2008年8月31日日曜日

毒 poison  深谷 忠記

いろんな話が入り組んで、何が毒で、何が悪か分からなくなる。
でも筋は一環していて、間違ってない。

丁重な説明と、思わぬストーリー展開であっという間に読んでしまう。
ミステリーを純粋に読みたいと思うなら、これで問題なし。



出版社/著者からの内容紹介
ある朝、少年は父を殺そうと思った。母に罵詈雑言を浴びせ、暴力をふるう父に対し、少年は恐怖を覚えていた。
そんな少年が父を殺そうと決意したのは「あの言葉」を聞いたからだった。書下し長篇。

2008年8月23日土曜日

真夏の島に咲く花は  垣根 涼介

まず、フィージーが舞台の話なので、それすら嫌な人は正直向かない。
自分も認知度や親近感からか、日本が舞台の作品以外はあまり読まなかった。

これも、フィージーが好きな人でないとちとつらいかも。
ただ、展開や文体は悪くなく、フィージーのことを知らなくても
なんとか付いていくことはできる。

しかし、海外が舞台の青春ものって、、、どうしても楽しめないなあ、、。


内容(「BOOK」データベースより)
この島には、今までの人生で知らなかったものが、絶対にある―。2000年のフィジークーデターで人種の違う四人の若者は、何を見つけたのか。日本から両親と移住してきた良昭、ガソリンスタンドで働くフィジアン・チョネ、父のお土産物屋を手伝うインド人・サティー、ワーキング・ビザでフィジーに来た茜。「地上の楽園」を探し始めた男女の青春群像。

2008年8月21日木曜日

昭和出版残侠伝  嵐山 光三郎

出版業界の内幕や編集者とはナンだろうという人への入門書めいたもの。
特に本つくりの面白さや流れなどが分かりやすく書いてあり、かつ実話なので
臨場感もある。

ただ、残念なことに嵐山さんの文体がいまいち。。
本人の癖なのかわざとなのか、キャラクター設定が強すぎるので
本当に知りたいことがダイレクトに伝わってこない。

業界好きなら何とか読めるが、そうでもない人は別の本でもいいかも。


内容(「BOOK」データベースより)
80年代はじめ。出版が躍動していた時代!写真週刊誌、男性誌など雑誌創刊ラッシュ前夜、老舗出版社を退職し、出版社を起こした著者と仲間たち。出版界躍動の時代を描く、疾風怒涛悪戦苦闘の嵐山版・出版風雲実録。

2008年8月20日水曜日

一瞬でいい  唯川 恵

まあ、これがよくある人生丸抱えの作品展開なんだけど、どーしても
先が気になってぐいぐい見てしまう。

流れもオチも予想りかもだけど、それ以上にリズムや細かいエピソードが
いい感じ。

唯川先生の作品が好きな人には文句なく、それ以外でもラブストーリーを深く
かつ、宗教くさく説教くさい形が嫌いな人には是非。


内容紹介
1973年11月、浅間山での出来事が18歳の二人の少女と一人の少年の運命を変えた。
事故の重みを胸に秘め、大人へと成長してゆく三人。
著者が自らと同年生まれに設定した主人公たちの18歳から49歳までの人生の軌跡を描く、
すべての世代に贈る31年間のラブ・ストーリー。


2008年8月19日火曜日

風に舞いあがるビニールシート   森 絵都

表題とはおよそかけ離れたえらいまじめで且つ恋愛もの。
ボランティアの人たちの話が表題のネタだけど、それ以外も
結構深い。

恋愛が多く、かつ人生考える系なので好き嫌いはあるかも
だけど、短編なのでどれか一つは気に入ると思う。

ちょっぴりさくっと泣きたいときにはお勧めかも。



内容(「MARC」データベースより)
国連で難民事業に携わる里佳は、上司で元夫のエドがアフガンで死んだという知らせを受ける。そして、エドがアフガンで助けた少女のことを伝え聞き-。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。


2008年8月17日日曜日

後継者 安土 敏

こんなにうまくいくもんかぁ、と思いつつも、スーパー業界の内幕を
知る本としては面白かった。

このモデルとなった企業を知りたいと思いつつ、調べられなかったので
そこが残念。
全て実話っぽいので、ビジネス系が好きな人にはたまらない一冊。


内容紹介
ゴルフ三昧でスーパーマーケットの経営なんて全く分からない二代目が、オヤジの突然の死に直面する。提携話が進んでいた大手スーパーは、実は乗っ取りを画策しており、オヤジの死はそれに関係しているらいし事をしる。幹部たちに励まされ美人流通経済学者に指導を受け、ゴルフに擬えて経営を学ぶ二代目。新方式導入で大手と勝負する、後継者の成長物語。

2008年8月10日日曜日

だれが「本」を殺すのか 佐野 眞一

有名な本だけど今更読みました。
書かれた時代は2000年なのでちょっと古さは感じるけど
本屋の実情や地方の新しい取り組み、編集者たちの努力や伝説
めいたところは臨場感があり面白い。

ネットの話も出てくるが、少し的外れで現状分析で終わっているのが残念。


内容(「BOOK」データベースより)
活字離れ、少子化、出版界の制度疲労、そしてデジタル化の波―いま、グーテンベルク以来の巨大な地殻変動。未曾有の危機に、「本」が悲鳴を上げている!!この「事件」を、豪腕「大宅賞」作家が取材・執筆に丸2年1千枚に刻み込んだ渾身のノンフィクション。

2008年8月8日金曜日

ROMES06  五條 瑛

空港テロの話。
と書いてしまうと面白さがまったく伝わらない。
空港テロ自体はたいしたことはなく、どちらかというと、その動機の部分だったり
それを防御するシステムのほうに話の主眼が置かれている。

展開も面白く、主役の成嶋が魅力的でシリーズになるんじゃないか的な役回りをしている。


内容(「BOOK」データベースより)
世界最先端の施設警備システムROMESに守られた海の要塞、西日本国際空港。だが、ROMESの全貌を知る者は、西空警備チームでもただひとりだけ。成嶋優弥。ROMESの最高運用責任者。鋭い知性と飄々とした言動で他人をケムに巻く、常識はずれの天才が信じるのは、愛犬ハルと、自らが運用するシステムのみ。ある日、西空に複数のテロの予告状が届く。そしてROMESの警告装置が作動した!?成嶋とテロリストたちの、知と情を賭けた白熱の攻防が始まる。

2008年8月6日水曜日

この指とまれ -GONBEN-  小川 勝己

短編だけど、長編でもそれぞれ楽しめたであろう作品。
詐欺がテーマだけど、最後までオチが読めない。

読者に詐欺を仕掛けているような作品。
最後の最後でまたもや読めないオチがあるので、、いきなり最後の短編は読まないように。。




内容紹介
美貌の女子大生・椙浦夏子は、稼いだバイト代全てを貢いだ恋人を、社長令嬢・日ノ原麗華に奪われた。「お金持ちになって、あのふたりを見返してやる!」と誓う夏子は、大学の同級生で体育会スキー部に所属する鹿沼歩、父親が会社で不正を働いて逮捕されたスキー部の後輩・吉田博貴、夏子がバイト先のキャバクラで知り合った長谷川夏樹らを仲間に加え、詐欺グループを結成する。学生サークルのノリでカモを騙す計画を練る彼女たち。数多のビジネスの成功に味をしめ、より大物をターゲットに定めるうちに、いつしかヤクザや警察を敵にまわすことになって……。最凶の知能犯たちが罠を仕掛け合う、ノンストップの札束争奪戦を迫力満点で描いた、鬼才の傑作青春クライムサスペンス!


2008年8月4日月曜日

夕陽はかえる  霞 流一

書評が高かったので読んでみたけど、、、まあよくマンガチックな話。
登場人物に個性があるので、読んでいて飽きないけど好き嫌いは分かれる。

サクサクと単純に、それこそマンガチックに小説を読みたい人には大丈夫かも




内容紹介
こんなミステリを待っていた!

不可能犯罪(ロックトルーム)×非情活劇(タランティーノ)×謀略(エスピオナージュ)

殺し屋が繰り広げる殺し合いの修羅場で殺人事件。
殺し屋の探偵が、殺し屋殺しの謎を巡り、殺し屋の容疑者を追及!

任侠推理か、マカロニ本格、それともパズル・ノワール?!

プロの暗殺組織〈影ジェンシー〉で実務を手掛ける〈影ジェント〉の一人、〈カエル〉が不可能状況で殺された。明らかに同業者の手口。同僚の瀬見塚は、〈カエル〉の遺族の依頼で真相を追う。だが、〈カエル〉の後釜を狙う〈影ジェント〉たちが瀬見塚に刃を向け、彼らの怪奇を尽くした決闘の応酬は〈東京戦争〉と呼ばれるほどに発展していく。殺し屋による殺し屋殺しと推理の行方は? 背徳のSin本格誕生!

2008年8月3日日曜日

青い鳥  重松 清

さすが、重松作品。
期待どおりの感動ストーリーを届けてくれます。

短編集で、一人の吃音の先生が軸となり、問題児と呼ばれる
生徒たちへ、不器用に、でも心の中にしっかりと言葉を届けていく。

簡単な先生モノでもないし、そう簡単に人は立ち直らないけど
それでもいい感じで光を残してくれます。

中でも昔教わっていた生徒が偶然再会する話は必読。
泣けます。

PS
先生は「大切なこと」だけ教えてくれます。


2008年8月2日土曜日

魔性 渡辺 容子

設定はありがちだち、展開も普通。オチも強引。。
よくある話すぎて、途中で眠くなったけど、一応推理ものなんで
強引にオチだけ読みました。

読む価値なし。借りる必要なし。覚える必要あり、です。

内容(「BOOK」データベースより)
鈴木珠世二十九歳、独身、元OL。引きこもりの彼女は、仲間と贔屓のプロサッカーチームを応援するときだけ、生きている実感を味わえるのだ。ところが、試合当日、仲間のひとり、高校生のありさが何者かに殺された。殺人者は仲間の中に!?犯人捜しに乗りだした珠世を待ち受ける運命は…。実力派が五年ぶりに世に問う問題作!人間関係の裏に隠された現代社会の病巣。


2008年8月1日金曜日

リミックス 藤田 宜永

まあ、、たまにはいいかなーくらいの恋愛冒険もの。
途中から彼女探しになるんだけど、彼女の秘められた出来事なども判明しつつ
いろんな過去が暴かれていく、、みたいな話なんだけど、正直たいくつ。

オチも「あ、そっそ」程度なので、作者のファンがなんとなく読む程度かと思われ。



内容(「BOOK」データベースより)
藤巻友也(41)、かつては人気の「DJアミーゴ」、今は便利屋で働く身。冬実(21)、ラッパー志望の、とにかく気ままな女の子。追いつ追われつ。ふたりの“純愛鬼ごっこ”のたどる結末は!?がんばれ!優しいダメ男、この愛だけは見失うな!!直木賞受賞から5年、純度100%・究極の“恋のかくれんぼ”。