2009年11月19日木曜日

永遠の0 (ゼロ) 百田 尚樹

完全に戦争の話。
もちろん、テーマもそうなんだけど、メインである祖父探し
や謎解きよりも、太平洋戦争の裏側的な話や、実態めいた
ことが主軸として書かれている。

また、零戦の性能や当時の武器や飛行機、空母などの専門的な
分析も多く、それはそれで面白い。

戦争の悲惨さをこれでもかと書くわけでもなく、どちらかというと
武器からの側面や作戦的な側面から現実的に戦争の内幕を描いている
ので、思いっきり暗くなるような内容じゃないので、ある意味
安心して読める。

また最後の最後で、メインでもあった祖父探しの大逆転的
オチがあり、それもちゃんと複線も複線も張っていたので
エンタメとしてもいい出来。

あの当時の現実を知りたくてもなかなか一歩踏み込めなかった人には是非。

内容(「BOOK」データベースより)
日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた…。人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り―それが祖父だった。「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻を志願したのか?健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語。

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