2011年12月30日金曜日

刑事のまなざし 薬丸 岳

読み応え十二分。
特に最後に向かって連作のような流れで続いていくけど、それぞれの話しにも
深みがあり、長編にできるよう味わいがある。
でも気のせいか、最後の話がちと主人公への心変わりというか、書き方なのか、、
正直よくわからないけど、ちょっと心が離れた。

なぜだろう、、。でも話しは面白いし、すっきりもする。


内容(「BOOK」データベースより)
『オムライス』…内縁の夫が焼け死んだ台所の流しの「オムライスの皿」、『黒い履歴』…クレーンゲームのぬいぐるみ「ももちゃん」、『ハートレス』…ホームレスに夏目が振舞った手料理「ひっつみ」、『傷痕』…自傷行為を重ねる女子高生が遭っていた「痴漢被害」、『プライド』…ボクシングジムでの「スパーリング」真剣勝負、『休日』…尾行した中学生がコンビニ前でかけた「公衆電話」、『刑事のまなざし』…夏目の愛娘を十年前に襲った「通り魔事件」、過去と闘う男だから見抜ける真実がある。薬丸岳だからこそ書けるミステリーがある。

2011年12月29日木曜日

内部告発者 滝沢 隆一郎

これも江上先生っぽい形で展開していくけど、深みは新鮮味という意味ではちと弱い。
主人公に肩入れしにくい書き方というところと、リズムがまだ慣れていないので
テーマがありがちなだけどちと読むのがつらくなる。

内容(「BOOK」データベースより)
二〇〇三年、五大グループへの再編を終えた損保業界。中堅の渋谷火災(略称シブカジ)を揺るがす事件が起こった。同社の内部資料を入手した経済誌が、不正融資を暴露したのだ。雑誌には、同社が子会社を通じ、闇金融にも資金を融資する卸し専門のファイナンス会社への資金提供をしていることが暴露されていた。記事を証拠づける資料として、最高経営会議議事録のコピーと思われる写真まで掲載されていた。社内中枢部からの内部告発は明らかだった。法王と畏怖される渋谷火災会長・藤田想太郎は、前副社長の仲田希一が内部告発したに違いないと、損害賠償請求を起こす。仲田は潔白を主張し、若い弁護士羽根田潤とともに渋谷火災との闘いに挑んだ。第1回ダイヤモンド経済小説大賞受賞作。

2011年12月27日火曜日

殺気! 雫井 脩介

切り口もテーマーも面白いんだけど、なぜかつまらなくなるタイミングが出てくる。
最後に向かっていく流れも途中途中で分断され、一気に深く入り込むことができない。
なぜだろう。。


内容(「BOOK」データベースより)
大学生のましろは、12歳のとき、何者かに拉致、監禁された経験があった。無事に保護されたが、犯人は不明のままだ。今、当時の記憶はない。というのも、ひどいPTSDを抱えたため、催眠療法を受け、その出来事を頭に封じ込めてしまったからだった。そのためか、ましろには特異な能力があった。防御本能が極端に強く、周囲の「殺気」を敏感に感じ取ってしまうのだ。ましろの不思議な力に興味を持ったタウン誌記者の次美は、彼女の過去を調べ始める。やがて、拉致・監禁の真相が明らかになるとき、新たに恐るべき事件が…。


2011年12月26日月曜日

小学五年生 重松 清

うーん。。飽きている。。
もうすべてがわかりきったリズムと内容。
確かにつまらないわけでもないし、読みたくないわけでもないんだけど
一時期の赤川先生とか内田先生の小説を読んでいる雰囲気に近い。

もうしばらく読まなくていいか。。

内容(「BOOK」データベースより)
十歳もしくは十一歳。男子。意外とおとなで、やっぱり子ども。人生で大事なものは、みんな、この季節にあった。笑顔と涙の少年物語、全17編。

2011年12月23日金曜日

さらば銀行の光 江上 剛

なんか江上先生の作品は同じようか系になってきたなあ。。
このモチーフもう使いきった感がある。

だけど内容も展開もリズムもいいのは確か。
読んでいて飽きることなく一気に最後までいく。
ただ、一気にいくのは一つの安心感とおなじみの内容ではあるので
そろそろまったく違う形が読みたい今日この頃。

内容(「BOOK」データベースより)
働くことで、大きくなる。そんな時代が、確かにあった。裏切りの横領、不毛な派閥闘争、狎れあいの大蔵省接待、インサイダーの悲劇。行内の腐敗は、隠蔽不能な状況にまで悪化していた。事なかれ主義に淫する上層部の、絶望的な迷走。そして訪れた運命の日―「泣き虫」広報部次長の上杉は、熱涙とともに決起する。


2011年12月21日水曜日

東京難民 福澤 徹三

いや~よくあるいい展開とか意外な展開とかまったくなくて
本当によくある一般の落ちていく姿をリアルに描いています。

小説だと少しばかり現実とは違ういいこととか言い人とか登場
させるだろうけど、これはまったくなし。
なので甘い気分で大学生活を送って言う人にはぜひ読んで欲しいけど、、
読まないからこうなるんだろうな。



内容(「BOOK」データベースより)
金のねえ奴は、野たれ死ね。それがこの街の掟だ。―私立大学の3年生、時枝修はある日、学費の未払いを理由に大学を除籍される。同時に両親からの仕送りが途絶え、実家との連絡もつかなくなった。なにが起きたのかわからぬまま、修はやむなく自活をはじめるが…夢をかなえるはずの大都会には、底なしの貧困と孤独の荒野が広がっていた。平凡な大学生の転落と放浪を通じて、格差社会の傷口をえぐる青春巨篇。



2011年12月19日月曜日

僕は長い昼と長い夜を過ごす 小路 幸也

いい意味で何でも当たりになる小路作品。
今回も小粒ながらしっかりと面白くがっかりさせない最低の
ラインはオーバーしている。

テーマというか背景はものすごく暗いし、最後の最後のオチは
深く考えさせられるけど、それ以外は軽いタッチで面白く
進んでいく。

テーマやドキドキ間も面白いので、休日一気読みしたいときには是非。


内容紹介
ミステリ・青春・家族etc… 少し奇妙で胸を打つ小路ワールド最新作。僕の一日は五十時間起きて二十時間眠る。拾った二億円と謎の〈種苗屋〉ナタネさん。奪還屋、強奪屋。 非二十四時間睡眠覚醒症候群。15年前、強盗に殺された父親。ゲームプランナーとしての経験。すべてのピースを活かして、周りのひとたちを守るんだ。 50時間起きて20時間眠る特殊体質のメイジ。草食系でのんびりした性格に反し、15年前、父親を殺されたというハードな過去の持ち主。現在はゲームプランナーをしつつ、体質を活かした〈監視〉のバイトをしている。だが、そのバイトのせいで二億円を拾ってしまい、裏金融世界の魔手に狙われる羽目に。メイジは戸惑いながらも知恵と友情を武器に立ち向かうが、この利とも枷ともなる体質が驚愕の事態を招く。

2011年12月18日日曜日

ツリーハウス 角田 光代

祖母と孫のちょっと微妙な距離感で進む展開。
過去と未来を行ったりきたりしながら、小気味よく
コネタをはさんで飽きさせない。

人間くさい話しが随所に出てくるので、少しばかり悲しくなるけど
深い闇に行くわけではないのの角田先生の作品の中ではある程度安心して
読める。

内容(「BOOK」データベースより)
謎の多い祖父の戸籍、沈黙が隠した家族の過去。すべての家庭の床下には、戦争の記憶が埋まっている。新宿角筈『翡翠飯店』クロニクル。


2011年12月15日木曜日

リブート! 福田 和代

エンジニア視点というのが面白かったのと、この事件の背景が結構有名な
金融システムトラブルと重なったので、ドキュメンタリー的側面もあった。

非常に充実さらにドキドキと今までにない金融経済小説のきり方で
この作者のいろんな作品にも期待が持てる。

内容紹介
銀行の取引システムを支える技術屋たちの奮闘を描く。統合を控えた2つの銀行の、違うタイプのエンジニアが最後に得るのは不信か友情か。度重なるトラブルに立ち向かう熱い人間ドラマ。期待の超大型新人が、毎日を懸命に生きるサラリーマンにエールを贈る!





2011年12月10日土曜日

黄金坂ハーフウェイズ 加藤 実秋

なんか主人公が抱えている闇とまで行かない影を最後まで解き明かすことは
できなかったけど、単なる短編をちょこちょこ読んでいる分には面白いかも。

登場人物の設定やキャラに比重を起きすぎている感もあるので、中身はさておき
な流れだけど、漫画や映画にはしやすいかも。


内容(「BOOK」データベースより)
江戸情緒とほのかなフランスの香り、東京の新名所、黄金坂。裏通りのバー、HOLLOW―会員制なのに立ち呑み、しかも昼酒限定―ここを事務所代わりに素人探偵を始めることになった就職浪人の隼人と、同級生の楓太&謎のバーテンダー、イズミ。賑やかでバカみたいで「あのころ」みたいに楽しい日々。だが…。

2011年12月9日金曜日

早春の化石 柴田 哲孝

やばい、、まったく記憶にない。。。
読んでいない可能性大。
また借りるか。。


内容(「BOOK」データベースより)
“二年前に殺された姉の遺体を捜してほしい―”福島の私立探偵・神山健介は東京から来た雑誌モデル・中嶋佳子から依頼を受けた。ストーカーが自分と瓜二つの双子の姉を殺害。身元不明の犯人は自ら命を絶ち、未だ姉の遺体も発見されていない。手がかりは、男が死の直前白河を訪ねていたこと。そして、姉が土の中から呼ぶ声が聞こえる、という依頼人の話だけだった。雲をつかむような依頼を受けて、神山は調査を開始する…。やがて、男の過去が明らかになるとき、戦前から続く名家の闇が浮上する!注目の気鋭が描く長編ハードサスペンス。


2011年12月5日月曜日

不連続の世界   恩田 陸

やばい、、、あまりの内容の薄さに途中で投げ出してしまった。。。
ドキドキポイントやグイグイポイントを見つけられないまま
わからない世界から逃げ出してしまいました。

恩田先生の世界はこれがあるから難しい。。


内容紹介
妻と別居中の多聞を、三人の友人が「夜行列車で怪談をやりながら、さぬきうどんを食べに行く旅」に誘う。車中、多聞の携帯に何度も無言電話が・・・・・。友人は言った。「俺さ、おまえの奥さん、もうこの世にいないと思う。おまえが殺したから」(「夜明けのガスパール」)他4篇、「月の裏側」の塚崎多聞、再登場。恩田陸のトラベルミステリー!