2007年11月6日火曜日

一瞬の光 白石 一文

男女のぐちゃぐちゃ系(といっても変な意味じゃない)でありつつ
ビジネスの要素もある。
ビジネス系が読みたいけど、エンタメ要素も欲しい人にお勧め。

ただし、男女系のネタが強く、重く、いろんな意味で考えてしまう作品
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橋田浩介は一流企業に勤めるエリートサラリーマン。38歳という異例の若さで人事課長に抜擢され、社長派の中核として忙しい毎日を送っていた。そんなある日、彼はトラウマを抱えた短大生の香折と出会い、その陰うつな過去と傷ついた魂に心を動かされ、彼女から目が離せなくなる。派閥間の争いや陰謀、信じていた人の裏切りですべてを失う中、浩介は香折の中に家族や恋人を超えた愛の形を見出していく。
著者はデビュー作である本書で、「人は何のために生きるのか」「人を愛するとはどういうことか」という大きな問題に取り組んでいる。観念的になりがちなテーマを軸にしながらも、背景となる企業社会を残酷なまでにリアルに描くことで、地に足着いた存在感のある物語を作り上げた。無慈悲な現実の渦に見え隠れする感動、生きる喜び。そうした一瞬の光を求めてがむしゃらに生きる一人の男の姿が、そこにはある。

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