2010年1月28日木曜日

オレたち花のバブル組  池井戸 潤

年代的に近いせいもあり、等身大の企業モノとして楽しめた。
また、内部抗争や足の引っ張り合い、また他企業との競争など
実際にありがちなエピソードが満載なのでいろんな角度で
楽しめる。

ただ、要所要所でご都合的なところもあるので、それは長短ある。

等身大で暗いこともあるけどすっきりもしたい企業ものが読みたい人は是非。

内容紹介
傑作企業小説

今度の敵は小役人。
お前ら、まとめて面倒みてやるぜ!

あのバブル組が帰ってきた!

東京中央銀行営業第二部次長の半沢は、巨額損失を出した老舗のホテルの再建を押し付けられる。おまけに、近々、金融庁検査が入るという噂が。金融庁には、史上最強の“ボスキャラ”が、手ぐすねひいて待ち構えている。一方、出向先で、執拗ないびりにあう近藤。また、精神のバランスを崩してしまうのか……。空前絶後の貧乏くじをひいた男たち。そのはずれくじを当りに変えるのは自分次第。絶対に負けられない男たちの闘いの結末は?!

前作の「オレたちバブル入行組」から、責任もピンチもパワーアップして帰ってきました。連載時とは結末もキャラクターもがらりと変わり、ほろ苦さも加わったバブル組をお楽しみください。

すべての働く人にエールをおくる等身大サラリーマン小説

2010年1月26日火曜日

私が語りはじめた彼は  三浦 しをん

またまた三浦先生の作品。たまたま借りましたが、これはこれで面白い。
いつもより暗さが強い気もしたけど、それぞれの連作が長編になるような
エピソードで、連作とは思えない楽しさがあった。

ただ、逆に一本芯が通っていないといけないのに、そのネタというか
オチがいまひとつ心に響かないというか、納得感がなかった。


内容(「BOOK」データベースより)
私は、彼の何を知っているというのか?彼は私に何を求めていたのだろう?大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘―それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。だが、それは愛というようなものだったのか…。「私」は、彼の中に何を見ていたのか。迷える男女の人恋しい孤独をみつめて、恋愛関係、家族関係の危うさをあぶりだす、著者会心の連作長編。

2010年1月25日月曜日

Pの迷宮 深谷 忠記

プロローグからはまったく想像できない展開。
本格推理の面とミステリーの面がうまく融合していて
どちらからでも楽しめる。

途中からは人間性の変化や長い年月をかけて描かれる家族の形
が主軸となり、最後の最後にちゃんとオチを用意している。

心理学の説明がものすごくくどくて、そこを楽しめるかどうか
で最後まで一気読みできるかかかってくる。


出版社/著者からの内容紹介
幸せな日々を過ごしているはずだった。確かに、あの日までは――。

お母さんの子どもだった私は死んだの。 北海道、釧路ユニバーサルホテル。「人を刺したので救急車を呼んでほしい」と内線電話がかかってきた。フロント係が駆けつけると、部屋には宿泊客の男が胸から血を流して死んでおり、傍らに青ざめた女が立っていた。女は男を刺した事実は認めたものの、他は一切語ろうとしなかった―。弥生の中に蘇った忌まわしい記憶。そのトラウマがパニック障害の原因だった。それが判明した日から、本当の悪夢が始まった―。人間の心の不可思議さに挑んだ著者新境地の衝撃ミステリー!

2010年1月21日木曜日

Kの日々 大沢 在昌

久しぶりの大沢ワールドを堪能しました。
まあ、いつもどおり内容の深みとか推理を楽しむというものではなく
大沢ワールドを楽しむ作品。

ハードボイルドと言い換えてもいいけど、世界観とか人間模様を楽しむ
小説として年に数回はなぜか読みたくなる。
結果、ソンはしない。


内容(「BOOK」データベースより)
三年前の事件―やくざの組長誘拐。犯人グループは四人。当時の組員二人と、絵図を描いた謎の「メール男」、そして、東京湾に浮かんだ中国人マフィアで、「K」の恋人の李。身代金は消えた。元組員二人の依頼で「K」の身辺を探る裏の探偵・木。身代金の行方は?「K」の真意は?事件の真相は?パズルのピースがすべて揃ったとき、驚愕の結末が待ち受けていた。

2010年1月20日水曜日

まほろ駅前多田便利軒   三浦 しをん

三浦先生の代表的な作品。
前々から噂には聞いていたので是非読んでみたかった話。

不思議な二人が織り成す様々な事件を解決する話。
と言ってしまうと見も蓋もないけど、中身は十二分に面白い。
心理描写や二人の背景、いろんな事件の切り口や解決方法など
どれをとってもよく練られている。

最後にちょっとした集大成的まとめがあるけど、それがそれぞれの
エピソードにうまく絡み合っている。

ほっとしつつも面白い小説を読みたい人は是非。


出版社 / 著者からの内容紹介
東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。多田と行天コンビの魅力満点の連作集!

2010年1月17日日曜日

太陽の塔  森見 登美彦

まあ、、読書好きは知っているだろうけど、森見先生独自の世界観とグルグル
している展開の小説。

本好きがたまーーに読むならいいけど、時間がない中本を楽しみたい人には
向かない。
展開とリズムだけでもって行く話しなので、文学的な話が好きな人はどうぞ。


内容(「BOOK」データベースより)
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

2010年1月16日土曜日

乱鴉の島 -  有栖川 有栖

久しぶりにこのシリーズを読みました。
といいつつ、前回の内容はまったく覚えていないけど。。

で、よくある離れ小島の連続殺人のお話。
本格推理だけど、推理としてはちと、、、という感じ。
でもなつかしの本格をじっくり読みたい人には是非。



内容(「BOOK」データベースより)
友人の作家・有栖川有栖と休養に出かけた臨床犯罪学者の火村英生は、手違いから目的地とは違う島に連れて来られてしまう。通称・烏島と呼ばれるそこは、その名の通り、数多の烏が乱舞する絶海の孤島だった。俗世との接触を絶って隠遁する作家。謎のIT長者をはじめ、次々と集まり来る人々。奇怪な殺人事件。精緻なロジックの導き出す、エレガントかつアクロバティックな結末。ミステリの醍醐味と喜びを詰め込んだ、最新長編。

2010年1月13日水曜日

推理小説   秦 建日子

前回紹介した、テレビドラマ アンフェアの原作第一弾。
こっちを先に読めばよかったけど、順序逆になった。
でも、内容的にはまったく問題ない。

それぞれに 微妙な重なりはあるけど独立して面白い話。

これ自体が上質の「推理小説」になっていて、最後まで
オチが読めない。
いや、あまり言うとネタバレしてしまうから控えるけど
そのくらい推理が楽しめる話。

推理小説を面白い展開やリズムで読みたい人には是非。


内容紹介
出版社に届いた『推理小説・上巻』という原稿。そこには殺人事件の詳細と予告、そして「事件を防ぎたければ、続きを入札せよ」という前代未聞の要求が……FNS系連続ドラマ「アンフェア」原作!

2010年1月11日月曜日

左腕の猫 - 藤田 宣永

やばい、まったく覚えていない。。。
猫猫していない記憶だけど、だからといって全てのエピソードの
記憶がない。。

ごめんなさい。。



内容(「BOOK」データベースより)
乳ガンの手術から快復した妻に突然別居を切り出された夫。移ろう人の気持ちに、いつも同じ場所でまどろむ猫には永遠を感じるが―。飼い猫へ深い愛情を示す以外は無味乾燥な生活を送る女に、男は居心地の良さを覚えてゆく―。儚くも温かい表題作を含め、猫をテーマに男女の微妙な関係を鮮やかに描く六篇。

2010年1月10日日曜日

アンフェアな月―刑事 雪平夏見  秦 建日子

テレビは知っていたけど、そのイメージが強くてあまり読む気がしなかった。
といっても、テレビもそんなにみてないんだけど。。

で、読んだら予想以上に面白かった。
小説のリズムもいいけど、展開もいい。
キャラクターに依存しない、推理小説やサスペンスとして立派に成り立っている
小説だった。


内容(「BOOK」データベースより)
生後三ヵ月の赤ん坊が誘拐された。錯乱状態の母親、具体的な要求をしない奇妙な誘拐犯、翻弄される捜査本部。そんな中、遺留品が発見された山中から掘り出されたものとは…バツイチ、子持ち、大酒飲み、捜査一課検挙率No.1、そして「無駄に美人」。ベストセラー『推理小説』に続く、刑事・雪平夏見シリーズ第2弾。

2010年1月5日火曜日

聖夜の贈り物   百田 尚樹

いやぁ~、最近百田先生の話ばっかりお勧めにしている感じ。
そのくらい、いい作品、
話題性も高いので、前評判通りって感じ。

詳細は控えるけど、それぞれ構成が見事でオチのもって行き方も
計算されつくされている。

泣きたい人、ジーンとした人は是非。

内容(「BOOK」データベースより)
恵子はクリスマス・イブに、長年勤めてきた会社から解雇を言い渡された。人のことばかり考えていつも損をしている恵子は、この日もなけなしのお金を、ホームレスにめぐんでしまう。ホームレスは「この万年筆で願いを書くと願いが三つまでかなう」と言って一本の鉛筆を恵子に渡すとニヤリと笑ったのだが…。不思議な鉛筆をめぐって起こる奇蹟を描いた『魔法の万年筆』ほか、5人の女性たちをめぐる心揺さぶるファンタジー。
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2010年1月2日土曜日

ムーヴド - 谷村 志穂

これまた淡々系。
一人の女性のなんとなくの生き方の話。

いろいろあるけど、ドラマっぽいなあ、という感じ。
どらmをそのまま小説で読みたい人には是非。


内容(「BOOK」データベースより)
安泰な結婚生活を共に送っていたはずの夫は、愛人のもとに走る。引っ越し先に迷い込んだ子猫は、どうやら目が見えていない。父は脳出血で倒れ、愛を告白してくれた同僚は、なんとレズビアンだった…。ときに哀しく、ときに滑稽に繰り広げられる様々な予期せぬ出来事に、そのつど新しい自分を発見してゆく佐緒里、30歳の瑞々しい心。愛する誰かと一緒に生きる喜びを描いた人気作家の女たちへの柔らかなまなざし、新境地の傑作長編。