2009年4月30日木曜日

告白 湊 かなえ

読みました。やっと読めました。今年というか去年ですが、もっとも読みたかった作品でした。

そして、、期待以上でした。多くのレビューどおり、すごいです。
本当にすごいとしかいいがない。

筆力といい、リズムといい、展開、複線、エピソード、オチ、どれをとっても
パーフェクトです。

実は一番びっくりしたのが、これが最初は読みきりで、そこからもう一回
連載して、最後の3篇は書き下ろしだったこと。

つまり、最初はこの展開やオチは予想していなかったこと。
それでこんなすごい作品(連作というか、長編になっているけど)になるなんて、すごい。

ぜひ読んで下さい。
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内容紹介
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。

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2009年4月29日水曜日

東京島 ~ 桐野 夏生

やっと読みましたよ、ベストセラー。
シュチュエーションが面白そうだったので、待ち焦がれていました。

読み始めると、、、微妙な流れ。
奇抜なシュチュエーションと状況説明、そこで想定できる何でもありのネタ
でグイグイと持っていって、オチは何でもできるだろ、これって感じで
途中であきつつも何とか最後まで読んだ。

予想通りというか、予想外でも
あっそ
って感じのオチ。

最近この手の話が増えているなあ、。。
面白そうなシュチュエーションを考えたモン勝ちだね。
そこに良くあるネタや人間模様を10個くらい入れたらいいんだもの。


内容(「BOOK」データベースより)
32人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か?いつか脱出できるのか―。食欲と性欲と感情を剥き出しに、生にすがりつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読者の手を止めさせない傑作長篇誕生。


2009年4月27日月曜日

レインツリーの国 ~ 有川 浩

完全な恋愛小説。
さすがに有川先生の恋愛モノが続いたので少し飽きたかも。。

そんなにズッキューンというわけでもなく、「そっかー」くらいの
ネタとせつなさ。

盛り上がりという意味ではもう一つ、って感じ
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内容(「BOOK」データベースより)
きっかけは「忘れられない本」そこから始まったメールの交換。あなたを想う。心が揺れる。でも、会うことはできません。ごめんなさい。かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった―。青春恋愛小説に、新スタンダード。

2009年4月26日日曜日

東京番外地 ~ 森 達也

ドキュメンタリーで有名なディレクターの話で、前に同じ人の面白い作品を
読んでいたのである程度安心していたら、まったく別。

単なるエッセイ、、、、そしてうすうす。。

最後は読みませんでした。

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内容(「BOOK」データベースより)
要塞へと変貌する東京拘置所、静謐な祈りが満ちるイスラム寺院、再開発の喧騒に埋もれる食肉市場、61年目を迎えた戦禍の慰霊碑…。第一線の映像作家が辿る、都会の境界。不夜城のネオンにふらつき、ドヤ街の路上で酒を呑み、炎天の雑踏に漂い、そして隣人たちの息吹を感じる。現代の15の情景を活写した極私的ドキュメント。

2009年4月24日金曜日

白い砂丘 ~ 長野 慶太

経済小説としての深みがいまひとつだけど、渡米した理由やサブストーリーが
切なく、いろんな要素が入り込むので、そこでなんとかカバー。

ただ、経済小説と紹介するなら、もっと深堀して生々しいやり取りがほしかった気もする。
自作に期待。
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内容紹介
亡き父、最愛の娘。企業を舞台にした新小説
「和也」は商社から転職してきたエリート。亡き父の影、アメリカ人妻そして最愛の娘との別離――。外食産業の日米合弁交渉を舞台に、人間の欲、業、情が描かれる、経済小説を超えたエンターテインメント!

2009年4月23日木曜日

死墓島の殺人 ~ 大村 友貴美

正直、「うーーん・・・」

読みにくいのが最大の欠点。
これは個人的な話だけど、どうにもリズムが合わない。
何をどう伝えたいのか、いまひとつつかみきれず、どこに主眼を
おいて読み進めていいのか。。

期待感という意味ではなんの連続性もなく、途中でやめてしまいました。
久しぶりです、オチを読まなくてもいいと思った小説は。

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内容(「BOOK」データベースより)
岩手県沖の小島、偲母島。この島の断崖で、島長の海洞貞次の他殺死体が発見された。捜査のために偲母島に渡った藤田警部補は、この島が地元の人々から「死墓島」という不吉な名前で呼ばれていることを知る。その名の由来は、島に残されたおびただしい数の墓石だった。なぜこんなにも多くの墓石が残されているのか?閉鎖的な島民たちを相手に捜査を開始した藤田は、次第に死墓島の裏の歴史を知ることになる。横溝正史の正統な後継者が描く、傑作長編推理。

2009年4月22日水曜日

スキップ ~ 北村 薫

正直、面白かったけど、、、、悲しい。。

大人たちはものすごくずきーーんと、、高校生たちなら、悲しすぎて切なくなる話だ。

読む価値は多いにある、ありすぎる。
同じようなテーマで「秘密」があるけど、あっちもすごいがこっちもすごい。
(せっかくなので、この次は「秘密」を書きます)

まあ、名作ってやつはいろんな角度であるもんだ、そう実感するいい作品でした。


内容(「BOOK」データベースより)
昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた。目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ―でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、『わたし』を生きていく。

2009年4月19日日曜日

秘密 ~ 東野 圭吾

読んだのは、初版のときだったのですごく前だけど、今でも明確に感動がよみがえる。

今まで読んだ作品の中でもベスト3に入る作品。もっとも感動した小説ということなら
この作品が1位だ。
読み終わった後、立てなかったし、何も言えなかった。

映画にもなったので敢えて説明しないけど、表題の「秘密」の本当の意味と
映画とは違う、せつなすぎるオチを是非確認してみてください。

必読!


2009年4月18日土曜日

海の底 ~ 有川 浩

設定は面白い。
だって、巨大えびが暴れるんですもの。

ただ、話は大真面目。そして最後ものすごい、ある意味期待通りの
オチが。

エンタメ好きは絶対面白い。変な偏見を持たずに素直にエンタメとして
読むと一気読み間違いなし。
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内容(「BOOK」データベースより)
4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく―ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。


2009年4月14日火曜日

幕末裏返史 ~ 清水 義範

何気にタイトルだけで借りました。

ただ、思ったより面白い。
最初、フィクションだと思ってなかったので、最後の最後まで気がつかなかった。
主人公を中心に面白いネタや歴史の「IF」が満載で、幕末好きには新たな
発見があるかも。

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内容(「BOOK」データベースより)
大の日本贔屓のフランス人、アナトール・シオン。国禁を犯して海を越え、憧れの日本にやってきた。時は幕末、開国前夜。彼は「愛する日本」のため、幕府の知恵袋となる。昼は盛装して天皇に拝謁、夜は頭巾を被って尊王の志士を助けたり、と大活躍。その働きが運命の歯車に不思議に作用し、ついに日本の歴史が「ひっくり返る」瞬間が。

2009年4月13日月曜日

戦場から女優へ ~ サヘル ローズ

書評やインタビューが面白かったので借りてみました。


波乱万丈で、ものすごい半生だけど、、、内容が薄い。。
書き物慣れしていないのが最大の原因。

いいエピソードやドキュメンタリー向けのネタの宝庫なのに
生かされていない。
もったいないなあ。。

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内容(「BOOK」データベースより)
戦争、空爆、孤児院、ホームレス、いじめ…。「滝川クリサヘル」の別名でも知られるイラン人タレントの数奇な人生。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ローズ,サヘル
1985年10月21日生まれ。イラン出身。89年、イラン・イラク戦争での空爆により、住んでいた村が全滅、ただ一人、ボランティアの女学生に救出され、孤児院に。この女学生に養女として引き取られるが、養母が両親から勘当される。93年、日本で働く養母の婚約者を頼り、二人で来日するも、今度は「連れ子」の存在が原因で離別。その後、公園でのホームレス生活、クラスメートからのいじめ等を経験。高校在学中よりJ‐WAVE「GOOD MORNING TOKYO」のレポーター等の活動を開始。07年、日本テレビ「The・サンデー」内の「週刊!男前ニュース」に「滝川クリサヘル」として出演し注目される。現在、テレビ、ラジオ、CM、舞台等で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


2009年4月12日日曜日

別冊 図書館戦争〈1〉 ~ 有川 浩

まずは1から。
図書館戦争での二人がどんな風に結婚まで行くことになったのかを連作形式で
つづっている。
まあ、有川先生の作品群から考えればまったく問題ない流れ出し
内容もいいけど、図書館戦争の感動系から考えるとちと違和感があるのも事実。

ただ、先生自身もそのことは重々理解していて、甘甘覚悟、らしい。


内容(「BOOK」データベースより)
『図書館戦争』スピンアウト・別冊シリーズ第一弾!武闘派バカップル恋人期間の紆余曲折アソート

2009年4月10日金曜日

危ないお仕事! (新潮文庫) ~ 北尾 トロ

なぜか借りてしまった。。。

文学コーナーじゃなく生活のコーナーにあった。
まあ、ネタ探し的には面白いかもだけど、そんなに
深いエピソードがあるわけでもなく、読み応え的には
3割程度。。。

立ち読みで十分かと。

内容(「BOOK」データベースより)
超能力セミナー講師、タイの日本人カモリ屋、彼らは巧みな話術で人々をとりこにする。スレスレ主婦モデル、ダッチワイフを創る人形師、彼らは男たちの欲望に火を点け、お金に換える。警察マニアは無線を傍受し勝手に追跡、汁男優は“発射”に職業人のプライドをかける―。知られざる“仕事師”たちの実態が、今ここに明かされる。著者による、新聞拡張団・冷や汗体験記も収録。


2009年4月9日木曜日

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ ~ リリー・フランキー

偶然図書館に、ほろっとあったからつい借りてしまいました。
ただ、、まあ、ここまで売れる話じゃあないなあ。。


個人的には嫌いじゃないし、泣かせようとしている話じゃなく
単純に作者が思い出話を書いているという感じ。

リリーフランキーのファンには面白いし、マスコミ系の
ニオイが好きな人にもいいかも。

ただ、オカン系や泣きたい話、感動する話を読みたい人にはお勧めできない。
だってもっと数倍いい本が山のようにあるから。

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出版社 / 著者からの内容紹介
読みやすさ、ユーモア、強烈な感動! 同時代の我らが天才リリー・フランキーが骨身に沁みるように綴る、母と子、父と子、友情。この普遍的な、そして、いま語りづらいことがまっすぐリアルに胸に届く、新たなる「国民的名作」。『en-taxi』連載、著者初の長編小説がついに単行本化。

2009年4月8日水曜日

塩の街 ~ 有川 浩

有川先生のデビュー作、やっと読みました。
そして、不満点なし、満点です。

不条理の世界の中でいろんなエピソードがあり、それらが有機的に結びついている。
元々は冒頭も一遍が大賞を撮ったようだが、それを加筆して、さらに
ハードカバーとして出版するためにエピソードを増やしたらしい。
(最後に出版までの道のりを作者が語っているので、是非一読を)

なんで、ちょっと強引というか、「そうきたかあ」みたいな話も
あるけど、オチは見事。

有川先生の小説が好きな人にはまったくもんだいなし。
それ以外の人も是非
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出版社 / 著者からの内容紹介
 塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女。男の名は秋庭、少女の名は真奈。静かに暮らす二人の前を、さまざまな人々が行き過ぎる。あるときは穏やかに、あるときは烈しく、あるときは浅ましく。それを見送りながら、二人の中で何かが変わり始めていた……。
 第10回電撃大賞<大賞>受賞作にて有川浩のデビュー作でもある『塩の街』が、本編大幅改稿、番外編短編四篇を加えた大ボリュームでハードカバー単行本として刊行される。


2009年4月7日火曜日

戦後の巨星 二十四の物語 ~ 本田 靖春

インタビューモノです。

取り上げている人たちが面白そうだったので読みました。
おそらくこのインタビュアーの人は著名なひとなんだろうけど
態度がでかいので、ちょっと不快感あり。

基本的に、マスコミの人が「あなたは」とか「こうだから」
みたいな、上からで話すのは嫌い。

ただ、内容も深堀具合もいい感じなので、好き嫌いを抜き
にすれば面白い本
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出版社 / 著者からの内容紹介
孤高のジャーナリストの対談遺稿集
20年余前の週刊現代「異色対談連載」。美空ひばり、長嶋茂雄、萩原健一、中上健次、ビートたけし、立花隆ら各界巨人たちの「本音」と「真実」に迫る対談集。

2009年4月6日月曜日

追憶のかけら ~ 貫井 徳郎

前にも読んだし、レビューも書いたかもしれないけど
もう一回。

全体的にはいい話。
でも、文体というかリズムがちょっとあたしとは合わない気が。。
途中途中で飛ばしてもいいような複線があったり、どうでもいいエピソード
が読みづらいリズムで入ってくるので、なかなかすーと読み終わるという
わけにはいかなかった。

前にもこの人の作品を何度か読んだ記憶だけど、そんときも
こんな感じだったかなあ。。。。覚えてない。。
悪い印象はなし。
他の作品も読んでみようとも思う。

ネタといい内容といい悪くはないので、たまには違う人の話も
という人は是非。



内容(「BOOK」データベースより)
事故で愛妻を喪い、失意の只中にあるうだつの上がらない大学講師の松嶋は、物故作家の未発表手記を入手する。絶望を乗り越え、名を上げるために、物故作家の自殺の真相を究明しようと調査を開始するが、彼の行く手には得体の知れない悪意が横たわっていた。二転三転する物語の結末は?著者渾身の傑作巨篇。

2009年4月5日日曜日

ソロモンの犬 ~ 道尾 秀介

最初は単純な事件かと思ったら、何気にいろんな複線や絡みがあって
深い話。

大学生の男女グループと先生、小学生の男の子がメインでグルグル
話は進んでいく。

ただ、そんなにひどい描写もオチもないので安心して推理小説を楽しめる。

ドキドキしながらも嫌な感じが残らない推理小説が読みたい人は是非


出版社 / 著者からの内容紹介
さっきまで元気だった陽介が目の前で死んだ。愛犬はなぜ暴走したのか? 飄然たるユーモアと痛切なアイロニー。青春ミステリー傑作