2012年9月30日日曜日

タイムカプセル 折原 一

たった一つのなぞを最後の最後まで引っ張って、「それだけかい!」ってなる作品。
もういいでしょう。。。




内容紹介
栗橋北中三年A組の有志が卒業式の日に埋めた銀色のタイムカプセル。誰も会ったことのない不登校の不破勇の小説も中に入れられた。十年後、メンバーたちに「選ばれ死君たち」宛の不気味な案内状が謎の郵便屋から届けられる。卒業式に出られなかった彩香は当時のメンバーと会うが、「ホール」という言葉を聞いたとたん、なぜか誰もが口を閉ざしてしまう。そして開封の日が訪れる。郵便屋は誰なのか? 封印されていた秘密とは何か?



2012年9月28日金曜日

リベンジ・ホテル 江上 剛

ホテル再建ものとして期待したけど、どれもちょいちょいはさむエピソードが薄い。。
これ、ないだろう、ってものや、それは参考にならない、って物ばかり。

たまに江上先生はこういう書き飛ばしをするからなあ。。

内容(「BOOK」データベースより)
就職氷河期、大学卒業目前になっても就職が決まらない「ゆとり世代」の花森心平。自信もない。根性もない、もちろん内定もない。そんな心平が入社したのは、支配人も逃げだす破綻寸前の老舗ホテル。売却を持ちかける銀行に「俺が立て直す!」と啖呵を切った新入社員に奇跡は起こせるのか。


社長のテスト 山崎 将志

前評判が高くて帯もよさげだから借りてみたけれど、経済ものとしては
ちょっと深みが足りない気が。。
どこにでもある会社の物語をどこにでもある人たちの視点で描いている
だけなの、ちと残念。

でも最後まで面白く読めました。


内容(「BOOK」データベースより)
明け方に電話で起こされた。会社が火事になったらしい―。PCデータ復旧を営む僕らのベンチャーは、顧客からの預かり品が被害を受け、かなりヤバイ状況に。僕ら社員がクレーム対応に困窮する一方、他人事の社長は逃げ回るばかり。そんな時、最もたちの悪いクレーマーである謎の起業家から、想定外の“テスト”を受ける。密かな企てを試みる僕は、やがて社会を騒がす大事件に巻き込まれていき…。普通のビジネス書が教えてくれない「仕事の裏則・本質」を描き出す新感覚エンターテインメント。


2012年9月24日月曜日

あなたの本 誉田 哲也

それぞれひねり具合はいいけど、そのひねりで満足してしまって、オチが弱い。
2つくらいエッセンスを入れればこれで完成っていう作品が多かったのが残念だけど
どれもそのエッセンスの完成度は高いので、読む価値はあり。


内容(「BOOK」データベースより)
憧れの都会で流されるままに暮らす女の血脈。深き森で暮らす原始人たちの真実。ごく普通の男子中学生の前に現れた天使の目的。父の書斎で発見した一冊の本に翻弄される男の運命。天才スケート美少女を見守り続ける少年の淡い初恋。すべてを手に入れたミュージシャンが辿り着いた場所。警視庁新宿署新宿六丁目交番に勤務する諸星巡査長の意外な日常―引き込まれるストーリー、予想外な結末を、堪能せよ。



2012年9月23日日曜日

虚報 堂場 瞬一

これ新聞記者の世界の書き方や白熱したスクープ合戦のところが
なんか弱くて、推理小説っぽくなったのがちと残念。

どっかにもう少し絞り込めばいいのになあ。
新聞の世界どっぷりでもいいのに。


内容(「BOOK」データベースより)
大学教授のサイトがきっかけで発生した「ビニール袋集団自殺」事件を、やり手キャップの市川と担当する社会部の新聞記者の長妻は、たびたび他社に出し抜かれ、追い詰められていくが、やがて独自の取材で起死回生のスクープを放つ…。生き馬の目を抜く報道の最前線を活写した怒涛のエンターテインメント長編。



2012年9月22日土曜日

首都感染  高嶋 哲夫

最後まで一気でした。
ただ、、途中途中で恋愛系をはさんでくるのがちと残念。
医療と国際と政治と封鎖系の話しに特化してもまったく問題ない。

映画になりやすいよなあ、これは。

内容(「BOOK」データベースより)
20××年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。しかし、熱狂するスタジアムから遠く離れた雲南省で、致死率60%の強毒性新型インフルエンザが出現。中国当局による必死の封じ込めも破綻し、恐怖のウイルスが世界に、そして日本へと向かった。インフルエンザ・パンデミック(世界的大流行)阻止のため、政府対策本部のアドバイザー・元WHOの優司は空港での検疫を徹底させるが、ついに都内にも患者が発生。総理の瀬戸崎は空前絶後の“東京封鎖作戦”を決断した。



2012年9月21日金曜日

白銀ジャック  東野 圭吾


久しぶりの東野先生の作品。
クオリティは相変わらず高い。

深さは作品によってまちまちにはなっているけど展開や構成の
うまさがあり最後まで一気読み。

東野作品のファンにはもう途中くらいからすべてが分かってしまうけど
そうでもない人は、結構推理小説としても面白いかと。



内容(「BOOK」データベースより)
「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」。年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。すべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。今、犯人との命を賭けたレースが始まる。圧倒的な疾走感で読者を翻弄する、痛快サスペンス。


2012年9月20日木曜日

中途採用捜査官 お宝を鑑識にまわせ! 佐々木敏

このシリーズ、瞑想している感が。
絵画をメインテーマにしているわりには薄々なロジックで
さらに知識も深いところを少々作ったからあとは薄っぺらくていいよね、って感じ
な展開。

最後まではちゃんと読めるのはさすが佐々木先生の筆力の高さ。


内容紹介
テオという画商にゴッホのニセ遺作を描くように依頼された、スイス人のジャン、カナダ人のフランソワ、日本人の伴。三人は言われた通りにニセ遺作を描いていた。完成間近のころ伴はフランソワから「先に絵を仕上げたジャンが殺された」と知らせを受け、すぐにパリを逃げ出した。二年後、伴はフランス語専門の特別捜査官になった。そんなとき、テレビでゴッホの遺作が発見されたというニュースを見る。それは殺されたジャンが描いた絵だった!


2012年9月17日月曜日

告発封印  高任 和夫

いやあ、ドスンと来ましたねえ。

経済ものとして押さえどころがちゃんと抑えてあって、感動させる展開になっている。
短編でクイクイ読み進めつつ、読後感もいいので、是非。


内容(「BOOK」データベースより)
夫唱婦随で築き上げたプレス工場に突然、銀行の貸し剥がしが襲い掛かってきた。堅実な経営を続けてきた工場も、なす術がなく、八方塞がりの状況に。工場は、銀行の連鎖倒産という形で、潰されてしまうのか。金策のためにあらゆる手段を尽くすなか、意外な救いの手が―。「魔の十一月」ほか、経済企業小説の雄が描く、静謐かつ熱い、哀愁溢れる男たちの物語。


2012年9月15日土曜日

木暮荘物語 三浦 しをん

三浦先生、さすが。
書き方、テーマ、リズム、すべてがうまい。
元々こういったシェアハウス的なものがすきなんだけど、この癖があって
なぞがある展開がたまらなくいい。

もちろん、最後の最後ですべてのなぞや「おおおおおおおー」となる
展開が待っているので、その部分だけもいいから最後まで必ず読んで。
最高だから。


内容紹介
小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年、安普請極まりない全六室のぼろアパート・木暮荘。現在の住人は四人。一階には、死ぬ前のセックスを果たすために恋を求める老大家・木暮と、ある事情から刹那的な恋にのめり込む女子大生・光子。二階には、光子の日常を覗くことに生き甲斐を見いだすサラリーマン・神崎と、3年前に突然姿を消した恋人を想いながらも半年前に別の男性からの愛を受け入れた繭。その周りには、夫の浮気に悩む花屋の女主人・佐伯や、かつて犯した罪にとらわれつづけるトリマー・美禰、繭を見守る謎の美女・ニジコたちが。一見平穏に見える木暮荘の日常。しかし、一旦「愛」を求めたとき、それぞれが抱える懊悩が痛烈な哀しみとしてにじみ出す。それを和らげ、癒すのは、安普請であるがゆえに感じられる人のぬくもりと、ぼろアパートだからこそ生まれる他人との繋がりだった……。



2012年9月14日金曜日

オーダーメイド殺人クラブ 辻村 深月

あれ、って思いつつ、最後までグイグイと読んでしまう作品。
深さはないし、よくある独り言なのでまったく共感できないけど、分かりきった最後の最後の
オチガさわやか過ぎて、そのシーンがすごく心に残る。

書き方がうまいなあ。。


内容紹介
中学二年のふたりが計画する「悲劇」の行方
親の無理解、友人との関係に閉塞感を抱く「リア充」少女の小林アン。普通の中学生とは違う「特別な存在」となるために、同級生の「昆虫系」男子、徳川に自分が被害者となる殺人事件を依頼する。


2012年9月12日水曜日

幸福な生活 百田尚樹

立て続けに百田作品・
短編集としてはよく出来ている。
「コワッ」ってなる作品もあるし、「おおーーー」で終わる作品もある。
ただ残念なことに、これも「ドーーーン」がないので、淡々と
いい短編集を読んだ、という感想しかない。
ちと残念。



内容紹介
「道子さんを殺したのは、私なのよ――」
認知症が進んでから母はよく喋るようになった。
しかし、その話の大半は出鱈目だ。妻は自分がいつ殺されたのと笑うだろう。
施設を見舞うたびに進行していく症状。子どもの頃に父が家出して以来、女手ひとつで自分と弟を育ててくれた母をぼくは不憫に思えてならない。
久しぶりに訪れた実家の庭でぼくは、むかし大のお気に入りだった人形を見つける。
40年ぶりに手にした懐かしい人形。だが、それはおそろしい過去をよみがえらせた……(「母の記憶」より)。サスペンス、ファンタジー、ホラー……、様々な18話の物語、そのすべての最後の1行が衝撃的な台詞になっているという凝った構成。
『永遠の0』『ボックス!』『錨を上げよ』で話題の百田尚樹は長編だけじゃなかった。星新一、阿刀田高、筒井康隆という名手顔負けの掌編小説集を世に送り出した!


2012年9月10日月曜日

プリズム 百田 尚樹

前評判が高かったから読みたかったんだけど、、期待が大きすぎたか。
途中で嫌になることはなく、グイグイ読みたくはなるんだけど
この作者の場合は心に「ドーン」という読後感を求めてしまうので
そういった意味では期待はずれ。

ただ、レビューの人気が高い理由も分かるので好き嫌いかも。


内容紹介
いま目の前にいるのは、私が愛した“あなた”ですか?
かつて誰も経験したことのない、切なくミステリアスな恋愛の極致!!

世田谷に古い洋館を構える資産家の岩本家に聡子は足を踏み入れた。美しい夫人から依頼されたのは、小学校4年生になる息子・修一の家庭教師。修一と打ち解け順調に仕事を続けていた聡子だが、ある日、屋敷の庭を散策中に、離れに住んでいるという謎の青年が現れる。青年はときに攻撃的で荒々しい言葉を吐き、聡子に挑みかかってきたかと思えば、数日後の再会では、陽気で人当たりが良く聡子を口説いてからかったり、かと思うと、知的で紳士然とした穏やかな態度で聡子との会話を楽しんだり……。会うたびに変化する青年の態度に困惑するが、屋敷の人間は皆その青年については口を硬く閉ざすのであった。次第に打ち解けていく青年と聡子。やがて、彼に隠された哀しい秘密を知った聡子はいつしか彼に惹かれはじめている自分に気づき、結ばれざる運命に翻弄される。変幻自在の作品を生み出す著者が書き下ろした、哀しくミステリアスな恋愛の極致。


2012年9月8日土曜日

化身 宮ノ川 顕

表題含め短編なんだけど、、、ちょっと自分には合わない文体。。

理解するよう途中でがんばるというか、読みこむ必要があるような、
それを強いるような作品が多かったでの自分には合わないかあなあ。。

内容紹介
日常に厭き果てた男が南の島へ旅に出た。密林へ分け入った彼は池に落ち、耐え難い空腹と絶望感、死の恐怖と闘いながら生き延びようとして、やがて……。端正な文体で完璧な世界を生みだしたホラー大賞史上最高の奇跡


2012年9月7日金曜日

凍花 斉木 香津

久しぶりに怖い作品だった。
まったくホラーでもなく、変な描写があるわけじゃないけどこんなに
業というか人の感情の怖さを感じたのは久しぶり。

姉妹のよくある殺人事件推理物だと思ったら大間違い。
完全に家族とは何、的な考えさせられる作品でした。
是非。


内容紹介
なぜ、妹を殺したのか?3人姉妹の長女は次女を殺害した。長女は自首し収監されるが、面会は断り心情は誰にもわからない。今まで当たり前にいた2人の姉を失った私はある日、1冊のノートを見つける。それは長年、長女がつけていた日記帳だった……。サスペンスとミステリーが融合した書き下ろし長編小説。


2012年9月5日水曜日

歌舞伎町より愛をこめて 路上から見た日本 李小牧

何気に知っているネタばっかりだった。
前にコラムをきっと読んでいたのでしょう。
またドラマや映画、ノンフィクションでもおなじみだから。

違う本をまた読もう。

内容紹介
「ニューズウィーク日本版」の連載コラムを中心にまとめた本書は、これまで主に自分の生き様を活字にしてきた著者にとって、初の「評論集」。石原都知事へのラブコール、反日感情とヤスクニ訪問、風俗嬢ランキングの不思議……歌舞伎町を壮絶に生き抜き、今や中国一(!?)有名な在日中国人ともなった著者が、日本と日本人に対する愛、苦言、提言を書き連ねた!


2012年9月4日火曜日

銀色の絆 雫井 脩介

深っくどーんとくるわけじゃなく、じわじわしんみりくる名作。
作者自体のリズムや文体がすきなのでそのせいもあるけど
相変わらずこの手の人間模様の感動作を作るのは見事。

アイススケートは正直どうでもいいので、お母さん方の考えや
子どもたちの葛藤などその辺りに注目してぜひ。

内容紹介
栄光を勝ち取るか、無残に打ちのめされるか、これはもう遊びではないのだ――。
夫の浮気が原因で離婚、娘の小織とともに実家のある名古屋へと転居し、無気力な日々を送っていた藤里梨津子だったが、フィギュアスケートの名コーチに小織の才能を見出され、娘を支えることに生きがいを感じ始める。
「藤里小織の最大の伸びしろは、あなたにあると思ってます」とのコーチの言葉に、娘のためにすべてを懸ける決意をする梨津子。スケートクラブ内の異様な慣習にとまどい、スケート費用の捻出に奔走し、さらには練習方針をめぐってコーチとの間で軋轢が生じるのも厭わず、娘のことだけを考えてクラブの移籍を強引に進める――そんな母の姿に葛藤を覚える小織ではあったが、試合での成績も次第に上がっていき、やがて……。母娘の挑戦は、実を結ぶのか?
母と娘の絆をテーマにした、著者渾身の長編小説。
『犯人に告ぐ』『クローズド・ノート』をしのぐ興奮と感動!


2012年9月3日月曜日

神様のカルテ 夏川 草介

完全に個人のわがままなんだけど。。すっごく読みづらい。
文体のせいか主人公の口語のせいか。

テーマも内容もそんなにわるくないけど、もうこの手のドラマも
見飽きているせいか、リズムがあわないとどうしようもない。

途中でやめてしまいました。


内容紹介
栗原一止は信州の小さな病院で働く、悲しむことが苦手な内科医である。ここでは常に医師が不足している。
専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を三日取れないことも日常茶飯事だ。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。
だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。
悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。第十回小学館文庫小説賞受賞作

2012年9月2日日曜日

ファイヤーボール 原 宏一


お涙の部分は雑なんだけど、それ以外はすべてが満点。
ストーリーやひねり具合、テーマや展開、人物まで。
特に筆力ガ高くいいリズムの文体なのでさくさくグイグイ
楽しめる。

同年代の人やちょっとした悩みを抱えている人は是非。

内容紹介
熱くなれるもの、ありますか? なければ自分で作ればいい!
家族も顧みずに一心に働いてきた咲元は、海外出張から帰った矢先、突然の社内抗争に巻き込まれ、窓際部署に追いやられることに。仲間と思ってきた同僚たちに冷たくされ、妻や息子・娘からも疎んじられ、挙句の果ては、妻から町内会の役員まで押し付けられる。その町内会の場で思わず発した一言が波紋を呼び、町に「今より十倍盛り上がる祭り」を生み出さなければならない羽目になってしまうのだが……。
咲元が考えた「馬鹿馬鹿しいほど単純で危険な祭り」とは何か、果たして新しい祭りを作り出すことなど可能なのか、反対派の妨害・嫌がらせ行為にどう立ち向かうのか、そして、バラバラだった家族はいったいどうなる?
「大人が熱くなれるもの」とは何か、仕事にそれを求められなければどうすればいいのかをテーマとする、ユーモラスだけど、とびっきり熱くて、元気が湧いてくる感動の長編小説。



2012年9月1日土曜日

おかえり、Mr.バットマン 佐川 光晴

タイトルがなんのことかまったく気にしないで途中までぐいぐい面白く読んでしまいました。

といいつつも、最後の最後はいまひとつ。。
もっていきかたが強引なのかなあ。


内容(「BOOK」データベースより)
結婚生活20年にして「離婚」という一大決心をした彼の家へ突如ホームステイすることになったのは、世界的ベストセラー作家の娘だった!?家族?お金?それとも…彼女と愛の逃避行!?山名順一(48歳)、翻訳家兼主夫、決断の時。