2010年2月23日火曜日

欠陥住宅物語  斎藤 綾子

家の苦労話かと思いきや、それはあんまり泣くてどちらかというと社会
に向けたエッセイというか、。、

それはそれは面白かったので最後まで読めたけど、欠陥住宅の
悩みや解決方法などの話が好きな人には向かない。

表現も作者の立ち位置の問題あり、けっこうきついし、男の悩み系エッセイの
論著が多いので、そこも好き嫌いがあるかも。


Amazon.co.jp
著者自身が欠陥住宅を購入した実話をもとに、現実の裁判と同時進行で執筆されたドキュメントタッチの小説。これまで『ルビーフルーツ』や『フォーチュンクッキー』といった、女性向けの明るくポップな官能小説を手がけてきた斎藤綾子が、軽やかな筆致はそのままに、理不尽な社会への反発を込めて書いた作品である。
女流ポルノ作家、綾子は、ひとり暮らしのマンションで近隣住民に不審がられ、地下鉄サリン事件の犯人かと疑われたことをきっかけに、4200万円の一戸建てを購入する。だが引っ越して間もなく、図面とちがうさまざまな家屋の欠陥が判明。不動産会社を相手取った民事裁判を起こした綾子は、ストレスから来る血尿とチックに悩まされながらも、孤軍奮闘の日々を続ける。


2010年2月22日月曜日

四畳半神話大系 森見 登美彦

森見さんの作品がもうだめになっている気がする、。。
質の問題じゃなくて、自分の感じ方の問題。

好きな人にはいいのかもしれないけどあの独特の言い回しやリズム
は読むタイミングを選ぶ気がする。

うる星やつらのメガネ的話が好きな人にはどうぞ。

内容(「BOOK」データベースより)
大学三回生の春までの二年間を思い返してみて、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。―『太陽の塔』(第十五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作)から一年。無意味で楽しい毎日じゃないですか。何が不満なんです?再びトンチキな大学生の妄想が京都の街を駆け巡る。

2010年2月20日土曜日

水上のパッサカリア  海野 碧

静かでドスドスくるハードボイルドミステリー、で表現があっているかどうか
今ひとつ不安だけど、、でも読み応えはある。

短編なんだけど、主人公の極太的が重みを与え、また本格的な匂いも
しつつ、仕掛けは結構単純なのもいい。

なんで頭を使わず単純にハードボイルド系が楽しみたい人にはどうぞ。

出版社/著者からの内容紹介
腕の良い自動車整備工・大道寺勉は3年半前からQ県にある湖畔の借家で、一回り近く年下の片岡菜津と穏やかに暮らしていた。半年前、暴走族の無理な追い越しによる交通事故に巻き込まれ、菜津が死んだ--。菜津が育てた飼い犬と静かな暮らしを続けていた11月のある日、勉が帰宅すると昔の仲間が家の前で待っていた。菜津は謀殺されたのだという、衝撃的な事実を携えて…。

圧倒的な文章力に緻密な描写力。満場一致で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した快作! 次作が待ち望まれる大型新人、登場。


2010年2月19日金曜日

デス・ナビゲーション 坂野 康隆

結構のどんでん返しがあり、ホラーでありながら推理小説の
面があって、多面性が楽しめる。

なので、逆にホラーとしての怖みが薄れているので、
ホラーが苦手な人でも初級編的な形で楽しめるかも。

ただ、殺され方や描写はやっぱりホラーなのでそこが近づいたら
読みとばすように。。


内容(「BOOK」データベースより)
十四年前の夏。千葉県の湖で赤いマフラーの女性死体が発見された。犯人は被害者の元恋人。妊娠を巡って口論となり首を締めたという。死体が発見される半年前から、湖畔で恨めしそうに佇む赤いマフラー姿の女性をドライバーたちが何度も目撃していたらしい。その情報を最近になって入手したオカルト雑誌が取材に動いた。被害者の実家住所をカーナビに入力して出発したところ、到着した場所は墓地だった。そこには殺された女の墓があったのだ。そして不可解な交通事故が続発する。死亡したのは被害者の墓にナビゲートされた者ばかりだった…書下ろし長篇ホラーサスペンス。

2010年2月17日水曜日

スクープ   今野 敏

それぞれの短編がうまい具合に読みごたえがあり、主人公のいい力の抜き加減もあたらしい
主人公像って感じで、いい。

テーマや内容はよくあるパターンなんだけど、主人公の魅力で
なんとか奥深くなっている不思議な作品です。

内容(「BOOK」データベースより)
TBNテレビ報道局社会部の布施京一は、看板番組『ニュース・イレブン』所属の遊軍記者。素行に問題はあるものの、独自の取材で数々のスクープをものにしている。時には生命の危険にもさらされるが、頼りになるのは取材ソースのひとりでもある警視庁捜査一課黒田裕介刑事の存在だ。きらびやかな都会の夜、その闇に蠢く欲望と策謀を抉り出す。





2010年2月15日月曜日

静かな爆弾   吉田 修一

完全に忘却の彼方へ行っています。。。
レビューを書くのがいつもリアルタイムじゃないので
この作品も数週間たっているのですが、それでもいつもは少しは
覚えています。
でも、これは、、、本当に覚えていない。。

なんで、、、つまらなかったと思われ。。




内容(「BOOK」データベースより)
テレビ局に勤める早川俊平はある日公園で耳の不自由な女性と出会う。取材で人の声を集める俊平と、音のない世界で暮らす彼女。やがて恋に落ちる二人だが。

2010年2月6日土曜日

パラドックス13 東野 圭吾

やっと図書館から借りられた。。。
東野作品の中でも異色のSFサスペンス。

個人的には嫌いじゃないけど、深みも推理もないパニック小説みたい
な感じだから、異論があるかも。
事実アマゾンのレビューはすごいことになっています。

もう少しエンタメ的な要素を入れてもいいのにとも思ったけど、あえて
しなかったんだろうなあ。。

東野先生の筆力だけでなんとかいい作品になっているという作者の力
がある意味分かる。



内容紹介
「世界が変われば善悪も変わる。
人殺しが善になることもある。
これはそういうお話です」東野圭吾

運命の13秒。人々はどこへ消えたのか?
13時13分、突如、想像を絶する過酷な世界が出現した。陥没する道路。炎を上げる車両。崩れ落ちるビルディング。破壊されていく東京に残されたのはわずか13人。なぜ彼らだけがここにいるのか。彼らを襲った“P-13 現象”とは何か。生き延びていくために、今、この世界の数学的矛盾(パラドックス)を読み解かなければならない!
張りめぐらされた壮大なトリック。論理と倫理の狭間でくり広げられる、究極の人間ドラマ。“奇跡”のラストまで1秒も目が離せない、東野圭吾エンターテインメントの最高傑作!

2010年2月5日金曜日

廃墟建築士 - 三崎 亜記

三浦先生の作品はいつも独特の世界観をつくって、そこの不条理を
描いていくパターンなので、これも同様だと思いある程度覚悟はしていた。

でも、、ちょっとやりすぎ。
廃墟建築という設定自体はそんなに悪くないけど、その価値観や
悩みなどを描いているところがちょっと無理くり。。
また、他の世界観もそれは自由すぎるでしょうという短編が多かった。
ただ、図書館はその中でもなんとかいい感じでまとまっている気がした。
単に図書館ネタ好きなのかもしれないけど。。

一つの世界をもっている天才であるのは確か。
ここでしか読めない世界を感じたい人は是非。


内容紹介
●廃墟に魅せられ、廃墟建築士として生きてきた私。この国の廃墟文化の向上に努めてきたが、ある日「偽装廃墟」が問題になり…「廃墟建築士」●巷でおこる事件は七階で起こることが多いため、七階を撤去しようという決議が市議会で出された。マンションの七階に住む僕は、同僚の並川さんに誘われて反対運動に参加することになったが…「七階闘争」●会社から派遣されて、図書館でしばらく働くことになった私。本が“野性”に戻った姿を皆に見せるのが今回の業務だった。上手くいったかに見えたが、思わぬ事態が起こり…「図書館」●蔵も蔵守も待ち続けていた。自分たちの仕事を引き継ぐ後継者がいつかやってくることを。いつか現れるだろう略奪者との戦いを。…「蔵守」
ちょっと不思議な建物で起こる、ちょっと奇妙な事件たち。三崎ワールドの魅力あふれる最新作品集。


2010年2月3日水曜日

静かな爆弾 吉田 修一

まあ、、よくある文学もの。
作者は嫌いじゃないけど、これはあんまり自分と合わなかった。
ただ、最後まではなんとなく読めて、読後感もいいので
恋愛モノで淡々とした流れが好きな人は是非。


内容(「BOOK」データベースより)
テレビ局に勤める早川俊平はある日公園で耳の不自由な女性と出会う。取材で人の声を集める俊平と、音のない世界で暮らす彼女。やがて恋に落ちる二人だが

2010年2月1日月曜日

平等ゲーム 桂 望実

この手の別世界系が最近のお気に入り。
こちらも内容のレベルが高く、設定も見事だったので最後まで
一気読みだった。

途中で世界観の違いや本音の話が出てくるところもリアリティがあっていい。

世の中都合のいい世界なんてない、ということを知りつつ現実逃避が見たい人はぜひ。


内容(「BOOK」データベースより)
瀬戸内海に浮かぶ「鷹の島」。そこでは…島民1600人が、全員平等。現代社会の歪みを是正するために生まれた、究極の楽園。人々は、嫉妬や私欲にかられることなく、何不自由ない豊かな生活を約束されている。まさに、天国。の、はずだった―。