2012年7月30日月曜日

敗者復活戦 高任 和夫

敗者復活というか、3人の生き様というか。
そんなに爽快な復活劇はなく、最後の最後でちょっとした兆しが見える程度で
個人的にはそこから先のドラマが見たかったです。



内容(「BOOK」データベースより)
総合商社の中間管理職・彦坂祐介は、巨額の負債を残して失踪した同期の探索に行き詰まる。都市銀行を定年後、酒浸りの日々を送る雨宮、趣味生活の果てに世界一周旅行に出た河合。“アラ還世代”三人組が見出した、この先の人生の道筋とは!?東京近郊のベッドタウン・虹が丘を舞台に描く、もうひとつの企業小説。


2012年7月27日金曜日

ザ・コストカッター  黒木 亮

あれれ、、これ読んでないぞ。。
なのに返してしまっている。。

また借りないと、、、。


内容(「BOOK」データベースより)
名うてのリストラ屋・蛭田明は、米系投資ファンドによって極東スポーツの社長として送り込まれ、苛酷な大リストラを敢行。社員の首を次々と切る一方、短期間で株価をつり上げて私腹を肥やす。そのカラクリを見抜いたカラ売り屋「パンゲア」の北川靖が、ニューヨーク・ハーレムの子どもたちのあと押しを受け、全面対決を挑む。現代の資本市場を舞台に、強欲に踊る人々の栄華と末路を描いた問題作。


2012年7月24日火曜日

月光  誉田 哲也


途中あまりにも哀しい展開とオチにつながるんだけど、小説としては見事。
推理小説というよりハードミステリーというかある意味ホラーというか。。

姉妹の切ない愛情や思いがグイグイと伝わってくる分、姉妹の父親であるあたしには
つらい作品でした。。


内容(「BOOK」データベースより)
お姉ちゃんが死んだ。誰からも愛された人。優しく美しく、真っ白だった人。同級生のバイクによる不運な事故?違う、お姉ちゃんは殺されたんだ―。姉と同じ高校に入り、一人の教師の協力を得て真相を探り始めた妹結花。そこには覗いてはならなかった姉の秘密が―。学園にピアノ・ソナタ「月光」が流れるとき、教師と生徒の心が狂う。


2012年7月21日土曜日

半島  松浦 寿輝

なんか、ある意味ゆるゆると流れていく、男にとってはある意味うらやましい小説です。
文学小説的な流れと構成なので好き嫌いははっきり分かれると思いますが、不思議な
セミリタイヤをした紀行文とでも思って読めばいいかと。


内容(「BOOK」データベースより)
勤めていた大学に辞表を出し、寂れた島に仮初の棲み処を求めた迫村。月を愛でながら己の影と対話し、南方から流れついた女と愛し合い、地下へ降りて思いがけぬ光景を目にし、現実とも虚構ともつかぬ時間が過ぎていく。この自由も、再生も、幻なのか?耽美と迷宮的悦楽に満ちた傑作長篇。読売文学賞受賞作。



2012年7月19日木曜日

ジバク 山田 宗樹

いやあ、最後までジェットコースター的な面白小説でした。
最高峰を上り詰める直前でどんどん境遇が変わっていく様は
自分もそうなったらどうしようかと置き換えて読み進めてしまいました。

一歩間違えば誰でもこの手の転がりはあるんだろうなあ、と思うと
それだけでも読む価値がある作品です。


内容(「BOOK」データベースより)
外資系投資会社のファンドマネージャーである麻生貴志は、年収2千万を稼ぎ、美しい妻・志緒理と1億4千万のマンションを購入する予定を立てていた。自らを“人生の勝ち組”と自任する貴志は、郷里で行われた同窓会でかつて憧れた女性ミチルに再会する。ミチルに振られた苦い過去を持つ貴志は、「現在の自分の力を誇示したい」という思いだけから、彼女にインサイダー行為を持ちかける。大金を手にしたミチルを見て、鋭い快感に似た征服感を味わう貴志。だがそれが、地獄への第一歩だった…。


2012年7月17日火曜日

密姫村 乾 ルカ

いやあ、、これは怖い。
ひさしぶりにホラーを読んだので入り込んでしまいました。
最初のプロローグの箇所の意味がまったく分からないで途中で
そのことすら忘れてしまうのですが、最後の最後でつながり
そしてエピローグで繋がる見事な構成になっています。

決して人をどうこうするグロイものではないのですが、一部そのような表現や
シーンも出てきます。
そこは重要じゃないので、読み飛ばせば誰でも怖さがじっくり味わえる
いい作品だと思います。




内容紹介
変種のアリを追って、東北の山村に迷い込んだ、東京の大学の講師で昆虫学者の山上一郎は、瀧埜上村の仮巣地区の人々に助けられ、命をとりとめた。翌年、山上は医師でもある妻の和子を説得し、一年間のフィールドワークのために、再び仮巣地区を訪れた。この村には医師がいなかったため、和子にとってもそれはやりがいのある仕事に思えたのだった。優しくて、親切な村の人々。だが、何日かその村で生活していくうちに、和子は違和感を覚える。―みんな健康的過ぎる…医師もいないのに…。



2012年7月16日月曜日

まほろ駅前番外地 三浦 しをん

前作も読んでいたので、さくっと世界に入れました。
それ自体は面白く、たまに二人の人間関係や歴史にも触れるので
今後の連作が楽しみになる構成でした。

シリーズものの映画にもしやすいなあ、これは。

内容(「BOOK」データベースより)
第135回直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』での愉快な奴らが帰ってきた。多田・行天の物語とともに、星、曽根田のばあちゃん、由良、岡老人の細君が主人公となるスピンアウトストーリーを収録。


2012年7月14日土曜日

一匹羊 山本幸久

やばい、、面白そうな内容なのに全然記憶にない。。

また借りよう。・・

内容(「BOOK」データベースより)
縫製工場に勤める大神は、若いころと違って事なかれ主義で働いていた。そこに、職場体験に中学生がやって来る。年下の同僚とともに、中学生の面倒を見るはめになった大神。そこで、ある問題が生じて―(「一匹羊」)。OL、女子高生、フリーター、元野球選手、主婦…相手にされなくても。変人に思われても。一歩踏み出すと、素敵な自分が見つかるかもしれない、それぞれの「明日が少し元気になれる」物語。表題作ほか、7編を収録。


2012年7月13日金曜日

対岸の彼女 角田 光代

いやあ、淡々の女性の生きているシーンを描くのは天才的な構成だなあ。
筆力がすごいというか。
内容はよくある女性の生き方であり、考え方であり、苦労話なんだけど
それがまたグイグイくる。

最後のほうでいろんな動きがあるけど、角田先生作品にしては珍しく
後味がいい。
これはこれで感動はないけど映画化したらそこそこの層に受けるだろうなあ。

内容(「BOOK」データベースより)
専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、それだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。多様化した現代を生きる女性の、友情と亀裂を描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。


2012年7月12日木曜日

もつれっぱなし 井上 夢人

井上先生、どうした!? の第二弾。
まったくおもしろない。。別の世界に行ってしまったのだろうか。

あ、期待しすぎな面もあります。
他の作者の方なら、いい短編だ、くらいは言っているかもです。
でも、、この手の話しも岡嶋時代に見たし、どうとでも取れるオチに
なっているので、頭をこねくりまわして作ったような感がない。

やっぱりいい作品を多く持っている人は苦労が多そうだなあ。

内容(「BOOK」データベースより)
「…あたしね」「うん」「宇宙人みつけたの」「…」。男女の会話だけで構成される6篇の連作編篇集。宇宙人、四十四年後、呪い、狼男、幽霊、嘘。厄介な話を証明しようとするものの、ことごとく男女の会話はもつれにもつれ―。エンタテインメントの新境地を拓きつづけた著者の、圧倒的小説世界の到達点。


2012年7月9日月曜日

カラ売り屋  黒木 亮

昔の株売りのドキドキした攻防戦みたいな小説かと思いきや、、
完全に読み飛ばしてしまい、記憶にまったくのこっていない。。

あらすじなど見ると非常に興味深いテーマなんだけど。。


内容(「BOOK」データベースより)
人の弱みにこそ勝機あり。理念無き利益操作が支える「危ない株」も、村おこしとは名ばかりの錬金術も、途上国へのハイリスク融資も、経済の闇に蠢く魑魅魍魎にとっては宝の山だ。金融界のまっとうな道を踏み外した男たちのカネへの執念が生んだ熱い物語。国際経済小説の旗手が切り開いた新境地、全4篇。


2012年7月6日金曜日

延長戦に入りました  奥田 英朗


書評が面白そうだったので借りてみたけど、やっぱりこの手のエッセイは
古いとなかなかついていけない。
世俗をきるというか、ニュースに近いことを評論しているので、タイムリーで
ない分、この時代はどういう感想をもっていたのか自分なりに考える変な間
があり、なかなか読み進められなかった。


内容(「BOOK」データベースより)
ボブスレーの二番目の選手は何をしているのかと物議を醸し、ボクシングではリングサイドで熱くなる客を注視。さらに、がに股を余儀なくされる女子スケート選手の心の葛藤を慮る、デリケートかつ不条理なスポーツ無責任観戦!読んで・笑って・観戦して、三倍楽しい猛毒エッセイ三十四篇。




2012年7月4日水曜日

風が吹いたら桶屋がもうかる 井上 夢人

井上先生らしからぬ、というか岡嶋二人時代はよくあった書きなぐり系。
いや、他の人の評価はそれなりなので、個人的な好みかもしれないけど
岡嶋二人時代によくこの手の短編を読んでいたので、新鮮味がなくなっている
のかもしれない。


内容(「BOOK」データベースより)
牛丼屋でアルバイトをするシュンペイにはフリーターのヨーノスケと、パチプロ並の腕を持つイッカクという同居人がいる。ヨーノスケはまだ開発途上だが超能力者である。その噂を聞きつけ、なぜか美女たちが次々と事件解決の相談に訪れる。ミステリ小説ファンのイッカクの論理的な推理をしり目に、ヨーノスケの能力は、鮮やかにしかも意外な真相を導き出す。


2012年7月2日月曜日

任侠病院 今野 敏

このシリーズもの。前にも読んだ気もするし、初めてのような気もするし、。
いずれにせよ面白いことは確か。

ひねり具合や人間模様もさることながら、テーマがやっぱり秀逸。
薄々感はありつつもこのテーマはまったく知らない世界ながらも興味深いので
その側面だけでも面白い。

おもったほど深い人情ネタと病院ネタではなかったのがたまに傷。


内容紹介
日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、東京下町で長年ちっぽけな所帯を持っている。
堅気に迷惑をかけない正統派ヤクザであったが、地元新住民の間から暴力団追放運動が起こってきた。
そんなおり、組長の阿岐本雄蔵が、潰れかけた病院の監事となって再建を引き受けることになった。
暗い雰囲気の院内、出入り業者のバックには関西大物組織の影もある。
再建先と地元、難題を二つ抱え込んだ阿岐本組。
病院の理事もさせられた日村は、組の最大の危機を乗り切れるのか――。