2011年3月29日火曜日

凍土の密約 今野 敏

完全に良くできた刑事小説のシリーズもの、という内容。
息もつかせぬ展開や殺人事件、所轄や警察上部との確執。
お約束のパターンがすべて詰め込まれていて、最後の最後で
期待通りのオチがある。

警察物が好きな人は是非。
すべての要素が詰まっています。

内容(「BOOK」データベースより)
赤坂で殺人事件発生―被害者は右翼団体に所属する男。警視庁公安部の倉島は、なぜか特捜本部に呼ばれる。二日後、今度は暴力団構成員が殺された。さらに、第3、第4の事件が…。殺人者はプロ、鍵はロシア。倉島が、敵に挑む―。


2011年3月25日金曜日

植物図鑑 有川 浩

有川先生、どーした。
といいたくなる作品。

今までほぼすべての有川作品はおすすめにしてきたけど、この作品は、、ちょっと。。。

いや、他の作者のものと比べてれば、圧倒的にリズムも筆力も内容もいいんだけど
有川作品としては、、私はもう飽きてしまったのか。

ちなみに評判はよく、他のレビューの点数も高いです。

内容(「BOOK」データベースより)
ある日、道ばたに落ちていた彼。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?咬みません。躾のできたよい子です」「―あらやだ。けっこういい男」楽しくて美味しい道草が、やがて二人の恋になる―。書き下ろし番外編に加え、イツキ特製“道草料理レシピ”も掲載。


2011年3月23日水曜日

時をつなぐ航跡 井上 文夫

タイムリーだったので借りてみたけど、どーーしてもリズムが合わなかった。
どうしてかナーと思ったら関係者の作品だった。

内容やネタやエピソードは非常に面白いので、インタビューものや
日記風に展開すればよかったのに、と。
非常に残念。

内容(「BOOK」データベースより)
舞台はN航空―一見、華やかに見える客室乗務員の過酷な労働実態、「健康を返して!」「子育てしながら飛ぶ私たちから仕事を奪わないで!」―切実な声がほとばしる。会社による組合分裂と客乗組合(第一組合)への不当な差別のなかで、客乗組合員の濱砂ゆりえと若き第二組合員・水上菜摘との間に心のふれ合いがはぐくまれてゆく。


2011年3月20日日曜日

優しいおとな 桐野 夏生

今回は桐野先生の作品の中でもちょっと読みずらさやリズムがいまひとつ
あわなかった。

途中はもうどうでもよくなってしまい、最後のオチだけみたけど
予想通りの暗いオチだったのであーあ、って感じだった。。


内容(「BOOK」データベースより)
家族をもたず、信じることを知らない少年イオンの孤独な魂はどこへ行くのか―



2011年3月19日土曜日

八日目の蝉 角田 光代

いや~、すごい。
前評判どおり。
実は縁がなくてこの作品を読むタイミングがなかなか着かなかったんだけど
読んで大正解。

ラストはいろいろ意見があると思うけど、ある意味角田先生っぽい形に
なっている。

これ、映画を見たら号泣だろうなあ。。
中身については言及しないので、是非買って読んで下さい。


内容(「BOOK」データベースより)
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。

2011年3月18日金曜日

フォックスの死劇 霞 流一

ダメだ、、、最後まで読めなかった。。。

なぜだ、、それは分からない。。

内容(「BOOK」データベースより)
怪談映画の巨匠・故大高誠二監督の墓が散歩した。だがそれは奇妙キテレツな連続怪事件のほんの発端に過ぎなかった。大高監督と関わりの深かった映画人たちの首や腕や足が持ち去られた死体がゴロゴロ、しかも殺人現場にはキツネの面、油揚げ、赤い鳥居などのお飾りが。―犯人はいったい何を考えているのか。事件に巻き込まれた探偵・紅門福助は頭を抱えるが、やがて、すべての事件が大高監督の死に際の謎の言葉「ハモノハラ」から始まっていることに気づく…。日本映画をひっくり返す怪事件に挑む、粋狂な探偵たちの迷走と活躍。超笑撃の書き下ろし本格ミステリー。


2011年3月17日木曜日

アマルフィ 真保 裕一

映画である程度内容は分かっていたけど、映画並の躍動感やドキドキが
しっかり描かれていて、小説も満足度が高いエンタメ作品。

映画の出演者とちょっとイメージが合わない気がするのはご愛嬌。
最後のオチに向かっての進み方も二重三重に展開していき
読み飛ばしできない内容です。


内容(「BOOK」データベースより)
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスは、愛する妖精の死を悲しみ、世界で最も美しい地にその亡骸を埋めて街を作った。その街の名は―アマルフィ。まさしく我々が命を懸けるに相応しい作戦名だった。ローマで日本人少女が誘拐。真相を追い、外交官黒田がイタリアを駆ける。サスペンスの名手真保祐一が書き下ろす、エンターテイメント小説の新境地。


2011年3月16日水曜日

あふれた愛 天童 荒太

せつない、とてもせつない。

すべての作品せつなさにあふれていて、とても楽しくうれしい気分になる
作品じゃない。
それは良し悪しなのでなんとも言えないけど、電車や待ち合わせの途中で
読むのはやめて休日にじっくり読んだほうが読後感を味わえていいかと。

内容(「BOOK」データベースより)
ささやかでありふれた日々の中で、たとえどんなに愛し合っていても、人は知らずにすれ違い、お互いを追いつめ、傷つけてしまうものなのか…。夫婦、親子、恋人たち。純粋であるがゆえにさまざまな苦しみを抱え、居場所を見失って、うまく生きていくことができない―そんな人々の魂に訪れる淡い希望を、やさしくつつみこむように描く四つの物語。天童荒太の本質がつまった珠玉の作品集。


2011年3月15日火曜日

目線 天野 節子

ごめんなさい、、相性が合わずに途中でリタイア。。。
良くあるエピソードとよくある家族構成、よくある複線、良くあるテーマ、
良くある殺人事件と、30年くらい前の推理小説のよう。
中身の良し悪しは別として、この時代にこの作品を読み進めるのはちと
無理でした。

ただ、この手の小説を読んだことのない人には、まったく問題ないので
楽しんで推理小説として読み進めることができると思う。


内容(「BOOK」データベースより)
閑静な高級住宅街に佇む堂島邸には、主人である新之助の誕生祝いのため、家族や友人ら11人が集っていた。だが、「めでたい発表がある」と言っていた新之助は、自室のベランダから飛び降り、亡くなってしまう。その死は、自殺として処理されたが、飛び降りる直前に掛かってきた電話の内容は誰にも分からなかった。そして、初七日。哀しみに沈む堂島邸で、新たな犠牲者が出る。謎に包まれた事件の真相を究明するべく、3人の刑事が独自の捜査を開始した。

2011年3月13日日曜日

乱反射 貫井 徳郎

深い、長い、ややこしい。。
最初読んだとき何がどう繋がっていくのかさっぱり分からなかった。
しかしタイトルの乱反射と示すように、いろいろなエピソードが
複雑に一つの事件に絡み合っていく。

その繋ぎ方というか、見せ方は見事。
最初の1/3さえなんとか乗り越えれば、あとはぐいぐい来るのでそこまで
是非読んでみて下さい。


内容紹介
ひとりの幼児を死に追いやった、裁けぬ殺人。街路樹伐採の反対運動を起こす主婦、職務怠慢なアルバイト医、救急外来の常習者、事なかれ主義の市役所職員、尊大な定年退職者……複雑に絡み合ったエゴイズムの果てに、悲劇は起こった。残された父が辿り着いた真相は、罪さえ問えない人災の連鎖だった。遺族は、ただ慟哭するしかないのか? モラルなき現代日本を暴き出す、新時代の社会派エンターテインメント!


2011年3月11日金曜日

小暮写眞館 宮部 みゆき

正直、さすがというか、あっという間というか。
宮部先生の作品は自分的にもこなれているんで、まったく不満や
負どまりがないけど、それにしてもこの量を一気読みさせる
筆力はすごい。

ただ、じゃあ内容や展開はどうなのよ、と聞かれると今までの
ものよりちと弱い。
読後感というか、何かが強烈に残る、ということは残念ながらない。
もしそれを求めているなら、、、他の作者のもっといい作品が山ほど
あると思う。

この作品は、この量を一気に読むことができる征服感と
時間がつぶせたことの喜びを味わうものだろう。


内容(「BOOK」データベースより)
もう会えないなんて言うなよ。あなたは思い出す。どれだけ小説を求めていたか。ようこそ、小暮写眞館へ。3年ぶり現代エンターテインメント。


2011年3月9日水曜日

青空の卵 坂木 司

すごいいい文体で、リズムも展開もいいんだけど、深みが。。
テーマも登場人物も台詞もいいけど、深みが。。

そんなもの要らないっていう話もあるけど。
作品としての質というか、作者の力量がものすごくあると思うので、
違うテーマでの展開や優秀は編集者との二人三脚、取材などを重ねれば
いい作品が量産すると思われ。

内容(「BOOK」データベースより)
僕、坂木司には一風変わった友人がいる。自称ひきこもりの鳥井真一だ。複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと、僕は日夜頑張っている。料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった様々な謎を問いかける。鋭い観察眼を持つ鳥井は、どんな真実を描き出すのか。謎を解き、人と出会うことによってもたらされる二人の成長を描いた感動の著者デビュー作。



2011年3月8日火曜日

ロードムービー 辻村 深月

なかなかなぜか他の本を読んでしまい、何度も図書館の延長借り出しをする
はめになって、もう読むか返すかしよう、と思っていやいや読んだら
ものすごいいい本だった。
というか、なぜなかなか手に取らなかったのか分からないくらい、衝撃を受けた本。

何がどれ、という表現は難しいけど、短編どれも衝撃や感動が必ずどこかに残る。
特に最初の短編は最後のほうで「なにーーーー」ってくらい衝撃を受ける。

レビューには他の作品と微妙に繋がっているエピソードもあるらしいので
いろいろ読んでみたいと。


内容(「BOOK」データベースより)
誰もが不安を抱えて歩き続ける、未来への“道”。子どもが感じる無力感、青春の生きにくさ、幼さゆえの不器用…。それぞれの物語を、優しく包み込んで真正面から描いた珠玉の三編を収録。涙がこぼれ落ちる感動の欠片が、私たちの背中をそっと押してくれます。はじめましての方にも、ずっと応援してくれた方にも。大好きな“彼ら”にも、きっとまた会えるはず。


2011年3月7日月曜日

アレグリアとは仕事はできない 津村 記久子

やばい、、ぜんぜん覚えていない。。読み飛ばしたか、途中でやめたか。。
逆にそのことを良く覚えておかないと。

内容(「BOOK」データベースより)
「この会社に来て、もっとも低い立場からそのキャリアを始め、今もそこに留まっているミノベ」の、職場での孤独な戦いと人間模様を、独特のユーモアとパワーで描く意欲作。

2011年3月6日日曜日

モルフェウスの領域 海堂 尊

バチスタシリーズを一つでも読んだ人はいつもどおり楽しめる作品。
だけど、他の作品にくらべドスンと落ちてくるものはない。

医療資料や医療記事を読んでいるような作風はますます強くなった。

内容(「BOOK」データベースより)
日比野涼子は桜宮市にある未来医学探究センターで働いている。東城大学医学部から委託された資料整理の傍ら、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年・佐々木アツシの生命維持を担当していた。アツシは網膜芽腫が再発し両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために五年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が立ちはだかることに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する―“バチスタ”シリーズに連なる最先端医療ミステリー。


2011年3月5日土曜日

シンデレラ・ティース 坂木 司

さわやかな青春ものですね。
短編でサクサク読めて、それぞれちょっとしたミステリー+推理ものにも
なっているのでいろんな面で楽しめます。

ただ、続編はないだろうなあ。。

内容(「BOOK」データベースより)
サキは大学二年生。歯医者が大嫌いなのに、なぜかデンタルクリニックで受付アルバイトをすることになって…。個性豊かなクリニックのスタッフと、訪れる患者さんがそれぞれに抱えている、小さいけれど大切な秘密。都心のオフィス・ビルの一室で、サキの忘れられない夏がはじまる。


2011年3月2日水曜日

ジェミニの方舟 東京大洪水 高嶋 哲夫

(後日で修正しました。この作品を読んだ後に東北大震災が発生しました)

作品自体は非常に面白く、実際のシュミレーションやそれを推し進める
人々の苦悩、災害の怖さやその後の怖さなどがリアルに描かれている。

人の生死の話はおいといて、災害時のパニック模様や政府の対応、東京に住んでいる
人たちは今何を考え、何をしなくてはならないか切実に考えさせられる力作。

是非読んで。

出版社 / 著者からの内容紹介
空前の双子台風が東京を直撃。大洪水に備えろ!
大型の台風23号と24号が合体、巨大台風ジェミニが東京を襲う! 愛する家族は、都民は、首都水没の危機を乗り越えられるのか!? 最新研究を元にリアルに描く『M8』を凌ぐ災害パニック大作。