2009年12月2日水曜日

トーキョー・プリズン 柳 広司

この時代をテーマにした作品では群を抜いている柳先生の王道作品。

戦中戦後の暗部を見せながら、さらに戦争の是非、ひどさ、政府の
暗躍など殺人事件やミステリー以外でも楽しめる。

主人公の天才的な解説より、その天才がどうしてこうなり、最後どうなって
いくのかが気になる。
一面での展開ではなく、全てのエピソードや複線も楽しめる。

戦後モノでも簡単に楽しんで読みたい人には是非。

内容(「BOOK」データベースより)
戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪れた私立探偵のフェアフィールドは、調査の交換条件として、囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられる。捕虜虐殺の容疑で拘留されている貴島は、恐ろしいほど頭脳明晰な男だが、戦争中の記憶は完全に消失していた。フェアフィールドは貴島の相棒役を務めながら、プリズン内で発生した不可解な服毒死事件の謎を追ってゆく。戦争の暗部を抉る傑作長編ミステリー。

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