2010年4月30日金曜日

呪眼連鎖 桂修司

さすがこのミス。
ただ、これは何度も書き直したらしいけど、その甲斐あって非常に読み応えがある作品と展開には
なっている。ただ、、、残念なことにオチというか最終話的なところで今ひとつの肩透かし。

オチが今ひとつすっきりしないのと、この流れでなぜ呪いが、、みたいな感じ。
途中から作者や編集者もどうまとめていいか分からなくなったのか。。
ただ、アイヌ時代や刑務所などの過去の話は面白い。

内容(「BOOK」データベースより)
受刑者の自殺が相次いだ北海道・北見刑務所。自殺を不審に思った遺族から調査依頼を受けた弁護士の伊崎晋介は、独房を視察中に意識を失ってしまう。原因の分らぬまま逃げるように東京に戻った伊崎の右眼には、不思議な影が浮かび上がるようになっていた。鎖で繋がれた死体、サーベルを持った男、眼に映る黒い影…。現代と過去がリンクし、伊崎たちに“呪い”が猛威を振るい始める。事件のカギは、明治維新後の北海道開拓の歴史にあった。第6回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。

2010年4月28日水曜日

いつもそばにいるよ 江上 剛

江上作品とは思えない軽さ。
そして内容の薄さ。。。

もっと社会派的なものか、建築業界を切ったものかと思いきや、どーでもいい流れと連作。。
やばい、最近ついてない。。。

内容紹介
地方の建設会社に勤務していた「僕」は自分の通夜会場に戻って来た。姿は誰にも見えず声も届かない。僕は飛び降り自殺をしたようだが、死の前後の記憶はなかった。その死が過労自殺らしい状況だったため、会社の連中は迷惑顔を隠さない。会社の態度に怒りを覚えた妻は、労災申請裁判にうって出る。一方建設会社側は、僕が手がけていた一般競争入札方式を、旧態依然の談合に戻そうとしていた。僕は、家族を励ましつつ、会社の動きを監視する。幽霊である僕は、どこにでも行けるからだ。過労死裁判の行方はどうなるのか。会社の悪しき体質は改まらないのか。そしてこの世に戻って来た僕のこれからの運命は――。全てのサラリーマンに、生きる証と働くことの意義を問う、家族と企業の物語。

2010年4月25日日曜日

照柿 高村 薫

やばい、、ほとんど読み飛ばした。。。
重い作品でそれなりに読めた記憶なんだけど、内容をまったく覚えていない。。。

内容(「BOOK」データベースより)
野田達夫、35歳。17年働き続けてきた平凡な人生に、何が起ったのか。達夫と逢引する女、佐野美保子はほんとうに亭主を刺したのか。美保子と出会った瞬間、一目惚れの地獄に落ちた刑事合田雄一郎はあてもなく街へさまよい出る。照柿の色に染まった男二人と女一人の魂の炉。


2010年4月23日金曜日

フリーター、家を買う。 有川 浩

予想外にタイトル負けの作品。。。

もっと家を買うところを具体的に書くのかと思いきや、それはまったく関係なく
だらしない男の子が徐々に成長して行くだけ。
深みやら、ネタのこねくり回しがあまりなく、有川先生にしては、、、、。

内容(「BOOK」データベースより)
「母さん死ぬな―」へなちょこ25歳がいざ一念発起!?崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶。

2010年4月20日火曜日

三月の招待状  角田 光代

なんか盛り上がりポイントが今ひとつ図れない作品。
ただ、角田先生の作品はみんな心情描写でぐいぐいもっていってオチが今ひとつないのが
多いので仕方がないか。

アルアルと思いながらも、小説らしいもっとスカッとなのか、どすっとなのか
読んだ読後感が欲しい。

筆力だけでぐいぐいもっていって、構成やらプロットやらはほとんど考えてないような感じ。

内容紹介
友人の風変わりな離婚パーティで顔を合わせた5人の男と女。動揺、苛立ち、虚しさ、自分を取り戻そうとするのだが、揺れるこころが波紋をなげる。それぞれが見つける新たな出発を描いた長編小説。

2010年4月19日月曜日

ごっつい奴 浪花の夢の繁盛記 - 江上 剛

似ているタイトルの本を昔読んだことがあった。
それが結構面白い作品だったのでつい借りてしまいました。

おそらくこれは連作で当分続くのでしょうが、この時点では尻切れトンボ。
中途半端に終わってしまって消化不良です。
というか、もっと読みたい、ちゃんとオチて欲しいという感じです。

煽り紹介文にある外食チェーン展開はどこへやら、、、。

内容(「BOOK」データベースより)
商いの基本は、人を喜ばすことや!ちっぽけな定食屋の手伝いのかたわらヤミ商品を売って糊口をしのいだ男が、大阪を地盤に大外食チェーンを築き上げようとしていた。小手先じゃなく、正面突破こそが成功につながる!いまだからこそ読みたい、痛快出世物語。

刑事病 飯塚 訓

おそろしくどうでも良い展開だったと記憶。
そのくらい最後まで読めなかった作品であり、記憶にも残らなかった珍しい本。

なんで借りちゃったんだろう。。。

内容(「BOOK」データベースより)
刑事畑一筋の一流刑事に共通するものがあると思った。捕まえてナンボ、というだけではない、何かがある、と。一流のデカは、人間学の権威だ。人間をよく知ってるんだ。これが本物の捜査だ。元エース刑事が描きつくすノンフィクション・ノベル。

2010年4月18日日曜日

儚い羊たちの祝宴  米澤 穂信

短編でそれぞれ読み応えはありつつも、最後の1行はなくても楽しめる。
そこに重要な意味合いはあまりなく、
「あ、そういうことも言えるね」
くらいの作品もある。

ただ、筆力と展開、テーマが面白いので、それぞれ最期まで
ぐいぐいと読み進める。


内容(「BOOK」データベースより)
ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。


2010年4月17日土曜日

社長の椅子が泣いている 加藤 仁

まったく知らなかったヤマハのもう一つの物語。
知らないところに、ひどい社長とすぐれた社長はいるもんだ、と勉強になった。
また作者がフェアであろうという姿勢で書いているので、ある意味安心して
最期まで読み進めた。

もちろんどこまで事実か分からないなりに、イマドキのビジネス本や
企業小説より面白く読めた。

企業のドロドロあり、出世ものあり、人間関係やマネージメントなど
盛りだくさんの作品です。


内容(「BOOK」データベースより)
46歳で日本楽器製造(ヤマハ)社長に抜擢、突然の社長解任。中内功の三顧の礼で、ダイエー副社長に。倒産企業・リッカーを再生させた男、河島博。全身全霊、24時間経営を考えぬいたビジネスマンの半生を描く、傑作評伝。

2010年4月16日金曜日

光 三浦 しをん

これまた結構重くてどすくて、展開もスピーディな割には
後半着地点が見つけにくい作品。

まあ、救いもなく明るさもないので、光ってタイトルからは
程遠いい。

光がなんなのかは、最後の最後に分かるかも、ってくらい意味がない。


内容(「BOOK」データベースより)
天災ですべてを失った中学生の信之。共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・輔が姿を現わす。あの秘密の記憶から、今、新たな黒い影が生まれようとしていた―。

2010年4月15日木曜日

玉師―GYOKUSHI― 小峯 隆生

途中でやめちゃった。。。

だって、だって、、、。
テーマとかあらすじとか、人間性とかは悪くないんだけど
リズムが悪いのと、読みにくい構成。。。

内容(「BOOK」データベースより)
かつてパチンコ業界に裏の仕事師集団・玉師と呼ばれる仕事人がいた―。暴走族から足を洗い、コンビニ店員として働く鉄は、強盗に襲われ、銃で撃たれる。鉄を病院に運び、看病した謎の老人・伝五郎。伝五郎との奇妙な交流が続くうち、鉄は伝五郎がパチンコで生計を立てるパチプロであることを知る。しかし、伝五郎は単なるパチプロではなく、伝説の玉師の一人であった…。パチンコ業界の裏の仕事師・玉師とフリーターの復讐劇を描くハード・ボイルド小説。北方謙三氏との特別対談「二十六年目の邂逅」を収録


2010年4月13日火曜日

メタボラ 桐野 夏生

相変わらず重くて救いがなくて、オチもないという桐野先生の作品。

淡々と自分探しとその環境だけが描写されていく。
まあ、おなじみなんだけど、これだけ分厚い本をしっかり最後まで読ませる
のは、筆力がものすごいから。

おすすめってわけじゃあないけど、ハズレはしない。

内容紹介
日本の社会に未来はあるのか? ニート、請負労働者、ホスト、バックパッカー……。〈自分探し〉の果て、下流社会を漂流し続ける若者たち。記憶を失くした青年は、ゼロからの〈自分探し〉=新しい〈自己創造〉の旅に出る。桐野夏生が新境地に挑んだ最新長編小説。

2010年4月12日月曜日

さくら 西 加奈子

ものすごくギャップがある作品。
読み始めは表紙とか内容紹介どおりの感じなんだけど、どんどん
おかしいと思い始める。

別にミステリーと言うわけじゃないけど、この作品の中に決定的な
事件がある。
それが最後の最後で明確になり、、、
これ以上いうと面白みがなくなるので控えるけど、単にゆるい家族小説じゃない。



内容(「BOOK」データベースより)
ヒーローだった兄ちゃんは、二十歳四か月で死んだ。超美形の妹・美貴は、内に篭もった。母は肥満化し、酒に溺れた。僕も実家を離れ、東京の大学に入った。あとは、見つけてきたときに尻尾にピンク色の花びらをつけていたことから「サクラ」と名付けられた十二歳の老犬が一匹だけ。そんな一家の灯火が消えてしまいそうな、ある年の暮れのこと。僕は、実家に帰った。「年末、家に帰ります。おとうさん」。僕の手には、スーパーのチラシの裏に薄い鉛筆文字で書かれた家出した父からの手紙が握られていた―。二十六万部突破のロングセラー、待望の文庫化。


2010年4月11日日曜日

虚夢 薬丸 岳

重くてすごい展開。あまり言うとオチが分かってしまうので
軽く書くだけにしておきます。

テーマは好きに慣れないけど、変な描写もなく事件と事実、そして
人間環境の描写で構成されていくので、読むのに苦労はしない。

しかし、、オチがすごい。


内容(「BOOK」データベースより)
愛娘を奪い去った通り魔事件の犯人は「心神喪失」で罪に問われなかった。運命を大きく狂わされた夫婦はついに離婚するが、事件から4年後、元妻が街で偶然すれ違ったのは、忘れもしない「あの男」だった。

2010年4月10日土曜日

駐在刑事   笹本 稜平

奥多摩で起きる様々な事件を独自の経験と視野で解決して行く。
よくある刑事ものだけど、奥多摩という環境描写がけっこう面白い。

短編なのでサクサク読めて、警察官僚っぽい内容もあるので
多面的に楽しめる。ただ、たまーにご都合的な記述もあるので
そこがちと難。

内容(「BOOK」データベースより)
警視庁捜査一課から青梅警察署水根駐在所所長へ。取り調べ中に容疑者が服毒自殺したことで左遷された警部補、江波淳史。自責の念を背負う元刑事は、奥多摩の捜査において生身の人間としての自分を取り戻せるか。冒険小説の第一人者が挑む警察小説。組織とぶつかりながらも、自ら信じる捜査を貫く様を描く。
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2010年4月7日水曜日

COW HOUSE―カウハウス小路 幸也

出世系というか、ビジネスの面と夢のようなサラリーマン生活が垣間見れて
ものすごく羨ましい。

サラリーマン生活につかれた人や、ありえない夢のような生活を
体感したいひとにぜひ。

内容(「BOOK」データベースより)
この家は、みんなの居場所。25歳、ワケあって窓際族。仕事は、会社所有の豪邸の管理人。なぜか集まってきたのは丑年の面々。

2010年4月6日火曜日

少女 湊 かなえ

あれ、っていう失速感。

今までが良すぎたのか。
これはひねりすぎたのか、適当なのかオチに向かっていく構成が中途半端だった。

告白のすごさを期待してこれを読むと大変なことに。
贖罪のほうがまだまだいいので、この作品は飛ばして、ぜひ贖罪へ。

内容紹介
高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ――「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは?

2010年4月5日月曜日

神の領域 堂場 瞬一

話の展開やテーマ、また昔と今の立場の差が面白い。
当時抱いた尊敬の念や友情などが微妙に変化していく。

ただ、、残ながら最後のほうにちょっとむりくりな感があり。。

もう少々ひねって欲しかった。

内容(「MARC」データベースより)
あの日、誰よりも速かった君は、俺たちの神々しい英雄だった-。発見された長距離走選手の死体。神奈川地検の城戸は、事件の真相を追ううちに陸上競技界を覆う暗い闇に気づいていく。書き下ろし長篇サスペンス。

2010年4月3日土曜日

むかしのはなし 三浦 しをん

タイトルとは似ても似つかない現代系の深い話。
連作で同じテーマの元、淡々と話は進んでいくんだけど
それぞれ暗いながらも深みがあって面白い。

楽しいシーンなんかはまったくないけど、ドラマや映画みたいに
人間模様が描かれている。

三浦先生の新たな一面が知りたい人はぜひ



内容(「BOOK」データベースより)
三カ月後に隕石がぶつかって地球が滅亡し、抽選で選ばれた人だけが脱出ロケットに乗れると決まったとき、人はヤケになって暴行や殺人に走るだろうか。それともモモちゃんのように「死ぬことは、生まれたときから決まってたじゃないか」と諦観できるだろうか。今「昔話」が生まれるとしたら、をテーマに直木賞作家が描く衝撃の本格小説集。

2010年4月2日金曜日

グリーンズ 梅田 恒

今流行のマネージメント系小説。
小説としての形やリズムはちと悪いけど、指導や構成の中で
出てくる手法は面白い。

読みにくさを除けばところどころマネージメント系として光るところあり。


出版社/著者からの内容紹介
文武両道を誇る北海道広島町の私学、広北(こうほく)学園にありながら野球部(通称グリーンズ)は“出ると負け”の弱小チーム。やむなき事情で陸上部のコーチから転任した体育教師の仲間信一は、廃部の危機を乗り越えるべく部員たちの意識改革を図り、そのかいあってチームはついに甲子園出場を果たす。しかし、彼ら「勝つためには手段を選ばない多国籍長髪悪人集団」の行く手にはマスコミの中傷記事や観客のブーイング、そして、巧妙に張りめぐらされた罠が待ち受けていた・・・。手に汗握る、長編高校野球小説


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