2010年3月29日月曜日

上陸  五條 瑛

展開は面白いながらも、現在から過去を振り返る形なので
ものすごいオチを期待してしまった。

という書き方から分かるように、最後の最後はちと微妙。なくても
いいのではと思った。


内容(「BOOK」データベースより)
同居しながら建設現場を渡り歩く金満、安二、アキム。どこにでもいそうなダメ男三人は、過去にある大きな秘密を抱えていた。

2010年3月21日日曜日

上陸 五條 瑛

五條先生の作品にある重さや深みのある展開はいつも通り。
なので、きっちり楽しめます。

ただ、意味ありげに煽った挿入部分はあまり気にしないで
進めたほうがいいかも。
あれ、いらないよなあ。。

出版社 / 著者からの内容紹介
ようこそ、密航天国へ。
同居しながら建設現場を渡り歩く金満、安二、アキム。どこにでもいそうなダメ男3人は、過去にある大きな秘密を抱えていた。
貴様らが浮かれている間に、この国にはどんどん違う民族が入ってきて、生活基盤を築いていくんだ。これが、本当の国際化ってやつだ。せいぜい、いまを楽しむがいい。2000年になってこの国がどんなふうに変わるのかなんて、誰も予測できないんだからな。 <「1999年12月 上陸」より>

2010年3月20日土曜日

古書狩り 横田 順弥

何気に手にとった作品でした。
短編でそれぞれ悪くなかったのですが、時間の都合で
半分までしかちゃんと読めませんでした。

古書狩りというタイトルとはだいぶ違って、古書をテーマにいろいろな
人間模様が繰り広げられるっていうレベルです。

古書にまつわる不思議ミステリーとか、1冊が事件を起こすとかじゃないです。
作品自体は楽しめるので、古本が舞台のミステリーが読みたくなった人はどうぞ
(くどいようですが古本屋のノウハウや運営的なウンチク、古本にまつわる
話しはそんなにないです。たまにあるけど)

内容(「BOOK」データベースより)
古書街で見かけた美女と老人の謎の行動…、その秘密を解く鍵は古本のどこに隠されているのか?本の取り憑かれた者の執念を描いた表題作。狙った古書の獲得のためなら悪魔に魂まで売る男たち。恋愛よりもコレクションを選んだ男の恐るべき末路。鬼気迫るもの、爽やかな結末のもの、古書マニアの驚くべき姿を描いた最高に面白い連作小説集。


2010年3月19日金曜日

臨床真理 柚月 裕子

このミス大賞なので期待大で読みました。
そこは大丈夫で、一気読みではあったのですが、ちょっとオチが。。
まあ、オチを大切にする作品じゃないのかもしれないので、推理小説というより
ミステリーとして純粋に楽しむ方がいいかも。

リズムや展開はいい流れで進むので、このミスでなんか読みたいという人には
いいかも。


内容(「BOOK」データベースより)
臨床心理士の佐久間美帆は、勤務先の医療機関で藤木司という二十歳の青年を担当することになる。司は、同じ福祉施設で暮らしていた少女の自殺を受け入れることができず、美帆に心を開こうとしなかった。それでも根気強く向き合おうとする美帆に、司はある告白をする。少女の死は他殺だと言うのだ。その根拠は、彼が持っている特殊な能力によるらしい。美帆はその主張を信じることが出来なかったが、司の治療のためにも、調査をしてみようと決意する。美帆は、かつての同級生で現在は警察官である栗原久志の協力をえて、福祉施設で何が起こっていたのかを探り始める。しかし、調査が進むにつれ、おぞましい出来事が明らかになる。『このミステリーがすごい!』大賞2009年第7回大賞受賞作。

2010年3月18日木曜日

シアター!  有川 浩

久しぶりの有川先生の世界とリズムにどっぷり浸りました。

一気読みでさらに読後は悔しいというか、すごいというか。
今年一番といっていい作品です。

普段知ることのない劇団を収支やマーケの視点から描きつつ
よくある劇団の悩みや成長、そして兄弟愛や家族愛にさり気なく触れる。
よくここまで盛りだくさんでずっぽりネタがかけるものだ。

絶対読んで損はない。
と思う。。


内容(「BOOK」データベースより)
小劇団「シアターフラッグ」―ファンも多いが、解散の危機が迫っていた…そう、お金がないのだ!!その負債額なんと300万円!悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが…。

2010年3月15日月曜日

バンコク楽宮ホテル残照 谷 恒生

もっと怪しくて小説めいたはなしかと思いきや、淡々と著名らしい
作者が昔なじみやタイでの各所にいって過ごすごすという展開。

だったらもっとディープな話や人間臭い話があればいいんだけど
いかんせん、普通の旅物。
昔の著作をまったくしらないあたしには深入りもできず
そのまま流し読みしてしまいました。。



出版社/著者からの内容紹介
 著者の『バンコク楽宮ホテル』(昭和56年刊)が、東南アジア・バックパッカーたちのバイブルとなって久しい。9・11WTCビルテロに始まる、アメリカの対アフガンテロリスト戦争勃発に伴い、ドミノ式に風雲急を告げる東南アジアの一角・バンコクに、一発狙いのフリー・ジャーナリストたちが、再び集り始める。20年前の旧ソ連のアフガン侵攻と重ねあわせ、昔なじみの常連が顔をあわせるところ、怪しいコミュニティが誕生する。

2010年3月14日日曜日

タイムカプセル 折原 一

テーマも煽り文章もよかったので期待してたんだけど
意外にあっさりなオチと展開。

よくありがちな内容と煽った割には着地点が予想以下で残念。。
煽りも中途半端だったので、このタイトルで期待して
読むのはNG


内容(「BOOK」データベースより)
「告!栗橋北中学校・三年A組卒業生の選ばれ死君たち」と記された奇妙な手紙が、十年前、タイムカプセルを埋めたメンバーのもとに、つぎつぎ届く。消し去りたいあの日の記憶。不安にとらわれる六人の男女。タイムカプセルを開ける日まであとわずか…。巧みなストーリーテリングと皮膚感覚の恐怖で魅了する異色の物語。

2010年3月13日土曜日

十字架  重松 清

スゴク楽しみにしていた重松先生の作品だけど、その強さの割には、、、。
いや、いい作品なんです。
読み応えもいいんです。

でも、東野圭吾作品に近くて、なんか重松先生の重さや
ドスンとくる感動があんまりなくて。

でも、読む価値はあります。いい作品です。
東野圭吾作品がすきで、救いがない系が好きな人にはどうぞ。


内容(「BOOK」データベースより)
あいつの人生が終わり、僕たちの長い旅が始まった。中学二年でいじめを苦に自殺したあいつ。遺書には四人の同級生の名前が書かれていた―。背負った重荷をどう受け止めて生きればよいのだろう?悩み、迷い、傷つきながら手探りで進んだ二十年間の物語。

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2010年3月12日金曜日

舶来屋 幸田 真音

個の手の出世系は好きなんだけど、なぜか途中で飽きてしまうような
話というか表現というか、。、
結局最後まで読んだけど、1/3くらいは覚えていない。

ただ、ファッションの世界が好きな人は深く全部読めるかも。
あたしは飛ばし飛ばしにしてしまいました。。

内容(「BOOK」データベースより)
戦時下の天津で出会った、西洋の一流品。その圧倒的な輝きは、東京の焼け野原に戻っても長市郎の胸から去らなかった―。エルメス、グッチをはじめ数々の高級品を初めて紹介した「サンモトヤマ」創業者・茂登山長市郎。戦後の闇市から出発し日本にブランド・ビジネスを確立した男をモデルに、昭和の商人の半生を描く、痛快で心にしみる一代記。

2010年3月10日水曜日

贖罪   湊 かなえ

少し甘いかもしれない。
でも、いい。
すごくいい。

今年で最高の話です。
確かに前作『告白』に比べれば二番煎じ的な作風だけど
それを踏まえてみてもいい出来。

重くて暗くて救いがない話だけど、読み応えは十二分。
確かに悲劇の描写が辛いので、そこだけ読み飛ばせば
ぜったい読む価値あり。


内容(「BOOK」データベースより)
取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる―これで約束は、果たせたことになるのでしょうか?衝撃のベストセラー『告白』の著者が、悲劇の連鎖の中で「罪」と「贖罪」の意味を問う、迫真の連作ミステリ。本屋大賞受賞後第一作。

2010年3月8日月曜日

蝶狩り 五條 瑛

うーん。。

最後までけっこう一気読みなんだけど、、オチが、、、。

敢えて言えないけど消化不良満載。
最後までの残り10pくらいまではすっごくいい流れやひっぱり加減で
来ているのに、このオチは、。。

ただ、連作ものみたいな感じで楽しめる作品なので、大きな流れの
事件は気にしないで読んでいけばいいかも。


内容(「BOOK」データベースより)
三十過ぎたしがない調査員・桜庭秀彰のもとにキャッチをやっていた女・アンリを捜してほしいとの依頼が舞い込んだ。腐れ縁で逃がし屋の御曹司・桧林真吾の恩と、親友でヤクザの二代目・松村渚の協力で彼女の行方を追う桜庭だったが―。誰にも頼らず、誰も信じず、姿を消した少女としがない調査員の絶体絶命の逃亡劇がはじまる


2010年3月5日金曜日

銃とチョコレート   乙一

これ、実はちまたの評判が良かったので借りてみました。
でも、読んで2分くらいで後悔。

我慢して読み進めると、10分後にはまる。
そして最後まで一気読みになる。

最初の書き方や流し方がおとぎ話ちっくで、小学校低学年向きの
表現や展開なので、ちょっと嫌になるけど、それがなれれば
いつもの乙一ワールドが随所に現れる。

話がちょっと強引なところもあるけど、夏休みの家族向けハリウッド映画
を見ているようで、これはこれで楽しい。

内容はハリウッド以上、必ず最後まで見てください。
最初のフリがちゃんと最後に生きています。

内容(「BOOK」データベースより)
少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。現場に残されているカードに書かれていた“GODIVA”の文字は泥棒の名前として国民に定着した。その怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズは子どもたちのヒーローだ。ある日リンツは、父の形見の聖書の中から古びた手書きの地図を見つける。その後、新聞記者見習いマルコリーニから、「“GODIVA”カードの裏には風車小屋の絵がえがかれている。」という極秘情報を教えてもらったリンツは、自分が持っている地図が怪盗ゴディバ事件の鍵をにぎるものだと確信する。地図の裏にも風車小屋が描かれていたのだ。リンツは「怪盗の情報に懸賞金!」を出すという探偵ロイズに知らせるべく手紙を出したが…。

青の懺悔  堂場 瞬一

内容もテーマも展開もいい。
でもおすすめにできないのが全てだ。

そのくらい随所が惜しい作品。
どこも平均点に面白くて、平均的につまらない。

最後まで読めるけど、ただ読み終わるだけ、、。

うーん、、、表現が難しい。。
ただ、他の評価は高い。
わかりきったどんでん返しもあるし、臨場感も一応描かれている。

ただ、、もったいない。そんな作品。

内容(「BOOK」データベースより)
神奈川県警を辞め、私立探偵の看板を掲げた真崎薫のもとを、高校時代の野球部の仲間で、今はスポーツ選手の代理人を務めている長坂が訪ねて来た。その依頼を受け薫は、やはり昔の仲間であり、メジャーから日本に戻ってきたプロ野球選手の結城と会う。憔悴した様子の結城は、息子が誘拐されたと真崎に打ち明けるのだったが…。横浜を舞台に繰り広げられるハードボイルド小説、待望の第2弾。

2010年3月2日火曜日

ひとがた流し  北村 薫

なんか読みにくい作品。。
表現の仕方や内容の飛ばし方なんだろうけど、誰が何をしているのか途中で
分からなくなる。

いきなり違う人が主人公になったりするけど、その人となりがあまり表現されていないし
時間軸や場所の説明もあんまりないので、名前が変わっただけでそのまま同じ人と
テーマだと思って読み進めてしまう。

名前が違っているのにどうして、と思うかもしれないけどそのくらい違和感なく
ごちゃごちゃになるw

どうやら他の人のレビューをみたらみんなそう思っているらしく、これはこれで
違う意味で評価できる。
でも、、おすすめはしない。


内容(「BOOK」データベースより)
十代の頃から、大切な時間を共有してきた女友達、千波、牧子、美々。人生の苛酷な試練のなかで、千波は思う。「人が生きていく時、力になるのは自分が生きていることを切実に願う誰かが、いるかどうか」なのだと。幼い頃、人の形に作った紙に願い事を書いて、母と共に川に流した…流れゆく人生の時間のなかで祈り願う想いが重なりあう―人と人の絆に深く心揺さぶられる長編小説。


2010年3月1日月曜日

禁断のパンダ 拓未 司

久しぶりにキッツい小説。

なにがきついかを説明するとオチになってしまうので避けますが
正直、よっぽど小説を雑多に読む人か、あまりどんな内容でも
気にしない人以外無理。

なんでか言えないのが辛い。。でもその部分やオチがなければ
いい作品なんだけどなあ。。

内容(「BOOK」データベースより)
柴山幸太は神戸でフレンチスタイルのビストロを営む新進気鋭の料理人。彼は、妻の友人と木下貴史との結婚披露宴に出席し、貴史の祖父である中島という老人と知り合いになる。その中島は人間離れした味覚を持つ有名な料理評論家であった。披露宴での会話を通じて、幸太は中島に料理人としてのセンスを認められ、その結果、中島が幸太のビストロを訪問することになる。一方、幸太が中島と知り合った翌日、神戸ポートタワーで一人の男性の刺殺体が発見された。捜査に乗り出した兵庫県警捜査第一課の青山は、木下貴史の父・義明が営む会社に被害者が勤務していたことをつかむ。さらには義明も失踪していることを知り…。『このミステリーがすごい!』大賞第6回2008年大賞受賞作。