2014年6月30日月曜日

魔女は甦る   中山 七里

薬がメインの話なんだけど、そこはなかなか出てこないで、
途中までは完全にホラー。

半分以降は推理ものの面が出てきて、やっぱりホラーになって
最後はまたオチが映画並みにいい出来。



内容(「BOOK」データベースより)
元薬物研究員が勤務地の近くで肉と骨の姿で発見された。埼玉県警の槇畑は捜査を開始。だが会社は二ヶ月前に閉鎖され、社員も行方が知れない。同時に嬰児誘拐と、繁華街での日本刀による無差別殺人が起こった。真面目な研究員は何故、無惨な姿に成り果てたのか。それぞれの事件は繋がりを見せながら、恐怖と驚愕のラストへなだれ込んでいく…。



2014年6月26日木曜日

星やどりの声  朝井 リョウ  

朝井先生のいつものトーンではなく、女性作家が書くような
深いちょっとした闇を心に抱えた家族が、それを乗り越えていくという
鉄板をおもしろく描いている。

リズムがよくて読みやすいので、最後までいい感じで
読めるけど、深みはない。。

内容(「BOOK」データベースより)
東京ではない海の見える町で、喫茶店「星やどり」を営む早坂家。三男三女母ひとり。亡き父が残した名物のビーフシチューの香りに包まれた生活には、慎ましやかながらも確かな幸せがあった。しかし、常連客のおじいちゃんが店に姿を見せなくなった頃から、家族に少しずつ変化が。各々が葛藤を抱え息苦しくなる早坂家に、父が仕掛けた奇跡が降りそそぐとき、一家は家族を卒業する。著者が学生最後の夏に描いた、感動の物語。


2014年6月23日月曜日

盤上に散る 塩田 武士

骨太で深い話。

将棋の世界を全く知らなくても、小説好きなら楽しめる。
このテーマは2回目だけど、特に知らずにこれだけでもいい。

将棋のシーンはほんのちょっとなのはちょっと寂しい。


内容(「BOOK」データベースより)
母を亡くし、家族がいなくなった蒼井明日香は、遺品の中に一通の封筒を見つける。宛名には母の字で「林鋭生様」。どうやら将棋指しであるらしい。母はこの得体の知れない男に何の用があったのか―。明日香は未知の将棋界で捜索を開始する。昭和の終わりに忽然と姿を消した伝説の真剣師・林鋭生。冷血非道な男が人生のすべてを賭けた恋!笑いと勝負と情熱を描く圧倒的エンターテインメント!



2014年6月14日土曜日

ばらばら死体の夜   桜庭 一樹

これ、、2回目だった。

でも読み応えあり。
著中で飛ばしてしまったけど、話はすごい。


内容(「BOOK」データベースより)
神保町の古書店「泪亭」二階に住む謎の美女・白井沙漠。学生時代に同じ部屋に下宿していたことから彼女と知り合った翻訳家の解は、訝しく思いながらも何度も身体を重ねる。二人が共通して抱える「借金」という恐怖。破滅へのカウントダウンの中、彼らが辿り着いた場所とは―。「消費者金融」全盛の時代を生きる登場人物四人の視点から、お金に翻弄される人々の姿を緻密に描いたサスペンス。




2014年6月13日金曜日

パパは今日、運動会 山本 幸久

会社の運動会の裏エピソードというか、会社人間の付き合い方が
よーーく描かれている。

本当にあるあるが満載で、こういった人間関係を乗り越えてえらくなって
いくのかしら、という感じ。

逆に学生に「これが会社の縮図だぞ」と教えてあげたい。



内容(「BOOK」データベースより)
嘘っぽく晴れ渡った青空の下、来年五十周年を迎えるカキツバタ文具の史上初の社内運動会が開かれた。ごますり男も泣き虫も、不倫男もアイドルも、強面もお調子者も、みんないつもとちょっと違う。いや、ちょっとどころか、え?こんな人だった?いろんな笑いがぎっしり詰まった会社小説の真骨頂。


2014年6月9日月曜日

残虐記   桐野 夏生

最近この手の事件が多くなってきたので読むのが少々つらいけど、
最悪の悲劇があるわけではないので、そこはまだ読み進められる。


桐野先生の真骨頂の内容と描写なので、そこは安パイで
楽しめる。

またこの事件の裏の話がそこそこのインパクトがあり、最後まで
ちゃんと読んで、さらにドスンとくる読後感を味わうべき。


内容(「BOOK」データベースより)
自分は少女誘拐監禁事件の被害者だったという驚くべき手記を残して、作家が消えた。黒く汚れた男の爪、饐えた臭い、含んだ水の鉄錆の味。性と暴力の気配が満ちる密室で、少女が夜毎に育てた毒の夢と男の欲望とが交錯する。誰にも明かされない真実をめぐって少女に注がれた隠微な視線、幾重にも重なり合った虚構と現実の姿を、独創的なリアリズムを駆使して描出した傑作長編。柴田錬三郎賞受賞作。



2014年6月7日土曜日

ミリオンセラーガール 里見 蘭


書店営業の知らない部分がちゃんと描かれていて、さらに
出版社の悲しい現実も見えてくる。

それに固執しないで、人間関係やサクセス的な面もあるので
エンタメ的には最高。


内容(「BOOK」データベースより)
彼氏にはフラれ、アパレルショップはクビになった沙智。心機一転、ファッション誌の編集者を目指して出版社へ転職するが、配属されたのは、書店営業を行う販売促進部だった。しかも、初版1万部にも満たない無名作家の小説を『ミリオンセラーにせよ』との特命まで課せられた!営業、編集、取次、そして書店員をも巻き込んで、沙智は次第に火をつけていくが…。


2014年6月5日木曜日

大絵画展   望月 諒子

盗み方がちと曖昧というか、面白味が。。
ドキドキするようなシーンも少ないし、謎解きが深いわけでもなく。。

あんまり記憶に残らないなあ。。

内容(「BOOK」データベースより)
ロンドンのオークションでゴッホ作「医師ガシェの肖像」を日本人が競り落とした。落札価格は約百八十億円。時は流れ、日本のバブルが弾け、借金で追いつめられた男女にある依頼が持ちかけられる。それは倉庫に眠る「ガシェの肖像」を盗んで欲しいというものだった…。第14回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝く、痛快にしてスリリングなコンゲーム小説の傑作。


2014年6月2日月曜日

こんなわたしで、ごめんなさい 平 安寿子


よくあるシーンが多いわりには共感だけじゃなく
楽しくすいすい読める。
飽きもせずそれなりの山場があり、よくできた深夜ドラマ
のよう。



内容紹介
「いませんか? あなたのまわりに、こんな人」
たとえば、こんな↓

――女性管理職・学者の妻・15歳の娘の母親、の三役をこなし、前向きで明朗快活なわたしは皆が羨む存在!
……だったはずの菅野早弓(44歳)は、最近職場で孤独を感じ、暗い毎日を送っている。なぜなら……
(episode 7「こんなわたしで、ごめんなさい」より)

「こんな人」ほかにも、まだまだいるんです↓

婚活を放棄したOL、対人恐怖症の美人、男性不信の<巨乳>女、フリフリ・ファッションおばさんetc.etc……。
欠点や弱点、悪い癖を自分から引きはがせずに、あがく女たちの悲喜こもごもを、クスクス、ほろりと描きだす。
「婚活の外へ」「どうか小さな幸せを」「イガイガにチョコがけするのも年の功」「自然の法則に従って」
「じれったい美女」「カワイイ・イズ・グレート! 」「こんなわたしで、ごめんなさい」の全7編を収録。
ユーモラスでシニカルな「平節」炸裂の傑作コメディ短編集!

「そんなあなたを許します」
と誰かが言ってくれるまで、先は長いぞ、頑張ろう。



2014年6月1日日曜日

列島融解 濱 嘉之

上っ面ではなく、表裏きちんと描いているところが
ある意味勉強にもなる。
作者が電力会社の人のようで、ちょっと偏っている意見も
でるけどこのくらいあったほうが逆に両面見れていい。


内容(「BOOK」データベースより)
東日本電力社員を経て衆議院議員となった小川正人は、未曾有の大震災後、日本が直面するエネルギー問題に真っ向から取り組んでいた。原発の行方と、代替エネルギーの可能性は。停滞した経済は復調し、安全は守られるのか。日本自由党政権となり激動する政財界を見つめながら、この国のかたちを描き直す意欲作。