2008年9月30日火曜日

偽装管理職

小説じゃないです。労働組合の事例集です。
某居酒屋や、某外食系の裏事情や裁判の負けっぷりが知りたい人に。

実際、この手の話を知っていて、逆にうんざり、という人はあえて読まなく
ていいです。
新しい発見は特になし。。。


再生巨流 楡 周平

これもまた楡作品鉄板の一冊。

中年サラリーマンの悲哀というか、怖さというか。。

新規プロジェクトを成功させても、見ている人は見ているんだなーという
両面でちと考えさせられるシーンが多い。

この話は文具系の宅配と、街の電気屋さんの組み合わせが
メインどころなんだけど、そこからはまた無理くり感が否めない。。
ただ、プロジェクトの進め方や提案書の出し方など現場っぽいニオイがでまくり。

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内容(「BOOK」データベースより)
脳みそに錐を刺して、血が噴き出るまで考えろ!それが俺たちの仕事だ!全てを捨てて打ち込んできた仕事から左遷された男たちは、画期的物流システム構築に自らの企業人生を賭けた!差し迫った巨額の決済、保身に走る上司、君臨するカリスマ社主…。業界一位の巨大運輸企業を舞台に、男たちの熱いドラマが弾ける!実現可能!前代未聞!画期的なビジネスモデルを織り込んだ、話題騒然の経済小説。

内容(「MARC」データベースより)
全てを捨てて打ち込んできた仕事から左遷された男たちは、画期的物流システム構築に自らの企業人生を賭けた。巨大運輸企業を舞台に描く、男たちの熱いドラマ。『週刊新潮』連載「再生頭脳」を、加筆・修正のうえ改題。

2008年9月29日月曜日

有頂天家族  森見 登美彦

主人公が狸。
この時点で嫌がる人は多いと思う。

自分もそれをよーーく理解していたら読まなかった。ほとんど狸たち
動物の話。
もちろん、擬人化しているので、それなりに読めるけど、無理くり感は
否めない。

途中つらくなった一冊。
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内容紹介
第20回山本周五郎賞受賞第一作!著者が「今まで一番書きたかった作品」と語る渾身の作。偉大なる父の死、海よりも深い母の愛情、おちぶれた四兄弟……でも主人公は狸?!

時は現代。下鴨神社糺ノ森には平安時代から続く狸の一族が暮らしていた。今は亡き父の威光消えゆくなか、下鴨四兄弟はある時は「腐れ大学生」、ある時は「虎」にと様々に化け、京都の街を縦横無尽に駆けめぐり、一族の誇りを保とうとしている。敵対する夷川家、半人間・半天狗の「弁天」、すっかり落ちぶれて出町柳に逼塞している天狗「赤玉先生」――。多様なキャラクターたちも魅力の、奇想天外そして時に切ない壮大な青春ファンタジー。

2008年9月24日水曜日

みなさん、さようなら 久保寺 健彦

日常を描いた作品、かと思いきや、何気に背景は暗い。
一人の中学生が大人になっていく話し、と書いてしまえばそれまでだが
年月の積み重ね方や、絡まるエピソードは見事。

徐々にいろんなことが明らかになっていって、最後はいったい、、、
というなぞときめいたエッセンスもある。

少年から大人になるまでの心のひだを描いた、名作。

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出版社 / 著者からの内容紹介
選考委員満場一致
第1回パピルス新人賞受賞作!

「力のある第1回受賞作」
石田衣良

「作者の力わざに感嘆した。すごい」
あさのあつこ

小学校の卒業式で起きた同級生の刺殺事件をきっかけに、団地という狭
い住処から外に出られなくなった少年・渡会悟。悟は団地で友達を作
り、恋をし、働き、団地の中だけで一生を過ごす決意する。だが月日が
経つにつれ一人また一人と同級生は減っていき、最愛の恋人すらも彼の
前を去ろうとしていた――。限られた狭い住処で生きようとした少年
が、孤独と葛藤を引き受けながらも伸びやかに成長する姿を描く、極上
のエンターテインメントであり感動の物語!

著者について
久保寺健彦
1969年東京都生まれ。立教大学法学部卒業。早稲田大学大学院日本文学研究科修士課程中退。進学塾に勤務する傍ら小説を執筆。2007年「すべての若き野郎ども」で第1回ドラマ原作大賞選考委員特別賞を、「みなさん、さようなら」で第1回パピルス新人賞を、「ブラック・ジャック・キッド」で第19回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞をそれぞれ受賞。本書がデビュー作となる。

2008年9月22日月曜日

収穫祭 西澤 保彦

あっという間に読めることは読めるけど、、、読む人を選ぶ小説。

えぐい系が苦手な人は絶対ダメだし、女性にもあまりお勧めできない。

村で起きた皆殺し事件から物語がスタートして、最後は20年後くらいまで進む。

中学生が皆殺し事件の当事者であり、関係者でもあり、傍観者でもあるこの話。
年月を重ね、いくつもの殺人事件が重なりあい、ストーリーが幾重にもなる。

サスペンス好きには是非どうぞ。

2008年9月20日土曜日

渥美清の肘突き―人生ほど素敵なショーはない 福田 陽一郎

ほとんど渥美清の話が出てこない、タイトル負けのエンタメ界エッセイ。

有名なディレクターの人がテレビ創世記からの話をつらつらと
書いている。

タイトルを気にしないで、テレビ界の仕事の仕方などを知りたい人にどうぞ。

2008年9月6日土曜日

君の夢はもう見ない  五條 瑛

引退した情報屋の短編連作。
状況といい、主人公の魅力といい、どれも面白く深みがある。
よくあるスパイものや中国ものじゃないので、人間系の小説として読むといいかも。


内容(「MARC」データベースより)
冷戦終結とともに「情報通」達は燃え尽きてしまったのか。米国防省の情報機関「会社」のメールマンを勤める仲上。2年ぶりに「中国通」からの手紙が届くが…。中国をめぐる情報戦の舞台裏を描く連作。『小説すばる』掲載。



2008年9月5日金曜日

椿山課長の七日間  浅田 次郎

西田敏行の映画で知って、最近図書館で見つけたから読んでみた。
設定が破天荒というかむちゃくちゃなので、あまり親近感は沸かず
本当にマンガチックに読む話。

映画にはしやすいと思うけど、ちょっとだけ強引で、泣きを強調している感もあり
いまひとつ感情移入できない。
軽く浅田作品を読みで見たい人向き。


Amazon.co.jp
激務がたたり脳溢血で突然死したデパートの中年課長が、たった7日間の期限つきで現世に舞い戻ってくる。ただしみずからの正体を明かすことは許されず、39歳の独身美女の姿を借りているため、行く先々で珍騒動が巻き起こる。家族に、仕事に、やり残したことをやり遂げ、主人公は無事成仏できるのか。行動をともにするやくざの組長と小学生のストーリーをからめつつ描かれる、ハートウォーミングな「死者の自分探し」の物語である。
もともと新聞連載小説だけに、随所に泣き笑いのつぼが設定されており、著者独特の歯切れのいい文体ともあいまってたちまち引き込まれる。脇役の一人ひとりまで丁寧にキャラクター設定された「優しい人」「いい人」たちによるファンタジーは、まさに浅田節の真骨頂だ。おまけに中年の純情恋愛までが織り込まれ、山あり谷ありで読者を飽きさせない。やや意外なラストシーンはほろ苦くも温かい味わいを残す。

美しい女性の肢体をわがものにした主人公の行動のおかしみ、間抜けな死に方をしたやくざのべらんめえ口調の説教節など、著者ならではのディテール描写、懐かしくも美しい日本語の世界などは、本筋をはなれても楽しめる。死をめぐり、家族間、世代間で感想を述べ合うきっかけとしても好適のエンターテイメントといえよう。(松田尚之)