2008年12月25日木曜日

灰色の北壁 ~ 真保 裕一

これ、前に読んだ。。でもココに書いたかどうか覚えてないので
今回のカンソウを。

オチを知っている割にはまた楽しめるということは、ネタの切り方と
文体がうまいということ。

オチをしらなければもっと楽しめる、なので、山にまったく興味がない
人も、ミステリーや人間模様を楽しむ感覚で読むといい。

短編集だけど全てが高いクオリティ、そして読後感もすっきり。

内容(「BOOK」データベースより)
世界のクライマーから「ホワイト・タワー」と呼ばれ、恐れられた山がある。死と背中合わせのその北壁を、たった一人で制覇した天才クライマー。その業績に疑問を投じる一編のノンフィクションに封印された真実とは…。表題作ほか全3編。山岳ミステリー集。

2008年12月24日水曜日

21 twenty one ~ 小路 幸也

正直、オチはあまり期待しないで、展開と仲間の心の展開だけで
読んでいって欲しい。

確かに感動めいたことはあるかもだけど、青春自体を振り返る感じで
「こういったことあるねえ・・・」という流れで楽しむといいかと。

ミステリーとしてはイタイ作品、でも感動作としては、、、それもイタイか。

内容(「BOOK」データベースより)
中学校入学の日、担任になった先生が僕たちにこう言った。「ここにいる21人が今日から卒業までの仲間です。そして、なんと21世紀に、21歳になる仲間です」なんでもない、他愛もない、ただの偶然。でもその偶然が重なって集まった仲間が21人いる。その事実が僕たちに強烈な連帯感をもたらした。21世紀に、21歳になる21人。僕たちは“21”というもので繋がれた仲間。21・21・21。“twenty one”だ。そして、ずっと変わらない仲間だと、無邪気に信じていた…。なぜ自ら死を選んだ?僕たちに何も告げず。特別な絆で結ばれていると信じていた人を突然喪ったとき、胸に込み上げる思いをどうすればいいんだろう…。大きな注目を集める著者が“生きていく意味”を深く問いかける感動作。

2008年12月23日火曜日

ラットマン ~ 道尾 秀介

さすが。今年一番と評されるほどの作品だけはある。

帯びや書評、また途中までは非常に怖くて生々しいかと思いきや
それをぎりぎりのところで回避していく。
これも「ラットマン」とわざと関係している展開なんだろう。

細かいことをいうと、意味がないのであえて内容については何も
記述しないけど、ミステリー好きは絶対読んで損なし。

最後の最後まで見逃せないぞぉ。

内容(「BOOK」データベースより)
結成14年のアマチュアロックバンドが練習中のスタジオで遭遇した不可解な事件。浮かび上がるメンバーの過去と現在、そして未来。亡くすということ。失うということ。胸に迫る鋭利なロマンティシズム。注目の俊英・道尾秀介の、鮮烈なるマスターピース。

2008年12月22日月曜日

瑠璃の海 ~ 小池 真理子

ま、盛り上がりも分かりやすく、オチもほとんどバレバレの作品。
ただ、文体や展開はつまらないわけじゃないので、まあ電車の中での
暇つぶしにはなる。

家でじっくりはまって読むほどじゃあない。


内容(「BOOK」データベースより)
晩秋の夜、高速バスが炎上。この事故で夫を失った園田萌と、娘を亡くした作家・石渡遊作が出会ったのは、二か月後の遺族会がはじめてだった。喪失の同じ痛みが、ふたりを分かちがたく結びつけてゆく。だが孤独と絶望の淵からはじまった愛は、スキャンダラスに取りざたされることに。互いに溺れ、社会に背をむけたふたりに残されているのは、この恋に殉じること。究極の道行を描く渾身の恋愛長編。

2008年12月21日日曜日

リアルワールド ~ 桐野 夏生

桐野作品っぽいというか、このパターン以外かけないんじゃないかと思い始めてきた
今日この頃。

桐野作品はもう結構読んでいるけど、展開といい文体といいオチといい
結構読めてくるから怖い。

ただ、それがつまらないという意味じゃなく、ドキドキ感がちょっとづつなくなってくる
って感じ。

内容は、高校生の犯罪とそれを取り巻く同学年の女子たち、それと女子たちの内面
が絡み付いてくる骨太作品。

犯罪っていう視点より、女子高生の内面や友だち関係の怖さ、みたいなもので
読み始めるといいかも。


内容(「BOOK」データベースより)
高校三年の夏休み、隣家の少年が母親を撲殺して逃走。ホリニンナこと山中十四子は、携帯電話を通して、逃げる少年ミミズとつながる。そしてテラウチ、ユウザン、キラリン、同じ高校にかよう4人の少女たちが、ミミズの逃亡に関わることに。遊び半分ではじまった冒険が、取り返しのつかない結末を迎える。登場人物それぞれの視点から語られる圧倒的にリアルな現実。高校生の心の闇を抉る長編問題作。

2008年12月17日水曜日

東京公園 ~ 小路 幸也

いや~、相変わらず感動させるっぽい展開。今回は慣れていたので
そんなにドスンとこなかったけど、ところどころに泣き所が
隠れている。

いろんな男女の思いがところどころで展開され、最後の一つへと
集約されている。
映画やドラマに最適で、オチも一昔前のドラマのよう。

懐かしい青春ものが読みたい人に是非。


内容(「BOOK」データベースより)
「幼い娘と公園に出かける妻を尾行して、写真を撮ってほしい」―くつろぐ親子の写真を撮ることを趣味にしている大学生の圭司は、ある日偶然出会った男から奇妙な頼み事をされる。バイト感覚で引き受けた圭司だが、いつのまにかファインダーを通して、話したこともない美しい被写体に恋をしている自分に気づく…。すれ違ったり、ぶつかったり、絡まったりしながらも暖かい光を浴びて芽吹く、柔らかな恋の物語。

2008年12月16日火曜日

獄窓記 ~ 山本 譲司

政治家の本を読むのは久しぶりだけど、これはまったく異色の作品。
そして、相変わらずマスコミのいい加減さと怖さがじわりと伝わってくる。

ノンフィクションなので、政治やマスコミ系が好きな人には本当にお勧め。
後半からは獄中のネタになるので、そこはまたリアリティがあって面白い。

いろんな山ごとに楽しめて、とても素人とは思えない筆力。
骨太で面白いノンフィクションを求めている人には是非。


内容(「BOOK」データベースより)
そこは「塀の中の掃き溜め」と言われるところだった。汚物にまみれながら、獄窓から望む勇壮なる那須連山に、幾重にも思いを馳せる。事件への悔悟、残してきた家族への思慕、恩人への弔意、人生への懊悩。そして至ったある決意とは。国会で見えなかったこと。刑務所で見えたこと。秘書給与事件で実刑判決を受けた元衆議院議員が陥った永田町の甘い罠と獄中の真実を描く

2008年12月15日月曜日

ありふれた風景画 ~ あさの あつこ

実ははじめて読んだあさのあつこ作品。



女子高生二人の短編集だけど、まあ、、、、学生には面白いだろうなーって本。
もういい年のおっさんが読んでもたいした感動もなく、、、。

売れるのも分かるし、評判がでるもの分かるけど、人に勧めるかというと
難しいところ。

女子高生になんかさくっと楽しめる本がないかと聞かれたら、ちょっとお勧めする程度。
いい大人は、、違う本を読もう。


内容(「BOOK」データベースより)
十代って残酷な年代だ。出会いも別れも生々しく、儚い。ウリをやっていると噂される琉璃。美貌の持ち主で特異な能力をもつ周子。傷つき、もがきながら、生きる少女たちの一年間を描くみずみずしい青春小説。

2008年12月14日日曜日

フィッシュストーリー ~ 伊坂 幸太郎

映画化もされた超有名な作品。
というか、伊坂作品で映画化されてないのを探すほうが難しいが。
ただ前評判の割には、そんなに「ドスン」とくる作品でもなく
まあ、よくある伊坂作品という感じ。

短編集なのでどれか一つは絶対気に入ると思うけど、表題のフィッシュストーリーは
絡みつきかたといい落ちといいまあ、微妙。。あるといえばある、というネタなので
感動作を求める人にはNG。


内容(「BOOK」データベースより)
「なあ、この曲はちゃんと誰かに届いてるのかよ?」売れないロックバンドが最後のレコーディングで叫んだ声が時空を越えて奇蹟を起こす。デビュー第一短編から最新書き下ろし(150枚!)まで、小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。


2008年12月6日土曜日

シャングリ・ラ 下 (角川文庫) ~ 池上 永一

長い。。この本をよみ終わるまで、実質3日かかった。
だけど途中で退屈することもなく、どんどん先が気になる展開だった。

SFだから、全てが荒削りだけど、たまにはこんなむちゃくちゃな設定と
どたばたもいいかも。
ただ、最後の最後でよくあるハリウッド系のオチや強引な二転三転だったので
ちょっとだけ興ざめ。

よみたいと思えるようなSFがないときは是非どうぞ
↓↓↓


内容(「BOOK」データベースより)
ついに反政府ゲリラは政府に宣戦布告。國子はブーメランひとつで戦車部隊に立ち向かう。だが地上の森では政府とゲリラの戦争をあざ笑うかのように、想像を超えた進化が始まっていた。究極のエコロジー社会がもたらす脅威とは?國子たちは生き残れるのか?アトラス計画の真の目的とは?ゲリラ豪雨、石油価格の高騰、CO2の取引など、2004年に既に現在を予言し、SFを現代小説に転換した傑作長編。



2008年12月5日金曜日

恩はあだで返せ ~ 逢坂 剛

よくある刑事コンビだけど、まあそこそこ面白かも。
赤川次郎でも同じような設定があったけど、これは上司と部下でありつつ
同級生ってのがミソ。

なんとなく、誰が本当に切れ者なのかが分かりづらい話だけど
まあ、なんとなく楽しめる、そんな刑事本。


出版社/著者からの内容紹介
御茶ノ水署の迷走コンビが挑む珍事件の数々!
「怪しい男が通行人に迷惑をかけている」生活安全課に苦情の電話が入った。早速現場に向かった斉木斉と梢田威だったが…。(「木魚のつぶやき」)など、大好評スラップスティック警察小説集。


2008年12月3日水曜日

天使のナイフ ~ 薬丸 岳

いや~、すごい。これは久しぶりの本格ミステリー。
江戸川乱歩賞の中でもトップクラスにあたる本。

詳細はいえないけど、and あんまりいい設定じゃないけど、この流れといい
後半からの怒涛の勢いは新人とは思えない。

まあ、人によってはいろいろ意見もあるかもだけど、乱歩賞作品とし
て素直によめば満足度高い。
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出版社 / 著者からの内容紹介
生後五ヶ月の娘の目の前で惨殺された妻・祥子。夫・桧山貴志は耳を疑った。犯人は、十三歳の少年三人。四年後、犯人の少年の一人が殺され、桧山は疑惑の人となる。少年たちの事件後を追う桧山に付き付けられた、信じがたい真実、恐るべき過去――。

更生とは何か。本当の贖罪とは何なのか。少年法をめぐる論争の死角に迫るとともに、”読み出したら止まらない”ミステリーの醍醐味を両立させた、選考委員も絶賛の話題作、ついに刊行!! 第51回江戸川乱歩賞受賞作。


2008年12月1日月曜日

魔女の盟約 ~ 大沢 在昌

ものすごい壮大なミステリー。

設定自体もすごいけど、その裏に隠された二重三重の
ネタ、さらにさまざまな事件、そして隠しネタ。。


ものすごい意志と強さをもった女性が主人公で、その生い立ちも
戦いもすごい。

骨太で、肉厚な本格ミステリー。これは読み応えあり。
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内容(「BOOK」データベースより)
忌まわしい事件に決着をつけた水原は、実は巨大な陰謀に利用されていたことを知る。韓国で知り合った女性捜査官・白理とともに日本に戻った水原は、真実を暴く戦いに挑む―。