2009年12月26日土曜日

復活の恋人 - 西田 俊也

評判はいい。でもあたしにはまだまだかも。
よくある淡々系で、大きな盛り上がりや深い話などはなく
生活が淡々と進んでいく。

最後もびっくりするようなオチもなく、そのまま流れていく。。


内容(「BOOK」データベースより)
奈良の中学3年のぼくは、あこがれの同級生・小夜子とのデートを明日に控えていた。だが、親友に借りたレコードを返しに行く途中、轢き逃げ事故に遭って、そのまま昏睡状態に。ところが20年後、ぼくは目覚めた。医者は「奇跡だ」と言った。レコードは枕元にあったが、デートはどうなったのだろう?―会いたかった小夜子は親友の妻になり、しかも離婚していた。ぼくは彼女に会った。きれいな大人の女だった。ぼくたちはようやくデートをした。でも自分が会いたかったのは、いまの彼女なのか20年前なのか。もちろん童貞のぼくは、何をどうしたらよいかわからず、とりあえず学校へ通うことにした。35歳のおじさん高校生だった―。事故で20年間、眠り続けた中3のぼくは、34歳で目覚めた。古都・奈良で、現代の「浦島太郎」になった青木タモツの、不思議にリアルな恋愛小説。

2009年12月21日月曜日

お父さんエラい!―単身赴任二十人の仲間たち 重松 清

なぜかこれを借りてしまいました。。
でも重松先生が書いただけであって、中身は充実。

ルポなんで、実話メインだけど読み応えは十分。
そして悲しい話ばかりでなく、面白い話っていう形。

会社生活でいろいろある人には是非。


出版社/著者からの内容紹介
仕事に生きるぞ、お父さん!家族をだいじに、お父さん!がんばろう!お父さん!!
講談社の販売部長(単身赴任経験アリ)も、原稿を読んで思わず落涙!

家族小説の第一人者が、北は北海道・稚内から、南は中国・上海、南極まで、単身赴任のお父さんたちを熱烈応援する、新感覚ルポ。


2009年12月20日日曜日

絶望ノート 歌野 晶午

歌野先生のいつものパターンと、最後の持っていきかた。
ものすごく暗い系でどんどんすすんでいき、さらに
その最後の最後で、、、というパターン。

あんまり感想をいうとネタバレになるので、控えるけど
歌野先生の作品が好きな人は是非。



内容(「BOOK」データベースより)
いじめに遭っている中学2年の太刀川照音は、その苦しみ、両親への不満を「絶望ノート」と名づけた日記帳に書き連ねていた。そんな彼はある日、校庭で人間の頭部大の石を見つけて持ち帰り、それを自分にとっての“神”だと信じた。神の名はオイネプギプト。エスカレートするいじめに耐えきれず、彼は自らの血をもって祈りを捧げ、いじめグループ中心人物の殺人を神に依頼した。「オイネプギプト様、是永雄一郎を殺してください」―はたして是永はあっけなく死んだ。しかし、いじめはなお収まらない。照音は次々に名前を日記帳に書きつけ神に祈り、そして級友は死んでいった。不審に思った警察は両親と照音本人を取り調べるが、さらに殺人は続く―。

2009年12月18日金曜日

千年樹 荻原 浩

最初重苦しい話がプロローグであるので、ずっと暗い話かと思いきや
一応、感動ものや泣ける系も混ざっている。

千年の中での人間ドラマが描かれているという解説は間違ってなく
いろんな時代のいろんな話が読みたい人は是非

出版社/著者からの内容紹介
木はすべてを見ていた。
ある町に、千年の時を生き続ける一本のくすの巨樹があった。千年という長い時間を生き続ける一本の巨樹の生と、その脇で繰り返される人間達の生と死のドラマが、時代を超えて交錯する。

2009年12月17日木曜日

ブラックペアン1988 海堂 尊

あのシリーズのあの病院長の若いときの話。
一言で言うとそうなってしまうけど、別の話としてみると
これはこれで面白い。

いつものいろんな人間軸があり、それぞれ深いネタが
隠されている。
陰謀系もあるけど、医学的な話もあるので、いつもの海堂ワールド
を楽しみたい人は是非。


内容(「BOOK」データベースより)
外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する“神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院…大出血の手術現場で世良が見た医師たちの凄絶で高貴な覚悟。

2009年12月16日水曜日

武士道エイティーン 誉田 哲也

3連作のいよいよ最終話。
ものすごく期待してみました。
そして、、、、非常に残念な結果が。。。

連絡で今までのいろんな登場人物が出てきて、それぞれの
エピソードを紹介する形だったので、一番盛り上げてほしかった
二人の戦いや葛藤がものすごく短い。

あっという間どころか、ちろっと触れておしまい。。
まあ、ちろっとというのは言いすぎかもしれないけど、2/3は違う
エピソード。
盛り上げを期待した人は
別冊
と思って買うといいかも。


内容(「BOOK」データベースより)
高校時代を剣道にかける、またとない好敵手。最後の夏、ふたりの決戦のとき。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、いよいよ天王山!わたしたちは、もう迷わない。この道をゆくと、決めたのだから。

2009年12月12日土曜日

ICO -霧の城-  宮部 みゆき

宮部みゆきなので、借りました。
ただ、、後悔。。

あまりにもSF過ぎてちょっと入り込めませんでした。
表現やら描写やらが、本人も言っていますがゲーム
っぽいので感情移入や興味の向き方があっちこっちに
なり、、、。

内容(「BOOK」データベースより)
何十年かに一人生まれる、小さな角の生えた子。頭の角は、生贄であることの、まがうことなき「しるし」。十三歳のある日、角は一夜にして伸び、水牛のように姿を現す。それこそが「生贄の刻」。なぜ霧の城は、角の生えた子を求めるのか。構想三年。同名コンピュータゲームに触発されて、宮部みゆきがすべての情熱を注ぎ込んだ、渾身のエンタテインメント。

2009年12月9日水曜日

ヒツジの鍵 - 若月 かおり

テーマや時代設定は面白いので借りたけど、全てが予想通り。。。
特に新しい展開や内容があるわけでもなく、よくあるパターン
で流れていく。。

家族の中のクローンやら、恋愛対象やら、無理強いやらで、あんまりいいイメージで
クローンになっていない若者たちそれぞれの話。

それぞれの話はまあ考えられた設定ではあるんだけど、もう一ひねりというか
深みが欲しかった気も。
ただ、そのあたりは賛否両論で、好みの問題かも。

最後のほうで主人公の過去やなぞが解き明かされてきて、さらに
彼女との未来にも触れていくけど、そこはミステリーゾーンの短編集の
をいくつか混ぜ合わせた感もある。


内容(「BOOK」データベースより)
「おれの苦悩は生物学的プロセスかよ?クローンで魂まではコピーできない。そうだろう?」―ユキヤ。「うちのママ、ひどい苦しみぶりやったわ。あの人はあたし。ほな、うちは誰やねん?」―ナナ。「わたしは地球上の昔からの方法で、子供を授かりたいの。元気な赤ちゃんを産むのよ」―ケイ。「僕は、生まれてこなければ良かったと思ったことは一度もないんだ!」―ライゾー。科学の果てにあるものは、希望か、絶望か?あなたの大事なあの人が蘇ります。この世界に誕生させられた19歳の男女が織りなす感動の群像長篇。


2009年12月8日火曜日

そうか、もう君はいないのか 城山三郎

話題作だったので読みました。
感想
ふーん。そうなんだ。。

そんな作品です。

内容紹介
甦る面影、声にならぬ悲しみ。最期まで天真爛漫だった君よ……。亡き妻との人生の日々を綴った、凛として純真な愛あふれる「妻との半生記」。感涙の絶筆。


2009年12月7日月曜日

星間商事株式会社社史編纂室 三浦 しをん

三浦先生のよくあるリズムと展開の話。
三浦先生の作品を3冊くらい読んでいる人にはこれで全てが分かる。

つまり、展開とリズムで引っ張っていくタイプで、内容は正直薄い。
感動やら深みやらはまったくない。
オチも単純。

でも面白い。こういう作風というか作品は得だな、と思う今日この頃。


内容(「BOOK」データベースより)
川田幸代。29歳。会社員。腐女子。社の秘められた過去に挑む―。本間課長は言った。「社史編纂室でも、同人誌を作ろう!」その真意はいかに?風雲急を告げる社史編纂室。恋の行方と友情の行方は、五里霧中。さらには、コミケで人気の幸代の小説も、混乱に混乱を!?これでいいのか?わたしの人生。

2009年12月6日日曜日

死日記 桂 望実

タイトルから悲しいといか、暗いんだけど、内容も同様。

日記形式で、少年の現状と悲しい事実が浮き彫りになっていく。
最初のプロローグとエピソードがしっかりと連携しているけど
どちらも要らない気もする。

この手の話はあまり色気を出さず、しっかり骨太でやればいいのに
と思いつつ、もう読むことはない作品。


内容(「BOOK」データベースより)
十四歳の少年は、なぜ事件に巻き込まれたのか。活気と希望に満ちるはずの少年時代に、しのびよる『死』の影。少年は何を感じ、誰と出会い、どう生きてきたか。日記に淡々と綴られた少年の日常が、そのひたむきな思いを浮き彫りにし、胸を打つ。エクスナレッジ社名変更1周年記念企画「作家への道!」優秀賞受賞作。



2009年12月5日土曜日

神はサイコロを振らない 大石 英司

これ、よくある内容というかほとんど同じ内容の小説や映画が多すぎて
どれが最初に作られた話なのか良く分からなくて
なんかすっきりしないまま読み進めた。

泣けるエピソードや悲しい展開もあるんだけど、小説以外のところが
どうしても頭から離れず、最後は消化不良。。。

この手の話をまったく読んだことも聞いたことない人には是非。

内容(「BOOK」データベースより)
かつて、忽然と消息を絶った報和航空四〇二便YS‐11機が突如、羽田空港に帰還した。しかし六十八名の乗員乗客にとって、時計の針は十年前を指したまま…。戸惑いながらも再会を喜ぶ彼らと、その家族を待ち受けていた運命とは―。歳月を超えて実現した愛と奇跡の物語。

2009年12月2日水曜日

トーキョー・プリズン 柳 広司

この時代をテーマにした作品では群を抜いている柳先生の王道作品。

戦中戦後の暗部を見せながら、さらに戦争の是非、ひどさ、政府の
暗躍など殺人事件やミステリー以外でも楽しめる。

主人公の天才的な解説より、その天才がどうしてこうなり、最後どうなって
いくのかが気になる。
一面での展開ではなく、全てのエピソードや複線も楽しめる。

戦後モノでも簡単に楽しんで読みたい人には是非。

内容(「BOOK」データベースより)
戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪れた私立探偵のフェアフィールドは、調査の交換条件として、囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられる。捕虜虐殺の容疑で拘留されている貴島は、恐ろしいほど頭脳明晰な男だが、戦争中の記憶は完全に消失していた。フェアフィールドは貴島の相棒役を務めながら、プリズン内で発生した不可解な服毒死事件の謎を追ってゆく。戦争の暗部を抉る傑作長編ミステリー。

2009年12月1日火曜日

天使のナイフ 薬丸 岳

これも実は2回目。
一回目のレビューは記憶にないので、矛盾したコメントでしたらごめんなさい。

さすが江戸川乱歩賞。
よくある話の深いやつかと思いきや、途中からとんでもない展開と
ぶっとい複線が待っている。

人間描写の深みや家族愛なども絡んで、話としてすごい形になっている。

推理ものや家族モノ、社会系が好きな人には満足できる作品。

内容(「BOOK」データベースより)
生後五ヵ月の娘の目の前で妻は殺された。だが、犯行に及んだ三人は、十三歳の少年だったため、罪に問われることはなかった。四年後、犯人の一人が殺され、檜山貴志は疑惑の人となる。「殺してやりたかった。でも俺は殺していない」。裁かれなかった真実と必死に向き合う男を描いた、第51回江戸川乱歩賞受賞作。



2009年11月26日木曜日

インシテミル 米澤 穂信

密室劇の殺人系としてはよくできている。
内容は、帯にも紹介にもあまり触れていなかったのでここでも
触れないが、アガサクリスティーの名作をトレースしつつ
オリジナルのなぞときや推理を盛り込んでいる。

所々、あれ? という記述や意味不明な紹介はあるにせよ
読む価値はあり。


2009年11月24日火曜日

ボトルネック 米澤 穂信

タイムトラベルの話なんだけど、ちょっと消化不良。。
最後のオチが特にしっくりしなくて、続きがあるのが
ぶっちぎって終わるのか、どっちかにしてほしい。

まあ、それ以外の要素では、よくある青春ものなので
そこだけを切り離して考えればいい流れはある。
よくあるパターン、and薄い内容だけど。


内容(「BOOK」データベースより)
亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。

2009年11月22日日曜日

そして粛清の扉を 黒武 洋

昔映画か同じような小説を読んだ記憶もありつつ、最後までしっかりと楽しめました。
元々、悪いやつらに復習するというパターンが嫌いじゃないのと、最後まで復習が
ちゃんと完了するかどうか、ドキドキしながら読みました。

ホラーサスペンス大賞をとるだけはあり、この手の話が嫌いじゃない人には
満足度がものすごく高い。
是非。



内容(「BOOK」データベースより)
一人の女教師が学校に血の戒厳令!卒業式前日、人質の生徒処刑が始まった。一人、また一人…。もう誰も逃げられない―。周到な計画、警察との攻防。強行突入か、説得か。タイムリミットが刻々と迫る。TV生中継のなか、ついに教師は用意された身代金で、前代未聞の「ゲーム」を宣言した…。第1回ホラーサスペンス大賞受賞作。



2009年11月19日木曜日

永遠の0 (ゼロ) 百田 尚樹

完全に戦争の話。
もちろん、テーマもそうなんだけど、メインである祖父探し
や謎解きよりも、太平洋戦争の裏側的な話や、実態めいた
ことが主軸として書かれている。

また、零戦の性能や当時の武器や飛行機、空母などの専門的な
分析も多く、それはそれで面白い。

戦争の悲惨さをこれでもかと書くわけでもなく、どちらかというと
武器からの側面や作戦的な側面から現実的に戦争の内幕を描いている
ので、思いっきり暗くなるような内容じゃないので、ある意味
安心して読める。

また最後の最後で、メインでもあった祖父探しの大逆転的
オチがあり、それもちゃんと複線も複線も張っていたので
エンタメとしてもいい出来。

あの当時の現実を知りたくてもなかなか一歩踏み込めなかった人には是非。

内容(「BOOK」データベースより)
日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた…。人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り―それが祖父だった。「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻を志願したのか?健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語。

2009年11月18日水曜日

もうすぐ 橋本 紡

妊娠と子ども系の現実を一人のフリーライターの目を通してドキュメンタリー的に
構成していく。

それぞれがよくある話で、淡々の話が流れていく、よくある展開。
キメのオチもなく、どこに向かっているのかも不明。
ただ、これが正解がないテーマだからしょうがないかも。
また、記事的な内容も浅く、そんなに身につく内容でもない。

掲示板の書き込みを小説風に読んでいる感じ。
(実際、小説の中でも、掲示板から派生した取材なんだけど)

重いテーマを軽く読みたいひとは是非。


内容(「BOOK」データベースより)
お子さん、まだ?焦りと戸惑い、嫉妬、胸の中からあふれだす願望。結婚しても、競争は終わらない。妊娠と出産をめぐる現実を書ききった渾身の長編。

2009年11月17日火曜日

暴雪圏  佐々木 譲

こちらも話題の作品。

全体的なレベルはキープしつつも、帯に書かれている内容
の部分は結構少なく、密室激やサスペンス的な要素は薄い。

また、最後の最後まで引っ張って、あっという間に場当たり的に
終るのはいつもの佐々木さん的展開。
小説をサスペンスとして読む人が多いのに、この現実的な
終わり方はちと残念。

誰かがメインで活躍するとか、深堀するとかなく、いろんな
人のエピソードが軽いレベルで紹介され、軽いレベルで
終わっていく。


ただ、読み応えもあるし、刑事ものの小説をザクっと読みたい人には是非。

内容(「BOOK」データベースより)
最大瞬間風速32メートル。十勝平野が十年ぶりの超大型爆弾低気圧に覆われた日の午後、帯広近郊の小さな町・志茂別ではいくつかの悪意が蠢いていた。暴力団組長宅襲撃犯、不倫の清算を決意した人妻、冴えない人生の終着点で職場の金を持ち出すサラリーマン…。それぞれの事情を隠した逃亡者たちが辿りついたペンション・グリーンルーフで、恐怖の一夜の幕が開く。すべての交通が遮断された町に、警察官は川久保篤巡査部長のほかいない―。超弩級の警察小説。

2009年11月16日月曜日

屋上ミサイル 山下貴光

これ、多くのレビューや審査の評価でも出ていたけど、伊坂さんがいなければ
すごい作品になったかも。

設定といい、会話のリズムといい全て伊坂作品のトレース。
作者名を知らない人は勘違いするほど、ある意味できがいい。

ただ、伊坂作品のできの悪い時、くらいのレベルでしかない。

まー残念、です。

2009年11月15日日曜日

同期 今野 敏

話題の作品。

最近刑事内幕ものが多いけど、これは特に公安と所轄、本庁の
三つ巴がメインで、さらに本庁1課と4課の争いが混じる。

ものすごく嫌な人とというのは出てこない分、ストーリーに
集中して読むことができる。
サラリーマン的な悲哀よりも、刑事ものとして面白い。

ただ、同期というタイトルをイメージはあまりなく
同期としての熱い友情めいたものも少ない。

内容(「BOOK」データベースより)
懲戒免職になった同期の公安刑事が、連続殺人の容疑者に。「教えてくれ。おまえはいったい何者なんだ」男たちの前に立ちはだかる最も高い壁―組織の論理。その壁を突破するのは、刑事たちの誇りと絆。現時点での集大成ともいえる最新警察小説、登場。

2009年11月14日土曜日

Dojo―道場   永瀬 隼介

体育会系男子には絶対読んで欲しい短編小説。

空手道場のあれこれ起こる話だけど、それぞれのエピソードも
面白いけど、ところどころに出てくる体育会系にありがちな
心理描写や状況説明が面白い。
あるある系になってて、思わず話よりもそっちのほうが気になった。

もちろん話も最初から最後まで面白い短編が詰まっているので
読み応えも十二分。

内容(「BOOK」データベースより)
会社をリストラされ、先輩の空手道場を預かることになった藤堂忠之は、お人好しだが空手の腕はなかなかのもの。潰れかけの道場を立て直そうと奮闘するが、どこかひと癖ある入門希望者たちが、次次と難題を持ち込んできて…。ひねりのきいたストーリーと鮮やかなアクションシーンが魅力の新・格闘技小説。

2009年11月6日金曜日

真夜中のマーチ 奥田 英朗

個人的には奥田先生らしいと思うけど、悪人などの読者
にしてみると、まったく逆の軽い展開と無茶振りなストーリー。
でも不思議と違和感はなく、どんどん読み進んでいく。

リズムがいいのはさることながら、どれも深く描写せず
最低限の人物描写と状況説明でエピソードがあふれている。



出版社/著者からの内容紹介
青年実業家気取りのパーティー屋ヨコケン。むっつりすけべの一流商社マン、ミタゾウ。高飛車で強がりのモデル、クロチェ。ひょんなことから10億円強奪の計画に乗ることになった3人だが……。

2009年11月4日水曜日

終末のパラドックス 桂木 希

桂木先生お得意の国際サスペンス。

こってり情報や展開や人物描写が詰まっていてあきさせない展開。
たまにくどすぎて読み飛ばしたくなる瞬間もあるけど、次々と
気になる流れ。



内容(「BOOK」データベースより)
渋谷で爆破予告が入る。爆発すれば、ウイルスの飛散で被害者は数百万人に上るという危機は寸前で食い止められ、高名な老科学者・北村正平が容疑者として逮捕された。北村は世界平和実現を各国首脳に要求し、それが呑まれなければ、世界30カ国に仕掛けた同種の爆弾を7日後に一斉に爆発させるというのだ。そうなれば、地球は修復不能な大ダメージを受け、まさに人類存亡の危機となる。世界平和実現のために人類全てを人質に取るという、およそ尋常ではない矛盾したやり口…捜査陣は北村の真の動機を探るべく奔走する。そして、爆弾解除の鍵を握るのは、彼のたった一人の孫娘・愛子だと判明するが、母を亡くしたばかりの13歳の少女は忽然と姿を消していた。アラブが、そしてアメリカが日本が、世界中がただ一人の日本人少女の行方を追う。彼女は本当に世界を救う鍵なのか!?―そして時計の針は刻々と、世界を破滅させる日時へと進んでいく…。


2009年11月2日月曜日

まず石を投げよ 久坂部 羊

評判の医療ミステリー

専門的な話より、マスメディアのあり方や人間性にどちらかというと
主においている。
そのせいか、医療ミステリーという色がなくどっちつかづの印象。
最後の告発もなんかこれでいいのかというような形だし。。

医療骨太系にすればよかったのに。

内容紹介
外科医・三木達志は医療ミスを告白し、患者の遺族にみずから賠償金支払いを申し出た。これに究極の誠意を感じたライター・菊川綾乃は取材に乗り出すが、「あれは殺人だった」との手紙が舞い込む。不倫、自殺、テレビでの医師の心理実験、墜落願望。医療ミスは事故なのか、それとも密かな殺人か。医師の好き嫌いで患者が殺されたら……。現代人の心の奥の深い闇をえぐりだす、『破裂』でベストセラーの著者による医療ミステリー。

2009年11月1日日曜日

brother sun 早坂家のこと 小路幸也

ほのぼの系ゆったり小説。
女性は好きそうだけど、男性はどうかと。。

リズムも話の深さも悪くないけど、記憶に残るエピソードが
少ない。。

最後の最後のエピソードは書き下ろしみたいだけど
いらなかったような。
全てがひっくり返ったネタ。


内容(「BOOK」データベースより)
早坂家の三姉妹、それぞれが感じている、家族の姿。ちゃぶ台を囲みながらそれぞれの思いが一つになったとき、本当の家族の姿が見えてくる。考えたり悩んだり、苦しかったりするけれど、それぞれが補いながら暮らしている。「東京バンドワゴン」シリーズを始め、様々な家族を描いてきた著者が三姉妹を通し描く、新しい家族のカタチ。

2009年10月30日金曜日

あれから 矢口 敦子

タイトルのイメージとはだいぶ違うサスペンスもの。
父の不正を信じて、それをうっすら記憶にのこして
なぞを抱えたまま成長している娘。

いくつもの時代と人物が軽く繋がって、あっさり流れて
いくので整理するのがちと大変。

またもう少しどこかのネタを深くしっかりと書けばよかったに
中途半端になってしまってちと残念。


内容(「BOOK」データベースより)
高校1年の千幸と中学3年の夕美姉妹は、ある朝、父が電車内で痴漢をし、咎めた男性を線路に転落死させたと知らされる。二人は偶然出会った大学生たちの力を借り、父の汚名を晴らそうとするが…。10年後、看護師として一人働く千幸の前に、忌まわしい過去を彷彿させる女性が現れる。そして、哀しくも驚くべき真実が明らかになる。

2009年10月28日水曜日

青猫家族輾転録 伊井 直行

微妙な流れと浅さ。
よくある家族しんみりほのぼの系を狙ったんだろうけど、
どれも浅く、記憶に残らない。。。

ズシンとくる重さを求める人には向かない。

内容(「BOOK」データベースより)
70年代半ばの就職氷河期に中堅商社に入った「僕」の社内抗争、リストラ、独立、合併と続く社会人としての転変と、一人娘の不登校、不良化を防ごうとする父親、家庭人としての奮闘をユーモアのある読みやすい文章で描く、切実な現代の物語。30年前に死んだ大好きだった叔父さんに語りかける、暖かくて新鮮な大人の小説。

2009年10月27日火曜日

出口なし 藤 ダリオ

久しぶりにドキドキしたサスペンス。
よくある設定だけど、展開といい、ゲームのハードといい頭を悩ませたり
不明になることなく、サクサクドキドキ読める。

キューブみたいな映画が好きな人は是非。

内容(「BOOK」データベースより)
命がけのゲームのために監禁された男女5人。あなたたちが無事にお家に帰るには、クイズの答えを探して、ゲームに勝つしかありません。完全な密室。1台のPC。そして残された酸素は12時間。命がけのクイズに不正解の場合は、恐ろしいお仕置きが待っている―。新感覚のソリッドシチュエーションホラー。


2009年10月26日月曜日

おやすみ、こわい夢を見ないように 角田 光代

賞をとる作家の話だろうなあ、という短編。
つまり、自己表現で淡々と進むような話が多く、作家自身のリズムや
展開だけでひっぱて要るような気がして、深みや楽しみが少ない。。・。

まあ、その手の話が好きな人には喜ばれ、いろんな展開や深みを
求める人には向かない。そんな本。

内容(「BOOK」データベースより)
「あたしこれから殺人計画をたてる」。我慢をかさね、やっと受かった高校で待っていたのは、元カレ剛太の「抹殺」宣言と執拗な嫌がらせ。すべての友に去られた沙織は、不登校の弟をコーチに復讐の肉体改造を決意するが…。理不尽に壊された心のゆくえを鮮烈に描く表題作をはじめ、ひそかに芽ばえ、打ち消すほどに深く根を張る薄暗い感情のなかに、私たちの「いま」を刻む7つの風景。


2009年10月22日木曜日

インターセックス 帚木 蓬生

この手の知識を得たい人が勉強がてら読む本。
ミステリー的な部分はあるにはあるけど分量としては
非常に少なく、1/20くらいじゃないかと。
内容もその部分に関しては薄い。

ドキュメンタリーとして、読むほうが正しい。そんな本

内容(「BOOK」データベースより)
生殖と移植では「神の手を持つ名医」と評判の岸川卓也院長が率いる、贅沢な施設と高度な医療を誇るサンビーチ病院。泌尿婦人科医の秋野翔子は岸川に請われてこの病院に勤務することになった。そこでは性同一性障害やインターセックスの患者たちへの性転換手術やさまざまな治療が行われていた。翔子は「人は男女である前に人間だ」と主張し、人知れず悩み、絶望の淵にいた患者達のために奔走する。やがて翔子は、彼女に理解を示す岸川の周辺に不可解な変死が続いていることに気づく…。神が創り出した少数派の人間たちの魂の叫び、身体と魂の尊厳。医学の錯誤を見据える世界初テーマに挑む、衝撃と感動のサスペンス大作。

2009年10月20日火曜日

シューカツ! 石田 衣良

石田作品らしい軽めのポップ的な話。
正直、身につくこともなければドキドキすることもないけど
時間つぶしに、活動している大学生がちょろっと読む分には
いいかも。

ターゲットと満足できる読者が非常に限られている作品。
まあ、石田作品全般にいえることだけど。。


内容(「BOOK」データベースより)
仕事も会社も、わからない。でも今、闘うしかないんだ。水越千晴、鷲田大学三年生。仲間七人で「シューカツプロジェクトチーム」を結成した。目標は全員で、最難関マスコミ合格。

2009年10月19日月曜日

the TEAM 井上 夢人

昔の岡島作品にあった、ちょっとした軽めの連作と同じ。

それぞれ深みはないけど、スカッとするような内容にはなっている。
最後のオチはまあ、今後も繋がるようなオチなので一度深みの
ある長編を読んで見たい気もする。


内容(「BOOK」データベースより)
盲目の霊能力者と、彼女をささえる仲間たち。過去の事件の真相と不思議な事象の真実を次から次へと暴き出す!快作ミステリー。

2009年10月18日日曜日

ボックス! 百田 尚樹

評判の本、やっと読めました。

他のレビューにもあるけど、北野作品とほぼ同様でありながら
登場人物の掘り下げや心理描写のウマさでこちらのほうがより
読みやすく入りやすい構成になっている。

けっこうなボリュームながら、あっという間に読めてしまうのも
そのあたりと関係していそう。
また、うまくなる理由も至極当たり前のところで貫かれていて
好感が持てる。

最後のあたりで、やっぱりこうこなくては、という流れだったのが
よかった。
最後の最後まで読み応え、ありです。



内容(「BOOK」データベースより)
高校ボクシング部を舞台に、天才的ボクシングセンスの鏑矢、進学コースの秀才・木樽という二人の少年を軸に交錯する友情、闘い、挫折、そして栄光。二人を見守る英語教師・耀子、立ちはだかるライバルたち…様々な経験を経て二人が掴み取ったものは!?『永遠の0』で全国の読者を感涙の渦に巻き込んだ百田尚樹が移ろいやすい少年たちの心の成長を感動的に描き出す傑作青春小説。

2009年10月17日土曜日

クリスマスの4人  井上 夢人

一つの事故が30年のときをえて解決する物語。

正直、最後の章までまったくなぞがわからなかった。
それは単に作者のフリが難しかったというより
「それなら何でもありじゃん」という結果だったから。

まあ、井上作品としてはいい流れだったので大きな不満
はないけど、人に是非とお勧めするレベルでもない。
一応、最後の最後のオチや微妙にゆれる方向性など悪くない
箇所もあるので、読むことは問題なし。ただ少々残念。。。
途中までドキドキしながら読んだのになあ。。


内容(「BOOK」データベースより)
1970年、ビートルズが死んだ年の聖夜、物語は始まった。その夜を共に過ごした二十歳を迎える四人の男女。ドライブ中の車の前に突然、飛び出してきたオーバーコートの男。彼らは重大な秘密を共有する羽目になった。その後、十年毎に彼らを脅かす不可解な謎と、不気味に姿を現す男。2000年、時空を超えた結末は、破滅か、奇跡か!?奇想あふれる傑作長編小説。

2009年10月14日水曜日

ジェシカが駆け抜けた七年間について 歌野 晶午

歌野さんの作品の中では比較的なぞ解き部分が少ない・
最後のほうで無理くり提供したようなドンデン返しが
あるけど、本編や楽しみとはあまり関係がない。。

どちらかというと、歌野ファンが読む本がなくて
時間つぶしに読む感じかなあ。。
リズムは相変わらずいいし、内容もそこそこなので借りる分には問題なし。


出版社/著者からの内容紹介
原田歩はアスリートとしての生命を、監督の最悪の指導によって断たれてしまう。
だから呪い殺すことにした。そのときは、自分が遠く離れたところにいても大丈夫なように、わたしの分身か、親友のジェシカを使おう。そう決めた。
……原田歩の失意の自殺から七年、ジェシカ・エドルは導かれるように、そこへやって来た。目の前には背中を見せている監督、ジェシカは側にあった砲丸に手を添える。
彼女のためにしてあげられることはもうこれしかないのだ――。
『葉桜の季節に君を想うということ』で開花したエンターテインメント界のイリュージョニストが贈る、最新書き下ろし長編!

パパママムスメの10日間 五十嵐 貴久

第一作とドラマを見ていたので、その続きとしては楽しめるかもしれない。
ただ、元々の話や深み、リズムがあまりよろしくなく、よくある
ドラマの脚本を焼き直した程度のできかも。。。


内容(「BOOK」データベースより)
イマドキの女子高生・小梅16歳と、冴えないサラリーマンのパパ47歳。ある日突然、「大キライなパパ」と「最愛の娘」の人格が入れ替わってしまったら?ドキドキの青春あり、ハラハラのサラリーマン人生あり。ハートウォーミングな家族愛を描いた笑いと涙のノンストップ・エンターテインメント長編。

2009年10月13日火曜日

とんび 重松 清

久しぶりに泣き泣きの作品。
長編ながらも連作の形をとっていて、じょじょに息子が成長していく
過程がいい。

ヤスさんというお父さんの視点で物語が進んでいき、お父さんなら誰しも
共感できるエピソードや思いなどがちりばめられている。

子育てに悩んでいる人、子育てが終わった人など是非

内容(「BOOK」データベースより)
つらいときは、ここに帰ってくればいい。昭和37年、ヤスさん28歳の秋、長男アキラが生まれた。愛妻・美佐子さんと、我が子の成長を見守る日々は、幼い頃に親と離別したヤスさんにとって、ようやく手に入れた「家族」のぬくもりだった。しかし、その幸福は、突然の悲劇によって打ち砕かれてしまう―。我が子の幸せだけを願いながら悪戦苦闘する父親の、喜びと哀しみを丹念に描き上げた、重松清渾身の長編小説。

2009年10月5日月曜日

真相 横山 秀夫

横山作品独特の、人間の業が良く出ている短編集。
どれも読み応えがあり、それぞれ長編でもいいくらいで出来。

この頃の横山さんは無敵だったなあ。。
最近新作を読んでいないけど、また読みたくなる、作者への期待が高まる短編集。



内容(「BOOK」データベースより)
犯人逮捕は事件の終わりではない。そこから始まるもうひとつのドラマがある。―息子を殺された男が、犯人の自供によって知る息子の別の顔「真相」、選挙に出馬した男の、絶対に当選しなければならない理由「18番ホール」など、事件の奥に隠された個人対個人の物語を5編収録。人間の心理・心情を鋭く描いた傑作短編集。

2009年10月3日土曜日

いのちのパレード 恩田 陸

恩田作品らしさがあると、他のレビューではよく見るけど、
個人的には、重さや深さがちと足りないかと。

内容もあまり覚えておらず、ただ、短編でそれぞれが練られた
オチがある、という程度。。

世にも奇妙な・・・のどれか一個という感じで、思い出に残る作品
までいかない。

内容紹介
<あの黒い表紙、強烈な帯コピー、シンプルかつ洗練されたデザイン。手に取った時の、嬉しいような怖いようなおののきを今でも覚えている。(中略)かつて「幻想と怪奇」というジャンルのくくりでお馴染みであった、奇妙でイマジネーション豊かな短編群には、今なお影響を受け続けている。あの異色作家短篇集のような無国籍で不思議な短編集を作りたい、という思いつきから連載をさせてもらった>(あとがきより)。

恩田ワールドの原点<異色作家短編集>への熱きオマージュ。ホラー、SF、ミステリ、ファンタジー……クレイジーで壮大なイマジネーションが跋扈する、幻惑的で摩訶不思議な作品集。

2009年10月2日金曜日

夢を与える 綿矢 りさ

初めて読みました、話題の作者の作品を。

正直、この年代でこの筆力はすごいと思う。まったく飽きさせないというか
リズムよく次々をページが進んでいった。
また、改行や文字スペースがあまりなく、びっちりつまったボリュームいっぱい
のページ構成にも関わらず、読みにくさもなかった。

ただ、、、内容が淡々としていて、わくわくしたり、ドキドキしたりという
読み応えというものが薄い。
文学はそういうものかもしれないけど、分かる人だけ分かればいいという
起承転結なので、読後感はあまりよくない。

買わなくてもいい、そんな作品。

内容(「BOOK」データベースより)
私は他の女の子たちよりも早く老けるだろう。チャイルドモデルから芸能界へ―幼い頃からTVの中で生きてきた美しくすこやかな少女・夕子。ある出来事をきっかけに、彼女はブレイクするが…少女の心とからだに流れる18年の時間を描く。芥川賞受賞第一作。

2009年10月1日木曜日

年下の男の子 五十嵐 貴久

なんか、テレビドラマのよくある脚本を読んでいる感じ。
流れといい、設定といい、会話といい、サブストーリーといい、。。、。

これなら、ノベライズのいい作品を読んだほうがずっといいかも。
途中で飽きたり、ぼろくそってほどじゃないけど、決して人には勧めないし
もう2度と読むことはない。

お昼に、2時間ドラマの再放送を見ている感覚にちかい。


内容紹介
銘和乳業勤務のわたし(川村晶子)は37歳にしてマンションを購入。契約翌日、新製品の健康ドリンク「モナ」の宣伝用フリーペーパーをめぐってとんでもないトラブルが発生。肝心の価格欄が空白のまま刷り上ってしまったのだ。配布を翌日に控え、徹夜で空白部分にシール貼りをするしかない。担当者のわたしは、ピーアール会社の23歳の社員・児島くんと夜を徹してのシール貼り作業を敢行。なぜか二人は話が合ったのだが……。年齢差14歳のわたしと児島くんの恋はどうなるの? 女優・浅野ゆう子さん絶賛。あなたの恋愛を元気にしてくれるハートウォーミングストーリー。


2009年9月29日火曜日

オリンピックの身代金 奥田 英朗

ものすごく売れていたので、借りてしまいました。
結果、、、そんなに。。。
っていう話。

身代金系ならもっと面白い話があるし、刑事ものでも同じようにある。
犯人が少し毛色が変わっていて、昭和の時代を色濃く反映して
時代小説的に楽しめるかもしれないけど、推理小説やサスペンスとして
捕らえるとちと役不足。

PS
身代金シリーズなら「三好 徹 」作品がお勧め。


内容(「BOOK」データベースより)
昭和39年夏。10月に開催されるオリンピックに向け、世界に冠たる大都市に変貌を遂げつつある首都・東京。この戦後最大のイベントの成功を望まない国民は誰一人としていない。そんな気運が高まるなか、警察を狙った爆破事件が発生。同時に「東京オリンピックを妨害する」という脅迫状が当局に届けられた!しかし、この事件は国民に知らされることがなかった。警視庁の刑事たちが極秘裏に事件を追うと、一人の東大生の存在が捜査線上に浮かぶ…。「昭和」が最も熱を帯びていた時代を、圧倒的スケールと緻密な描写で描ききる、エンタテインメント巨編。

2009年9月27日日曜日

チェーン・ポイズン 本多 孝好

テーマや設定は面白い。
連作でそれぞれが薄く繋がっていて、最後に「あらーーーー」っていう
オチが待っている。

全ての場面で出てくる刑事があるなぞに絡んでいくんだけどそのなぞは
この小説の肝の部分で、その肝が、小説の最初に出てくるある手法で
読者を勘違いさせて、最後の最後でそれが間違っていることに気がつく。

だけど、、、、勘違いじゃないか。
ヒントはないから。
ただ、こうきたか、という感じで終わったので、まあ一つの面では
楽しめるかも。


内容(「BOOK」データベースより)
誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。死への憧れを募らせる孤独な女性にかけられた、謎の人物からのささやき。「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?1年頑張ったご褒美を差し上げます」それは決して悪い取り引きではないように思われた―。新境地を開いた驚愕のミステリー。

2009年9月26日土曜日

トップ屋魂 大下 英治

クリエイティブ系の人や雑誌等の仕事をしている人は
いい教科書になるかも。

それぞれの取材の過程や裏話があって、仕事系抜きでも面白い。
元々ノンフィクション系では大家でもあるので、何の問題もなく
楽しめる。


出版社/著者からの内容紹介
政財界から芸能界、さらに闇社会にうごめく"昭和の怪物たち"の裏の秘密に鋭く切り込むトップ屋の執念の取材。350冊以上の著作を持つ大下英治が初めてその取材の舞台裏を明かす。
「角福戦争の凄まじさ」、「美空ひばりと山口組」、「三島由紀夫、自決の深層」など、"昭和の怪物たち"のスケールとその衝撃的な事件の真相を描いた、400頁に及ぶ大作ノンフィクション。
さらに児玉誉士夫、政商・小佐野賢治、乗っ取り屋・横井英樹の生々しい対決、また週刊文春時代、三越岡田茂社長を退陣までに追い込んだ「三越事件」のスクープの舞台裏、さらに業界のタブーであった、松田優作の血の秘密、読売のドン・渡辺恒雄と務台光雄の胆力、闇社会の怪物・稲川聖城の修羅、そしてデビュー作『小説電通』出版までの道のりなど、30年以上におよぶ執筆活動の全てが明らかになる。
大下英治ノンフィクションの集大成がここに。
<解説 『月刊WiLL』編集長 花田紀凱>

2009年9月25日金曜日

警官の紋章 佐々木 譲

前作に続く第二弾。
いくつかのストーリーが絡みあって、一つのオチに向かっていく。
筆力もあるし、リズムのいいので最後までそのまま読める。

だた、オチが微妙というのと、ここまで複雑にしなくてもいいのでは
という気もする。。


内容(「BOOK」データベースより)
北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。


2009年9月22日火曜日

水の時計 初野 晴

不思議な設定の連作。
テーマは悪くないけど、設定が少し共感できないというか納得できない
というか。。

個々の話は面白く、流れも悪くない。
設定さえ変えてもう少し深い話にすればよかったかも。
and
ところどころにあいまいというか未解決な設定が。。。


内容(「BOOK」データベースより)
医学的に脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。生きることも死ぬこともできない、残酷すぎる運命に囚われた彼女が望んだのは、自らの臓器を、移植を必要としている人々に分け与えることだった―。透明感あふれる筆致で生と死の狭間を描いた、ファンタジックな寓話ミステリ。第二十二回横溝正史ミステリ大賞受賞作。

2009年9月13日日曜日

膠着 今野 敏

てっきりポストイットの話かと思ったらぜんぜん関係ない。
ある営業マンを主軸としたビジネス小説。

そんなにビジネスよりでもなく、大きなオチが待っているわけでもない
ちょっと肩透かしな作品。

時間の合間にさくっと書いたのかなあ。。


出版社/著者からの内容紹介
起死回生の新開発製品は、「くっつかない接着剤」だった!! 新人営業マン丸橋啓太は何とか商品化すべく知恵を振り絞るが……。吉川英治文学新人賞受賞作家による書き下ろし作品。

2009年9月12日土曜日

二度目のノーサイド 堂場 瞬一

ラクビー一直線の話かと思ったら、ちょっとだけミステリー色を入れている。

ただ、ほとんどが人間模様の話なので、その点で好き嫌いが分かれるかも。
特に男くさい展開とネタなので、女性は面白さが半分くらいしか伝わらない
可能性大。
大学時代、真面目に体育会系の部活をしてきて、いま30歳以上に人にお勧め。



内容紹介
元実業団ラガーマンの桐生は仕事にも家庭にも中途半端な生活を送っている中年サラリーマン。
同点、同トライの末、くじ引きで負けた最終試合がいつも甦ってくる。そんな時、元マネージャーが急死。
「俺はこのままでいいのか」。スポーツキャスターになったもの、田舎に帰ったもの、やばい金融会社に入り、警察に追われるもの…。
廃部以来、ばらばらになっていたチームメイトたちと連絡を取り始めた桐生。「もう一度あの日の試合に決着をつけるんだ」。
しかし、妻は猛反対、元キャプテンは強い拒絶を。果たして再試合を迎えることはできるのか。

2009年9月10日木曜日

動く家の殺人 歌野 晶午

相変わらず、ものすごいひっくり返しが途中である。
そうきたか、、っていうくらいのもの。

ただ、ストーリーやオチには大きな影響はなく、
このポイントでどんでん返しをしたんだあ、くらいの衝撃。

無理やりどっかでしたかったから、このネタでしたのかなあ。

話は面白く、最後までノンストップで読める。
完成度はそれなりに高い。
ただ、他の作品がもっと高いので、ちょっと残念。。

内容(「BOOK」データベースより)
名探偵・信濃譲二は、とある小劇団にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。だが、特別公演「神様はアーティストがお好き」の初日、惨劇の幕が切って落とされた。次第に疑心暗鬼になっていく団員達。六年前の稽古中の死亡事故と関係が?信濃が命をかけて謎解きに挑む、傑作本格推理第三弾。


2009年9月9日水曜日

つなげる力 藤原 和博

話題の教育改革の話。
直近のことだったので、事例やマスコミ報道とも比較して非常に面白かった。

いずれにせよ、この手のことをやるには一定の論理性と時間が必要なんだな
としみじみ思った。

やっていることはほとんど実行力。紙に書いて誰かにやらせるような
ことではないので、実行力がない人にはこの事例をまねすることは
無理かと。。
つまり、ほとんどの教育現場では無理ってこと。

なんで教育現場の人が読んだら、ある意味ストレスがたまり、
ビジネスマンが読んだら、よくあるビジネス書の良書として
捕らえるかも。


内容紹介
進学塾「サピックス」が学校の校舎で放課後授業をしてしまう「夜スペ」。こどもたちが、大人と一緒に社会の様々な問題にとりくむ〔よのなか〕科。リクルートから東京都杉並区立和田中学校の校長に転身した藤原さんは、その後、全国に広がることになるさまざまなプロジェクトを成功させてきました。その藤原さんが、いかにしてそうした独創的なプロジェクトをなしとげたかを「つなげる力」をキーワードにしてこの本で明かします。ビジネスや人生は、まったく違う要素を「つなげる」ことで開ける、というのです。

2009年9月8日火曜日

リセット 北村 薫

続けて、3部作の最後 リセット
ちょっと息切れの感が否めない。

前2作で結構いいネタをつぎ込んだので、ここではもう
展開のしようがなかったのかもしれない。

スキップの重さもないし、ターンのスリリングな見せ方もない。
幾重にも同じようなトーンの話が繰り返される形。

展開も結構使い古されているので、もう少し練ってから出せば
よかったのに、、と少々感じた。



Amazon.co.jp
『スキップ』 『ターン』に続く、「時と人」シリーズの第3弾。『スキップ』は、17歳の女子高生が、時間を超え42歳の自分自身へと乗り移ってしまうタイムトリップもの、『ターン』は、交通事故のショックで、延々と同じ時間がくり返す異世界に紛れ込んでしまう話だった。前2作はどちらかというと、時間の存在が主人公たちに苛酷な試練を与える設定なのにたいして、本書においては、時間は彼らに寛容に働いている。
太平洋戦争末期、神戸に住む女学生の水原真澄は、時局の厳しさを横目で見ながら、友人たちと青春を謳歌していた。真澄には、結城修一というほのかな恋心を抱いている少年がいる。幼い記憶にある、30数年に1度しか見られないという獅子座流星群をいつかふたりで眺めてみたいと真澄は心に期していたが、度重なる戦火がふたりを引き裂いてしまう。やがて終戦を迎え、東京オリンピック開催が近づく昭和30年代前半。小学5年生の村上和彦は、自前で小学生に絵本や児童書を貸し与える女性と知り合う。彼女こそは水原真澄だった。折りしも獅子座流星群の到来まで、あと4年と迫っていた…。

2009年9月7日月曜日

ターン 北村薫

淡々と不思議な現象の中時が流れていくけど、途中から大きな2つのアクシデントが。。
一つはいいこと、一つは悪いこと。。

この入れ方が結構絶妙。
映画にするには一番いいパターンかも。
ただ、最後のもって行きかたが少し微妙だったので、その辺が
残念。

最後まであきさせないで、ひっぱていける筆力はさすが。


内容(「BOOK」データベースより)
真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。いつかは帰れるの?それともこのまま…だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。

2009年8月19日水曜日

プリンセス・トヨトミ 万城目 学

どうした、息切れか? と思わせる作品。

今までの万城目作品とはだいぶ差がつく作品。
トーンやリズムは同じだけど、内容のつめやオチへの向かい方
がいまひとつ。。

内容も薄いし。
伊坂作品にもたまにあるけど、リズムだけで何とか書こうとして
その場しのぎの作品になってしまっている。

まあ、売れっ子には良くあることか。。

内容(「BOOK」データベースより)
このことは誰も知らない。五月末日の木曜日、午後四時のことである。大阪が全停止した。長く閉ざされた扉を開ける“鍵”となったのは、東京から来た会計検査院の三人の調査官と、大阪の商店街に生まれ育った二人の少年少女だった―。前代未聞、驚天動地のエンターテインメント、始動。

2009年8月18日火曜日

退出ゲーム 初野 晴

久しぶりの金脈発見。

青春モノと、ミステリーをうまく加工して上質のエンターテイメント作品
に仕上げた金脈的作家。

中にはほろっとさせるものや、スカッとするものなど、青春ものに良くありがちな
ウジウジ、でも最後スカっというものばかりではない。

特にクロスキューブはお勧め。
高校生に読んで欲しいなあ。。


内容(「BOOK」データベースより)
穂村チカ、高校一年生、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみで同じく吹奏楽部のホルン奏者、完璧な外見と明晰な頭脳の持ち主。音楽教師・草壁信二郎先生の指導のもと、廃部の危機を回避すべく日々練習に励むチカとハルタだったが、変わり者の先輩や同級生のせいで、校内の難事件に次々と遭遇するはめに―。化学部から盗まれた劇薬の行方を追う「結晶泥棒」、六面全部が白いルービックキューブの謎に迫る「クロスキューブ」、演劇部と吹奏学部の即興劇対決「退出ゲーム」など、高校生ならではの謎と解決が冴える、爽やかな青春ミステリの決定版。

2009年8月16日日曜日

青春の守護者 森村 誠一

今まで読んだ森村作品とは違うトーンだったので借りてしまいました。

いろんな事件に巻き込まれていきつつ、単純なドンパチではない
社会的な背景も混ざってくる、。、。
と、したかったんだろうけど、単純なドンパチに成り下がっている。。

背景や狙い、オチへの向かい方はいまひとつ定まってなくて
微妙な違和感とともに最後まで突っ走る。
微妙。。その一言に尽きる、か。

内容(「BOOK」データベースより)
ただ一度だけ交わした運命の夜。だが、男は思いも告げず、最愛の人を失うことに…。そして再び、若き日の因縁を抱えた絶望的な戦いが幕を開ける。―元エリート自衛官・羽月数也は法に縛られず、“命を守りたい”という己の信念のもとボディガードになった。羽月のもとにひとつの依頼が舞い込んだ。それは、あの大町玲の家族を謎の組織から護衛することだった。彼はかつて大町玲に密かな思いを寄せていた。だが、告白もできぬまま、玲は帰らぬ人となっていたのだ。羽月は今度こそ、大切なものを守り抜けるのか?今ここに絶望的な戦いが始まる。真の男の本分とは?著者畢生のエンタテインメント巨編。

2009年8月15日土曜日

ハッピーエンドにさよならを 歌野 晶午

相変わらずいいネタを仕込む作者。

短編なのだが、それぞれが個性が強く、読み応えも十二分。
怖いオチやすっきりしないオチが多いけど、それもまた読み応えあり。

出版社 / 著者からの内容紹介
事件の裏には多種多様な殺意が存在する――。一風変わった殺人の動機に焦点を当てる著者初の短編作品集。

2009年8月12日水曜日

仏果を得ず 三浦 しをん

ものめずらしい文楽が舞台の話。
義太夫節・三味線と人形劇から成る人形浄瑠璃の世界の中で、義太夫を演じる主人公と
一癖ある過去を持つ三味線使いとのコンビや修行しつつも、いろんな世界に引き込まれて
行く、よくある修行もの。


上達振りはいまひとつ分からないけど、文楽の世界を垣間見ること
ができ、さらに修行モノとしてもいい出来。
続編に期待。


内容(「BOOK」データベースより)
“好き”が過ぎるとバカになる。でも、そんなバカならなってみたい。文楽に賭ける若手大夫の熱い青春。直木賞作家が愛をこめて語ります。

2009年8月9日日曜日

武士道セブンティーン 誉田 哲也

前作、武士道シックスティーの続編。
待ち望んでいました。

前回からの続きがいまひとつスムーズじゃなかったけど
後半からはいいリズムと内容で引っ張っていく。

最後のオチというか流れがちと強引のような気もするけど
おそらく途中からエイティーンの内容を意識して、変えたと思われ。

エイティーンに期待。

内容(「BOOK」データベースより)
早苗は成績重視・結果主義の剣道強豪高へ、香織は個人主義から部に忠義を尽くし始める。ふたりの武士道の時代(研究中)が幕を開けた―。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、正面打ち二本目。

2009年8月8日土曜日

三匹のおっさん 有川 浩

読み応えのある短編。
内容はよくある話だけど、オチとかはイマドキ。
スカッとする作品もあれば、こうするしかないだろうな~というオチがあったり
いろんな面をもっている。

よくある探偵倶楽部的な話ではなく、人情ものとイマドキの考え方が
うまくミックスしている。

読み応えのある短編をお求めの際はどうぞ


内容(「BOOK」データベースより)
「三匹のおっさん」とは…定年退職後、近所のゲーセンに再就職した剣道の達人キヨ。柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主シゲ。機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者ノリ。孫と娘の高校生コンビも手伝って、詐欺に痴漢に動物虐待…身近な悪を成敗。

2009年7月26日日曜日

武士道シックスティーン 誉田 哲也

ひさしぶりにヒット。
元々自分が剣道をしていたというのもあるけど、それを除いても
青春小説として面白い。

特に女性の武士道の考え方が両極端で、その中でも高校生なりの
シーンがあって読み応えアリ。


内容(「BOOK」データベースより)
「ようするにチャンバラダンスなんだよ、お前の剣道は」剣道エリート、剛の香織。「兵法がどうたらこうたら。時代錯誤もいいとこだっつーの」日舞から転身、柔の早苗。相反するふたりが出会った―。さあ、始めよう。わたしたちの戦いを。わたしたちの時代を。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、正面打ち一本。

2009年7月25日土曜日

死刑基準 加茂 隆康

だいぶグロイ。
なんで女性は読まないほうがいい。

だだ、その箇所を除けば重く、社会性も高い作品。
読み応え、また推理モノとしてもいいできになっている。

正直、こんなグロイ箇所をわざわざ書かなくてもまったく
問題ないのに。。。


内容紹介
練馬区の住宅街で、弁護士の妻が強姦、殺害された。百二十人体制の捜査本部が犯人像を炙り出す。
やがて逮捕、起訴された男には、粗暴犯の前科と我が子を殺された過去があった。しかし、強姦容疑は認めたものの、男は殺人は頑固に否認する。執拗に「死刑」を求める検察。はたして、被告人の主張は虚偽なのか。
迫真の警察捜査!そして法曹界の友情と裏切り、愛憎と陰謀を鮮やかに描き切った驚きのページターナー!
現役弁護士が放つはらわた熱くなるリーガル・サスペンスの一級品。

2009年7月21日火曜日

モダンタイムス   伊坂 幸太郎

評判もものすごく高く、自分もモーニングに連載していた当時から読んでいた。

相変わらず浦澤作品のようにプロットを投げっぱなしジャーマンのように
次から次へと出し続け、最後は、そうするしかないよなー的なオチが
待っている。

一時期に比べて、精度や推理的な要素、また複線がいろんな箇所が
絡まってくるというところがものすごくすくないけど、会話やリズムは
相変わらず天下一品。

それだけを楽しみに読む、ということでいいかも。
最後の2行だけは、考えたんだろうなーって思った。逆にそれだけ。

内容紹介
検索から、監視が始まる。 漫画週刊誌「モーニング」で連載された、伊坂作品最長1200枚。

2009年7月15日水曜日

いつかパラソルの下で 森 絵都

ほのぼのと話は進む。
登場人物の過去や背景でちょろちょろと考えさせられる
箇所もあるけど、そんなに重くならないよう、いいリズムを
キープしている。

そこは森先生のうまさか。

オチを期待するというより、家族愛というか、家族系小説を楽しむ感じ。


内容(「BOOK」データベースより)
柏原野々は天然石を売る店で働く25歳の独身女性。厳格な父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出していた。その父も亡くなり、四十九日の法要を迎えようとしていたころ、生前の父と関係があったという女性から連絡が入る。世間一般にはありふれたエピソードかもしれないが、柏原家にとっては驚天動地の一大事。真偽を探るため、野々は父の足跡を辿るのだが…。森絵都が大人たちの世界を初めて描いた、心温まる長編小説。

2009年7月12日日曜日

無人地帯(ノーマンズランド) 永瀬 隼介

紹介文とはちと違う、土地開発と自然保護、サイコと過去の人間関係が入り組んだ
サスペンス。

展開も面白く、奥深い箇所もあるけど、、オチが弱いかも。。


内容(「BOOK」データベースより)
格差社会日本の象徴、崩壊する地域社会に、かつての同窓生たちが集まってくる。無人地帯と化したのは風景か?人の心か…?現代にコミットする作家の情念がきらめく!大自然に圧倒される邪悪な狂気。ウルフドッグが加えた残酷な制裁。

2009年7月10日金曜日

月への梯子 樋口 有介

元々低い主人公の知能レベルがある事件をきっかけにグイグイ上がって
そのことも関連して、周りの人の見方も変わって、、、って
感じなんだけど、リズムがいまひとつ。。

ネタときり方、展開も悪くないけど、完全に個人的に
リズムが合わなかった。
ただ、好きな人はいると思う。
評価も高い。


内容(「BOOK」データベースより)
知能は小学生程度だが、死んだ母親が遺してくれた小さなアパート「幸福荘」の管理人として、平和に暮らしていたボクさんこと福田幸男、四十歳。ところがある日、アパートで殺人事件が起きたことをきっかけに、ボクさんとその周辺に、驚くべき変化が起こりはじめる…。哀切に満ちた長篇ミステリー。

2009年7月6日月曜日

美女と竹林 森見登美彦

エッセイですね、これは。
正直、あまりにも退屈でかつ不思議系だったので、、、
半分でやめました。。




内容(「BOOK」データベースより)
美女に会ったら伝えてくれ。俺は嫁を大事にする男だと。妄想と執筆に明け暮れた、多忙にして過酷な日々。森見登美彦氏を支えてくれたのは、竹林であった。美女ではないのが、どうにも遺憾である。虚実いりまぜて、タケノコと一緒に煮込んだ、人気文士の随筆集。

2009年7月3日金曜日

ミハスの落日 貫井 徳郎

なぜか、翻訳モノを読んでいる気がした。
それは、設定が海外だから、というより、表現方法や
言い回しがよくある「翻訳モノ」っぽかったから。

内容は薄いながらも、まあまあ楽しめるちょい推理、ちょい
サスペンス。

どちらかというと、作家の接待で出版社が海外旅行に連れて行き
その埋め合わせで作品を書いた、って感じなので、旅行記として
読んでもいいかも。。。

出版社 / 著者からの内容紹介
突然の呼び出しは、面識のない相手からだった。名前だけなら誰でも知っている会社の創業者で財界の実力者。不可解な思いを抱きつつ訪問すると、年老いた紳士は、ある事件について語り始めた。私の母が関わっていたとされる、三十年以上も昔の、信じがたい密室殺人の真相を……。表題作他、五つの都市に響き渡る、五つの悲鳴。


2009年7月1日水曜日

エスピオナージ 麻生 幾

めずらしく、ロシア外事系のサスペンス。
臨場感あり、現場感ありで、思想や政治的背景などのめんどくさい
話はほんとどなく、アクションミステリーとして純粋に楽しめる。

スパイ攻防はリアルに描かれているので、そのあたりも是非。



内容(「BOOK」データベースより)
ソ連崩壊に伴い悪名高きスパイ組織KGBも消滅した。だが、その使命は後身であるSVRに引き継がれ、その牙は今も日本に向けられている―警視庁外事第1課第4担当を率いる水越紀之警部は常にその信念を揺るがすことなく、ロシアの諜報活動を阻止するための捜査に全身全霊を捧げていた。ある日、水越は二年間追い続けたSVR機関員デミドフの検拳に成功する。束の間の勝利に浸る水越だったが、それは大きな問違いであった。その検拳は、何年にもわたって外務省幹部に諜報接触を試みていた大物工作員“渡り鳥”につながる端緒を失うことを意味していたからだ。大失態を取り戻すべく懸命の捜査を行う水越たちがやっと掴んだ手がかり。それはどう見ても普通の主婦にしか思えない小野寺美津江という女の存在だった。だが美津江、そしてその夫である敦史の捜査は困難を極める。彼らを幾重にも覆っていた謎が解け始めた時、隠蔽され続けた悪魔の所業が明らかになる…。運命と国家のエゴに翻弄された男女の愛が導き出した答えとは?現実の事件を元に、秘められてきた警察の“裏”捜査を描き尽くす、リアル諜報ミステリー誕生。

2009年6月28日日曜日

会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ   齊藤 正明

これは面白い
久しぶりの一気読みだった。

誰が読んでも面白い、堅苦しくない。
マグロ漁船の「船員」からもれる心を突き刺す提言がなぜかはまりすぎて笑ってしまう。

どの一言も、どのエピソードも納得できる、というか啓蒙系の納得ではなくて
「あるある すごいなあ、この比ゆと一言」っていうストンと落ちて面白い。

会社生活を1度でもした人は必ず、そうでない人も、是非。


内容紹介
ある日、ひょんなことから、マグロ船に乗るハメになった会社員の私。一度、出港したら40日以上も陸地に戻ることはおろか、逃げ出すこともできない。病院もなく、遊興施設もなく、コンビニもない、陸上とは180度異なる船上での生活は、極度にストレスの溜まりやすい空間だが、そんな場所だからこそ、漁師たちのコミュニケーション術やストレス対処法があった。大自然に立ち向かい、常に命を懸けで仕事に取り組む漁師たちの口からは、時に重みのある人生哲学も語られる。船上で目にし、耳にしたこととは一体……。


2009年6月25日木曜日

ザ・万歩計 万城目 学

大好きな作家のエッセイです。

ただ、、エッセイはそんなに得意ではないのか、それともリズム
があわないのか、ほとんど印象に残るエピソードなし。。

エッセイは「おかしな二人」がベストだったなあ。。

内容(「BOOK」データベースより)
オニを遊ばせ鹿に喋らせるマキメ・マナブのマーベラスな日々。初エッセイ集。

2009年6月20日土曜日

ステップ 重松 清

重松作品にしてはあまり「泣かせよう」としていない作品。
あらすじは設定は、いかにも、という感じなのに、薄く軽く
日常を描いている。

まあ、人によっては感動するかもしれないけれど、重松作品
の中では、中どころ。

内容(「BOOK」データベースより)
結婚三年目、妻が逝った。のこされた僕らの、新しい生活―泣いて笑って、少しずつ前へ。一緒に成長する「パパと娘」を、季節のうつろいとともに描きます。美紀は、どんどん大きくなる。


2009年6月18日木曜日

究極の勝利 清宮 克幸 (著)

早稲田ラクビーを論理的に改革し、実績を残した人のノウハウ本。

元々有名な人なので、どのくらい中身が詰まっているか
期待して読んだけど、期待以上のつまり具合。

ラクビーに固執するのではなく、チームマネージメント
という面で優れていた。

ただ、残念なことに途中からちょっと精神論的なことや
叙情的な章がちょろちょろあるから、息抜き以上にある。

もっとケースごとのノウハウがあるとうれしかったなあ。。。


内容(「BOOK」データベースより)
素人集団から史上最強に!5年間の改革の全記録。

2009年6月15日月曜日

プロジェクト・ホテル 窪山 哲雄

元々ホテル経営が好きなので、立ち上げやら建て直しやら
楽しく読ませてもらった。

ただ、そんなに文章力がないので、盛り上げや流れはちと悪い。
ネタ本だと思って、取れるようなノウハウをもらうという
考えで読むのがいいかも。



出版社/著者からの内容紹介
拓殖銀行破綻のあおりを受けて閉鎖されたリゾートホテルが、4年余を経て、2002年6月に再生する。本書は、ホテル運営会社社長の著書が、離散と出会いを繰り返しながら不況下で再生の道を歩む人間ドラマである。
  著者の窪山氏は、日本ではめずらしい“ホテル運営会社”の社長で、ホテルオーナーから運営を受託し、自社のブランド、社員を使ってホテルを運営している。窪山氏は、ハウステンボス内の5つのホテルを運営する会社の社長を辞めて、’97年に北海道洞爺湖畔にあるホテルの運営をまかされた。素晴らしい立地条件のリゾートホテルだった。だが、’98年3月、北海道拓殖銀行破綻のあおりを受けて閉鎖に追い込まれてしまう。そして、苦闘の4年余を経て、この2002年6月に新しいホテルとして生まれ変わることになった。  本書は、道内の経済停滞、有珠山噴火による観光不況という逆境下で、離散と出会いを繰り返しながら再生の道を歩む人間ドラマである。

2009年6月11日木曜日

本当は恐ろしい江戸時代

さまざまなネタが詰まっているので、どこから読んでも面白い。
一般的なネタはももちろん入っていて、そこを踏まえつつ、表題通り
怖いネタがある。


刑罰ばかりでもなく、生活レベルやインフラ周りも書いてあり、歴史好き
には問題なく楽しめるかと。


内容(「BOOK」データベースより)
「人と人とのやさしい心遣いの表現である江戸しぐさ」が公共広告で紹介されたり、「江戸時代はエコロジー社会だった」という見直しがされたりと、江戸時代をあたかもユートピアであるかのように思わせる風潮がある。でも、ホントにそんなにいい時代だったのか、いささか美化しすぎではないだろうか…。実はこんな一面もあった、こんなに住みにくく、生きづらい世の中でもあったという観点から、江戸時代のもうひとつの実像をあぶり出す。歴史マニアも目からウロコの、びっくりエピソードが盛りだくさん。


2009年6月5日金曜日

そうだ、葉っぱを売ろう! ~ 横石 知二 (著)

うわさの地域再生ネタでした。
元々テレビや雑誌でよく取り上げられていたので、なんとなく
知っていたけど、本を読むとほとんど作者のおかげっていう
アピールになったいるのがちと残念。

事実だろうけど、読む限りは全て作者が寝食を忘れて
取り組んで命がけで進めておかげ、ってことらしい。

ただ、やっていることは参考になることばかり。
現場を足しげくかよい、検証して外堀を埋めて実行する。
ビジネス本としても面白い。

地域再生とビジネスの勉強をしたい人には是非。



内容(「BOOK」データベースより)
男は朝っぱらから大酒をあおり、女は陰で他人をそしり日々を過ごすどん底の田舎町。この町でよそ者扱いされた青年が、町民の大反発を買ったことから始まった感動の再生ストーリー。今では70代、80代のおばあちゃんたちが、売上高2億6000万円のビジネスを支え、人口の2倍もの視察者が訪れる注目の町に変貌した。著者が二十数年かけて成し遂げた命がけの蘇生術の全貌が明らかになる。

2009年6月4日木曜日

I love you (単行本) 伊坂 幸太郎 (著), 石田 衣良 (著), 市川 拓司 (著), 中田 永一 (著), 中村 航 (著), 本多 孝好 (著)

久しぶりに読んだいろんな作者の短編小説群。

元々よく読む人たちばかりというのと、内容の濃さや展開のパターンが
似た人が多いので、サクサクと穴もなく読み終えました。

どれも人気の作家ばかりなので、うわさの作家だけどちょっとまだ
手が出せない人は、まずここからどうぞ。



内容(「MARC」データベースより)
恋愛には物語がある。初めて異性を意識しはじめたとき、そして別れを予感したとき…。さまざまな断片から生まれるストーリーを、現在もっとも注目を集める6人の男性作家たちが紡ぐ、書き下ろし恋愛アンソロジー。

2009年6月3日水曜日

別冊 図書館戦争〈2〉 ~有川 浩

やっと読み終わりました。

当然のことながら大満足です。
シリーズ全て読破したので、ある意味感無量です。これで終わってしまうのは
非常残念だけど、まあ新しい敵でも現れない限り難しいかも。

短編としていろんなエピソードが織り込まれ、当然柴崎手塚の話も
きちんと処理されている。
柴崎がいろいろあった箇所は微妙に強引な気もしたけど、これは
オチを強固なものにするためには仕方なかったのかも。

「別冊」なんで本来の有川先生の「王道ラブコメ」をお楽しみください。


内容(「BOOK」データベースより)
大好評『図書館戦争』シリーズ、スピンアウト第2弾!そんで、結局あの人たちは?これにて幕引き。

2009年6月2日火曜日

TOKAGE 特殊遊撃捜査隊~ 今野 敏

もっとスリリングかと思いきや、そうでもない微妙な展開。
どうやら奥が深そうな人物構成なんだけど、これが初見だから
いまひとつ分からず。。

ネタオチも微妙だったので、淡々と流してしまった。。



内容(「BOOK」データベースより)
身代金の要求額は、10億円―。大手都市銀行の行員3名がさらわれた。警視庁捜査一課の若手、上野数馬は覆面捜査専門のバイクチーム「TOKAGE」の一員としてはじめての誘拐事件に挑むが…。

2009年6月1日月曜日

ブラックリスト 終わらない追跡 ~ムギ

簡単に金融系のエピソードが読めてさらにためになる。

口語調なのでさくっと読みやすくリズムもいい。
7つのエピソードがあるのでどれかしらには納得するかも。
ネット系を敬遠しているけど、どんなものか一度は試してみたく、流行を知りたい人には是非。

↓↓
内容(「BOOK」データベースより)
債務者VS債権者。愛と笑いの仁義なき戦い。あの手この手を使って逃げ回る不倫カップル、一度も返済をしないまま姿を消した元風俗嬢、債務者たちを匿う施設…。元消費者金融マンが、個性的な債務者たちから刑事顔負けの追跡力でお金を回収していく当時の様子を、ユーモアと臨場感にあふれた筆致で綴る。「モバゲータウン」で累計800万超閲覧、歴代総閲覧数ベスト10ランクインを記録した超人気作品。


2009年5月25日月曜日

さまよう刃 ~ 東野 圭吾

実はこれ、東野作品で唯一手を出さなかった本。
理由はあまりにもテーマが悲しいから。

今回たまたま棚においてあって、直前に死刑本を読んだせい
もあって、飛ばし飛ばし読んでみようと思って借りてみた。

やっぱりつらい描写が多々あったのでそこは本編とは関係ない
ので全て飛ばし、読み進めていったけど、やはりすごい。
筆力は満点だ。

ただ、オチが。。
あまりにも悲しい。救いがない。

まだ読んでない人、読まなくてもいいです。いろんな意味で。

2009年5月23日土曜日

V字回復の経営 ~ 三枝 匡

経営本としては読みやすい。
変わった展開をしつつも、ストーリーが中心なので
下手な経済小説より面白い。

ほとんど実話に基づいているということだったので
経営ってやりようなんだなあ、って思った。

Amazon.co.jp
「太陽産業の役員室で開かれた経営会議は、上期の業績不振にもかかわらず、役員たちに危機感がまったく見られない。かつての花形企業も今は成長が鈍化し、マスコミには叩かれ、学生の人気も失せている。このままでは長い会社の歴史が終わる―― そう判断した香川五郎社長は決意を固め、まず役員人事で大なたを振るったのだったが…」
本書のストーリーは、事業再建を専門にするコンサルタントである三枝が、過去にかかわった日本企業5社の事業改革を題材にしたもの。ストーリーはノンフィションとフィクションの間、つまり5社での体験を素材に、どの企業にもあてはまる「経営改革のモデル・ストーリー」を構成したものである。

本書はフィクションであるが、それを感じさせない強烈なリアリティーを放っている。改革のもと、社内に生じる政治力学、葛藤、抵抗勢力とのかけ引きといった細部が徹底して描きだされているのだ。著者はストーリーの進行に合わせて組織硬直化の「症状」を分析したり、改革の「要諦」をまとめたりして、逐一処方箋を示していく。

ストーリーは、現実の直視と分析、先導者の組織化、改革コンセプトの共有、戦略の意思決定、改革シナリオの現場への落とし込み…という改革のモデルパターンをたどって進む。自ら改革すべき企業の代表取締役となり、リスクと利害を共にするコンサルティングスタイルを取る三枝ならではの経験と知識がストーリーの中に凝縮されている。

2009年5月20日水曜日

シグナル ~ 関口 尚

うーん。。。
本当にどうした、この本運のなさは。

いや、今までの3冊に比べれば読み応えはあったけど
内容の薄さとありきたりなオチでがっかり。

これなら途中でなんでもありだなあ、と思う。


内容(「BOOK」データベースより)
地方都市の映画館でアルバイトを始めた恵介。そこで出会った映写技師の杉本ルカは、外へ一歩も出ることなく映写室で生活しているらしい。バイト採用の条件は、不可解な三つの約束を守ることだった。―切なく胸を打つ、感動の青春ミステリー。


2009年5月18日月曜日

神様のいない日本シリーズ 田中 慎弥 (著)

最近どうも調子が悪い。。

一応読んだ、そんな作品。
文章量の少なさをレイアウトでカバーしていて中身がすかすか。
(見た目の話)

で、すべて口語で展開しているので、途中でつらくなる。
いや、口語だからというよりも筆力のなさを口語でごまかしているような
文学っぽいニオイを出しているような。。

ライ麦畑系というか太宰というか。

オチもまったくなく、家族愛かと思いきや、ある意味で驚愕のラストを迎える。

最初の10p読んで、最後の3pだけ読んでください。

内容(「BOOK」データベースより)
野球賭博絡みのトラブルがもとで失踪した父親から少年のもとに葉書が届く。「野球をやっているか」。父親の願いを適えるべきか、野球を嫌悪する母親に従うべきか。少年の心は揺れる。そんななか、少年は憧れの同級生とある劇を上演することになった…。いまもっとも注目を集める作家が描く親と子の迫真のドラマ。


2009年5月16日土曜日

感動をつくる―ディズニーで最高のリーダーが育つ10の法則 ~ リー・コッカーレル

よくある外資系のおっちゃんが好き勝手に自慢話をしている、そんな話。
本当かどうかは分からないけど、どうも信用できない、そんなトーンで
続く。

途中であまりのいやみ+自慢加減で飽きてしまいました。。

内容紹介
世界中の企業が顧客満足のヒントを求めて集まるのが、ディズニー・インスティチュート。ディズニーで培った経営ノウハウを教える同機関は、とりわけリーダーの重要性を説く。卓越したサービスの裏には、リーダーの緻密な活動がある。同社の人材育成の仕組みを初公開。

2009年5月15日金曜日

聖域 ~ 大倉 崇裕

山の話
そう書いてしまっておしまいで大丈夫な話。

レビューがよかったので読んでみたけど、微妙。。。
山にこだわるならもっと山のシーンで深堀してほしいし
ミステリーとしてたたせるのなら奥行きが足りない。

どっちつかずでした。

内容(「BOOK」データベースより)
「安西が落ちた」好敵手であり親友でもあった男の滑落の報せに、草庭は動揺する。認めたくない事実を受け入れようとした瞬間、草庭の頭に浮かんだひとつの疑問―安西はなぜ滑落したのか?彼の登攀技術は完璧だった。山に登る上で必要な資質を、すべて具えた男だった。その安西が、なぜ?三年前のある事故以来、山に背を向けてきた草庭は、安西の死の謎を解き明かすために再び山と向き合うことを決意する。

2009年5月11日月曜日

誘拐 ~ 五十嵐 貴久

途中からオチは分かりました。というか、誘拐が始まった瞬間から分かったような感じ。
その点、プロットは弱いけど、筆力はあるし、展開や流れも見事なので、オチ探しをしな
ければ読む価値あり。




出版社 / 著者からの内容紹介
現職総理大臣の孫が誘拐された。犯人は旅行代理店をやめたばかりの秋月。いわゆる「普通の」男が、なぜ大それた事件を起こしたのか。秋月の要求は政府を混乱の渦に落とし込む。現代ならではの身代金奪取の方法も読みどころのひとつ。“ミスター・エンターテインメント”の名をほしいままにする著者が描く誘拐劇。ベストセラー『交渉人』を凌ぐ面白さ!

2009年5月10日日曜日

死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う ~ 森達也

正直、微妙。。
内容がとにかく薄い、そして眠い。

もしかして、わざとそうしたのかも知れないけど、本当にこの問題に
興味を持った人には物足りない。

万人のための入門の入門くらいなら、よし。
そうでないなら、ちとつらい。

ただ、インタビューをしている人は著名な「社会事件」にまつわる人たち
が多いので、その点では興味深いし、新しい発見もある。
死刑の一般的なことは手続き上のことも細かい描写を交えて
記載しているので、最低限のところは抑えている。

著名な作者だったので期待しすぎたのか。。。



内容紹介
知っているのに誰も知らない、僕らが支える「死刑」というシステム。
できる限りは直視したい。知ったうえで考えたい。
罪とは、罰とは、命とは、何だろう?
著者渾身の書き下ろし最新作。死刑をめぐる三年間のロードムービー。

2009年5月8日金曜日

福音の少年 ~ あさの あつこ

いや~ あさの先生の作品とは思えないほどのシリアス展開。
重ーい内容、、、。

そして悲しいことにオチが弱い。最後の10pくらいまで
「あら、、これ、ちゃんと終わるんか、それとも続編があるのか」ってくらい
引っ張る。

最後は、、あわただしくいきなり終わっていく。。
出てこなくてもいいような登場人物や、思わせぶりな展開が良く出てくるので
正直、モンスター(浦澤)のような感じ。。

ただ、最後以外は面白いので筆力だけでもってった、そんな感じ。


内容(「BOOK」データベースより)
16歳の明帆は同級生の藍子と付き合っている。だが二人はすれ違ってばかりで、明帆は藍子の幼なじみの少年・陽に近づいていく。ある日、藍子のアパートが火事で全焼し、藍子も焼死体で発見される。不可解さを感じ、真相を探る明帆と陽だが―。「死んでほしゅうない。おまえに生きていてほしい。おれは、おまえを失いたくないんや」友情でもなく、同情でもなく、仲間意識でもない。少年たちの絆と闇に迫る、著者渾身の物語。

2009年5月6日水曜日

愛しの座敷わらし ~ 荻原 浩

タイトルは変だけど、基本は家族再生の話。
家族のそれぞれが悩みを抱え、それぞれ一人称で展開していく。

個別の悩みや、葛藤などがあわられて、みんなが独立した短編に
になりつつ、サイドストーリーにもなり、いろんな角度から楽しめる。

座敷わらしはあくまでもエッセンス。
ただ、最後で少し微妙なオチが。


内容紹介
生まれてすぐに家族になるわけじゃない。一緒にいるから、家族になるのだ。東京から田舎に引っ越した一家が、座敷わらしとの出会いを機に家族の絆を取り戻してゆく、ささやかな希望と再生の物語。朝日新聞好評連載、待望の単行本化!

2009年5月5日火曜日

泣き虫しょったんの奇跡 サラリーマンから将棋のプロへ ~ 瀬川 晶司

素人の自叙伝の割には、エピソードの入れ方や展開の見せ方が見事。
強弱、山谷あって面白い。

将棋の世界も垣間見れ、そこからの人間もようが面白かった。

将棋を少しでも知っている人にはお勧めだし、異文化を知りたい人にもいいかと。


出版社/著者からの内容紹介
26歳で一度死んだ男は、35歳で夢をかなえた。
彼はなぜ「将棋のプロ」という夢を追ったのか。その将棋に殺され、将棋を憎んだ彼はなぜ再び立ち上がることができたのか。
無気力だった少年が歴史に残る奇跡を成し遂げるまでの成長と挫折と再生を、彼を支えた信じられないほどいい人たちとの交流をまじえて綴った感動の自叙伝!

2009年4月30日木曜日

告白 湊 かなえ

読みました。やっと読めました。今年というか去年ですが、もっとも読みたかった作品でした。

そして、、期待以上でした。多くのレビューどおり、すごいです。
本当にすごいとしかいいがない。

筆力といい、リズムといい、展開、複線、エピソード、オチ、どれをとっても
パーフェクトです。

実は一番びっくりしたのが、これが最初は読みきりで、そこからもう一回
連載して、最後の3篇は書き下ろしだったこと。

つまり、最初はこの展開やオチは予想していなかったこと。
それでこんなすごい作品(連作というか、長編になっているけど)になるなんて、すごい。

ぜひ読んで下さい。
↓↓↓

内容紹介
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。

リンクに表示されるテキスト

2009年4月29日水曜日

東京島 ~ 桐野 夏生

やっと読みましたよ、ベストセラー。
シュチュエーションが面白そうだったので、待ち焦がれていました。

読み始めると、、、微妙な流れ。
奇抜なシュチュエーションと状況説明、そこで想定できる何でもありのネタ
でグイグイと持っていって、オチは何でもできるだろ、これって感じで
途中であきつつも何とか最後まで読んだ。

予想通りというか、予想外でも
あっそ
って感じのオチ。

最近この手の話が増えているなあ、。。
面白そうなシュチュエーションを考えたモン勝ちだね。
そこに良くあるネタや人間模様を10個くらい入れたらいいんだもの。


内容(「BOOK」データベースより)
32人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か?いつか脱出できるのか―。食欲と性欲と感情を剥き出しに、生にすがりつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読者の手を止めさせない傑作長篇誕生。


2009年4月27日月曜日

レインツリーの国 ~ 有川 浩

完全な恋愛小説。
さすがに有川先生の恋愛モノが続いたので少し飽きたかも。。

そんなにズッキューンというわけでもなく、「そっかー」くらいの
ネタとせつなさ。

盛り上がりという意味ではもう一つ、って感じ
↓↓↓

内容(「BOOK」データベースより)
きっかけは「忘れられない本」そこから始まったメールの交換。あなたを想う。心が揺れる。でも、会うことはできません。ごめんなさい。かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった―。青春恋愛小説に、新スタンダード。

2009年4月26日日曜日

東京番外地 ~ 森 達也

ドキュメンタリーで有名なディレクターの話で、前に同じ人の面白い作品を
読んでいたのである程度安心していたら、まったく別。

単なるエッセイ、、、、そしてうすうす。。

最後は読みませんでした。

↓↓
内容(「BOOK」データベースより)
要塞へと変貌する東京拘置所、静謐な祈りが満ちるイスラム寺院、再開発の喧騒に埋もれる食肉市場、61年目を迎えた戦禍の慰霊碑…。第一線の映像作家が辿る、都会の境界。不夜城のネオンにふらつき、ドヤ街の路上で酒を呑み、炎天の雑踏に漂い、そして隣人たちの息吹を感じる。現代の15の情景を活写した極私的ドキュメント。

2009年4月24日金曜日

白い砂丘 ~ 長野 慶太

経済小説としての深みがいまひとつだけど、渡米した理由やサブストーリーが
切なく、いろんな要素が入り込むので、そこでなんとかカバー。

ただ、経済小説と紹介するなら、もっと深堀して生々しいやり取りがほしかった気もする。
自作に期待。
↓↓

内容紹介
亡き父、最愛の娘。企業を舞台にした新小説
「和也」は商社から転職してきたエリート。亡き父の影、アメリカ人妻そして最愛の娘との別離――。外食産業の日米合弁交渉を舞台に、人間の欲、業、情が描かれる、経済小説を超えたエンターテインメント!

2009年4月23日木曜日

死墓島の殺人 ~ 大村 友貴美

正直、「うーーん・・・」

読みにくいのが最大の欠点。
これは個人的な話だけど、どうにもリズムが合わない。
何をどう伝えたいのか、いまひとつつかみきれず、どこに主眼を
おいて読み進めていいのか。。

期待感という意味ではなんの連続性もなく、途中でやめてしまいました。
久しぶりです、オチを読まなくてもいいと思った小説は。

↓↓

内容(「BOOK」データベースより)
岩手県沖の小島、偲母島。この島の断崖で、島長の海洞貞次の他殺死体が発見された。捜査のために偲母島に渡った藤田警部補は、この島が地元の人々から「死墓島」という不吉な名前で呼ばれていることを知る。その名の由来は、島に残されたおびただしい数の墓石だった。なぜこんなにも多くの墓石が残されているのか?閉鎖的な島民たちを相手に捜査を開始した藤田は、次第に死墓島の裏の歴史を知ることになる。横溝正史の正統な後継者が描く、傑作長編推理。

2009年4月22日水曜日

スキップ ~ 北村 薫

正直、面白かったけど、、、、悲しい。。

大人たちはものすごくずきーーんと、、高校生たちなら、悲しすぎて切なくなる話だ。

読む価値は多いにある、ありすぎる。
同じようなテーマで「秘密」があるけど、あっちもすごいがこっちもすごい。
(せっかくなので、この次は「秘密」を書きます)

まあ、名作ってやつはいろんな角度であるもんだ、そう実感するいい作品でした。


内容(「BOOK」データベースより)
昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた。目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ―でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、『わたし』を生きていく。

2009年4月19日日曜日

秘密 ~ 東野 圭吾

読んだのは、初版のときだったのですごく前だけど、今でも明確に感動がよみがえる。

今まで読んだ作品の中でもベスト3に入る作品。もっとも感動した小説ということなら
この作品が1位だ。
読み終わった後、立てなかったし、何も言えなかった。

映画にもなったので敢えて説明しないけど、表題の「秘密」の本当の意味と
映画とは違う、せつなすぎるオチを是非確認してみてください。

必読!


2009年4月18日土曜日

海の底 ~ 有川 浩

設定は面白い。
だって、巨大えびが暴れるんですもの。

ただ、話は大真面目。そして最後ものすごい、ある意味期待通りの
オチが。

エンタメ好きは絶対面白い。変な偏見を持たずに素直にエンタメとして
読むと一気読み間違いなし。
↓↓


内容(「BOOK」データベースより)
4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく―ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。


2009年4月14日火曜日

幕末裏返史 ~ 清水 義範

何気にタイトルだけで借りました。

ただ、思ったより面白い。
最初、フィクションだと思ってなかったので、最後の最後まで気がつかなかった。
主人公を中心に面白いネタや歴史の「IF」が満載で、幕末好きには新たな
発見があるかも。

↓↓

内容(「BOOK」データベースより)
大の日本贔屓のフランス人、アナトール・シオン。国禁を犯して海を越え、憧れの日本にやってきた。時は幕末、開国前夜。彼は「愛する日本」のため、幕府の知恵袋となる。昼は盛装して天皇に拝謁、夜は頭巾を被って尊王の志士を助けたり、と大活躍。その働きが運命の歯車に不思議に作用し、ついに日本の歴史が「ひっくり返る」瞬間が。

2009年4月13日月曜日

戦場から女優へ ~ サヘル ローズ

書評やインタビューが面白かったので借りてみました。


波乱万丈で、ものすごい半生だけど、、、内容が薄い。。
書き物慣れしていないのが最大の原因。

いいエピソードやドキュメンタリー向けのネタの宝庫なのに
生かされていない。
もったいないなあ。。

↓↓

内容(「BOOK」データベースより)
戦争、空爆、孤児院、ホームレス、いじめ…。「滝川クリサヘル」の別名でも知られるイラン人タレントの数奇な人生。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ローズ,サヘル
1985年10月21日生まれ。イラン出身。89年、イラン・イラク戦争での空爆により、住んでいた村が全滅、ただ一人、ボランティアの女学生に救出され、孤児院に。この女学生に養女として引き取られるが、養母が両親から勘当される。93年、日本で働く養母の婚約者を頼り、二人で来日するも、今度は「連れ子」の存在が原因で離別。その後、公園でのホームレス生活、クラスメートからのいじめ等を経験。高校在学中よりJ‐WAVE「GOOD MORNING TOKYO」のレポーター等の活動を開始。07年、日本テレビ「The・サンデー」内の「週刊!男前ニュース」に「滝川クリサヘル」として出演し注目される。現在、テレビ、ラジオ、CM、舞台等で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


2009年4月12日日曜日

別冊 図書館戦争〈1〉 ~ 有川 浩

まずは1から。
図書館戦争での二人がどんな風に結婚まで行くことになったのかを連作形式で
つづっている。
まあ、有川先生の作品群から考えればまったく問題ない流れ出し
内容もいいけど、図書館戦争の感動系から考えるとちと違和感があるのも事実。

ただ、先生自身もそのことは重々理解していて、甘甘覚悟、らしい。


内容(「BOOK」データベースより)
『図書館戦争』スピンアウト・別冊シリーズ第一弾!武闘派バカップル恋人期間の紆余曲折アソート

2009年4月10日金曜日

危ないお仕事! (新潮文庫) ~ 北尾 トロ

なぜか借りてしまった。。。

文学コーナーじゃなく生活のコーナーにあった。
まあ、ネタ探し的には面白いかもだけど、そんなに
深いエピソードがあるわけでもなく、読み応え的には
3割程度。。。

立ち読みで十分かと。

内容(「BOOK」データベースより)
超能力セミナー講師、タイの日本人カモリ屋、彼らは巧みな話術で人々をとりこにする。スレスレ主婦モデル、ダッチワイフを創る人形師、彼らは男たちの欲望に火を点け、お金に換える。警察マニアは無線を傍受し勝手に追跡、汁男優は“発射”に職業人のプライドをかける―。知られざる“仕事師”たちの実態が、今ここに明かされる。著者による、新聞拡張団・冷や汗体験記も収録。


2009年4月9日木曜日

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ ~ リリー・フランキー

偶然図書館に、ほろっとあったからつい借りてしまいました。
ただ、、まあ、ここまで売れる話じゃあないなあ。。


個人的には嫌いじゃないし、泣かせようとしている話じゃなく
単純に作者が思い出話を書いているという感じ。

リリーフランキーのファンには面白いし、マスコミ系の
ニオイが好きな人にもいいかも。

ただ、オカン系や泣きたい話、感動する話を読みたい人にはお勧めできない。
だってもっと数倍いい本が山のようにあるから。

↓↓↓

出版社 / 著者からの内容紹介
読みやすさ、ユーモア、強烈な感動! 同時代の我らが天才リリー・フランキーが骨身に沁みるように綴る、母と子、父と子、友情。この普遍的な、そして、いま語りづらいことがまっすぐリアルに胸に届く、新たなる「国民的名作」。『en-taxi』連載、著者初の長編小説がついに単行本化。

2009年4月8日水曜日

塩の街 ~ 有川 浩

有川先生のデビュー作、やっと読みました。
そして、不満点なし、満点です。

不条理の世界の中でいろんなエピソードがあり、それらが有機的に結びついている。
元々は冒頭も一遍が大賞を撮ったようだが、それを加筆して、さらに
ハードカバーとして出版するためにエピソードを増やしたらしい。
(最後に出版までの道のりを作者が語っているので、是非一読を)

なんで、ちょっと強引というか、「そうきたかあ」みたいな話も
あるけど、オチは見事。

有川先生の小説が好きな人にはまったくもんだいなし。
それ以外の人も是非
↓↓↓


出版社 / 著者からの内容紹介
 塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女。男の名は秋庭、少女の名は真奈。静かに暮らす二人の前を、さまざまな人々が行き過ぎる。あるときは穏やかに、あるときは烈しく、あるときは浅ましく。それを見送りながら、二人の中で何かが変わり始めていた……。
 第10回電撃大賞<大賞>受賞作にて有川浩のデビュー作でもある『塩の街』が、本編大幅改稿、番外編短編四篇を加えた大ボリュームでハードカバー単行本として刊行される。


2009年4月7日火曜日

戦後の巨星 二十四の物語 ~ 本田 靖春

インタビューモノです。

取り上げている人たちが面白そうだったので読みました。
おそらくこのインタビュアーの人は著名なひとなんだろうけど
態度がでかいので、ちょっと不快感あり。

基本的に、マスコミの人が「あなたは」とか「こうだから」
みたいな、上からで話すのは嫌い。

ただ、内容も深堀具合もいい感じなので、好き嫌いを抜き
にすれば面白い本
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出版社 / 著者からの内容紹介
孤高のジャーナリストの対談遺稿集
20年余前の週刊現代「異色対談連載」。美空ひばり、長嶋茂雄、萩原健一、中上健次、ビートたけし、立花隆ら各界巨人たちの「本音」と「真実」に迫る対談集。

2009年4月6日月曜日

追憶のかけら ~ 貫井 徳郎

前にも読んだし、レビューも書いたかもしれないけど
もう一回。

全体的にはいい話。
でも、文体というかリズムがちょっとあたしとは合わない気が。。
途中途中で飛ばしてもいいような複線があったり、どうでもいいエピソード
が読みづらいリズムで入ってくるので、なかなかすーと読み終わるという
わけにはいかなかった。

前にもこの人の作品を何度か読んだ記憶だけど、そんときも
こんな感じだったかなあ。。。。覚えてない。。
悪い印象はなし。
他の作品も読んでみようとも思う。

ネタといい内容といい悪くはないので、たまには違う人の話も
という人は是非。



内容(「BOOK」データベースより)
事故で愛妻を喪い、失意の只中にあるうだつの上がらない大学講師の松嶋は、物故作家の未発表手記を入手する。絶望を乗り越え、名を上げるために、物故作家の自殺の真相を究明しようと調査を開始するが、彼の行く手には得体の知れない悪意が横たわっていた。二転三転する物語の結末は?著者渾身の傑作巨篇。

2009年4月5日日曜日

ソロモンの犬 ~ 道尾 秀介

最初は単純な事件かと思ったら、何気にいろんな複線や絡みがあって
深い話。

大学生の男女グループと先生、小学生の男の子がメインでグルグル
話は進んでいく。

ただ、そんなにひどい描写もオチもないので安心して推理小説を楽しめる。

ドキドキしながらも嫌な感じが残らない推理小説が読みたい人は是非


出版社 / 著者からの内容紹介
さっきまで元気だった陽介が目の前で死んだ。愛犬はなぜ暴走したのか? 飄然たるユーモアと痛切なアイロニー。青春ミステリー傑作

2009年3月25日水曜日

凍える島 ~ 近藤 史恵

良くある密室、分断系推理小説。

オチまではどうでもいいとしても、登場人物の多さや、呼び名が微妙に
似ているような気がして、何度も間違えた。

こんなにいらないような気もするし、人物の書き方が甘いのか。。

推理小説としてはまあまあ楽しめるけど、オチが少し強引で
納得感は少ない。。。
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内容(「BOOK」データベースより)
無人島とはこれまた古風な―とは言い条、お得意ぐるみ慰安旅行としゃれこんだ喫茶店“北斎屋”の一行は、瀬戸内海の真ん中に浮かぶS島へ。数年前には新興宗教の聖地だったという島で、八人の男女が一週間を共にする、しかも波瀾含みのメンバー構成。古式に倣って真夏の弧島に悲劇が幕を開け、ひとり減り、ふたり減り…。由緒正しい主題をモダンに演出する物語はどこへ行く。

2009年3月23日月曜日

パリの調理場は戦場だった ~ 宇田川 悟

70年代くらいのパリを舞台にした、3人のシェフのノンフィクション。
渡仏してから、有名シェフになるまで、それぞれ紆余曲折あり
またフランスの料理界の出世ルール見たいのがわかって面白い。

ただ、3人というところで少し雑多な内容があったり、そんなにドラマチックな
展開もないので、取材不足なのか、筆力がないのか、少し残念。
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内容(「MARC」データベースより)
「グルメ」も「ミシュラン」も日本人にはまだ耳馴れなかった70年代、一群の日本人コックが日本から脱出した。シェフをめざして単身フランスへ渡り、料理修業に悪戦苦闘した3人の若者たちの物語。

2009年3月21日土曜日

影絵の騎士 ~ 大沢 在昌

ちょっと近未来の話なんだけど、特に違和感なく、大沢先生の世界を楽しむことができる。
ただ、途中途中でややこしくなったり、もともとの目的がどんどん薄れてただ単に
暴れたりするハードボイルド的な展開になるのがちとつらい。

謎解きやミステリー的な期待はまったくせず、単に新宿鮫の近未来版を
見ると思って読んだほうがいい。
それなら満点の作品。
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内容(「BOOK」データベースより)
「B・D・T」と呼ばれるスラム化に、東京はむしばまれていた。新東京として何とか再生を果たすが、「ネットワーク」という強大なテレビ機構が、あらゆる産業を牛耳るまでに発展を遂げていた。番組を通じての連続予告殺人が横行。世間の関心を独り占めする。事件の背後に浮かび上がる、謎のグループ「フィックス」、そして日本版ハリウッドともいうべき「ムービー・アイランド」。探偵はひとり、人工島に乗り込む。

2009年3月20日金曜日

誘拐児 ~ 翔田 寛

設定は深い。また昭和の混乱期の話だからもったようなもの。
ちょっと矛盾というか「う?」というところもあるけど、内容的には満足できる話。

また泣かせポイント、謎解きポイントもきっちりあるので、まあ
王道の乱歩賞作品ではないかと。
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内容(「BOOK」データベースより)
終戦翌年の誘拐事件。身代金受け渡し場所、闇市。犯人確保に失敗。そして十五年後、事件がふたたび動き出す―。人間の非情と情愛を見つめる魂の物語。第54回江戸川乱歩賞受賞作。

2009年3月18日水曜日

訣別の森 ~ 末浦 広海

乱歩賞なのである一定の安心感をもって読めました。
ただ、そんなに深いなぞや解読はないので、設定が変わったミステリーを読む感覚。
男女系がうっすらとあるけど、ほとんど別の話。

ただ、絡み合う設定が多すぎたのか、ちょっと物足りない部分もあり。
(自然系あり、自衛隊系あり、男女あり、医療あり、家族あり。。。)

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内容(「BOOK」データベースより)
ドクターヘリの機長・槇村は、墜落した取材ヘリを救出。怪我人は、自衛隊時代にかつて愛した部下・一恵だった。その夜、一恵は入院先から姿を消した―。課せられた「使命」と「魂の絆」の狭間で、男たちが咆哮する!第54回江戸川乱歩賞受賞作。

2009年3月16日月曜日

百瀬、こっちを向いて。 ~ 中田 永一

評価も他紙でも絶賛されていた作品。
確かに短編ものなのでいい作品もあるけど、全体的にはよくある話。

淡々と流れる風景の中で、男女がひっそりと絡み合う、そんな系。
山アリ谷ありを求める人には向かないけど、さりげなくいい恋愛小説が読みたい人は是非。
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内容紹介
恋愛アンソロジー『I LOVE YOU』にて大絶賛された中田永一、満を持しての単行本デビュー!

クラスの中で最も「人間レベル」が低い“僕”は、いわば教室の障害物のようなものだった。いつもできるだけひっそりと気配を消している僕は、このまま女の子と手を繋ぐこともなく、生涯を終えるのだろう…と思っていたが、とあるきっかけで日常ががらりと変わることに。

僕の尊敬する先輩で、学校中の人気者である宮崎瞬先輩…かつては瞬兄ちゃんと呼んでいたが、今はとてもそんなに気安く呼べない…から、ひとつの頼み事をされる。宮崎先輩とつきあっているこれまた美人の神林先輩が、宮崎先輩に憧れている後輩の百瀬陽との仲を疑っている、ついては僕にその百瀬とつき合っているふりをしてくれないか…ということだった。

女の子とろくに会話すらしたことのないこの僕が、百瀬のような美少女とつきあうふりができるのだろうか? こうして二人の擬装された学園生活が始まった。

…しかしそうやってお互い徐々に距離が近づくうち、僕の中に、初めて知った息苦しい感情が芽生え出す。僕は自分にこういい聞かせる。
おまえの気持ちは錯覚だ。おまえは演技にのめりこみ過ぎているんだよ。

いっしょにいてたのしい、うれしい、といった気持ちを遮断するんだ。この騒動が終わったら、またおまえは一人になるんだからな…。(「百瀬、こっちを向いて」)

圧倒的な叙情と奇想! 大型新人が贈る傑作恋愛小説集。

2009年3月14日土曜日

フライング・タワー ~ 亀石 征一郎

最初はテンポなのか構成なのか、ちょっと読みづらかったけど、テーマや設定が
面白かったので、なんとか最後まで読んでしまった。

感動の作品というよりは、ピテカン系の感じ。
そんなに東京タワーのくだりはなくて、そこよりもその前説が以上に長い。
そこを持ちこたえられるかどうかで評価が分かれる。

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内容(「MARC」データベースより)
借金を苦に死を覚悟した、異彩を放つ超破滅的登場人物11人。彼等が東京タワーに立てこもり、不条理な社会を問いただし、なんと一躍国民的ヒーローに! 命を賭けた「最後の遊び」が世界を救う、感動の長編小説。

2009年3月12日木曜日

ファントム・ピークス ~ 北林 一光

モンスター系の作品。
でもモンスターは本当に日本の存在する生き物で、すぐそばにある危機でもある。

実は同じような作品はちょろちょろあるけど、この作品はきちんとミステリとして
要素を備えていて、設定や出てくるプロットもよくできている。

ただ、怖がるだけの話にはなっていないので、+アルファの作品が読みたい人は是非。
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内容(「BOOK」データベースより)
おまえはいったいなんなんだ?なぜここにいる?長野県安曇野。半年前に失踪した妻の頭蓋骨が見つかり、三井周平は絶望していた。しかし、なぜ、あれほど用心深かった妻が、山で遭難し、しかも現場と思われていた場所から、遙かに離れた場所で発見されたのか?…数日後、沢で写真を撮っていた女性が、一瞬目を離した隙に行方不明になる事件が発生。妻の事故との類似点に気づいた周平が捜索を手伝うことになる。しかし、それは、恐怖の連鎖のきっかけにすぎなかった!人間をあざ笑うように、次々と起こる惨劇。山に潜む、かつてない凶悪なモンスターとは―。

2009年3月10日火曜日

ラブコメ今昔 有川 浩

まあ、相変わらずの鉄板小説
有川先生のこの手の話で外すことがない、そのくらい完成度が高い作品。

自衛隊ならではの設定で、きちんと「ラブコメ」している。
ラブコメだけでも楽しいし、軍系のネタとしても楽しい。
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内容(「BOOK」データベースより)
突っ走り系広報自衛官の女子が鬼の上官に情報開示を迫るのは、「奥様のナレソメ」。双方一歩もひかない攻防戦の行方は?(『ラブコメ今昔』)。出張中新幹線の中で釣り上げた、超かわいい年下の彼は自衛官。遠距離も恋する二人にはトキメキの促進剤。けれど…(『軍事とオタクと彼』)。「広報官には女たらしが向いている」と言われつつも彼女のいない政屋一尉が、仕事先で出会ったいい感じの女子。だが現場はトラブル続きで…(『広報官、走る!』)。旦那がかっこいいのはいいことだ。旦那がモテるのもまあまあ赦せる。しかし今度ばかりは洒落にならない事態が(『青い衝撃』)。よりによって上官の愛娘と恋に落ちてしまった俺。彼女への思いは真剣なのに、最後の一歩が踏み出せない(『秘め事』)。「ラブコメ今昔」では攻めに回った元気自衛官、千尋ちゃんも自分の恋はいっこうにままならず…(『ダンディ・ライオン―またはラブコメ今昔イマドキ編』)。

2009年3月7日土曜日

奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ ~リカルド・セムラー (著), 岩元 貴久 (翻訳)

夢のような企業、そして夢のような話。
ほんとにうらやましい、でもこれは社長さんなら誰もが実現できる
ことなんだけど、どうしてもできない、それは「やる気がないから」。

詳細は本を読んでもらうとして、このような取り組みをきちんと実現
できる経営者に私は会いたい。。
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商品の説明
奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ
企業なのに組織図がない、階級がない、人事部がないから社員をコントロールするしくみもない、トップには戦略がない……。そんなナイナイ尽くしの会社がブラジルにあるセムコ社だ。にもかかわらず、売り上げは6年間で3500万ドルから2億1200万ドルへと急成長し、社員の離職率はゼロに近いというから驚きだ。本書では、同社のCEOである著者が“世界で最も風変わりな職場を創り上げた哲学とその方法論を明かす。逆説的かつ非常識な彼の経営手法をどうとらえるか、読者の意見が二分しそうな一冊。


2009年3月6日金曜日

やったモン勝ち!―海外でタイヤキを売るという無謀でささやかなワーキングホリデードリームズ ~ 井上 剛

いや~ひさしぶりに読んだ面白いノンフィクションのビジネスもの。

ビジネスものと言っていいかどうか微妙だけど、旅行モノとビジネスものが
うまく重なっていて、さらにテーマや選んだ場所も面白い。

受けようとしている感じじゃなく、ただあった出来事を書いていることがもう
面白い。

小ネタや事実的な話もあるので、旅行系やビジネスモノが好きな人には是非
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内容(「MARC」データベースより)
開店に至るまでのトライアル&エラー、スーパーポジティブな発想、それを支える緻密で大胆な思考、一人でもできるビジネスの極意などを、盛り沢山のエピソードに織り込んだ読み物。グルーヴ感たっぷりの海外ビジネス体験記。

中庭の出来事 ~ 恩田 陸

展開が複雑なのはいつもどおり。
恩田先生ファンじゃないとまあ読むのはつらいだろう。

もうなれたものなので、「こういうオチだろう」と思いながら
読み進めた。
もちろん読み応えもあるし、ミステリ好きには満足度の高いレベル。
ただ、癖が強すぎる。。

恩田先生の話が好きな人にはどうぞ
↓↓


内容(「MARC」データベースより)
瀟洒なホテルの中庭。こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。自殺? それとも他殺? 芝居とミステリが融合した、謎が謎を呼ぶ物語のロンド。

2009年3月5日木曜日

1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター ~ 五十嵐 貴久

1995年におきた思い出の出来事を主婦が振り返る小説。
こう書いてしまうとあまりにもあっさりしすぎだが、引きこもりの
息子と、やさしい口数の少ない夫と暮らしつつ、主婦は楽しんでいるような
つらいような「よくある日常」を過ごしている。

途中で、主婦たちでバンドを組んで行くところから徐々に盛り上がり
最後に、、、そうラスト前のの数ページのために是非最後まで読んでほしい。

そのためだけにこの小説はあるから。

↓↓

2009年3月4日水曜日

情けは人の死を招く ~ 射逆 裕二

完全犯罪とはいうものの、、展開や登場人物の癖の強さでちょっと整理が付かなくなっている。
途中で読まなくてもいい文章が多々あり、そこを読み飛ばしてなんとか最後まで行き着いた。

正直、、この半分でも内容は変わらないと思われ。
↓↓


内容(「BOOK」データベースより)
湯河原のリゾートマンションで起こった大学教授撲殺事件。斉藤和樹と皆井順子は偶然の再会からこの事件に巻き込まれてしまう。しかも、マンションはそれ自体が巨大密室の様相を呈していた。容疑はマンションの住人および関係者に向けられるが、決め手となる手がかりがみつからない。しかも第二の悲劇が発生、真相は混迷を極めることに…。そこに滞在していた最もあやしい女装マニア・狐久保朝志はこの二つの惨劇に不審な点を見出し、独自の調査を開始するのだが。構築された二つの密室。複雑な人間関係に隠された愛憎劇、巧妙に仕組まれた完全犯罪の真相は?巧みなトリックと大ドンデン返しで、読者を挑発する射逆ミステリワールド・女装探偵狐久保シリーズ第2弾。


2009年3月2日月曜日

クジラの彼 ~ 有川 浩

いや~鉄板。
自衛隊もののラブコメは有川先生には誰も勝てない。
こんなに見事なシュツエーションで、見事な恋愛なれしてない人たちの
ラブコメ、誰もかけない。

ラブコメが好きか嫌いかは人によってあるけれど、ほっと一息ついて
楽しんで小説を読みたい人には是非。

面白さ満載です。
↓↓

出版社/著者からの内容紹介
「沈む」んじゃなくて「潜る」。潜水艦とクジラと同じだから。
人数あわせのために合コンに呼ばれた聡子。そこで出会った冬原は潜水艦乗りだった。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんな彼とのレンアイには、いつも大きな海が横たわる。恋愛小説作品集。

2009年3月1日日曜日

本格ミステリ07 2007年本格短編ベスト・セレクション (講談社ノベルス) ~ 本格ミステリ作家クラブ

久しぶりに、約3年ぶりくらいに短編小説系、それも作家群の短編
小説を読んだ。
実は、もうこの手の話は読むたびに公開。。

単純に、いろんな作品が乱雑にあってあきちゃうというか、、面白くない
ものがほろほろ入っているから読まなくなってしまう。。

ただ、最近は雑多に長編を読んでいるから読み応えという面で
そういった満足感がないだけで、初心者の人で何を読んだらいいかわからない
人にはいいかも
↓↓


内容(「BOOK」データベースより)
華麗なるトリック、日常の謎、暗号…最新ベスト11。

2009年2月25日水曜日

名もなき毒 ~ 宮部 みゆき

さすが宮部先生。
まったく問題なくずっとノンストップで面白く読める。
登場人物は、おなじみの杉村さんで、この作品が2回目なんだけど
一回目を知らない人でもまったく問題なく全開で楽しめる。

とにかく、中身が「ぎゅーっと」っていうミステリが好きな人には是非。
↓↓

内容(「BOOK」データベースより)
どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。それが生きることだ。財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、私立探偵・北見のもとを訪れる。そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。

2009年2月23日月曜日

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論 ~ イヴォン シュイナード

結構この手の話が好きな時期なので勉強かたがた読んでみた。
ただ、会社自体の歴史的な内輪ネタが多いのでその点が退屈なのと
具体的なルール説明や満足度のリアリティが薄かったので
ちょっと心配な部分も。

やっぱり社長本人よりも、それをインタビューして書き起こしたほうが
いいかも。
(ただ、面白いことに地元ではこの本ものすごい人気で、なかなか借りられなかった)
↓↓↓


商品の説明
社員をサーフィンに行かせよう
米パタゴニアの創業者でオーナーである著者が、その歴史と理念を綴る。
書名の通り、パタゴニアの社員は勤務時間中、いつでもサーフィンに行っていい。サーフィンに限らず、登山、釣り、自転車など、どんなスポーツでも構わない。その分、仕事をする時には熱心に、効率よく、責任感を持って取り組むことを求める。「社員をサーフィンに行かせよう」という精神は、フレックスタイム、ジョブシェアリングなどの思想を具現化したもの。こうした融通性で、アウトドアスポーツに深い知識と経験を持つ貴重な人材を社内にとどめてきたという。

著者は、ビジネスで最も重要で最優先すべき使命は「地球を守ること」だと強調する。飲料ペットボトルを再生してジャケット用素材に変える処理法を開発したり、製品をオーガニックコットンへ切り替えたりしてきたのは、そうした方針の表れだ。2001年には、売上高の1%以上を環境保護団体に寄付する企業同盟「1% for the Planet」を共同設立。現在ではこの同盟に約500の企業が参加する。

著者は「パタゴニアが100年後も存在することを前提として経営している」と記す。ビジネス界の常識を覆すような様々な取り組みから、「永続する企業」のあり方を探ることができる。

2009年2月22日日曜日

バブルアゲイン ~ 伊藤 洋介

バブル真っ只中にいた著者がリアリティのドキュメンタリーを
書き起こした。

自分もその自体をカケラほど知っているので、そこそこ面白い。
知っている人には「あるある」ネタが満載。
軽く読み流せるので、本屋のちょっと時間をつぶしたい人には立ち読みでどうぞ。
↓↓

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
伊藤 洋介
1963年兵庫県出身。慶応大学卒業後、山一證券(株)へ入社。同社在籍中の1989年にシャインズとしてデビュー。その後、友人の牧野隆志と東京プリンを結成し1997年エイベックスからデビュー。全楽曲の作詞を担当する。その一方で、森永製菓株式会社の広告部員として、同社商品のCM制作に従事する現役サラリーマンでもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

2009年2月20日金曜日

無痛 ~ 久坂部 羊

登場人物の背景がちょっと怖くて、読んでいるとその世界に引き込まれそうに
なるので、この手の世界が嫌な人は避けたほうがいいかも。

描写も何気にきちんとしていて、内情を知りたいと思う人にはいいかも。
ミステリーとしては、すぐオチが分かります。


内容(「BOOK」データベースより)
神戸の住宅地での一家四人殺害事件。惨たらしい現場から犯人の人格障害の疑いは濃厚だった。凶器のハンマー、Sサイズの帽子、LLの靴跡他、遺留品は多かったが、警察は犯人像を絞れない。八カ月後、精神障害児童施設の十四歳の少女が自分が犯人だと告白した、が…。外見だけで症状が完璧にわかる驚異の医師・為頼が連続殺人鬼を追いつめる。

2009年2月18日水曜日

犯罪小説家 ~ 雫井 脩介

これも書店で平積みされてる系の小説。
あたしは何のきっかけで読んだのか覚えていないけど
雫井先生の作品は外れが少ない、あらためて実感した。

小説家と脚本家の考え方の違い、ネタをこねくり回していく
過程の違い、タイプの違いなど、出版系に興味がある人には
入りやすい。

またミステリーとしての要素も上出来なので、たまには
本格をじっくり読みたい人に是非
↓↓↓


内容(「BOOK」データベースより)
新進作家、待居涼司の出世作『凍て鶴』に映画化の話が持ち上がった。監督に抜擢された人気脚本家の小野川充は『凍て鶴』に並々ならぬ興味を示し、この作品のヒロインには、かつて伝説的な自殺系サイト〔落花の会〕を運営していた木ノ瀬蓮美の影響が見られると、奇抜な持論を展開する。待居の戸惑いをよそに、さらに彼は、そのサイトに残された謎の解明が映画化のために必要だと言い、待居を自分のペースに引き込もうとしていく。そんな小野川に、待居は不気味さを感じ始め―。全篇に充ちた不穏な空気。好奇心と恐怖が交錯する傑作心理サスペンス。


2009年2月15日日曜日

一応の推定 ~ 広川 純

保険金の付与や保険会社の内幕を見る小説、としては面白い。
ただ、サスペンス要素は少なく、展開もおとなしいので
松本清張賞のイメージは薄い。

保険会社と何か関係があった人は面白いかも。
↓↓

内容(「BOOK」データベースより)
轢死した老人は事故死だったのか、それとも愛しい孫娘のために自殺したのか。ベテラン保険調査員・村越の執念の調査行が、二転三転の末にたどり着いた真実とは?第13回松本清張賞受賞作品。

2009年2月14日土曜日

チルドレン ~ 伊坂 幸太郎

伊坂ワールドもありつつ、、、ちょっとだけストレートな面もある。
(この表現は伊坂先生の作品を何冊か読んでないと分かりづらい)

重松先生ちっくなところもあるので、伊坂ワールド全開だとちょっとつらい
という人は、是非ここから始めてみるといいかも。

普通の小説として楽しめる要素、アリです。
↓↓


内容(「BOOK」データベースより)
「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々―。何気ない日常に起こった五つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。


2009年2月12日木曜日

食堂かたつむり ~ 小川 糸

某テレビでものすごく評価され、今書店でも平積みされている
人気作。

でも、、男子は好きじゃないだろうなあ。。
こういったほのぼの感動系が好きな人は限られるので
本格が好きな人やびっちり中身が濃い小説を読む人には
向かない。

ようは失恋した女性が田舎にかえって得意な料理の腕を生かして
食堂をつくり、そこにおとづれるさまざまな人間模様が描かれていく
っていう単純な話。

そこに親子愛や郷土愛なども絡まって、最後は結構泣かせる
オチもあるけど、唐突感も否めない。

話題の小説(優香お勧め)が読みたい人は是非


2009年2月10日火曜日

わくらば日記 ~ 朱川 湊人

不思議な能力をもった姉にまつわる話。妹の回想で話は進んでいく。最初ちょっと
違和感があったけど、内容はまあまあで、昭和30年代というムードも
この語り口調とあっている。


短編なので楽しむの幅があるけど、深みはないので、さくっと
読み流す話が多い。
軽く昭和30年代ものが読みたい人はどうぞ


内容(「BOOK」データベースより)
昭和三〇年代。当時私は東京の下町で母さまと姉さまと三人、貧しいながらも仲むつまじく過ごしておりました。姉さまは、抜けるように色が白く病弱で、私とは似ても似つかぬほど美しい人でしたが、私たちは、それは仲の良い姉妹でした。ただ、姉さまには普通の人とは違う力があったのです。それは、人であれ、物であれ、それらの記憶を読み取ってしまう力でした…。小さな町を揺るがすひき逃げ事件、女子高生殺人事件、知り合いの逮捕騒動…不思議な能力を持つ少女が浮かび上がらせる事件の真相や、悲喜こもごもの人間模様。現代人がいつの間にか忘れてしまった大切な何かが心に届く、心温まる連作短編集。

2009年2月8日日曜日

ピース 樋口 有介

やっばい。。。ほとんど記憶にない。。

連続殺人の話ってのは分かるけど、内容がうすうすで
ほんとど印象に残っている箇所がない。。

レビューや他のBLOGの評価は高いけど、個人的にはいくら
レビューを見てもまったく記憶がよみがえらない。。

おそらく、途中でつまんなくなって読み飛ばした可能性大。
つまり、そういう小説です。


出版社/著者からの内容紹介
連続バラバラ殺人事件に翻弄される警察。犯行現場の田舎町に「平和」な日々は戻るのか。いくつかの「断片」から浮かび上がる犯人とは。「ピース」が解明されたとき、すべてが繋がった……。

2009年2月7日土曜日

あなたの余命教えます ~ 幸田 真音

幸田先生らしからぬ、やっちまった系の小説。
売れてくると10冊目くらいから「これは忙しさにかまけて分投げ
で書いただろうなー」という小説がほろほろ出てくるけど
これはその展開的な話。

いつもの深堀もドキドキ感もなく、「はぁ、そうですか」という
流れと展開。
テーマとあおり文章は面白そうなのに内容がここまで浅いもの珍しい。

幸田先生ファンは読まないほうがいいし、それ以外の人もあえて読むほどじゃーない。

↓↓

内容(「BOOK」データベースより)
中堅電機メーカーで部長代理をしている永関恭次(56歳)は、定年を4年後に控え、妻と一人娘と平凡に暮らしていた。そんなある日、国際アガスティア研究所という組織の存在を知る。そこでは、ゲノム解析、予防医学、そして、データマイニングの高度な技術から人間の正確な「余命予測」ができるという…幸田真音、渾身の最新小説。

2009年2月6日金曜日

刑事の墓場 ~ 首藤 瓜於

最近流行の警察署内系ミステリー。
ただ、ちょっと面白くしすぎで、本格派としてのパンチは弱い。
オチも微妙なので、警察暗部の人間関係ものが好きなひとより、ちょっとした警察もので
いろんな展開がある小説が好きな人向き。
(新宿鮫系と署内系を混ぜたような。。。)


内容(「BOOK」データベースより)
署長の右腕として活躍したエリート刑事・雨森の転任先は、開署以来、一度も捜査本部が置かれたことのない小さな動坂署。そこは不祥事を起こした者や無能な警官を飼い殺すための“刑事の墓場”と恐れられていた。不貞腐れて過ごす雨森の、動坂署での初仕事は、痴話喧嘩が原因の些細な傷害事件。だが、やがて県警全体を巻き込む大事件へと発展し、いよいよ拗ね者たちが立ち上がる。江戸川乱歩賞受賞の異能が描く、待望の書下ろし長編小説。

2009年2月5日木曜日

その日のまえに ~ 重松 清

また読んでしまった。そしてまた泣いてしまった。。。

家族ものだけじゃなく、親子ものだけじゃなく、友情ものだけでもない。
どんなシュチュエーションの人たちも泣いてしまう、短編集。

誰でも3つはチョイ泣きかもしれないが2つはおお泣き、そんな短編集です。



内容(「BOOK」データベースより)
昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。それを不意に断ち切る、愛するひとの死―。生と死と、幸せの意味を見つめる最新連作短編集。

2009年2月4日水曜日

耳をふさいで夜を走る ~ 石持 浅海

最近のライトノベルものから一転、今度は本格ミステリー。
殺すという前提だけは決まっていて、その理由はいつまでたっても
分からない
(最後まで意味不明という見方もあるが)

ただ、小説としては読み応えというか流れは結構面白い。なんで
眠くなることはなく、最初から最後まですーーと読みたくなる。

怖い怖い、という話を読みたい人はどうぞ


内容(「BOOK」データベースより)
並木直俊は、決意した。三人の人間を殺す。完璧な準備を整え、自らには一切の嫌疑がかからないような殺害計画で。標的は、谷田部仁美、岸田麻理江、楠木幸。いずれ劣らぬ、若き美女たちである。倫理?命の尊さ?違う、そんな問題ではない。「破滅」を避けるためには、彼女たちを殺すしかない…!!しかし、計画に気づいたと思われる奥村あかねが、それを阻止しようと動いたことによって、事態は思わぬ方向に転がりはじめる…。本格ミステリーの気鋭が初めて挑んだ、戦慄の連続殺人ストーリー。


2009年2月3日火曜日

図書館革命 ~ 有川 浩

ついに最後、完結篇です。

最後も面白さは変わらず、でも新しい展開へとがんがんにひっぱってく
流れです。

今まで「もっともっと」と思っていた箇所は次々とクリアに
なり、最後の最後にもっとも望んでいたオチが待ってます。

これだけ読むと感動は1/10くらいなので、是非1巻がら一気通関で読んで下さい。


内容(「BOOK」データベースより)
正化三十三年十二月十四日、図書隊を創設した稲嶺が勇退。図書隊は新しい時代に突入、そして…。極上のエンターテインメント『図書館戦争』シリーズ、堂々の完結編。