2011年1月25日火曜日

プライド 真山 仁

いやこれだけ落差が激しい短編も珍しい。
いや、質という意味ね。

長編で読みたい!というびっちりで読み応え十二分なものもあれば
これ、1Pでいいんじゃね、という話もある。

この中のどれかがきっと抜き出されて長編になるのでそれは是非読みたい。

内容(「BOOK」データベースより)
異端の官僚が事業仕分け人と対決する「一俵の重み」。期限切れ食材を使った確信犯の真意に迫る表題作。英国ミステリを思わせる苦い人間ドラマと意外な結末の「暴言大臣」…。現実の社会事象に着想を得て、人物の深層心理までも描き込んだ「社会派心理小説」と呼ぶべき極上のフィクション全六編。働くために、そしてこんな時代を生き抜くために、絶対に譲れないものの姿を追い求めた著者渾身の作品集。


2011年1月22日土曜日

片耳うさぎ 大崎 梢

すっげー怖い話でもないし、ほのぼのした話でもない。

ちょうどその中間をうまい具合に突き抜けた中学生でも読める
ミステリー。
ただ、その中学生、ってのがポイントで大人にはどっちかに
思いっきりぶれて欲しい気がする。

推理を楽しむより、空気感を楽しんで読んでください。

内容(「BOOK」データベースより)
あっちもこっちも謎だらけだけど、私、思うのよ。これら全部がすべてきれいにつながる瞬間があるんじゃないかって。蔵波奈都は小学六年生。引っ越してきた父の実家は、古くて大きなお屋敷で、どうしても馴染めない。しかも、このお屋敷には不吉な言い伝えがあるというのだ。弱った奈都が頼ったのは、ひとりの謎めいた女子中学生だった…。優しい読後感が嬉しい、傑作ミステリー長編。


2011年1月19日水曜日

ああ正妻 姫野 カオルコ

なぜこれを借りたのか今でも不思議だけど
一応読み終わりました。

エッセイなのか小説なのかはつかみにくいけど、
なんとか最後まで読める、そんな本です。

正直、この人のファン以外は読まなくていいかと。。
この手のエッセイは好き嫌いが分かれるので、生き方や書き方が
好きな人しか読み応えが感じられないかも。

出版社/著者からの内容紹介
「お嬢さま」は「不条理な悪妻」だった!?
大手出版社に勤める小早川。妻はミッションスクール卒の「お嬢さま」、娘二人も妻の母校に通い、恵まれた結婚だと人は言う。しかしその驚愕の実態とは!? 「ふつうの結婚」のシュールさを突く快作!

2011年1月17日月曜日

棟居刑事の恋人たちの聖地 森村 誠一

いやあ、不思議な話ですね。
でもこれでいいのかという気もする。
実はこのシリーズは初めて読んだので、まったく前後関係が分からないのだけど
これで本当にこの刑事の人のほかの話が繋がるのかちと心配。

オチ的にも多少分かりづらいところがあり、エンタメなのかSFなのか
推理なのか、視点の持って生き方に苦労した。

ただ、これまたベテランの作品なのでリズムは非常にいい。
他のシリーズを読んでみるか。。

内容紹介
便利屋・山名泉は、渋谷のカフェ『恋人たちの聖地』に行き、ある女性から品物を受け取ってきてほしいという依頼を受けた。山名は無事使いを果たしたが、カフェであった雨間梓のことが忘れられない。そんな折、梓から「助けてほしい」と電話が入る――。棟居刑事シリーズ最新作。

2011年1月16日日曜日

秋の森の奇跡 林 真理子

大人の恋愛、よくあるパターンと思いつつ、さすが林先生、まったくストレスなく
サクサク読める。
ドキドキワクワクするわけじゃーなく、一人の女性のある生き方を
ある意味いい感じで淡々と描く。
同世代の女性にはたまらない「同機感」なのかも。

内容(「BOOK」データベースより)
42歳の主人公裕子は、母親の介護の問題、夫の浮気への疑念から逃れるように、妻子ある男と関係を持つ。不倫ではなく、浮気やよくある情事でもない。そんな魂が触れ合うような恋愛は存在するのか。大人の女性にとってセックスの絡まない恋愛は成立しうるのか。恋愛小説の第一人者、林真理子が日本中の全女性に問いかける、魂を揺さぶる真の恋愛小説。


2011年1月15日土曜日

GEQ 柴田 哲孝

すっごい強引な展開かと思いつつ、何気にエンタメとしてみれば
説得されてしまうある意味すごい筆力。

流れもテンポもよくさくさずんずん話に入っていて
気がついたらすっかり読み応え満点の内容でした。
阪神大震災について冷静に読めて、なおかつ違った角度での
エンタメを読みたい人にぜひ

内容紹介
1995年1月17日午前5時46分、阪神淡路大震災勃発――。未曾有の大惨事の裏に隠された巨大な陰謀とは……。『下山事件』『TENGU』で読者を熱狂させた著者が贈る、新たなる代表作!


2011年1月13日木曜日

アッシュベイビー 金原 ひとみ

ダメでした。。
これは途中でやめてしまいました。

理由はいいません。
私はこの作者の作品はどうにも無理なようです。


出版社/著者からの内容紹介
『蛇にピアス』を凌ぐ衝撃の第2作!赤ん坊、変態、好きな男。主人公アヤはこの三人に囲まれ、ただひたすらに愛しい死を求め続ける。愛しい死、それは愛する人の与えてくれる死。彼女は今日も死を待っている。


2011年1月12日水曜日

怨み返し 弐藤 水流

よくできた推理小説ではあるのだけど、これといって強いインパクトがなく
よくある展開とよくあるネタで引っ張っている形になっている。
一昔前なら評価が高いと思うけど、ちと残念。



内容(「BOOK」データベースより)
平和な住宅街の一角で発見された、右手首のない絞殺死体。側には、チョークで描かれた奇妙な図形と数字…。「これは、奴からのメッセージだ」―背筋が凍る猟奇性。予測できないスリリングな展開。そして、驚愕の結末。新世代警察ミステリー。

2011年1月10日月曜日

木洩れ日に泳ぐ魚 恩田 陸

短編をそのまま長くしてもっていったような感じ。
徐々になぞというかお互いの疑問が明らかになっていくんだけど
どうでもいいような、。。。



内容(「BOOK」データベースより)
舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿―共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始める。濃密な心理戦の果て、朝の光とともに訪れる真実とは。不思議な胸騒ぎと解放感が満ちる傑作長編。



2011年1月8日土曜日

天使 佐藤 亜紀

これ、あたしダメでした。
次代背景や説明描写の問題だけど、自分とは合わなくて結局読み飛ばして
オチだけ読んでしまいました。

ただ、これも悲惨で、。。
サイキック系のネタはどうでもよくなってきて、仲間割れや
生きていくために必死的な展開が中心になってきて
作者はどこに重点を置いていたのか良くつかみきれない作品でした。


内容(「MARC」データベースより)
第一次大戦前夜、天賦の「感覚」を持つジェルジュは、オーストリアの諜報活動を指揮する顧問官に拾われ、その配下となる。混迷の欧州で繰り広げられる、選ばれし者たちの闘いの結果は!? 堕天使たちのサイキック・ウォーズ。



2011年1月7日金曜日

煙霞 黒川 博行

アリといえばありだが、多少強引な向きもある。
どうしてこんな感じで進むの?という思いが出てしまう
書き方なので、どっちかに偏った書き方や展開にすればいいのに
と思った。
(エンタメに徹するかミステリに徹するか)



内容(「BOOK」データベースより)
大阪の私立晴峰女子高校では、理事長の酒井が学校法人を私物化していた。美術講師の熊谷と音楽教諭の菜穂子は、酒井に不正の証拠をつきつけ、理事長退任と教員の身分保障を求める計画に同僚から誘われる。交渉は成功したかに見えたが、その後酒井と愛人が失踪。ふたりの行方を追った熊谷と菜穂子は、交渉を隠れ蓑にした理事長の財産強奪計画に巻き込まれていく―。悪党たちが駆け回るノンストップ騙しあい小説。



2011年1月6日木曜日

カウント・プラン 黒川 博行

怖いなあ、、いろんな意味で。。

あまりお勧めしないっす。それはクオリティの問題ではなく
描写の問題。
ただ、推理作品としての価値が高いようなのでこの手の作品に
アレルギーを感じない人には是非。

内容(「BOOK」データベースより)
眼に入った物をかぞえずにいられない計算症の青年や、隣人のゴミに異常な関心を持つ男など、現代社会が生み出しつづけるアブナイ性癖の人達。その密かな執着がいつしか妄念に変わる時、事件は起きる…。日本推理作家協会賞受賞の表題作をはじめ、時代を見通す作者の眼力が冴える新犯罪ミステリ五作品を収録。


2011年1月5日水曜日

KAPPA 柴田 哲孝

柴田先生の妖怪シリーズw

内容はさておき、展開やリズムは相変わらずいい。
なので最後まで不思議というかドキドキ感がキープ
されたままもって生かされる。

最後の最後はちと、、、。


内容(「BOOK」データベースより)
ブラックバスを釣りに来た男が、上半身を引きちぎられた死体で発見された。猟奇殺人なのか?地元署の捜査は混迷、難航。宿無しルポライターと、引退間際の老漁師、引き篭もりの少年、はみ出し者の田舎刑事が、事件の謎を解くため活躍する。少年と男たちのひと夏の冒険譚。名作『TENGU』に繋がる大藪春彦賞作家・柴田哲孝の記念碑的作品。



2011年1月2日日曜日

天才 勝新太郎 春日 太一

豪快な役者のイメージしかないのだけど、これを読むと演出家としての
才能のほうが極めて高かったことが分かる。
よくある映画人の話じゃなくてこの時代や現代に限らず
演出系に没頭するすごさを淡々と描いている作品。


内容(「BOOK」データベースより)
「座頭市」と豪快な勝新伝説で知られる勝新太郎。本書は映画製作者としての勝とその凄まじい現場をスタッフの証言を元に再現し、繊細すぎる実像を浮き彫りにする。純粋さが加速させる狂気のノンフィクション。