2010年7月30日金曜日

SOKKI!-人生には役に立たない~ 秦 建日子

久しぶりに面白いエンタメ作品。
テーマも面白いし、役にたたないという切り口で始まる展開が
ものすごく面白く仕上がっている。

展開は普通で、そんなにドカンと盛り上げるわけじゃないけど
ところどころ人間模様や速記のエピソードが垣間見え新しい
世界を知りつつ王道のエンタメがある、という作品。


出版社/著者からの内容紹介
1980年代の早稲田大学を舞台に、気鋭の新星が描く、スーパー・マイナーな技術「速記」に懸けた青春。
美女に釣られて、速記研究会。
「本多くんはさ そんなに役に立つことが好き?」「えっ?」「そんなに、『役に立つこと』、好き?」くっきり、はっきり。そして、悪戯っ子ぽい笑顔を浮かべて、更にこう言った。「そういうのって、『豚に喰われろ』 って感じかな」 <本文より>

2010年7月29日木曜日

敗者復活 藤田宜永

新聞の書評がよくて借りてしまいました。

でも、、、そんなに経済にも復活にも寄ってないので
どっちかといえば中途半端。

どれも盛り上がりに掛けて、できれば経済ものとしての
寄り方をして欲しかった、。

内容(「BOOK」データベースより)
老朽化した場末のバッティングセンター。経営するスーパーの粉飾決算で服役し、妻子と別れた流転の果てに、崎見邦彦はここに落ち着いた。明美という心のやすらぎも得た。だが一本の電話がその平穏を破った。服役時代の仲間・幸太郎に呼びだされ銀座のバーに向かった崎見を待っていたものは…。



2010年7月23日金曜日

蒼煌  黒川 博行  

これも読み飛ばした。。
だって展開がまるわかりなんだもの。
オチだけ分かればいい。

途中までは知らない画家の世界で面白いけどそれも100pくらいで
十分。

あとは、、、いいかと、。。

内容(「BOOK」データベースより)
芸術院会員の座を狙う日本画家の室生は、選挙の投票権を持つ現会員らに対し、露骨な接待攻勢に出る。一方ライバルの稲山は、周囲の期待に応えるために不本意ながら選挙戦に身を投じる。会員の座を射止めるのは果たしてどちらか。金と名誉にまみれ、派閥抗争の巣と化した“伏魔殿”、日本画壇の暗部を描く。


2010年7月21日水曜日

デンデラ 佐藤 友哉

途中で飽きてしまったので半分くらいから一気に最後のページまで読み飛ばした。
で、変化なし。。

というわけで,最初の50pくらいよんだら、あとは一気に落ちの10pを読んでも
大丈夫です。
進化なし、深みなし、オチも特に意味なし、です。

でもテーマや書き方は面白いので次回期待。

内容(「BOOK」データベースより)
五十人の老婆が、奇妙なコミュニティを形成する現在の姥捨て山「デンデラ」。ある者は自分を捨てた村を恨み、ある者は生き永らえたことを喜び、ある者は穏やかな死を願う。様々な感情が渦巻く隠れ里は、一匹の巨大羆の襲来により、修羅場と化した。

2010年7月20日火曜日

灼夜 永瀬 隼

読まずに返した。。
ごめんなさい。。。


内容(「BOOK」データベースより)
成績も柔道もぱっとしない中学生の森本篤は、団地で母と二人暮らし。夏休みを目前に控え、彼は自分の境遇に嫌気がさしていた。その思いがつのり、江戸川近くの神社で仔犬と遊んでいた子供をつい苛めてしまう。翌日も同じ子供を見つけた篤は再び鬱憤を晴らそうとするが、リーホワという中国人の美少女に見つかり殴られる羽目に。だがその夜、リーホワが篤の前に突然現れ、彼が苛めた子供・フェイがいなくなったことを告げた―。在日中国人の誘拐騒動に巻き込まれた中学生・アツシ。マフィアの暗躍、不法滞在者の実態、巧妙な地下銀行の手口…。日本社会に巣くう“底知れぬ闇”を知ったとき、14歳の少年がとった行動とは?中国人裏社会を描破したクライム・ロードノベル。


2010年7月17日土曜日

Fine days―恋愛小説 本多 孝好

やばい、、レビューの評判はめちゃ高くて、短編としての内容も面白そうなんだけど
個人的にまったくどれも覚えていない。。。

なぜだろう、薄々だったのかなあ。


内容(「MARC」データベースより)
僕は今の君が大好きだよ。たとえ、君自身が、やがて今の君を必要としなくなっても-。表題作のほか「イエスタデイズ」「眠りのための暖かな場所」「シェード」の全4作のラブ・ストーリーを収録。


2010年7月16日金曜日

ニサッタ、ニサッタ  乃南 アサ 

またもや同じ作者の全く違うトーンの話。
内容や主人公が大きく違う。
こちらのほうが波があって読みやすいかも。

書き方は淡々としているのは同じだけど、主人公がものすごい
空転といか、よくある人生なんだけど、本当によくある失敗を
して、いるだろうなあ、こういう人、っていう悲劇のようななんというか。
悲しさは敢えて出していないようにしているんだけど、そこがまたツライ。

こういう人生、といっていいか分からないけど多くの人がこういう
悲劇のような当たり前のような人生をおくっていると思う。

ちょっと物悲しいし長いけど、最後まで読んだほんがいい。

内容(「BOOK」データベースより)
最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し、派遣先をたて続けにしくじったときでも、住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。ネットカフェで夜を過ごすいま、日雇いの賃金では、敷金・礼金の三十万円が、どうしても貯められない。失敗を許さない現代社会でいったん失った「明日」をもう一度取り返すまでの物語。


2010年7月15日木曜日

ウツボカズラの夢 乃南 アサ

相変わらず淡々と男女の悲哀や無表情な状態を描く作品。

何も残らず、何も深く刺さるものはないけど、こんなのありかなあ、でも
波風がないなあ、くらいの感じで読む作品。

内容紹介では何のことか分からないかもなので補足すると、
ある女性があるぐちゃぐちゃな家庭に入って、さらに
ぐちゃぐちゃなエピソードgあいろいろ出てくる中で
したたかに淡々と生きていく、という話。


内容紹介
巷には自己中心的な人、無神経な人など、総じておかしな人がふえている。それを象徴するかのような鹿島田家の人々の日常をシニカルに描ききることで見えてくる不気味な世界。問題作「風紋」の作者が贈るエンターテインメントノベルの傑作。


2010年7月13日火曜日

死刑基準 加茂 隆康

ひどい描写はさておき、(というは飛ばしてください、)
内容といつか切り口は面白く読めた。

面白くというか、今問題になっているテーマというか。
消化不良で深く描けてない部分多々あるけど、この手の制度や
意味など考える意味ではいい作品かも、


内容紹介
練馬区の住宅街で、弁護士の妻が強姦、殺害された。百二十人体制の捜査本部が犯人像を炙り出す。
やがて逮捕、起訴された男には、粗暴犯の前科と我が子を殺された過去があった。しかし、強姦容疑は認めたものの、男は殺人は頑固に否認する。執拗に「死刑」を求める検察。はたして、被告人の主張は虚偽なのか。
迫真の警察捜査!そして法曹界の友情と裏切り、愛憎と陰謀を鮮やかに描き切った驚きのページターナー!
現役弁護士が放つはらわた熱くなるリーガル・サスペンスの一級品。


2010年7月12日月曜日

真夜中のマーチ  奥田 英朗

やばい、作者はすきだったのに内容が面白くなくて途中でギブアップ。。。
飛ばし飛ばし読んで結局内容分からず。。

多いなあ、最近。。

内容(「BOOK」データベースより)
自称青年実業家のヨコケンこと横山健司は、仕込んだパーティーで三田総一郎と出会う。財閥の御曹司かと思いきや、単なる商社のダメ社員だったミタゾウとヨコケンは、わけありの現金強奪をもくろむが、謎の美女クロチェに邪魔されてしまう。それぞれの思惑を抱えて手を組んだ3人は、美術詐欺のアガリ、10億円をターゲットに完全犯罪を目指す!が…!?直木賞作家が放つ、痛快クライム・ノベルの傑作。

2010年7月11日日曜日

SOSの猿 伊坂 幸太郎

そこそこのベストセラー。
しかし期待はずれ。。

多作が原因か。
でも最後までちゃんと読めるのはさすが。筆力だけは健在。
また内容は気にしないで、さらに深読みもしないで淡々と読むといいかも。


内容紹介
ひきこもりの青年の「悪魔祓い」を依頼された男と、一瞬にして300億円を損失した株誤発注事故の原因を調査する男。そして、斉天大聖・孫悟空ーー。物語は、彼らがつくる。伊坂幸太郎最新長編小説。


2010年7月10日土曜日

六月六日生まれの天使 愛川 晶

やばい、最期までちゃんと読めなかった。。
最近、タイトル借りが多いので今後もこの手のことが増えそうで怖い。

二転三転する内容と、トリックっぽい供述と説明がややこしくて
どこに注力を置いて読んでいいか分からない作品でした。

ラストを読んでも今ひとつ。。

内容(「BOOK」データベースより)
目覚めたとき、女は記憶を失っていた。私はいったい誰なのか!?ベッドの隣には裸の男。その顔には不気味なゴム製の仮面が…男はいったい誰なのか!?真夏だと思っていたら外は雪。そして、初老のサンタクロースが追いかけてきた。いったい何が起きているのか―。


2010年7月8日木曜日

星々の舟 Voyage Through Stars (文春文庫) 村山 由佳

久しぶりに文学作品で面白いと思った。

重さ加減もちょうどよく、また連作なのでどれも面白く読めた。
軽いテーマじゃないけど、それほど暗くもならずどれも人生の深みというか
業みたいなものが感じられた。

男女系の文学をザクっと読みたい人はどうぞ。

内容(「MARC」データベースより)
禁断の恋に悩む兄妹、他人の男ばかり好きになる末っ子、居場所を探す団塊世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱いて-。愛とは、家族とはなにか。こころふるえる感動の物語。直木賞。


2010年7月6日火曜日

ママの友達 新津 きよみ

淡々と流れる作品なので、評価はわかれる。
あまりミステリーと思わないで、よくある女性の淡々ものと
思ったほうがいい、

日記の送る送らないはどうでもいい。
この年代の女性が面白いと思うだろうけど、他の人はどうかと。。


内容(「BOOK」データベースより)
主婦の典子は、娘との関係がうまくいかないことで悩んでいた。そんなある日、典子のもとに、中学時代の交換日記が届く。差出人の名前はないが、最後に日記を書いていたのは、メンバー四人の中でリーダー格だったハセジュンこと長谷川淳子だった。ところが、テレビで淳子が他殺体で見つかったとのニュースが。一週間も前に殺された淳子が、日記を送れたはずなどない。これは誰かのたちの悪いいたずらか、それとも…。

2010年7月5日月曜日

ゴールデンスランバー 伊坂 幸太郎

やっと読めました。
噂通り、すごかったです。ものすごいテーマと展開と筆力だけでグイグイ持っていく
伊坂作品の王道。

初期の作品に近く、集大成というか、本気を出したというか。映画になるだろうな
と思いつつも小説だからやれたことだと思う。

内容(「BOOK」データベースより)
仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。訝る青柳に、森田は「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、鬼気迫る調子で訴えた。と、遠くで爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた―。精緻極まる伏線、忘れがたい会話、構築度の高い物語世界―、伊坂幸太郎のエッセンスを濃密にちりばめた、現時点での集大成。



2010年7月2日金曜日

特別法第001条DUST 山田 悠介

初めて山田作品を読みました。

噂通りですね。もう読まなくていいです。
いや、つまらないとか生理的にやだというわけじゃなく
自分とは合わないかと。

この手法が分かればあとはみな同じなので、特に読まなくてもいいかと思って。
一回でいいかな、個人的には。

内容(「MARC」データベースより)
食料もなく、ただ廃墟と荒野が広がるだけの孤島。敵からの襲撃、飢餓の中で、彼らがつむいだ唯一の光とは? 「流罪」の復活、刑期は500日。棄民の島で、生死を賭けたサバイバルが、今はじまる。


2010年7月1日木曜日

図地反転 曽根 圭介

警察の組織の怖さと一人の刑事の強さを思い知る作品。

冤罪というものを正面から捉えつつ、何が正解なのか
最後の最後まで判らない。それがこの作品の肝にもなる。

筆力と展開の面白さで最後まで一気読み。


内容(「BOOK」データベースより)
総力を挙げた地取り捜査で集められた膨大な情報。そのなかから、浮かび上がった一人の男。目撃証言、前歴、異様な言動。すべての要素が、あいつをクロだと示している。捜査員たちは「最後の決め手」を欲していた―。図地反転図形―図と地(背景)の間を知覚はさまよう。「ふたつの図」を同時に見ることはできない。ひとたび反転してしまったら、もう「元の図」を見ることはできない。