2012年8月3日金曜日

月は怒らない 垣根 涼介

これまた業が深い作品だこと。
内容紹介を見ると、男女の取り合いのような話に聞こえるけど
まったくそんなんではなく、ものすごい境遇にいたある男女が
こういった形で引かれていく、というようなちょっと説明しずらい
話し。
ただ筆力がものすごくあり、あきさせないリズムと展開なので
あまり深く考えずに是非読み出して欲しい。

最後は読んでいたような思いがけないようなオチが待っている。


内容紹介
梶原33歳●仕事は多重債務者の借財の整理。謄本の代理人申請のために訪れた市役所の戸籍係の女を一目見た瞬間、声を失った。弘樹20歳●バーで女がチンピラに絡まれて目の前で転んだ。助け起こした瞬間、女の顔に釘付けになった。和田34歳●勤務先の交番の前の市役所に自転車で通う女。既婚者のくせに俺はいつもその女を探している――。化粧もしない。服も地味。美人でもないその女・恭子に3人の男たちは、どうしようもなく魅かれていく。一方恭子は男たちの求愛を受け、3人と付き合い始める。接点のない3人だが、それぞれに思う、恭子は不思議な女だ。決してモノを欲しがらない。故郷や家族のことは話さない。会っている時間以外のことは未知。でも魅かれる。理由は何だ、いったいこの女の過去には何があるのか……。3人の男たちの視点を通して、恭子というなぞの女の正体が焙り出されていく。人と人との繋がりの意味を問う著者渾身の挑戦作


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