2009年3月25日水曜日

凍える島 ~ 近藤 史恵

良くある密室、分断系推理小説。

オチまではどうでもいいとしても、登場人物の多さや、呼び名が微妙に
似ているような気がして、何度も間違えた。

こんなにいらないような気もするし、人物の書き方が甘いのか。。

推理小説としてはまあまあ楽しめるけど、オチが少し強引で
納得感は少ない。。。
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内容(「BOOK」データベースより)
無人島とはこれまた古風な―とは言い条、お得意ぐるみ慰安旅行としゃれこんだ喫茶店“北斎屋”の一行は、瀬戸内海の真ん中に浮かぶS島へ。数年前には新興宗教の聖地だったという島で、八人の男女が一週間を共にする、しかも波瀾含みのメンバー構成。古式に倣って真夏の弧島に悲劇が幕を開け、ひとり減り、ふたり減り…。由緒正しい主題をモダンに演出する物語はどこへ行く。

2009年3月23日月曜日

パリの調理場は戦場だった ~ 宇田川 悟

70年代くらいのパリを舞台にした、3人のシェフのノンフィクション。
渡仏してから、有名シェフになるまで、それぞれ紆余曲折あり
またフランスの料理界の出世ルール見たいのがわかって面白い。

ただ、3人というところで少し雑多な内容があったり、そんなにドラマチックな
展開もないので、取材不足なのか、筆力がないのか、少し残念。
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内容(「MARC」データベースより)
「グルメ」も「ミシュラン」も日本人にはまだ耳馴れなかった70年代、一群の日本人コックが日本から脱出した。シェフをめざして単身フランスへ渡り、料理修業に悪戦苦闘した3人の若者たちの物語。

2009年3月21日土曜日

影絵の騎士 ~ 大沢 在昌

ちょっと近未来の話なんだけど、特に違和感なく、大沢先生の世界を楽しむことができる。
ただ、途中途中でややこしくなったり、もともとの目的がどんどん薄れてただ単に
暴れたりするハードボイルド的な展開になるのがちとつらい。

謎解きやミステリー的な期待はまったくせず、単に新宿鮫の近未来版を
見ると思って読んだほうがいい。
それなら満点の作品。
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内容(「BOOK」データベースより)
「B・D・T」と呼ばれるスラム化に、東京はむしばまれていた。新東京として何とか再生を果たすが、「ネットワーク」という強大なテレビ機構が、あらゆる産業を牛耳るまでに発展を遂げていた。番組を通じての連続予告殺人が横行。世間の関心を独り占めする。事件の背後に浮かび上がる、謎のグループ「フィックス」、そして日本版ハリウッドともいうべき「ムービー・アイランド」。探偵はひとり、人工島に乗り込む。

2009年3月20日金曜日

誘拐児 ~ 翔田 寛

設定は深い。また昭和の混乱期の話だからもったようなもの。
ちょっと矛盾というか「う?」というところもあるけど、内容的には満足できる話。

また泣かせポイント、謎解きポイントもきっちりあるので、まあ
王道の乱歩賞作品ではないかと。
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内容(「BOOK」データベースより)
終戦翌年の誘拐事件。身代金受け渡し場所、闇市。犯人確保に失敗。そして十五年後、事件がふたたび動き出す―。人間の非情と情愛を見つめる魂の物語。第54回江戸川乱歩賞受賞作。

2009年3月18日水曜日

訣別の森 ~ 末浦 広海

乱歩賞なのである一定の安心感をもって読めました。
ただ、そんなに深いなぞや解読はないので、設定が変わったミステリーを読む感覚。
男女系がうっすらとあるけど、ほとんど別の話。

ただ、絡み合う設定が多すぎたのか、ちょっと物足りない部分もあり。
(自然系あり、自衛隊系あり、男女あり、医療あり、家族あり。。。)

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内容(「BOOK」データベースより)
ドクターヘリの機長・槇村は、墜落した取材ヘリを救出。怪我人は、自衛隊時代にかつて愛した部下・一恵だった。その夜、一恵は入院先から姿を消した―。課せられた「使命」と「魂の絆」の狭間で、男たちが咆哮する!第54回江戸川乱歩賞受賞作。

2009年3月16日月曜日

百瀬、こっちを向いて。 ~ 中田 永一

評価も他紙でも絶賛されていた作品。
確かに短編ものなのでいい作品もあるけど、全体的にはよくある話。

淡々と流れる風景の中で、男女がひっそりと絡み合う、そんな系。
山アリ谷ありを求める人には向かないけど、さりげなくいい恋愛小説が読みたい人は是非。
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内容紹介
恋愛アンソロジー『I LOVE YOU』にて大絶賛された中田永一、満を持しての単行本デビュー!

クラスの中で最も「人間レベル」が低い“僕”は、いわば教室の障害物のようなものだった。いつもできるだけひっそりと気配を消している僕は、このまま女の子と手を繋ぐこともなく、生涯を終えるのだろう…と思っていたが、とあるきっかけで日常ががらりと変わることに。

僕の尊敬する先輩で、学校中の人気者である宮崎瞬先輩…かつては瞬兄ちゃんと呼んでいたが、今はとてもそんなに気安く呼べない…から、ひとつの頼み事をされる。宮崎先輩とつきあっているこれまた美人の神林先輩が、宮崎先輩に憧れている後輩の百瀬陽との仲を疑っている、ついては僕にその百瀬とつき合っているふりをしてくれないか…ということだった。

女の子とろくに会話すらしたことのないこの僕が、百瀬のような美少女とつきあうふりができるのだろうか? こうして二人の擬装された学園生活が始まった。

…しかしそうやってお互い徐々に距離が近づくうち、僕の中に、初めて知った息苦しい感情が芽生え出す。僕は自分にこういい聞かせる。
おまえの気持ちは錯覚だ。おまえは演技にのめりこみ過ぎているんだよ。

いっしょにいてたのしい、うれしい、といった気持ちを遮断するんだ。この騒動が終わったら、またおまえは一人になるんだからな…。(「百瀬、こっちを向いて」)

圧倒的な叙情と奇想! 大型新人が贈る傑作恋愛小説集。

2009年3月14日土曜日

フライング・タワー ~ 亀石 征一郎

最初はテンポなのか構成なのか、ちょっと読みづらかったけど、テーマや設定が
面白かったので、なんとか最後まで読んでしまった。

感動の作品というよりは、ピテカン系の感じ。
そんなに東京タワーのくだりはなくて、そこよりもその前説が以上に長い。
そこを持ちこたえられるかどうかで評価が分かれる。

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内容(「MARC」データベースより)
借金を苦に死を覚悟した、異彩を放つ超破滅的登場人物11人。彼等が東京タワーに立てこもり、不条理な社会を問いただし、なんと一躍国民的ヒーローに! 命を賭けた「最後の遊び」が世界を救う、感動の長編小説。

2009年3月12日木曜日

ファントム・ピークス ~ 北林 一光

モンスター系の作品。
でもモンスターは本当に日本の存在する生き物で、すぐそばにある危機でもある。

実は同じような作品はちょろちょろあるけど、この作品はきちんとミステリとして
要素を備えていて、設定や出てくるプロットもよくできている。

ただ、怖がるだけの話にはなっていないので、+アルファの作品が読みたい人は是非。
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内容(「BOOK」データベースより)
おまえはいったいなんなんだ?なぜここにいる?長野県安曇野。半年前に失踪した妻の頭蓋骨が見つかり、三井周平は絶望していた。しかし、なぜ、あれほど用心深かった妻が、山で遭難し、しかも現場と思われていた場所から、遙かに離れた場所で発見されたのか?…数日後、沢で写真を撮っていた女性が、一瞬目を離した隙に行方不明になる事件が発生。妻の事故との類似点に気づいた周平が捜索を手伝うことになる。しかし、それは、恐怖の連鎖のきっかけにすぎなかった!人間をあざ笑うように、次々と起こる惨劇。山に潜む、かつてない凶悪なモンスターとは―。

2009年3月10日火曜日

ラブコメ今昔 有川 浩

まあ、相変わらずの鉄板小説
有川先生のこの手の話で外すことがない、そのくらい完成度が高い作品。

自衛隊ならではの設定で、きちんと「ラブコメ」している。
ラブコメだけでも楽しいし、軍系のネタとしても楽しい。
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内容(「BOOK」データベースより)
突っ走り系広報自衛官の女子が鬼の上官に情報開示を迫るのは、「奥様のナレソメ」。双方一歩もひかない攻防戦の行方は?(『ラブコメ今昔』)。出張中新幹線の中で釣り上げた、超かわいい年下の彼は自衛官。遠距離も恋する二人にはトキメキの促進剤。けれど…(『軍事とオタクと彼』)。「広報官には女たらしが向いている」と言われつつも彼女のいない政屋一尉が、仕事先で出会ったいい感じの女子。だが現場はトラブル続きで…(『広報官、走る!』)。旦那がかっこいいのはいいことだ。旦那がモテるのもまあまあ赦せる。しかし今度ばかりは洒落にならない事態が(『青い衝撃』)。よりによって上官の愛娘と恋に落ちてしまった俺。彼女への思いは真剣なのに、最後の一歩が踏み出せない(『秘め事』)。「ラブコメ今昔」では攻めに回った元気自衛官、千尋ちゃんも自分の恋はいっこうにままならず…(『ダンディ・ライオン―またはラブコメ今昔イマドキ編』)。

2009年3月7日土曜日

奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ ~リカルド・セムラー (著), 岩元 貴久 (翻訳)

夢のような企業、そして夢のような話。
ほんとにうらやましい、でもこれは社長さんなら誰もが実現できる
ことなんだけど、どうしてもできない、それは「やる気がないから」。

詳細は本を読んでもらうとして、このような取り組みをきちんと実現
できる経営者に私は会いたい。。
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商品の説明
奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ
企業なのに組織図がない、階級がない、人事部がないから社員をコントロールするしくみもない、トップには戦略がない……。そんなナイナイ尽くしの会社がブラジルにあるセムコ社だ。にもかかわらず、売り上げは6年間で3500万ドルから2億1200万ドルへと急成長し、社員の離職率はゼロに近いというから驚きだ。本書では、同社のCEOである著者が“世界で最も風変わりな職場を創り上げた哲学とその方法論を明かす。逆説的かつ非常識な彼の経営手法をどうとらえるか、読者の意見が二分しそうな一冊。


2009年3月6日金曜日

やったモン勝ち!―海外でタイヤキを売るという無謀でささやかなワーキングホリデードリームズ ~ 井上 剛

いや~ひさしぶりに読んだ面白いノンフィクションのビジネスもの。

ビジネスものと言っていいかどうか微妙だけど、旅行モノとビジネスものが
うまく重なっていて、さらにテーマや選んだ場所も面白い。

受けようとしている感じじゃなく、ただあった出来事を書いていることがもう
面白い。

小ネタや事実的な話もあるので、旅行系やビジネスモノが好きな人には是非
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内容(「MARC」データベースより)
開店に至るまでのトライアル&エラー、スーパーポジティブな発想、それを支える緻密で大胆な思考、一人でもできるビジネスの極意などを、盛り沢山のエピソードに織り込んだ読み物。グルーヴ感たっぷりの海外ビジネス体験記。

中庭の出来事 ~ 恩田 陸

展開が複雑なのはいつもどおり。
恩田先生ファンじゃないとまあ読むのはつらいだろう。

もうなれたものなので、「こういうオチだろう」と思いながら
読み進めた。
もちろん読み応えもあるし、ミステリ好きには満足度の高いレベル。
ただ、癖が強すぎる。。

恩田先生の話が好きな人にはどうぞ
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内容(「MARC」データベースより)
瀟洒なホテルの中庭。こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。自殺? それとも他殺? 芝居とミステリが融合した、謎が謎を呼ぶ物語のロンド。

2009年3月5日木曜日

1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター ~ 五十嵐 貴久

1995年におきた思い出の出来事を主婦が振り返る小説。
こう書いてしまうとあまりにもあっさりしすぎだが、引きこもりの
息子と、やさしい口数の少ない夫と暮らしつつ、主婦は楽しんでいるような
つらいような「よくある日常」を過ごしている。

途中で、主婦たちでバンドを組んで行くところから徐々に盛り上がり
最後に、、、そうラスト前のの数ページのために是非最後まで読んでほしい。

そのためだけにこの小説はあるから。

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2009年3月4日水曜日

情けは人の死を招く ~ 射逆 裕二

完全犯罪とはいうものの、、展開や登場人物の癖の強さでちょっと整理が付かなくなっている。
途中で読まなくてもいい文章が多々あり、そこを読み飛ばしてなんとか最後まで行き着いた。

正直、、この半分でも内容は変わらないと思われ。
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内容(「BOOK」データベースより)
湯河原のリゾートマンションで起こった大学教授撲殺事件。斉藤和樹と皆井順子は偶然の再会からこの事件に巻き込まれてしまう。しかも、マンションはそれ自体が巨大密室の様相を呈していた。容疑はマンションの住人および関係者に向けられるが、決め手となる手がかりがみつからない。しかも第二の悲劇が発生、真相は混迷を極めることに…。そこに滞在していた最もあやしい女装マニア・狐久保朝志はこの二つの惨劇に不審な点を見出し、独自の調査を開始するのだが。構築された二つの密室。複雑な人間関係に隠された愛憎劇、巧妙に仕組まれた完全犯罪の真相は?巧みなトリックと大ドンデン返しで、読者を挑発する射逆ミステリワールド・女装探偵狐久保シリーズ第2弾。


2009年3月2日月曜日

クジラの彼 ~ 有川 浩

いや~鉄板。
自衛隊もののラブコメは有川先生には誰も勝てない。
こんなに見事なシュツエーションで、見事な恋愛なれしてない人たちの
ラブコメ、誰もかけない。

ラブコメが好きか嫌いかは人によってあるけれど、ほっと一息ついて
楽しんで小説を読みたい人には是非。

面白さ満載です。
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出版社/著者からの内容紹介
「沈む」んじゃなくて「潜る」。潜水艦とクジラと同じだから。
人数あわせのために合コンに呼ばれた聡子。そこで出会った冬原は潜水艦乗りだった。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんな彼とのレンアイには、いつも大きな海が横たわる。恋愛小説作品集。

2009年3月1日日曜日

本格ミステリ07 2007年本格短編ベスト・セレクション (講談社ノベルス) ~ 本格ミステリ作家クラブ

久しぶりに、約3年ぶりくらいに短編小説系、それも作家群の短編
小説を読んだ。
実は、もうこの手の話は読むたびに公開。。

単純に、いろんな作品が乱雑にあってあきちゃうというか、、面白くない
ものがほろほろ入っているから読まなくなってしまう。。

ただ、最近は雑多に長編を読んでいるから読み応えという面で
そういった満足感がないだけで、初心者の人で何を読んだらいいかわからない
人にはいいかも
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内容(「BOOK」データベースより)
華麗なるトリック、日常の謎、暗号…最新ベスト11。