを横目で見ながら、友人たちと青春を謳歌していた。真澄には、結城修一というほのかな恋心を抱いている少年がいる。幼い記憶にある、30数年に1度しか見られないという獅子座流星群をいつかふたりで眺めてみたいと真澄は心に期していたが、度重なる戦火がふたりを引き裂いてしまう。やがて終戦を迎え、東京オリンピック開催が近づく昭和30年代前半。小学5年生の村上和彦は、自前で小学生に絵本や児童書を貸し与える女性と知り合う。彼女こそは水原真澄だった。折りしも獅子座流星群の到来まで、あと4年と迫っていた…。

2009年9月7日月曜日

ターン 北村薫

淡々と不思議な現象の中時が流れていくけど、途中から大きな2つのアクシデントが。。
一つはいいこと、一つは悪いこと。。

この入れ方が結構絶妙。
映画にするには一番いいパターンかも。
ただ、最後のもって行きかたが少し微妙だったので、その辺が
残念。

最後まであきさせないで、ひっぱていける筆力はさすが。


内容(「BOOK」データベースより)
真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。いつかは帰れるの?それともこのまま…だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。