2009年10月30日金曜日

あれから 矢口 敦子

タイトルのイメージとはだいぶ違うサスペンスもの。
父の不正を信じて、それをうっすら記憶にのこして
なぞを抱えたまま成長している娘。

いくつもの時代と人物が軽く繋がって、あっさり流れて
いくので整理するのがちと大変。

またもう少しどこかのネタを深くしっかりと書けばよかったに
中途半端になってしまってちと残念。


内容(「BOOK」データベースより)
高校1年の千幸と中学3年の夕美姉妹は、ある朝、父が電車内で痴漢をし、咎めた男性を線路に転落死させたと知らされる。二人は偶然出会った大学生たちの力を借り、父の汚名を晴らそうとするが…。10年後、看護師として一人働く千幸の前に、忌まわしい過去を彷彿させる女性が現れる。そして、哀しくも驚くべき真実が明らかになる。

2009年10月28日水曜日

青猫家族輾転録 伊井 直行

微妙な流れと浅さ。
よくある家族しんみりほのぼの系を狙ったんだろうけど、
どれも浅く、記憶に残らない。。。

ズシンとくる重さを求める人には向かない。

内容(「BOOK」データベースより)
70年代半ばの就職氷河期に中堅商社に入った「僕」の社内抗争、リストラ、独立、合併と続く社会人としての転変と、一人娘の不登校、不良化を防ごうとする父親、家庭人としての奮闘をユーモアのある読みやすい文章で描く、切実な現代の物語。30年前に死んだ大好きだった叔父さんに語りかける、暖かくて新鮮な大人の小説。

2009年10月27日火曜日

出口なし 藤 ダリオ

久しぶりにドキドキしたサスペンス。
よくある設定だけど、展開といい、ゲームのハードといい頭を悩ませたり
不明になることなく、サクサクドキドキ読める。

キューブみたいな映画が好きな人は是非。

内容(「BOOK」データベースより)
命がけのゲームのために監禁された男女5人。あなたたちが無事にお家に帰るには、クイズの答えを探して、ゲームに勝つしかありません。完全な密室。1台のPC。そして残された酸素は12時間。命がけのクイズに不正解の場合は、恐ろしいお仕置きが待っている―。新感覚のソリッドシチュエーションホラー。


2009年10月26日月曜日

おやすみ、こわい夢を見ないように 角田 光代

賞をとる作家の話だろうなあ、という短編。
つまり、自己表現で淡々と進むような話が多く、作家自身のリズムや
展開だけでひっぱて要るような気がして、深みや楽しみが少ない。。・。

まあ、その手の話が好きな人には喜ばれ、いろんな展開や深みを
求める人には向かない。そんな本。

内容(「BOOK」データベースより)
「あたしこれから殺人計画をたてる」。我慢をかさね、やっと受かった高校で待っていたのは、元カレ剛太の「抹殺」宣言と執拗な嫌がらせ。すべての友に去られた沙織は、不登校の弟をコーチに復讐の肉体改造を決意するが…。理不尽に壊された心のゆくえを鮮烈に描く表題作をはじめ、ひそかに芽ばえ、打ち消すほどに深く根を張る薄暗い感情のなかに、私たちの「いま」を刻む7つの風景。


2009年10月22日木曜日

インターセックス 帚木 蓬生

この手の知識を得たい人が勉強がてら読む本。
ミステリー的な部分はあるにはあるけど分量としては
非常に少なく、1/20くらいじゃないかと。
内容もその部分に関しては薄い。

ドキュメンタリーとして、読むほうが正しい。そんな本

内容(「BOOK」データベースより)
生殖と移植では「神の手を持つ名医」と評判の岸川卓也院長が率いる、贅沢な施設と高度な医療を誇るサンビーチ病院。泌尿婦人科医の秋野翔子は岸川に請われてこの病院に勤務することになった。そこでは性同一性障害やインターセックスの患者たちへの性転換手術やさまざまな治療が行われていた。翔子は「人は男女である前に人間だ」と主張し、人知れず悩み、絶望の淵にいた患者達のために奔走する。やがて翔子は、彼女に理解を示す岸川の周辺に不可解な変死が続いていることに気づく…。神が創り出した少数派の人間たちの魂の叫び、身体と魂の尊厳。医学の錯誤を見据える世界初テーマに挑む、衝撃と感動のサスペンス大作。

2009年10月20日火曜日

シューカツ! 石田 衣良

石田作品らしい軽めのポップ的な話。
正直、身につくこともなければドキドキすることもないけど
時間つぶしに、活動している大学生がちょろっと読む分には
いいかも。

ターゲットと満足できる読者が非常に限られている作品。
まあ、石田作品全般にいえることだけど。。


内容(「BOOK」データベースより)
仕事も会社も、わからない。でも今、闘うしかないんだ。水越千晴、鷲田大学三年生。仲間七人で「シューカツプロジェクトチーム」を結成した。目標は全員で、最難関マスコミ合格。

2009年10月19日月曜日

the TEAM 井上 夢人

昔の岡島作品にあった、ちょっとした軽めの連作と同じ。

それぞれ深みはないけど、スカッとするような内容にはなっている。
最後のオチはまあ、今後も繋がるようなオチなので一度深みの
ある長編を読んで見たい気もする。


内容(「BOOK」データベースより)
盲目の霊能力者と、彼女をささえる仲間たち。過去の事件の真相と不思議な事象の真実を次から次へと暴き出す!快作ミステリー。

2009年10月18日日曜日

ボックス! 百田 尚樹

評判の本、やっと読めました。

他のレビューにもあるけど、北野作品とほぼ同様でありながら
登場人物の掘り下げや心理描写のウマさでこちらのほうがより
読みやすく入りやすい構成になっている。

けっこうなボリュームながら、あっという間に読めてしまうのも
そのあたりと関係していそう。
また、うまくなる理由も至極当たり前のところで貫かれていて
好感が持てる。

最後のあたりで、やっぱりこうこなくては、という流れだったのが
よかった。
最後の最後まで読み応え、ありです。



内容(「BOOK」データベースより)
高校ボクシング部を舞台に、天才的ボクシングセンスの鏑矢、進学コースの秀才・木樽という二人の少年を軸に交錯する友情、闘い、挫折、そして栄光。二人を見守る英語教師・耀子、立ちはだかるライバルたち…様々な経験を経て二人が掴み取ったものは!?『永遠の0』で全国の読者を感涙の渦に巻き込んだ百田尚樹が移ろいやすい少年たちの心の成長を感動的に描き出す傑作青春小説。

2009年10月17日土曜日

クリスマスの4人  井上 夢人

一つの事故が30年のときをえて解決する物語。

正直、最後の章までまったくなぞがわからなかった。
それは単に作者のフリが難しかったというより
「それなら何でもありじゃん」という結果だったから。

まあ、井上作品としてはいい流れだったので大きな不満
はないけど、人に是非とお勧めするレベルでもない。
一応、最後の最後のオチや微妙にゆれる方向性など悪くない
箇所もあるので、読むことは問題なし。ただ少々残念。。。
途中までドキドキしながら読んだのになあ。。


内容(「BOOK」データベースより)
1970年、ビートルズが死んだ年の聖夜、物語は始まった。その夜を共に過ごした二十歳を迎える四人の男女。ドライブ中の車の前に突然、飛び出してきたオーバーコートの男。彼らは重大な秘密を共有する羽目になった。その後、十年毎に彼らを脅かす不可解な謎と、不気味に姿を現す男。2000年、時空を超えた結末は、破滅か、奇跡か!?奇想あふれる傑作長編小説。

2009年10月14日水曜日

ジェシカが駆け抜けた七年間について 歌野 晶午

歌野さんの作品の中では比較的なぞ解き部分が少ない・
最後のほうで無理くり提供したようなドンデン返しが
あるけど、本編や楽しみとはあまり関係がない。。

どちらかというと、歌野ファンが読む本がなくて
時間つぶしに読む感じかなあ。。
リズムは相変わらずいいし、内容もそこそこなので借りる分には問題なし。


出版社/著者からの内容紹介
原田歩はアスリートとしての生命を、監督の最悪の指導によって断たれてしまう。
だから呪い殺すことにした。そのときは、自分が遠く離れたところにいても大丈夫なように、わたしの分身か、親友のジェシカを使おう。そう決めた。
……原田歩の失意の自殺から七年、ジェシカ・エドルは導かれるように、そこへやって来た。目の前には背中を見せている監督、ジェシカは側にあった砲丸に手を添える。
彼女のためにしてあげられることはもうこれしかないのだ――。
『葉桜の季節に君を想うということ』で開花したエンターテインメント界のイリュージョニストが贈る、最新書き下ろし長編!

パパママムスメの10日間 五十嵐 貴久

第一作とドラマを見ていたので、その続きとしては楽しめるかもしれない。
ただ、元々の話や深み、リズムがあまりよろしくなく、よくある
ドラマの脚本を焼き直した程度のできかも。。。


内容(「BOOK」データベースより)
イマドキの女子高生・小梅16歳と、冴えないサラリーマンのパパ47歳。ある日突然、「大キライなパパ」と「最愛の娘」の人格が入れ替わってしまったら?ドキドキの青春あり、ハラハラのサラリーマン人生あり。ハートウォーミングな家族愛を描いた笑いと涙のノンストップ・エンターテインメント長編。

2009年10月13日火曜日

とんび 重松 清

久しぶりに泣き泣きの作品。
長編ながらも連作の形をとっていて、じょじょに息子が成長していく
過程がいい。

ヤスさんというお父さんの視点で物語が進んでいき、お父さんなら誰しも
共感できるエピソードや思いなどがちりばめられている。

子育てに悩んでいる人、子育てが終わった人など是非

内容(「BOOK」データベースより)
つらいときは、ここに帰ってくればいい。昭和37年、ヤスさん28歳の秋、長男アキラが生まれた。愛妻・美佐子さんと、我が子の成長を見守る日々は、幼い頃に親と離別したヤスさんにとって、ようやく手に入れた「家族」のぬくもりだった。しかし、その幸福は、突然の悲劇によって打ち砕かれてしまう―。我が子の幸せだけを願いながら悪戦苦闘する父親の、喜びと哀しみを丹念に描き上げた、重松清渾身の長編小説。

2009年10月5日月曜日

真相 横山 秀夫

横山作品独特の、人間の業が良く出ている短編集。
どれも読み応えがあり、それぞれ長編でもいいくらいで出来。

この頃の横山さんは無敵だったなあ。。
最近新作を読んでいないけど、また読みたくなる、作者への期待が高まる短編集。



内容(「BOOK」データベースより)
犯人逮捕は事件の終わりではない。そこから始まるもうひとつのドラマがある。―息子を殺された男が、犯人の自供によって知る息子の別の顔「真相」、選挙に出馬した男の、絶対に当選しなければならない理由「18番ホール」など、事件の奥に隠された個人対個人の物語を5編収録。人間の心理・心情を鋭く描いた傑作短編集。

2009年10月3日土曜日

いのちのパレード 恩田 陸

恩田作品らしさがあると、他のレビューではよく見るけど、
個人的には、重さや深さがちと足りないかと。

内容もあまり覚えておらず、ただ、短編でそれぞれが練られた
オチがある、という程度。。

世にも奇妙な・・・のどれか一個という感じで、思い出に残る作品
までいかない。

内容紹介
<あの黒い表紙、強烈な帯コピー、シンプルかつ洗練されたデザイン。手に取った時の、嬉しいような怖いようなおののきを今でも覚えている。(中略)かつて「幻想と怪奇」というジャンルのくくりでお馴染みであった、奇妙でイマジネーション豊かな短編群には、今なお影響を受け続けている。あの異色作家短篇集のような無国籍で不思議な短編集を作りたい、という思いつきから連載をさせてもらった>(あとがきより)。

恩田ワールドの原点<異色作家短編集>への熱きオマージュ。ホラー、SF、ミステリ、ファンタジー……クレイジーで壮大なイマジネーションが跋扈する、幻惑的で摩訶不思議な作品集。

2009年10月2日金曜日

夢を与える 綿矢 りさ

初めて読みました、話題の作者の作品を。

正直、この年代でこの筆力はすごいと思う。まったく飽きさせないというか
リズムよく次々をページが進んでいった。
また、改行や文字スペースがあまりなく、びっちりつまったボリュームいっぱい
のページ構成にも関わらず、読みにくさもなかった。

ただ、、、内容が淡々としていて、わくわくしたり、ドキドキしたりという
読み応えというものが薄い。
文学はそういうものかもしれないけど、分かる人だけ分かればいいという
起承転結なので、読後感はあまりよくない。

買わなくてもいい、そんな作品。

内容(「BOOK」データベースより)
私は他の女の子たちよりも早く老けるだろう。チャイルドモデルから芸能界へ―幼い頃からTVの中で生きてきた美しくすこやかな少女・夕子。ある出来事をきっかけに、彼女はブレイクするが…少女の心とからだに流れる18年の時間を描く。芥川賞受賞第一作。

2009年10月1日木曜日

年下の男の子 五十嵐 貴久

なんか、テレビドラマのよくある脚本を読んでいる感じ。
流れといい、設定といい、会話といい、サブストーリーといい、。。、。

これなら、ノベライズのいい作品を読んだほうがずっといいかも。
途中で飽きたり、ぼろくそってほどじゃないけど、決して人には勧めないし
もう2度と読むことはない。

お昼に、2時間ドラマの再放送を見ている感覚にちかい。


内容紹介
銘和乳業勤務のわたし(川村晶子)は37歳にしてマンションを購入。契約翌日、新製品の健康ドリンク「モナ」の宣伝用フリーペーパーをめぐってとんでもないトラブルが発生。肝心の価格欄が空白のまま刷り上ってしまったのだ。配布を翌日に控え、徹夜で空白部分にシール貼りをするしかない。担当者のわたしは、ピーアール会社の23歳の社員・児島くんと夜を徹してのシール貼り作業を敢行。なぜか二人は話が合ったのだが……。年齢差14歳のわたしと児島くんの恋はどうなるの? 女優・浅野ゆう子さん絶賛。あなたの恋愛を元気にしてくれるハートウォーミングストーリー。