2013年7月31日水曜日

ナンバー 相場 英雄

刑事物としてはちょっと変わった視点で描かれている。
確執も成長もあるけど、敵が内部に集中していて、そこでぐりぐりと
いじくりまわしている感がある。

もう少し経済ネタを絡めて両面でいけばいいのにとちと思った。

内容(「BOOK」データベースより)
所轄署から警視庁本部への転属が決まった西澤は、意気軒昂として桜田門に向かう。だが、所属は期待していた捜査一課ではなく捜査二課。横領や詐欺事件を捜査するその部署は、同僚をライバル視するエグい捜査員の集団だった。事件の全体像を示さず捜査情報も出さない二課にあって、誰よりも狡猾で悪事に長けた知能犯を西澤は追いつめて落とすことができるのか?犯人・同僚・上司・協力者…。事件に関る人間の裏表を、かつてない緊迫感で描く新しい警察小説。


2013年7月29日月曜日

キシャツー 小路 幸也

青春小説の王道。
安心して最後まで期待通りにすすむ。
そして読後感も満点。

こういったアンパイの作品もたまにはいい。

内容紹介
うちらは、電車通学のことを、キシャツー、って言う。部活に通う夏休み、車窓から、海辺の真っ赤なテントに住む男子を見つけて……微炭酸のようにじんわり広がる、それぞれの成長物語。


2013年7月28日日曜日

ボクの妻と結婚してください。 樋口 卓治

あまりにも適当に書きすぎる。。
いや、作者は一生懸命かもしれないのだけど、読み手としては
薄すぎて、適当すぎて、最後は完全に読み飛ばしたけどそれでも
内容は十二分に理解できました。

小説はまだ早いような作者です。

内容紹介
バラエティ番組の放送作家・三村修治は、世の中のできごとを好奇心で“楽しい”に変換する仕事をしてきた。余命6ヵ月を宣告されたいま、最後の企画は、自分がいなくなったあとに家族を支えてくれる人を探すことだった。
「決めた。愛する家族に幸せな未来を残すと決めた」
AD、芸人、リサーチャーから婚活本の著者まで、信頼できる仲間たちに助けを求めながら、三村修治はひたすら走る!
果たして、妻の結婚相手を見つけることができるのか――?


2013年7月24日水曜日

僕はお父さんを訴えます 友井 羊

途中からオチが見えてくるんだけど、それがあまりにも哀しすぎるので
基本的にミステリーのど真ん中だと思って読み進めたほうがいい。

もちろん良作だし、オススメではあるんだけど、視点というか
感情移入の仕方に途中からとまどい、へんな感覚にとらわれる。
映画だといいのかもしれない。


内容紹介
驚愕のストーリー展開が評価された、第10回『このミステリーがすごい! 』大賞・優秀賞受賞作が、文庫化です! 「想像の斜め上! 僕はこの本を推薦します」乙一(作家)。何者かによる動物虐待で愛犬・リクを失った中学一年生の向井光一は、同級生の原村沙紗と犯人捜しをはじめる。「ある証拠」を入手した光一は、真相を確かめるため司法浪人の久保敦に相談し、犯人を民事裁判で訴えることに。被告はお父さん――母親を喪った光一にとっての、唯一の家族だった。周囲の戸惑いと反対を押して父親を法廷に引きずり出した光一だったが、やがて裁判は驚くべき真実に突き当たる!


2013年7月23日火曜日

所轄魂 笹本稜平


なんか、素直に読める刑事物。
てっきり親子の角質やチーム内での不協和音があるのかと
思ったら、最初の敵は最後まで敵だし、仲間はそのまま
仲間で、一致団結して内外の敵と戦う。

ちょっと殺人事件の絡みが弱い気がするのと、そこは
推理小説的な深みが欲しかったけど、それがなくても
読み応えはある程度あり。

出版社からのコメント
公園の木立で発見された絞殺死体は、裸足の女性――。捜査本部に着任した警視庁捜査一課のキャリア管理官は、我が息子だった。同時にチョウバ壊しで知られる捜査十三係の鬼係長・山岡も派遣されてきた。26歳警視の俊史と犯人を追うことになった城東署の強行犯係長・葛木の、所轄刑事の意地を懸けた苦闘の日々が始まった……。揺れる捜査方針に、本庁と所轄の面子が火花を散らしてぶつかり合う!



2013年7月22日月曜日

ひかりの剣  海堂 尊


これは剣道が好きな人か、バチスタシリーズが好きな人でないと
無理かも。
ご都合的な面と、だらだらと延ばす部分があるので、そこで飽きちゃうと思われ。

私はどっちにも属するので、楽しく最後まで読めました。
オススメはしませんが。


内容(「BOOK」データベースより)
覇者は外科の世界で大成するといわれる医学部剣道部の「医鷲旗大会」。そこで、桜宮・東城大の“猛虎”速水晃一と、東京・帝華大の“伏龍”清川吾郎による伝説の闘いがあった。東城大の顧問・高階ら『チーム・バチスタ』でおなじみの面々がメスの代わりに竹刀で鎬を削る、医療ミステリーの旗手が放つ青春小説。


2013年7月19日金曜日

暗闇で踊れ 馳 星周

ハードボイルドはやはり馳先生がベストか。
内容の暗い部分はさておき、主人公の立ち振る舞いや周辺人物との
絡みが面白くて止まらなくなる。

ハードボイルドと割り切って、社会派とかミステリーとかの要素を
もとめなければあり。

ただ、登場人物(姉妹)の、絡み方、また背景や過去はあまりにも
やりきれないので、ある意味ドスンときすぎる。
これを避けたい人は、、やめたほうがいいかも。

内容(「BOOK」データベースより)
「氷のザキ」と異名をとる警視庁三課の神崎は、相棒の水沢とともに大規模な美術品窃盗事件を捜査していた。その盗品を追う過程で、古美術品のコレクションを大量に市場に出している老富豪・井上康三へと辿りつく。井上の屋敷を訪ねた神崎らを迎えた榊田恵、学姉弟は、井上が妾に生ませた子どもだといい、数ヶ月前から屋敷に住みこみ、井上の介護をしているという。事件の臭いを感じた神崎は内偵を始めた―。



2013年7月16日火曜日

天命の扉 遠藤 武文

展開やテーマは面白いけど、肝心の推理部分が今ひとつ納得感が獲られない。
筆力はあるので、最後まで読んでしまうけど,読後感は。。。

歴史的背景も微妙だし、動機も「そこ?」って感じなので
これがいいなら何でもありなイメージ。

内容(「BOOK」データベースより)
長野県議会中、議員が何者かに殺害された。議場は扉が閉まったままで誰も逃げた形跡がない。残された紙片には「善光寺を開帳せよ」という謎のメッセージ。善光寺の本尊は、数百年の間、誰の目にも触れたことがなく、住職でさえも見たことがないという。犯人の目的は一体何なのか。県警捜査一課・城取は、かつて自分が担当した事件の犯人も善光寺を語っていたことを思い出し、その関連性を疑うが…。やがて明らかになる19年前の冤罪疑惑事件とのつながり。哀しみを背負った刑事の執念が、顔の見えない犯人を追い詰めていく。話題作『プリズン・トリック』の乱歩賞作家が贈る、渾身の社会派密室ミステリ。


2013年7月14日日曜日

そして、警官は奔る  日明 恩


これはまた見事な筆力でぐいぐい最後まで力ワザでもっていく作品。
確かに深み闇的な部分と推理的な要素もあるけど、それはどうでもよく、
主人公の魅力と展開でもっていっている感がある。

なんでレビューも賛否両論。
個人的には読んでよかったし、面白かったけど、もっとドスンとくるものが
欲しい人はダメかも。
(ドスンと来る様な展開と内容だから)

内容(「BOOK」データベースより)
警視庁蒲田署に異動となった武本は、不法滞在外国人を母に持つ幼女監禁事件を追った。一方、かつての上司、潮崎は、武本の力になりたい一心で、独自に事件の調査を始める。そして、浮き彫りになる子供の人身売買や虐待の現実。法律では裁ききれない闇に、二人はどのような光を当てるのか?シリーズ第二作。


2013年7月11日木曜日

ジウ〈3〉新世界秩序  誉田 哲也

展開に無理がありすぎだろう、と思うけど作者の見事な筆力と
主人公の魅力でカバー。
他の先生が書いたらアウトの内容。

ちょっとご都合主義的な面と、最後のほうは無理栗なので
もしかしたら無理やり書かされたのかな、という読後感。
ただ、面白いです。



内容(「BOOK」データベースより)
新宿東口で街頭演説中の総理大臣を標的としたテロが発生。大混乱の中、伊崎基子らSAT隊員が総理の身柄を確保し、警察上層部は安堵する。だがそれは、さらなる悪夢の始まりに過ぎなかった。“新世界秩序”を唱えるミヤジと象徴の如く佇むジウ。彼らの狙いは何なのか?そして美咲と基子は―!?シリーズ完結篇。


2013年7月9日火曜日

砂上のファンファーレ 早見 和真

書き方というか展開がすごくうまくて、そこだけでも次が読みたくなる。
飽きさせない連続ドラマの終わり方というか。

またそれぞれの視点で進んだけど、微妙に絡みあって前の章や
前後の章の応え合わせ的な面もあるのでそこも見逃せない。

ただ、内容自体はよくあるパターンなのと、落ちも微妙なので
盛り上がった分、最後のほうは尻すぼみ。


内容(「BOOK」データベースより)
いつの間にか蝕まれていた一家の理想。誰もがそれに気づかないふりをしていた―。家族って何だ?次々と襲い掛かる、それぞれの現実。



2013年7月5日金曜日

ママの友達 新津 きよみ

冒頭からひっぱる書き方だけど実はそれはそんなに深い意味はない。
そこに関連してくる家庭のあり方や今の過ごし方がメインで
そこの描写は深堀は見事。

一人ひとりの話がすごく引き込まれていって、メインどころを
忘れてしまうくらいよく出来ている。
ドラマに向いているけど、大きなオチの内容が微妙なので
そこは変える必要ありか。


内容紹介
いまのわたしに、友達と呼べる人がいるだろうか?
典子のもとに突然届いた中学時代の交換日記。
メンバーだった四人はいま、全く違う人生を送っていた。
主婦、シングルマザー、おばあちゃん、......そして殺人の被害者


2013年7月1日月曜日

ファイアー・フライ 高嶋 哲夫

これ、テーマは陳腐だけど、内容は抜群に面白い。
引っ張り方も裏切り方も映画ようにサクサク進めて
ドキドキも満載。

心の交流や泣きの部分もあるので、感動作品としても抜群。

二転三転してくるどんでん返し的な見せ方もあるので是非。

内容(「BOOK」データベースより)
ある企業の主任研究員である木島は、突然、社長と間違われて誘拐される。監禁された山の廃村で、いつしか犯人たちとの心の交流が生まれ、自然の中で、徐々に自分を取り戻していく木島。しかし、彼に横領犯の汚名が…ストックホルム症候群と呼ぶにはあまりに切ない展開、自然から切り離され、人との絆も薄れた現代人に贈る“再生”の物語。