2012年11月29日木曜日

ブラバン  津原 泰水 (著)

もう年を食った人が過去を思い出しながら物語が進んでいくけど、そのどちらの
シーンでも楽しめて、複合的に話しが出てくるのでシーンごとに感動がある。

決してご都合主義的な落ちでもなく、現実な生活に沿いつつ、夢を見させてくれる
ラストになっている。

一九八〇年、吹奏楽部に入った僕は、管楽器の群れの中でコントラバスを弾きはじめた。ともに曲をつくり上げる喜びを味わった。忘れられない男女がそこにいた。高校を卒業し、それぞれの道を歩んでゆくうち、いつしか四半世紀が経過していた――。ある日、再結成の話が持ち上がる。かつての仲間たちから、何人が集まってくれるのだろうか。ほろ苦く温かく奏でられる、永遠の青春組曲。


2012年11月25日日曜日

異端の大義〈下〉   楡 周平

一応、下巻も。
この下巻がすかっとする展開で、ちょっとうらやましいとの、ないな~と思うのと
ダブルでした。
特に引き抜きされるところと成功するところは、ご都合的な。。


内容紹介
発売日: 2009/3/28
新天地・中国での挑戦──。工場の閉鎖業務を進める中、解雇に絶望した従業員が自殺した。その対応を巡って、上層部は保身に走り、高見をさらに子会社へと追いやる。癌を患っていた父親を亡くし、転職を決意した高見は、欧州電機メーカー・カイザーの上級幹部に能力を見込まれ、中国という巨大市場の開拓へと邁進する。激動する国際経済と国内製造業の現実を描き切った経済大河巨篇。



2012年11月24日土曜日

異端の大義〈上〉 楡 周平

読み応えと先の展開が読めずワクワクドキドする流れでした。
特にビジネスの人間関係の怖さが生々しくよくあるな~、これ、という
シーンがてんこ盛り。


内容紹介
発売日: 2009/3/28
シリコンバレーからの帰還──。世界有数の大手電機メーカー・東洋電器産業の高見龍平は、米国の半導体開発部門撤退という大任を果たして帰国した。長い海外勤務から戻った彼の目を驚かせたのは、創業者一族とその取り巻きによる恣意と保身の横行。入社同期で一族に連なる人事本部長へ直言するが、それが仇となる。高見は、工場閉鎖という過酷なリストラ業務を命じられてしまった。


2012年11月23日金曜日

東京ポロロッカ 原宏一

最初のどうでもいい噂話がどんどん転がっていろんな人を巻き込んでいく。
たまたまこのネタの近くに住んでいたことがあったので
人事じゃなく、身近で面白くも読めた。

どちらかというと家族や再生をメインで進んでいるので
そこを面白く思うべきだけど、そこは薄かった・・


内容紹介
発売日: 2011/11/18
町工場の社長さん、田園調布のお手伝いさん、リバーサイドマンションに住むシングルマザー、駆け落ち夫婦…さまざまな人々が暮らす町を今日も滔々と流れる多摩川。南米アマゾン川の「ポロロッカ」のように、その「多摩川が大逆流する」という奇怪な噂が広がっていく。無責任な噂に翻弄され気づかされたのは、人と人が繋がっているということ。いま改めて「家族の絆」を見つめ直す。小さな幸せを描く原宏一が贈る、七つのヒューマンストーリー。


2012年11月21日水曜日

ラーメン二郎にまなぶ経営学   牧田 幸裕


前にタイトルに惹かれてつい立ち読みしてしまったけど
たまたま図書館のお勧めにあったので借りてしまいました。

実際、もう読むべきところはなかったんだけど。。
内容的にはもう既知のことが多く、ラーメンマニアの自分としては
新しい発見はないけど、まったく二郎やラーメンの歴史を
知らない人には珍しいネタが豊富だと思う。

内容紹介
発売日: 2010/12/3
二郎と武蔵、一風堂では、どれが1番のラーメンなのか?
宣伝なしで、なぜオープン初日から大行列なのか?
なぜジロリアンは、身も心も二郎に魅了されるのか?
セグメンテーションとターゲティング、ポジショニング、コア・バリュー、消費者行動の進化・・・・・・
ラーメン二郎から経営学の基本がわかる!


2012年11月16日金曜日

きみ去りしのち 重松 清

似たような題名の有名作品があるけど、それとはまったく違うアプローチ。
子どもを思う親の気持ちと、人の生き死にが繋がってくる連作。

重松先生らしい作風だけどちょいちょい理不尽というか
あまりすっきりしない展開がある。

最後まですっきりしないかも。。

内容(「BOOK」データベースより)
どれだけ歩きつづければ、別れを受け容れられるのだろう。幼い息子を喪った父、“その日”を前にした母に寄り添う少女。―生と死がこだまする、ふたりの巡礼の旅。再生への祈りをこめて描かれた傑作長編小説。


2012年11月14日水曜日

織田信長 破壊と創造   童門 冬二


分かりやすく史実にも忠実だったのでサクサク読めました。
新しく知る内容や信長以外の人物についても所々記述があるので
広がりもあり。


内容(「BOOK」データベースより)
破壊者・信長は稀代のビジョナリスト(構想者)だった。物理的・制度的・意識的な壁を破壊し、新しい国を創造した信長。その思想と革新的所業をビジネス的視点から描き出した話題の小説を文庫化。死を賭して日本の改革に挑んだ苛烈なるリーダーの物語。




2012年11月12日月曜日

花嫁 青山 七恵

家族それぞれの視点で繋がっている連作。
最初はほのぼのした作品かと思いきや、家族のエピソードが
増えるたびにどんどん怖くなる。

最後のお母さんの短編は必見


内容紹介
兄さんが今度、お嫁さんをもらう。
あたしは断固反対。唾棄すべきことだ。
兄と妹。夫と妻。親と子。
固く結ばれた絆の裏には、淫靡で怖い秘密がある。

20歳の大学生・若松麻紀は、眠れない時や寂しい時、兄さんのベッドに潜り込む。婚約者の話を聞いたのも、ベッドの中だった。若松家の長男・和俊が、婚約者を連れて来たことで、兄を愛する麻紀はパニックに陥った。腕利きの和菓子職人・父は、年に一度だけ、家族に内緒で出かけて行く。逢い引きの相手は、店のお手伝いをしている弓子さんだった。夫を支えて繁盛する店を切り盛りし、子供二人を育て上げた母は、和俊の結婚式の後、花嫁に向けて一通の手紙を書き出した。その中には、若松夫婦の思いもよらぬ過去、子供らの出生の秘密が書かれていて……。
仲良し四人家族の中に、ある日いきなり「花嫁」がやってきた。今までそれぞれがひた隠しにしてきた過去が掘り返されていく。情熱と契約で結ばれた家族の果て。



2012年11月10日土曜日

さよなら、そしてこんにちは 荻原 浩

ちょいちょい面白アンドほっとする物語が入り込む短編集。

哀しすぎず、感動しすぎないギリギリのレベルで話しが終わっていくので
サクサク読めていきます。
それぞれ面白いけど逆に深みを求める人に向かないかも。

内容(「BOOK」データベースより)
世のため、人のため、そして家族のため、働き者の悲哀を描く、著者独壇場の傑作集。



2012年11月7日水曜日

カッコウの卵は誰のもの 東野 圭吾 カッコウの卵は誰のもの 東野 圭吾

これ、2回目です。

東野先生にしては、ちょっとありがちで、オチの深みもない作品かと。。
まあ、全体としては悪くないけど期待しすぎると痛い目に。


内容(「BOOK」データベースより)
親子の愛情に、揺さぶりがかけられる。覚悟を決めた父親は、試練にどう立ち向かうのか。父と娘、親子二代続けてのトップスキーヤー。娘の所属チームの研究者は、二人の遺伝子パターンを調べさせてほしいと考える。しかし、了承するわけにはいかない。父には、どうしても知られたくない秘密があった。娘が生まれた19年前からの忌まわしい秘密が。


2012年11月5日月曜日

水の中の犬 木内 一裕

これ、予想以上に面白かった。
人物背景や登場人物の面白さ、そして筆力や文体リズム。
どれをとっても一級品だった。

短編だけどどれも長編に出来るぐらい骨太で、街や人の生き様が
浮かびあがっている作品ばかり。

読みごたえは十二分です。


内容(「BOOK」データベースより)
探偵の元にやってきた一人の女性の望みは恋人の弟が「死ぬこと」。誰かが死ななければ解決しない問題は確かにある。だがそれは願えば叶うものではなかった。追いつめられた女性を救うため、解決しようのない依頼を引き受けた探偵を襲う連鎖する悪意と暴力。それらはやがて自身の封印された記憶を解き放つ。


2012年11月3日土曜日

司法記者 由良 秀之

それなりに筆力があり退屈はしなかったけど、ひねり具合と
ストーリー展開はありがち。。

オチはあまりにもありがちなので、気にしないほうがいいかも。

内容説明
佐々木譲氏絶賛!
「圧倒的なリアリティ! 取材では書き得ない迫力。
いま検察が抱える問題を鋭く指し示す、きわめて同時代的な問題作!
地検特捜部のありようを、現実に生きる検察官の姿を、ここまで生々しく描き切った小説はこれまであったろうか。わたしたちはいま『検察小説』という新しいジャンルの誕生を見たのかもしれない。これからも検察の内部からこれほど情報性豊かなエンターテインメントが続けて生まれてきたら、と、職業作家として、わたしは少しおののいている。」

密室の女性記者死体・大物政治家「政治とカネ」疑惑――二つの事件が交差するとき、驚愕の真実が明らかに。検察を知り尽くす謎の作家、鮮烈なデビュー作!

「騙されるな。気合を入れて叩き割れ!」
「……そんな供述のどこが真実なんだ」
美貌の女性記者はなぜ殺されたのか?
口を閉ざし続ける容疑者の守り通す秘密とは……。
特捜検事が、巨大組織の壁の中で、孤独な闘いに挑む!